2012年6月14日木曜日

必要な変更なのか?

MagSafe 2

MagSafe は、MacBook シリーズ本体にパワーアダプタからのケーブルを、磁力によって吸着するタイプの電源コネクタである。

電気ポットなどの家電製品で多く採用されており、要するに電源ケーブルにけっぱんづいても簡単に外れて、熱湯を浴びるような悲惨な事故を防ぐ目的で開発されたのであろう。もちろん、Mac の場合は給湯機能を搭載された機種はまだないので、現時点では本体の落下による破損を未然に防ぐこと、が主目的である。

2006年1月、Macworld Expo で発表された MacBook Pro 15 [MA463-464J/A] に採用されたのが最初であり、今年でもうはや6年目になる。その MagSafe が、今回その形状を厚み方向で薄くなって MagSafe 2 と命名された。MacBook Pro 15 Retina ディスプレイモデルの筐体に合わせた変更であろうことは、容易に想像できる。

しかし、エッジ部分の薄さという点においては、それ以下である 2008年1月に発表された初代 MacBook Air では、その薄い筐体に接続するため、本体下面(斜下)に向けてかなりトリッキーな方法で装備されていた。実際に使ってみると結構使いづらく、置き方によっては本来の Safe の部分に関してかなりアヤシイ面があったことも否めない。

たぶん、ついでだろうが MacBook Air も 2012年モデルでは、2010-2011年モデルと外形寸法に全く違いが無いにもかかわらず、薄型の MagSafe 2 に変更された。後になって考えりゃあ、あのときこうしておけばと思うことはよくあるが、アップルの場合まいど「オラが規格」で新設計するんだからもう少し考えてからサイズを決めることもできたろう。今更であるが、2006 年の時点で MagSafe の高さ方向をせめて USB 程度に設計しておくべきだったろうという気もする。

いや、それよりも現時点であの程度のリサイズで十分なのだろうか、という心配も出てくる。どうせならもっと先を見越して、革命的な電源の取り方を採用しても良かったんではなかろうか…と。(特許まで取得して、サードパーティの参入を規制しているんだからね)

今回アップルとしては珍しく、[MD504ZM/A] MagSafe − MagSafe 2コンバータ(¥980)を同時発売して、旧タイプの MagSafe 電源を所有しているユーザにも配慮するという、小技も披露している点は評価できる。

加えて細かいところだが、MacBook Air シリーズに対しても従来本体側面に対して平行に配置された接点部分が、デビュー当時の MagSafe 電源のように直角に接続される形状に変更された。見た目は確かに平行が良いのだが、これも同様に Safe の部分が期待できなくなることに配慮した変更であろう。

また、同じく [MD463ZM/A] Thunderbolt ギガビットEthernet アダプタとThunderbolt FireWire 800 アダプタというものも発表されたが、現時点で後者の FireWire 800 アダプタは本国の Apple Store にも登録されていない。

どうせ Thunderbolt 絡みで出すなら Thunderbolt USB 3.0 アダプタというのも欲しい。できれば、Thunderbolt 1 Port の反対側にディスプレイポートやサウンド入出力も含めて全部入りがついてりゃ面倒がなくていい。かなりブサイクなデザインになるのは避けられまいが、せっかくのマルチインターフェイスである Thunderbolt も、それぐらいでないと同時に使えないからあまり意味がないと思う。ベルキンかグリフィンあたりで出してくれんかなあ…、余談である。

そんなことより気になるのは、今回の新製品で行われた、各ポートの名称がレタリングされた位置の変更である。

2010年モデルでは、各ポートのリアエンドよりに記載されていたレタリングが、すべてフロントエンド側に変更されている。単純に考えれば、ケーブルを差し込んだ後に隠れて見えにくいから変更したんだろうと予想される。しかし、まさかこの2年の間、誰も気がつかなかったわけぢゃないだろうが、それなら前回の2011年モデルでは、なぜそのまま放置したのだろう。各方面からの賛否両論を上手くまとめることができなかったから、なんてことでなけりゃよいのだが。

だいたいポート(穴)の位置なんか差込む前には気にするが、ひっこ抜く時には誰も見やしないから、ケーブルに隠れて見にくいなんて文句いうヤツはまずいない。そんなことに突っ込みを入れるヤツいるとすれば、たぶん…。

だから、どうでもいいくだらないことなんだけど、こんな行き当たりばったりの対応を見るにつけ、最近のアップルにはこんな細部のダメ出しをする役回りの存在が欠けているようで、ちょっと気になった点である。

ま、過去には「逆さまアップルロゴ」の例もあることだし、細かいところにも気を配っているんだぞと、エラそうにフカしている割には、結構ヌケているところもあるアップル製品でした。

…ということで、ヒトツよろしく。

2012年06月某日 Hexagon/Okayama, Japan




[2012.06.14] 必要な変更なのか? 〜より転載&加筆修正

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