2013年11月29日金曜日

過程が重要

さすがに、前回の紅葉はいつもに増してロクな写真がなかった。

撮っている最中は、それなりに楽しんでいたつもりだが、時間を気にしながらというのは、楽しみもやはりそれなりでしかない。

ここ最近は、カメラを持って出ても何かのついでだと、ついバッグから出すこともなく帰ってしまうことが多い。何枚か撮っても現像する気にもならない出来であり、今まで臆面もなく晒した写真でさえあの程度なんだから、その却下写真のレベルは推して知るべしである。

個人的には写真を生業にしているわけではないので、過程こそが最重要事項であり結果である写真の良し悪しは、実はどうでもよかったりする。

もちろん、苦労して撮れた写真には、それが狙い通りの絵だったりすると大きな喜びは感じるものの、その苦労の過程でさえどこかに楽しみとして転化できる部分があるからこそ、趣味として成り立つのである。

自分にとって、その過程が楽しめないモノには興味がない。ましてや、金にもならないことに精力を注げるのはそれが面白いからであって、それ以上の多くを望んでいるわけでもない。要は、楽しく撮れりゃたとえ結果は大外れだろうが、それでいいと思っている。

そんな甘えたことを言っているから、なかなか上達もしないのだが、外した写真をネタに反省材料と称して晒せば、多少の笑いもとれるだろうし、次につながる可能性もある。

逆に、予想外のマグレ当りな好結果なら、自分の中で適当に折合いをつけて自画自賛すれば済むことであり、狙い通りの絵が撮れる割合が少しでも増えることによって、自分自身の腕が上がったことを実感できれば理想的である。

ただ、写真としての出来映えと絵的な良し悪しが、必ずしも一致しないことも少なくない。

狙い通りとはいえ、その狙い自体がズレていたり間違っていたりでは、結果としての写真はそれなりにしかならい。予想外の好結果というのは、そんな狙いを外した時に発生しやすく、未だに怪我の功名的な写真も後を絶たない。

それこそが、写真を撮り続けるモチべにもつながっているので、あながち否定できるものでもないが、結果はどうあれ過程が楽しくなければ喜びも半減する。

しかし、その過程がイマイチな上に結果が酷いと来れば、これはもう救いようの無い最悪な状態であり、楽しい言い訳にもつながらない。ある程度以上の腕前なら、一時的なスランプなどという言葉で片づけられるのだろうが、残念ながらそこまでのレベルには達していない。

したがって、結果としての写真が多少出来が良かったとしても、必ずしもモチベの改善につながらないのは、アマチュアの厄介な点である。

別に、iOS 7 が史上最悪のアップデートであることとか、マーヴェリックスがクソ過ぎて使いづれえ、などという不満が原因でもない。日常生活には何の支障もないし、取り立てて鬱な気分でもないのだが、何故かカメラに手を伸ばす気になれないだけである。

おそらくは、単なる気分の問題であり、気の持ちようでどうとでもなる気紛れの類いに過ぎない。

ま、何がきっかけになるかわからないので、写真に関しては徹底的に凹んでみるのも一興であろうと思うので、暫くはこんな雑談でお茶を濁すことにする。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.11.29] 過程が重要 〜より転載&加筆修正

2013年11月23日土曜日

紅葉?

季節柄、あちこちで紅葉の写真が披露されている。

先日、少しばかり先走ったため期待した紅葉は撮れなかったんだが、ここ2〜3日仕事での通り道では、其処彼処に色づいた木々を多く見かけるようになった。

天気が良ければ、お山の方でも今週から来週にかけてが、見ごろ撮りごろになるに違いない。

植物関係にあまり興味がない者が撮る紅葉写真に、如何程の価値があろうかと思うが、紅葉(もみじ)という科や属が無いことを知ったのも、ではどうして広島にはカエデ饅頭が無いのだろうという疑問を持ったのも、実は今世紀に入ってからであり、愛知県には「かえで饅頭」が存在することを知ったのは、ほんの15分ほど前である。

残念ながら、今週と来週は珍しく多忙のため、遠方に出掛けることができないので、昨日客先からの帰り道に見かけた西大寺某所のとある公園で、お茶を濁すことにした。

毎度お馴染の、姑息写真である。間違っても、目を瞠るような真っ赤かを期待してはならない。我ながら、侘びしいにも程があると思うが、最近あまり気合いを入れても結果に結びつかないことが多いので、ちょっと力を抜いてみた。

したがって、初心に帰ってお道具は一切無し、全て手持ちの DP3 Merrill 一本勝負である。(て、ただ DP1 Merrill 出すのが面倒だっただけね)

撮り始めた時には、日も差して天気もそれほど悪くなかったのだが、10分もしないうちに雲ってきた。ついさっきまで、f3.5 1/1250 秒シャッターが切れたのに、いきなり f2.8 1/25 秒まで光量が激変するんだから、油断も隙もあったもんではない。

また、時折強く風が吹いており、ほど良く赤く染まった葉に狙いをつけて、別角度からもう一枚と思った次の瞬間には、枝から飛ばされてすでにその姿は無かったりなど、なかなか落ち着いて撮らせてはくれない。

