2015年2月26日木曜日

SIGMA Photo Pro 6.2.1

SPP6 のマイナーバージョンアップである。

そろそろ来る頃かと思っていたが、本日午後メールによる案内が来たので早速ダウンロード&インストール。

ま、案の定というか予想通りというか、少なくともメリル世代のユーザにとっては肩透かしであり、何も改善されているようにはない。

今月の初め頃、ユーザサポートへも連絡したが、以下の問題点は今回のバージョンでもしっかり引き継がれている。

SIGMA Photo Pro 6.2.0 について

●DP Merrill 世代の現像において Exif データに露出補正値が保存されない。

●キャップスロックがオンの時にキーによるカラーバランスの調整ができない。

●保存ダイアログにおいて、キーボードショートカットによるコピペで、ファイル名の編集および追加ができない。(SPP5 では可能だし、そもそもシステム標準機能を使えなくする意味が分からない)

早々にサポート担当者からは、「ご連絡頂きましたご要望は、可能なかぎり今後の開発の参考にさせて頂きたいと存じます。」といった、お決まりの文面の返信は受け取った。実際には、おそらく開発担当には伝わっていないのか、もしくは旧世代のサポートなどに構っていられないという、お家事情も影響しているに違いない。

今回の改善点を一通り眺めてみても、メリル世代に関係するような項目は少ない。せいぜい、Mac ユーザ視点では「OS X の新たな Gatekeeper の仕様に対応」という一文ぐらいしか見当たらない。これは、たぶん時折唐突に表示されていた「DeveloperToolsAccess は、デバッグを続行するために…云々」という、不可解なダイアログ対策だろうと思う。

しかし、特に1番目の Exif データに露出補正値が保存されない問題などは、ver.6.0.4 や ver.6.0.6 では一度は修正されていたはずで、ver.6.1.0 あたりから再発した症状である

追記:補足(02/28)+++
上記問題について、シグマのカスタマーサポート担当から翌日電光石火の回答があった。露出補正値については、こちらの FAQ に記述があるのだが見逃していたようだ。

SIGMA Photo Pro Ver.6.0に関する質問

http://www.sigma-global.com/jp/download/cameras/faq/

Q. 露出補正をした画像を確認しても補正値が表示されません。
A. SIGMA Photo Pro Ver.6.xではAEBを使用して露出を振った場合の画像では補正値は表示されません。

だが、この質問も回答もずいぶん曖昧な表現ではある。どこにも Exif データという記述もないし、確認した画像自体が現像後に保存したものか、現像前のプレビュー画面のことなのかは不明である。こちらの記憶も曖昧だが、何れかのバージョンでは、プレビュー画面に補正値が表示されないバグもあったように思う。事実、最新版(ver.6.2.1)では少なくともプレビュー画面ではモード露出モードに関係なく補正値は表示されているが、だからといって、直ちにこれが保存データの Exif に関する回答だとも思えない。なんなら、SPP6  の過去全てのバージョンは保存しているので、サポートの返答によっては各バージョンごとの再検証を行った上で、あらゆるツッコミを入れることも辞さない覚悟もあったが、まあそれも大人げないし不毛な行いだろう。

また、「一度は修正されていたはず」という一文の根拠となったのは、以下のリンク(本家参照)にある2枚の写真だが、確かに露出補正値が Exif に記録されているのはオートブラケットでもプログラムオートの場合や、手動による露出補正に限られているようで、絞り優先の場合は FAQ にあるように全く記録されていないことを確認した。現時点ではこれはバグではなく仕様であり、シグマのサポートからもその旨回答を得た。ただ、わざわざ AEB の場合に限定してまで、なぜそのような仕様になっているのか大変疑問に感じるところで、これははたして FAQ にあるような、たった一行の回答で済まされる問題なのだろうか? 言うまでもなく、シグマへは問題点の指摘ではなく、今後の要望として対処して頂くよう伝えた。+++

2〜3番目の、操作性の問題については多少我慢すれば何とかなるが、保存され記録されるデータに関する問題については、本来ユーザのご要望などというレベルではなく、可及的速やかに対処すべき由々しき問題であると思うのだが、…。(☜て、そういう仕様なんだからしゃあねえだろ)

