iOS をアップデートした途端に、入れた覚えのないパスコードを問われて慌てたとか、セキュリティアップデートかけたばっかりに、今迄出来ていたことが出来なくなるなど、兎角ネット絡みのトラブルは多い。
そのせいもあって、何かと評判の悪い新 iOS & OS X であるが、ユーザのセキュリティに対する意識がある程度上がらないと、善意で行われたものにも悪意を感じてしまうのは、仕方がないことではある。
セキュリティとはいえ、その実態は Java だったり Flash だったりが大半であり、悪意ある不正アクセスや悪意あるプログラムの実行を阻止することが、主な目的ということになっている。
もちろん善意の不正アクセス(というのも、サポート業務には全く無いとは言えない)や善意のプログラムも、この影響を受けて排除されてしまうことはある。
問題は、何事においてもそれが悪意なのか、それとも善意なのかの判断が出来れば、もう少しトラブルの範囲を限定できるのだが、それを判断するのは難しい。
そんなことが出来るなら、世の中の詐欺師と政治家は間違いなく全員が廃業に追い込まれるわけで、下手すりゃ真っ当と思われている企業にも多大な影響が及ぶことだろう。
ぶっちゃけ、これバレたらタダでは済まんよな、ということをみんな抱えて生きているのが現代社会である。
全く個人的な意見だが、過去25年以上アップルコンピュータのサポート業務に携わって感じることは、ウィルスによる被害よりウィルス対策ソフトによる被害の方が圧倒的に多いという事実からも、一般の危機感を煽るようなモノは所詮商売のネタに過ぎず、何事も過剰な反応は控えるべきであると思う。
だいたい、セキュリティレベルを上げたことによるトラブルと、上げなかったことによるトラブルは、いったいどっちが多いのだろう。
ただ、Mac のウィルス感染自体、宝くじに当たるより難しいとはいえ当たりが全く無いわけでもないので、多少遅れてもそれなりの対策は講じておく必要はあるだろう。
ネットに繋がっている限り、何処からやってくるやら予想できないモノだからこそ戸締まりは厳重にということであり、利便性と引換えの多少の不便をいつまでも論っていては、前に進めないことも事実だ。
いくら安定性重視の業務用だからといって、友人である某商店主のように古いシステムにいつまでもしがみついて引籠っている訳にもいかないのが、悲しくも厳しい現実である。
ま、そんなこたあどうでもいいのだが、お道具も使わないと勿体無いので、連日のカメネタである。

せっかく機材が揃ったと思ったら、途端に出番が少なくなるというのはよくあることで、物事タイミングを外すとままならない。
別に無理して使う必要もないんだが、機材チェックという口実で例によって、定点観測キリンビールである。
前回の柿の木では、撮影ポジションがモロに県道沿いということや、その後の山々も事前に当たりをつけて廻った訳でもない、言わばお散歩みたいなモノに過ぎないという事情もあって、あまり落ち着いた撮影行ではなかった。
今回も仕事のついでといういつものパターンで、スケジュールを前後逆にしたせいであまり時間的な余裕はないが、午後の比較的早い時間であったため、光量は十分足りている。
とはいえ、現場に向かう時点でもうすでにかなり怪しい空模様であり、撮影を始めて30分もすると、小雨がぱらついてきたのだ。
万全の全天候態勢で臨んでいたなら、晴れ時々曇りところにより一時雨などという展開は大変美味しいシチュエーションなんだが、この日はあまりにもついで過ぎる態勢だったし、新たに購入した水準器の誤差確認が出来た時点で、早々に引上げざるを得なかった。
ちなみに、今回のネタである水準器は、初お目見えの堀内カラー・ニュー2ウェイ水準器(HCL-35420) である。これもたまたま当たりだったのか、UNX-5685 とほぼ同等のズレで収まっている。通常使用ではローテイト&ティルトの横位置専用であり、形式としては HAMA 5411 と同じで縦位置では付替えが必要である。
ただ、被写体に対してティルト方向の正対は個人的には少ないし、縦位置用のままではバッグに納まらないので、形状としては UNX-5685 の方が使いやすい。
目盛りが液面に接しているので視差が生じないというのがウリだが、残念ながらこの形状のアクセサリーシュー水準器で、目盛りが液面に接していないモノには未だお目にかかったことがないので、そのメリットも実感できない。また、無職透明で見やすいというのも、逆のような気もしないではない。
水平方向は割と正確に見えるが、通常位置でのティルト方向に関しては、ちょっと怪しい。レベリングベースと DT-02 でティルト方向にも正対しているはずの時も、若干の前上がりを示す。
ためしに、パンベースでなく DT-02 のトッププレートに付いている、DDH-02i によるカメラベースのパン機能で 180° 回頭させても、やはり同じように前上がりのままで気泡は動かない。
おい、それっておかしくねえかと思ったが、DP3M 上ではそこが、コイツにとっての中心点なんだろう。ローテイト(スイベルともいうが)方向の基準は設定が難しいが、ティルト方向は、だいたい遠方の同じ高さの被写体に合わせることで、ある程度正対の判断は可能である。
縦位置では、このティルト方向の気泡が水平基準になるので、もう少し突っ込んだ検証は必要だろう。しかし、防滴仕様ではない SIGMA DP にかかる水滴が気になりだす雨量になったので、慌てて機材の撤収を始めた。
帰り支度を終えて振り返って外を見れば、俄に日が差して突然辺りが明るくなる。雨は降っているが日は照っている天気雨で、いわゆる狐の嫁入り状態である。それでも、雨が降っていることに変わりはないので、カメラをバッグからもう一度出すことはなかった。
さてそろそろ仕事に行くかと、エンジンをかけようとしてふと前を向いたら、巨大なネズミがよたよたと歩いて車の前を横切り、まだ刈入れが終わっていない田んぼに向かっている。
たぶん、この界隈ではたまに見かけるヌートリアだろうが、あんなもんが突然目の前に現れたらフツー固まる。チラッとこちらを振り返って田んぼに消えたその姿を見て、思わず笑いだしてしまった。
が、iPhone を取出すのがやっとの5秒ほどの出来事であり、カメラアプリが起動した時にはもうその姿はない。
こういうのが、シャッターチャンスというものなんだろうなあ、などと脱力感に浸りながら、左手に虚しくカメラが起動した iPhone を持ったまま、ぼんやり外を眺める。
おいおい、カメラを仕舞った途端にヌーちゃんに続いて虹かよ〜。タイミングを外す日は徹底的に外すもので、土手の彼方には虹が出ているではないか。
そうきたかとばかりに、手に持っていた iPhone 5 で撮りあえず何枚か撮影は出来たが、カメラバッグに手を伸ばした頃には、もう判別不能なほど薄く消えかかっていた。
画質にはこの際目を瞑って、iPhone 5 の写真をパノラマテストとして、PSE8 で繋いでみたのだが、…。あれだけ、大仰な機材を用意しながら結果は、まだまだこんなもんである。標題のクエスチョンマークの理由は、そんなところにもある。
本来なら、iPhone 5 に標準で備わっているパノラマ撮影機能を使うべきところなんだが、慌てたときにはなかなか臨機応変、当意即妙とはいかない。七転八倒、四苦八苦がやっとであり、七転八起に繋げるためにも万事場数を踏むしかないのである。
せめて、たぶんあのヌー公、ほれ空を見ろと言いたくて振り返ったに違いない、と考えることにしたのである。
…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2013.11.12] パノラマテスト? 〜より転載&加筆修正
0 件のコメント:
コメントを投稿