飛ばされた葉っぱでも追いかけて、ドラマチックなストーリーでもデッチ上げるかとも考えたが、人目もある公園でカメラ片手にあまり奇異な行動を晒して通報でもされたら、カッコつかないのでやめた。

次の予定もあり、実質30分ほどで引上げたのだが、ん〜、やっぱちょっと力を抜き過ぎたかな。(自画自虐)


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

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[2013.11.23] 紅葉? 〜より転載&加筆修正
なお、本家には写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

2013年11月20日水曜日

時を知ること

雑談なヒマネタを一席。

以前、ここでも紹介したことのあるスイス国鉄の時計、そのデザインを使用したスイスのモンディーン(Mondaine)というブランドの時計に、外見のデザインだけでなく、その特異な動きを再現した製品がある。

秒針が58秒で一周し、正時の位置で2秒停止後長針を一分進めてから、停止していた秒針がおもむろに動き出す、という見ていてなかなか楽しい時計だ。

stop2go と命名されたその時計、並行輸入品としてはすでに9月あたりから出回っているようだが、正規代理店?での扱いも今月から始まったそうだ。

何年か前にも製品化されたが、故障が多く自然消滅的にカタログ落ちになってしまったようで、満を持しての復活モデルということだが、はたしてそのデキはどの程度のものなのだろうか。

機能紹介の動画を見る限り、ムーブメントはクォーツであるにも関わらず、秒針は見慣れたクォーツ時計のカクカクしたものではなく、一秒を何回かで刻んでいる。

オリジナルのスイス国鉄の時計が、スイープセコンドと呼ばれる連続した回転(に見える)秒針の動きであるのに対して、一秒を4振動程度で刻むお勤め品の機械式時計にありがちな仕様に遺憾の意を示すマニアもいるようで、あまり盛り上がっているようには見えない。

スイープセコンドといえば、1971年の音叉式時計シチズン・ハイソニックである。60年代後半からセブンスター、クリスタルセブンなど、シチズンを愛用してきた身にとっては懐かしい響きがある。

さすがに音叉式時計のように毎秒 360 振動とまではいかないものの、機械式でもお高いものは毎秒8振動(28,800/h)というのがお約束のようになっており、振動数が精度を識別する判断材料にもなっている。

電源の供給源であるバッテリーも、時計用としては掟破りなデッカいコイン型リチウム電池(CR2032)を採用している点でも、その機構自体が一筋縄では行かないことを物語っている。どうせ電気仕掛けで秒を刻むなら、スイープセコンドのような連続した動きを再現できなかったのだろうか。

ある程度高い精度を持ってそこまで再現すれば、ブランドに対する認識も変わっただろうと思うし、その価格に見合う評価も得られたに違いない。

モンディーン自体、所詮雑貨屋時計に過ぎないとの否定的な意見もあるようだが、それならいっそもう少し安けりゃ、少なくとも余興としては面白いモノになったはずだ。

昨年、アップルがスイス国鉄のデザインを無断でパクったことで、一般にも広く知れ渡ることになり、正規ライセンス先であるモンディーンも間接的とはいえ、少なからず潤ったはずだ。

その結果が、今回の stop2go 復活になったのかどうかは知らないが、スイス国鉄に対して大枚(17億円)払ったにも関わらず、当のアップルは一年ほどでまた iOS の時計のデザインを変えている。その経緯は、外野席からはよく分からんのであるが、たぶんいろんな裏事情があるのだろう。

マニアックなモノほど、拘りに対して一手間を惜しんで手抜きをすれば、おのずと評価は下がる。その点においても、共通した残念感が漂う両者であるが、現状そこそこ売れていれば問題はないと考えているのかもしれない。

これは親父キャグだが、モンディーンの綴りもローマ字読みをすれば、モンダイネェ(Mondaine)と読めるところも笑えるよね、ね、ね。(^^)

恥多き80年代末期、庶民まで浮かれたバブル期に購入して以来、長年愛用している某機械式腕時計のゼンマイがその寿命を迎え止まってしまった時、当面のつなぎとして安い電池時計でもと、久しぶりに最近の時計事情に触れる機会があった。

いくら何でも一万円ぐらいはするだろうと考えていたのだが、その価格の下限は予想を大きく下回っていた。まともな腕時計の格好をしたものでさえ、千円以下がざらに存在する事実に軽い眩暈を覚えながらも、元来の時計好きにはちょっと嬉しい事態でもあった。

もちろん、元はどこかの高級ブランド品なんだろうが、形としては気に入ったものの、およそその値札に見合う価値までは見いだせないモノもが多い。しかし、パチモノ承知であればまんまそのデザインの安物がゴロゴロしているのが、時計業界である。

当面は、オーバーホール費用捻出の目処が立つまでの繋ぎとして、その後は車載用の時計としての転用も視野に入れながら、視認性第一のデザインを考慮してミリタリーウォッチのジャンルから物色していた。