以前、次のバージョンでも改善されていないなら、SPP5.3.3 へ戻ろうと考えていたが、その間 OS X の方も更新されており、前よりも不安定度が増したような気がするのだ。

ヨセミテ上で使用する SPP5.3.3 で最も腹が立つのは、パラメータを変更して画面上にそれが反映される時にアプリが頻繁に落ちるという現象で、ここ何日か使っているとそれが目立つようになってきた。

SPP6 で一度現像した X3F は、SPP5 で再現像できないという仕様上の問題もあって、動作の安定度に関しては多少なりともマシになった新しいバージョンから、いまさら戻るのも億劫になっている。

で、妥協策ではあるが、今後は露出補正に関して撮影時と現像時の合算でファイル名に表記することにして、もう暫く様子を見ることにしたのである。

何かと引換えでないと、何も得られないのは世の常であるが、事あるごとに彼方此方に衝突しながら生きていくのにも疲れ果てたし、馬鹿馬鹿しくもある。まあ、これも決して敗走ではなく、あくまでも転進の一環と考えることにした。

ちなみに、主役であるはずの Quattro の方は、SPP6 によってどんどん厚化粧になっているように見える。当初は、Merrill より自然に見えるという意見も少なからずあったようだが、今もってそう思えるならそれはそれで幸せなことであろう。個人的には、メリルでいいやではなくメリルがいい、という確信を深めたことが唯一 SPP6 の収穫なのかもしれない。

ここ数日、Apple ID の認証に伴う iCloud 関連のトラブルで、自宅サーバヘの接続も覚束ない日が続いた。原因は未だ不明で、ごくローカルな問題の可能性もあるので明言は出来ないが、たぶんすべてはアップルの所為だろう。「ちゃんと動く(It just works)」 という、かつてのスティーブの言葉は、最近のアップルには当て嵌まらない。

そんなことも、更新が滞りがちな要因のひとつには違いないのだが、ぶっちゃけ今月の後半は写真ネタや機材ネタもないし、無い袖は振れないので仕方あるまい。

せめて来月あたりには、もう少し気温と共にモチベも上がることを期待しようと思う。

…ということで、来月もヒトツよろしく。
2015年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.02.26] SIGMA Photo Pro 6.2.1 〜より転載&加筆修正

2015年2月14日土曜日

2月の定点観測:2015

ヴァン・アレン帯とは、無関係なバレンタインデイ。

地球の磁場がどうなろうと知ったこっちゃないが、鼻血が出るほどチョコ食ってみたいとも思わないので、3連チャンで恒例の定点観測である。

定点観測の場合は、被写体に対してあまり期待はしないように努めている。もっとも、在るが侭を写すのが観測ならそれが当然だろう。辞書によると、「天候や自然現象の様相を見て測定すること」とか、「物事の様子をよく見て動きを推測すること」となっている。

工場施設を前景にして、ひたすら田圃や空模様の変化を撮っているだけで、別に何かを推測したり測定しているわけでもない。だが、機材の検証という側面においては、多少なりとも測定の範疇に入るのかもしれない。

また、希望的観測という言葉もあるくらいで、「そうあって欲しい」とか「そうだったらいいな」という希望に影響され、絵柄に「らしさ」を求めて同じ月でも何度か訪れたこともある。そんな意図的な微調整も含めるなら、「希望的定点観測」というのが正しい表現だ。

というわけで、定点観測:2015 というのも芸がないので、よっぽど今月からの標題はこれでいこうかとも思った。(またまた、思いつきだけで…)

だが、そんな悪足掻きも棚ボタ的な要素以外では、だいたい上手くいった試しはない。せいぜい季節感みたいなものが感じられたら、それでいいような気もしているので、絵柄に対してはそれ以上の要望というものはない。もちろん、写真的な失敗等についてはこの限りでないので、修正を施すぐらいなら撮直した方がマシとばかりに再度出掛けることもある。そんなところも、序でとはいえ定期的に訪れることが出来るメリットである。

工場という人工物が前景にあることで、主に天気によって大きく様相の変わる風景で、漠然と野山を写す場合とは少々異なる景観でもある。裏を返せば、似たような空模様なら、似たような絵柄になることも避けられない。