ミニには標準で時計さえ装備されていないのだが、裏を返せば自分の気に入った時計を選択できるというポジティブシンキングに繋がるのだ。

コレはと思うものが何種類かあったのだが、そんな中で少し離れていても、視認性の良い航空機の計器のようなデザインの時計に目が止まった。

オリジナルは Bell & Ross というメーカらしいが、日常腕に巻くのはご遠慮申し上げたいサイズとデザインでもあるし、当然ブランド品のオリジナルは手が出ない価格である。

腕に巻くなら、フォルティス(FORTIS)やジン(Sinn)にも、いっそ直球でブライトリング(Breitling)やレビュー・トーメン(Revue Thommen)など、いったい何のために時計を物色していたかという、当初の目的をつい忘れそうになるほど、その手のデザインには選択肢は多いのだ。(おっと、あぶねえ余談である)

クラシカルなプロペラ機に搭載されている計器類のようなその時計は iPhone 用の無料アプリもあり、しばらくは時間が表示されるだけの単純なアプリでお茶を濁していた。

そのアプリを眺めている時にふと思い出したのが、タグとの連名になる以前のホイヤーが、1960年代に製品化していたラリーマスターという、ストップウオッチとペアになった車載用計器だ。

当時、創刊間もないホリデーオートかなにかの車雑誌で見かけたラリーシーンの一幕を写した写真、黒い文字盤に白いインデックスとハンズで構成された、そのデザインに強く惹かれたものだ。

車はおろか、やっと単車の免許を取ろうかという高校生が、そんなものに興味を持ってどうするつもりだったのか、今となっては記憶の彼方だ。

だが、その後に気に入って購入した時計がセイコーのクロノやダイバーを筆頭に、全て黒文字版があしらわれたモデルばかりであることに、多少は影響を及ぼしているようにも思う。

で、件の時計その名も Bell & Ross ならぬ Bell•Air と刻印されており、パクリ元が一目で判別できるほどに開き直っている。もちろん、国産ムーブメント使用などと嘯いているが、製造元は中華であることは疑いの余地はない。

オリジナルの参考上代を考えると、およそ1/200 実売でさえ 1/100 以下というのは、時計業界ならではの価格差であるが、なんちゃってパテック・フィリップ(Patek Philippe)なども計算に入れたら 1/1,000 さえも夢では無い。(悪夢だな)

しかし、こちらが欲しいのはそのブランド名ではなく、視認性という純粋な外見上のデザインだけなんで、一概にパチモノだからといって否定できるものではない。

腕にするなら機械式の自動巻きでも問題ない(というか、むしろ電池式は鬱陶しい)が、車載用となるとミニの振動がいくらぱないといっても、時計のゼンマイを継続的に巻上げるほど激しくはないので電池式である。

車載の時計はその他のメータ類と同様に、前照灯と連動して照明がついているのが当たり前だが、自分で後付けする場合は、そのへんも考慮しないと夜は全く見えない。

したがって、iPhone 充電用に取付けた USB 電源から LED 照明を当てているが、元はノートパソコン用の手元照明として製品化されたものを流用しているので、当時流行の高輝度白色 LED であり、取付けた当初は全く雰囲気のカケラもない明るさと色である。  

これぢゃイカンとばかりに、古いハードディスクのアクセスランプに使用されていた、より暗い赤色 LED に換装したのだが、時計を強力両面テープでダッシュボードに固定した途端、購入時のサンプル電池と思しきものの寿命が尽きたと見えて、止まってしまった。

また、その電池も時計用として一般的な酸化銀電池(SR626SW)ではあるものの、およそ交換など想定していないかのような設計で、ムーブメントを壊さず交換するのは至難の技を要するなど、その紆余曲折は枚挙に暇がない程である。 

たかだが ¥1,980 の時計に、我ながら感心するほどの熱の入れようであるが、苦労の甲斐もあって戦闘態勢に入った潜水艦の司令室のような、怪しい雰囲気を醸しだしている。

機械的な精度などは望むべくも無く、ハンズの動きなどもムチャクチャ怪しい限りのパチモノだが、2千円程度でこれだけ遊べたらんだから、文句も言えまい。

時計が、機械式から現在の主流である水晶振動子を利用したクォーツに変わり始めた当時、巻かなくても振らなくても長期にわたって時を刻むことに、またその正確性にもろ手を上げて歓迎した業界である。

あれから40年以上経過しても、未だに正確性では劣る機械式時計が駆逐されたようには見えない。それどころか、当時の革命技術がもたらしたものは、今では百均ショップでも時計が買えることぐらいしか思いつかない。

かつて、一般が期待した正確な時間を知ることは、時計に頼ったとしてもさほど費用はかからないし、時間を知るだけなら他にも手段に事欠かない。そんな現代においても、拘りのある製品はその機構や方式、ましてや時間に関して純粋な正確性などとは、全く別の次元で生き残っているように見える。

ただ面白いとか、どうしても欲しいと感じて対価を払うものには、個人の価値観が大きく影響するので、興味の無い第三者がその価値を推し量るのは容易ではない。

たが、少なくとも stop2go のような時計に興味を惹かれる者が求めるのは、単純な時計としての正確性より優先順位が高いものが、他にあると思う。

もちろん、支払う対価に見合うだけの機械的な精度は必要だろうが、たかがクォーツ時計ごときに2万円以上払う気にさせるには、よほど強力な何かがなければ納得出来ない、と個人的には感じている。

それは、たとえば外見上のデザインや機能、ちょっと変わった秒針の動き方かもしれない。低価格で時間的な精度が実現できたら、購入者が次に求めるのは別の何かであることは間違いないのだ。

ま、ぶっちゃけ機械式腕時計の秒針なんぞは、時計が動いている(死んでいない)ことを識別するために存在すれば十分だと思っている。

現実に、日差±5秒程度の時計であれば週一合わせても最悪一分以上ズレることはないし、時計を合わせること自体、少しでも時計に関して興味がある者にとってさほど苦にもならない。

また、ただ単に現在の時間を知ることだけに限れば、昔と違って基準となる正確な時間を知る手段は他にいくらでもあることも、時計の正確性に対して大らかに構えることを可能にしている。

問題は、その時間が記録として残されるかどうかによって、求める精度や正確性にも多少異なった要求も出てくる。

SIGMA DP Merrill シリーズの内蔵クロックのいい加減さについては、何度か苦言を呈したこともある。だが、あいにく科学捜査班に身を置くわけでもないので、出掛ける前に合わせておけば、せめてその日ぐらいは数秒以内の誤差に収まってくれるなら、それ以上を望んでいるわけではない。

しかし、時計ほど頻繁に時間を確認出来ない(しない)カメラの内部機構だからこそ、またそれが一瞥して確認すればすむ腕時計や置き時計と違い、写真に記録され残るものなら、時計以上の精度や正確性は期待したいところである。

時計の精度が各段に向上した筈の現在においても、機器に内蔵されるクロックには期待を裏切るモノが少なくない。にもかかわらず、現時点でカメラ内蔵の時計の精度については、あまり問題視されているようには見えない。

いずれ iPhone のようにネットで同期をかける機能が、カメラにも搭載される時が来るかもしれないが、出来れば早期に実現して欲しい機能でもある。

そこで刻まれる時間については、今知りたいわけではない。それがはたして合っていたのかどうかも確認する手立ての無い、将来知りたくなるかもしれない時間だから、である。

モンディーンに託つけた、時計ネタの雑談でした。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

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[2013.11.20] 時を知ること 〜より転載&加筆修正

2013年11月12日火曜日

パノラマテスト?

どうも最近、iPhone や iPad だけでなく、Mac も以前より使い難くなった、とユーザからの問い合わせが(というより、ただのグチなんだが)多くなったような気がする。

iOS をアップデートした途端に、入れた覚えのないパスコードを問われて慌てたとか、セキュリティアップデートかけたばっかりに、今迄出来ていたことが出来なくなるなど、兎角ネット絡みのトラブルは多い。

そのせいもあって、何かと評判の悪い新 iOS & OS X であるが、ユーザのセキュリティに対する意識がある程度上がらないと、善意で行われたものにも悪意を感じてしまうのは、仕方がないことではある。

セキュリティとはいえ、その実態は Java だったり Flash だったりが大半であり、悪意ある不正アクセスや悪意あるプログラムの実行を阻止することが、主な目的ということになっている。

もちろん善意の不正アクセス(というのも、サポート業務には全く無いとは言えない)や善意のプログラムも、この影響を受けて排除されてしまうことはある。

問題は、何事においてもそれが悪意なのか、それとも善意なのかの判断が出来れば、もう少しトラブルの範囲を限定できるのだが、それを判断するのは難しい。

そんなことが出来るなら、世の中の詐欺師と政治家は間違いなく全員が廃業に追い込まれるわけで、下手すりゃ真っ当と思われている企業にも多大な影響が及ぶことだろう。

ぶっちゃけ、これバレたらタダでは済まんよな、ということをみんな抱えて生きているのが現代社会である。

全く個人的な意見だが、過去25年以上アップルコンピュータのサポート業務に携わって感じることは、ウィルスによる被害よりウィルス対策ソフトによる被害の方が圧倒的に多いという事実からも、一般の危機感を煽るようなモノは所詮商売のネタに過ぎず、何事も過剰な反応は控えるべきであると思う。

だいたい、セキュリティレベルを上げたことによるトラブルと、上げなかったことによるトラブルは、いったいどっちが多いのだろう。

ただ、Mac のウィルス感染自体、宝くじに当たるより難しいとはいえ当たりが全く無いわけでもないので、多少遅れてもそれなりの対策は講じておく必要はあるだろう。

ネットに繋がっている限り、何処からやってくるやら予想できないモノだからこそ戸締まりは厳重にということであり、利便性と引換えの多少の不便をいつまでも論っていては、前に進めないことも事実だ。

いくら安定性重視の業務用だからといって、友人である某商店主のように古いシステムにいつまでもしがみついて引籠っている訳にもいかないのが、悲しくも厳しい現実である。

ま、そんなこたあどうでもいいのだが、お道具も使わないと勿体無いので、連日のカメネタである。 

せっかく機材が揃ったと思ったら、途端に出番が少なくなるというのはよくあることで、物事タイミングを外すとままならない。

別に無理して使う必要もないんだが、機材チェックという口実で例によって、定点観測キリンビールである。

前回の柿の木では、撮影ポジションがモロに県道沿いということや、その後の山々も事前に当たりをつけて廻った訳でもない、言わばお散歩みたいなモノに過ぎないという事情もあって、あまり落ち着いた撮影行ではなかった。

今回も仕事のついでといういつものパターンで、スケジュールを前後逆にしたせいであまり時間的な余裕はないが、午後の比較的早い時間であったため、光量は十分足りている。

とはいえ、現場に向かう時点でもうすでにかなり怪しい空模様であり、撮影を始めて30分もすると、小雨がぱらついてきたのだ。

万全の全天候態勢で臨んでいたなら、晴れ時々曇りところにより一時雨などという展開は大変美味しいシチュエーションなんだが、この日はあまりにもついで過ぎる態勢だったし、新たに購入した水準器の誤差確認が出来た時点で、早々に引上げざるを得なかった。

ちなみに、今回のネタである水準器は、初お目見えの堀内カラー・ニュー2ウェイ水準器(HCL-35420) である。これもたまたま当たりだったのか、UNX-5685 とほぼ同等のズレで収まっている。通常使用ではローテイト&ティルトの横位置専用であり、形式としては HAMA 5411 と同じで縦位置では付替えが必要である。

ただ、被写体に対してティルト方向の正対は個人的には少ないし、縦位置用のままではバッグに納まらないので、形状としては UNX-5685 の方が使いやすい。

目盛りが液面に接しているので視差が生じないというのがウリだが、残念ながらこの形状のアクセサリーシュー水準器で、目盛りが液面に接していないモノには未だお目にかかったことがないので、そのメリットも実感できない。また、無職透明で見やすいというのも、逆のような気もしないではない。

水平方向は割と正確に見えるが、通常位置でのティルト方向に関しては、ちょっと怪しい。レベリングベースと DT-02 でティルト方向にも正対しているはずの時も、若干の前上がりを示す。

ためしに、パンベースでなく DT-02 のトッププレートに付いている、DDH-02i によるカメラベースのパン機能で 180° 回頭させても、やはり同じように前上がりのままで気泡は動かない。

おい、それっておかしくねえかと思ったが、DP3M 上ではそこが、コイツにとっての中心点なんだろう。ローテイト(スイベルともいうが)方向の基準は設定が難しいが、ティルト方向は、だいたい遠方の同じ高さの被写体に合わせることで、ある程度正対の判断は可能である。

縦位置では、このティルト方向の気泡が水平基準になるので、もう少し突っ込んだ検証は必要だろう。しかし、防滴仕様ではない SIGMA DP にかかる水滴が気になりだす雨量になったので、慌てて機材の撤収を始めた。

帰り支度を終えて振り返って外を見れば、俄に日が差して突然辺りが明るくなる。雨は降っているが日は照っている天気雨で、いわゆる狐の嫁入り状態である。それでも、雨が降っていることに変わりはないので、カメラをバッグからもう一度出すことはなかった。

さてそろそろ仕事に行くかと、エンジンをかけようとしてふと前を向いたら、巨大なネズミがよたよたと歩いて車の前を横切り、まだ刈入れが終わっていない田んぼに向かっている。

たぶん、この界隈ではたまに見かけるヌートリアだろうが、あんなもんが突然目の前に現れたらフツー固まる。チラッとこちらを振り返って田んぼに消えたその姿を見て、思わず笑いだしてしまった。

が、iPhone を取出すのがやっとの5秒ほどの出来事であり、カメラアプリが起動した時にはもうその姿はない。

こういうのが、シャッターチャンスというものなんだろうなあ、などと脱力感に浸りながら、左手に虚しくカメラが起動した iPhone を持ったまま、ぼんやり外を眺める。

おいおい、カメラを仕舞った途端にヌーちゃんに続いて虹かよ〜。タイミングを外す日は徹底的に外すもので、土手の彼方には虹が出ているではないか。

そうきたかとばかりに、手に持っていた iPhone 5 で撮りあえず何枚か撮影は出来たが、カメラバッグに手を伸ばした頃には、もう判別不能なほど薄く消えかかっていた。

画質にはこの際目を瞑って、iPhone 5 の写真をパノラマテストとして、PSE8 で繋いでみたのだが、…。あれだけ、大仰な機材を用意しながら結果は、まだまだこんなもんである。標題のクエスチョンマークの理由は、そんなところにもある。

本来なら、iPhone 5 に標準で備わっているパノラマ撮影機能を使うべきところなんだが、慌てたときにはなかなか臨機応変、当意即妙とはいかない。七転八倒、四苦八苦がやっとであり、七転八起に繋げるためにも万事場数を踏むしかないのである。

せめて、たぶんあのヌー公、ほれ空を見ろと言いたくて振り返ったに違いない、と考えることにしたのである。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

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[2013.11.12] パノラマテスト? 〜より転載&加筆修正

2013年11月9日土曜日

柿の木、再び

11月になったら、柿を盗りに撮りに行こうと思っていた。

なかなか良い塩梅な廃れ具合の、納屋のような小屋の側にその木はある。

奇しくも5年前の今日撮ったのが最初であり、丸5年目になる昨日訪れてみたのである。

市町村合併によりかなり広範囲に拡がる岡山市だが、北区の某所にあるそこは、まるで時間が止まっているかのようだ。

詳しいことは知らないが、屋根瓦の形から建てられたのはおそらく昭和の初期か、ひょっとしたら戦後ではないかと思うので、見た目ほど古い物ではないかもしれない。

今年の6月に久しぶりに通りがかって、小屋共々いまだ健在であることは確認していた。

6月ではさすがに絵にならないので、この季節になって柿の実でも生ってからと考えていたのだが、期待通りというか、柿の実はそれ以上に実っており、すでに何個かは路上に落下した跡もあった。

当初、立ち寄ったのは午後いちで、何枚か撮って見たもののあまりにも日差しに風情がない。早々に切上げて、津山線沿線の風景でも撮りながら、夕方になってからもう一度と考え、その場を後にした。

しかし、景観と列車が上手くマッチングする撮影ポジションというのは、そう簡単に見つかるものではない。風景写真の技量というのは、そんな撮影ポジションを見つける能力こそが、大半を占めるのではないかという気もする。

また、あまり景観が良過ぎても観光地化されてしまうので、自分自身を撮る気にさせる範囲は意外と狭いのである。その上、極力近場で済ませようとする横着心も邪魔をして、なかなか結果に結びつかない。

このところ、新規導入の機材チェックも兼ねた撮影行が多く、写真そのものが目的になっていないことも影響している可能性はある。だが、それも楽しみの内なんで、どちらを優先するかは悩ましいところであり、余談である。

午後四時近くまで、久米南および赤磐周辺の山々を廻ってみたが、目を瞠るような紅葉にはお目にかかれなかった。(標高低過ぎてムリ)

そろそろ、日も傾いてきたので戻ろうとしたのだが、県道から奥深く林道へ入り込んでいたため、まともに方向も判らない。一応 iPhone のマップでおおよその位置は確認していたが、地図に載っていない細道も多くあるので、あまりあてにはならない。

とりあえず、感に頼って山を下りる方向へ向かったのだが、何時になく急坂に遭遇してしまい、かなり焦ったのである。大昔スキーを始めたばかりの頃に連れて行かれた、豪円山の最急斜面を思い出すぐらい(に見える)急な下りなんである。

あろうことか、幅 2.5m ほどしかないその道は、御丁重にも多くの落ち葉に覆われており、程よく湿っているっぽい。おそらく、過去何度も土砂崩れに見舞われたのだろう。よく見れば路肩だけでなく路面までも部分的にコンクリートで舗装されており、完全な未舗装路ではない。いっそ未舗装の方がマシなぐらいで、如何にもズルッと滑りそうな雰囲気満々である。

もちろん、路肩にはガードレールなど皆無で、大半のカーブの先には多くの木が茂っているものの、10メートル以上の落差はありそうだ。それも斜面などではなく、間違いなく絶壁である。途中でタイヤをロックさせたら、お終いであることは容易に想像できる。

1速のエンブレで恐る恐る下るのだが、それだけではとても減速出来ないほど坂が急なため、補助としてのブレーキは踏まねばならない。もう二度とこの道は通りません、と何度も心の中で念じながら、たぶん500mぐらいはこの悪夢が続いたのではないかと思う。

チビリそうになりながら、やっと途中にあった溜め池の堰堤までたどり着いて、車を止める。若い頃より、極度に緊張すると腰が痛くなるのだが、もちろんこの時も例外ではない。落ち着くために、カメラを取出し撮影をしてみるが、手が震えているのが分かるぐらいで、何枚かのブレ写真の原因はたぶん腰痛とそのせいに違いない。

ただ、撮影を始めてしばらくした後に、同じ道を軽トラの爺さんが、くわえタバコで隣の婆さんと談笑しながら結構な速度で通り過ぎていったのだが、…。慣れというものは、恐ろしい。

そんなこんなのすったもんだで、やっと戻って来てから撮った柿の木と廃屋、既に日は西の山に沈んでしまい、期待した晩秋の暖かみのある光は、望むべくもなかったのが残念である。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

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[2013.11.09] 柿の木、再び 〜より転載&加筆修正

2013年11月5日火曜日

継承と断絶、または転生

なにやら、まるで前時代的なプログレのような標題であるが、過大な期待は禁物だ。

手元に揃った機材を見るにつけ、そろそろ沼の脱出宣言をしても良いのではないか、とも思える充実ぶりを見せるサンウェイフォト製品群である。

別にこれといった噂があるわけでもないのだが、お家騒動といえばカメネタ方面でもちょっと気になる事柄がある。

前回のデスモンドは、如何にも BENRO や Sunwayfoto の、延いてはアルカや RRS のパチモノ臭いのだが、サンウェイフォトに在籍していた(唯一の?)デザイナーが興した会社、というのがあるらしい。

馬小路(Marsace)というこのブランド、なんと読むのやら発音するのやら(うまこうじ?ぢゃねえよな)全く分からない。端から見ればモロにサンウェイフォト製品そのものであるが、その経緯を信じるなら、至極当たり前なことなのかもしれない。

まるで、サー・ジョニーがアップルを離れて、新会社を興したような話であるが、直ちに精度や品質までもが継承できるとは、誰も思わないだろう。

いくら筆頭デザイナーとはいえ、あまりにもまんま過ぎるその製品群からして大きな問題にならないのは、中華ゆえの事情があるのかもしれない。

ところが、会社や製品に関してネットにも殆ど情報が無いにも関わらず、既に国内のアマゾンでは相当数がラインナップされている。

流通の関係なのか、並行輸入品としてはおよそリーズナブルとは言えない価格を見る限り、いちユーザとして少なくとも現状では興味を持てる存在ではない。

未だ販売元は一社のみで、本来の真っ当な相場は全くわからないが、サンウェイフォトの同等品と比べても、積極的に馬小路を選択するメリットは感じられないのだ。

個人的には、確かにサンウェイフォトのデザインに惹かれた部分は大きい。しかし、馬小路がラインナップする製品は、インプルーヴと称される最近のデザインではなく、全くサンウェイフォトの初期モデルそのものでしかない。

もちろん、ノブのデザインなどは以前のゴツゴツしたものの方が好みではあるが、馬小路のそのあまり良いデザインとは思えないロゴマークも含めて、全体から受ける印象はイマイチ感が漂う。

超個人的な意見としては、如何にも旧 JIS マークをパチッたロゴには批判もあるかと思うが、日本工業規格が新デザインに変更したせいもあって、なんとなく懐かしさを感じており嫌いではない。

また、そのロゴマークや社名に使用されているフォント、実際の製品に配置された製品型番の刻印とのバランスやコントラストに、多いに惹かれる部分もあるのだ。

未だ、国内においては情報が多いとは言えないサンウェイフォトであるが、興味深い製品が今後発表できないようになってしまうと面白くない。

したがって、危惧されるのは本家(と、あえて言ってしまうが)サンウェイフォト製品にある何かが、一人のデザイナーが退職したことで断絶してしまうのだろうか、という一点に尽きる。

このあたりは、転生の期待が出来ないアップルと同様の、いや見方を変えれば、真逆な憂鬱材料と言えるかもしれない。

このところ、思うように撮影に出掛けることもできないので、連日の雑談に続く雑談でした。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.11.05] 継承と断絶、または転生 〜より転載&加筆修正

2013年11月4日月曜日

またもや、お家騒動?

サー・ジョニーが、暴れているらしい。

噂によると、スコットのもとで iOS 開発担当のバイスプレジデントを務めていたアンリ・ラミローが退社したそうだ。ラミロー氏については全く知らないが、23年もアップルに居たらそれなりの役職であったに違いない。

ジョニーと折合いの悪かったスコット陣営の連中が、次々と離れているような印象を受ける。

勝手な想像だが、従来の路線を信望してきたメンバーには、さぞや現状のインターフェイス路線に嫌気が刺していたとしても不思議ではない。いちユーザの視点からでもそう感じるのだから、中の人にはなおさらであろう。

自分は決してスティーブの信者ではないが、彼は誰よりも人を繋ぎ止める力(魅力とは限らない)を持っていたと思う。陽子と中性子をつなぐ核力みたいなもので、四の五の文句を言わせず従わせてしまう、斥力に負けない独裁者のパワーである。

それは極端に言えば、巷で云うところの進取の才能をもった偉大な人物というより、卓越したマネージャとしての能力を遺憾なく発揮して、才能溢れる連中を上手く操縦していたのではあるまいか。それこそが、晩年のスティーブの功績であり、アップルの顔として存在価値であったはずだ。

だが、ティム・クックには、そんなパワーは感じられない。流れに逆らえず、どんどん低い方に流されているように見えるのは、人材のコントロールに苦慮している結果だろう。サー・ジョニーの才能にケチを付ける気は毛頭ないが、ちゃんと制御しろと言いたい。

以上、ホントに勝手な想像だからね。

ま、デカイ会社だし、そう簡単に崩壊することは無いだろうが、このままではあまり改善も期待できないのが、残念でならない。

うわあ、しょーもないヒマネタな上に雑談だ。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.11.04] またもや、お家騒動? 〜より転載&加筆修正

2013年11月2日土曜日

Pano-3 完成!?

十一月である。

一年の内で一番好きな月は十月なんだが、例年あまり良い事がないのも十月であり、憂鬱になることも少なくない。

それでも、好きな季節は秋、それも十月であることに代わりがないので、良い事は今月に期待しよう。紅葉にはまだちと早いが、そろそろ準備もしておいた方が良いだろう。

前回のローテイタ導入につづいて、想定外シリーズ第2弾である。

奇しくも遂に、 Sunwayfoto Pano-3 相当品ができ上がってしまい、そろそろサンウェイフォト沼も出口に近づいて来たようだ。

前回までの不足分は、L型スライドプレート(Sunwayfoto DMC-200)と、ノーダルスライド(Sunwayfoto DMP-200)の2点のみとなっていたのだが、今回 DMC-200 と DMP-200 のショート版 DMP-140 を導入。

ただ、このショート版 DMP-140 にはちょっと問題があった。

本来このレールの役割はノーダルポイント、正しくは NPP (No-Parallax Point) と呼ばれる、レンズの焦点をパン・ティルトの中心に設定するためのオフセット量を調整することであり、そのポイントでパン・ティルトを行えば、複数に分割撮影した写真がきれいに繋がる、というものだ。

で、調べてみたら SIGMA DP Merrill シリーズの場合、以下のようになっているらしい。

SIGMA DP Merrill NPP (hyper-focal setting at f/11)
DP1M: 38mm
DP2M: 32.5mm
DP3M: 37mm

上記数値はいずれも、カメラマウントの中心からの距離であり、レールに刻まれたスケールで位置合わせをおこなう。(ハイパーフォーカルについては未だ研究中で、理解できていない)

このことから、よほど長尺の望遠レンズでもないかぎり、所定の組合せである 20cm 版(DMP-200)は必要ないので、あえて DMP-140 を選択したのだ。

問題は、この位置合わせにあたって DMP-140 の刻印がカメラマウント部分にまで及んでいないことにより、調整が難しい(というか、スケールの意味ねえ)という状態なんである。

これは、姉妹品である DMP-200 でも同様で、サンウェイフォトがいったい何を基準にスケールを刻んでいるのか、入門者である自分には全く理解できない。

購入前の調査で、より短い 10cm 版の DMP-100 も検討したが、その時点で SIGMA DP Merrill シリーズの NPP は自分で調べるつもりだったので、あまりにも短い DMP-100 では不安があった。

実際、焦点がレンズの外にあるわきゃあないんで、程度問題に過ぎないのだが、ひょっとしてオリンパス E-410/E-620 での使用も、一瞬頭をよぎったことが災いしたのかもしれない。

で、購入後その問題に気付いてから、10cm 版の DMP-100 をよく見ると、なんだ、コイツはちゃんとマウント中心までスケールが刻まれているではないか。おまけに、そのスケールもデスモンドあたりのパチものと違い、中心軸にスケールがピッタリ一致している。(実は懲りもせず、デスモンドも検討していたりする)

加えて、用途があるかどうかは別にして、DMP-100 のみクランプの直下にパン/ティルトの中心を持ってくることもできるように下側のレールが延長されており、この点においても姉妹品の(といえるのか、わからないが)DMP-140/200 よりマシなんである。

本家のサイトで紹介されているスペックを見る限り、DMP-100 と DMP-140 は同じ厚さ(10mm)となっているが、これも当てにならない。なぜなら、実際に購入した DMP-140 ではサイドにスケールを刻印できるスペースがないため上面に書込まれており、これが災いして位置合わせがやりにくいのだ。

少なくとも、DMP-200 は今回の DMC-200 と同じ 15mm、または以前購入した汎用レール(DPG-2416)と同等の 16mm 程度の厚みがあるはずで、DMP-100 も正しくは 15〜16mm ではあるまいかと疑っている。(ま、その確認のために追加購入する気にはなれないのだが…)

パノラマに関しては未だ準備段階であり、NPP 自体どこまで厳密に合わせる必要があるのか体験していないので、現段階で大きな問題ではないのかもしれない。

ちなみに、前回の失敗談(Desmond PC-1)だが、どうやら救済策が見つかりそうである。

Pano-3 では、ティルト用に DDH-03 & DDY-58 の組合せで実現しているが、以前 DT-02 の倒立使用のメリットで言及したように、パンニングクランプを垂直方向に使用する場合、その動作が軽過ぎると使いにくい。

サンウェイフォトのパノラマクランプは、精度やそのスムーズな動きには不満はないのだが、ロック/アンロック時のノブの調整範囲があまりにもセンシティブ過ぎて、ちょっと油断をするとお辞儀してしまうのだ。(正確には上を向いてふんぞり返ってしまうのでお辞儀、ではない)

ここに水平ではあまりにも重く、渋チンな動きしかできないデスモンドを使おうという試みである。(^^)

実際に DP3 Merrill をセットして、動作確認までの段階における感想だが、概ね期待通りの結果である。全周に渡って使用することもある水平方向と違い、実用上のティルト角度はせいぜい 45° 程度なので、特定部分で極端な抵抗を見せるデスモンドでもなんら問題はない。

また、ロックノブも回転しないベース側にあることで、使いやすさの点においてもメリットは大きい。

DDH-03 & DDY-58 でも裏返して使えば、すなわちレールとの連結側に DDH-03 が来るようにすれば同じだが、デスモンドのメリットは DP3 Merrill 程度の重量バランスなら、ロック/アンロックの操作さえ必要ないことだ。(あまり自慢にはならないが)

ま、何が幸いするか(または、災いするか)は、実際使ってみないと分からないものである。

とりあえず、Sunwayfoto Pano-3 相当品、完成のご報告でした。



…ということで、今月もヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.11.02] Pano-3 完成!? 〜より転載&加筆修正