ま、去年のように雪でも積もらない限り、今回もおよそ2月らしい写真は撮れていないが、月末まで粘ったところでそんな保証はないし、機材ネタも思いついたので、今回は少し早めに公開することした。先月に続いて今月も機材関係のチェックを兼ねた、これも在るが侭で致し方なしのキリンビール2月号だ。

2015年2月13日金曜日

カウンタリセット

13日の金曜日、である。

ということは、必然的に来月も同じパターンだし、11月にもあるので今年はジェイソンも忙しいが、それが何かというわけでもない。

13日の金曜日に発症するコンピュータウイルスもあるらしいので、不吉とされる日には大人しくしていた方が無難だろう。危険日といえば、何やら違う意味になってしまいそうだが、よもやパニクってリセットがかかったりすることのないように要注意だ。

ちなみに、DP3 Merrill の撮影枚数も今月の定点観測撮影時に、目出度く1万枚を超えてファイル番号のカウンタがリセットされた。メモリカード内では、従来のディレクトリ “100SIGMA” に加えて新たに “101SIGMA” が生成されている。

この桁数の問題、以前シグマに問合せたこともあるが、ファイル番号の桁数は DCF2.0に準拠しており、これを変更すると読み込みに問題が出る可能性もあって、現状の対応は難しいとの回答であった。

DCF2.0 についてネットで調べてみると、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)と、一般社団法人カメラ映像機器工業 会(CIPA)が共同で策定したカメラファイルシステム規格(DCF2.0)というのがある。これに準拠しているので、勝手なことはできないらしい。

その規格の詳細は、PDF 形式で公開されているので斜め読みしてみたが、ディレクトリに保存される枚数制限と、桁数(4桁)の指定はあるものの、あくまでもメモリカード内でのことであり、コンピュータ上にコピーされたファイルにまで言及されているわけでもない。

と、勝手に判断して自己責任というお約束のもと、やってみた。

2015年2月12日木曜日

写真に期待するモノ

標題の通り、雑談である。

一度は却下した写真にも、後から見直せば情状酌量の余地があるモノも皆無ではないし、見方が変われば冤罪に近い評決さえある。

もちろん、その逆に公開したことを後悔する推定無罪みたいな写真もあるわけで、所詮一個人の趣味の写真、地獄の沙汰は閻魔大王の気分次第で大きく左右される。

ぶっちゃけ、その時その時の気紛れによって選んでいるので、さしたる基準があるわけでもないが、たまに在庫処分を口実に放出しておくことで反省材料には事欠かない、というメリットもある。

ここ最近、打率も下がってきたような気がしているが、決してプロではない同好の士達の心惹かれる作品に出会うと、技量が伴わないくせに審査基準だけが無闇に上がってしまうこともあったりする。

だが、下手にハードルを上げて落ち込むよりは、たとえそれが間違っていたとしても、自分の基準を見失わないようにしなければと思う。

たぶん、その方が楽しいような気もする今日この頃。


2015年2月4日水曜日

因美線:鳥取方面・後編

因美線、鳥取方面の後編である。

そろそろ、DP3 Merrill のファイル番号が上限に近づきつつある。

以前、シグマのサポートにも問い合わせたことがあるが、ファイル番号が 9999 まで行ったら、0001 に戻ってしまう仕様らしい。

このままでは、ファイル管理上連番を維持できないので、何らかの対策を講じる必要があるが、最初から5〜6桁にしとけよな、と思う。

DP3M10001 というのが、まあ真っ当だろうが、そのためには毎回リネームをしなければならない。フォルダアクションやスクリプトで行う方法も考えたが、面倒だし、そこまで凝っても仕方がない。

幸いなことに、ヨセミテのファインダには以前紹介した、リネーム/リナンバ機能が標準で備わっているので、それを使ってみようと考えている。

「テキストを置き換える」という機能で、”DP3M” → “DP3M1” とすれば、何十枚何百枚のファイルでも、一発で置換えが可能なので、それほど手間はかかるまい。

要するに、この2年ほどの間に1万枚近い写真を撮ってきたわけで、何事もカウンタが一周して、リセットされるのは感慨深いものだ。

思い起こせば、DP3M の記念すべき第一ショットは我家の愛猫達のピンボケ写真。ある程度覚悟の上で購入したのだが、最初は当時メインで使っていたオリンパス E-420/620 とのギャップに戸惑いは隠し切れない。

撮って出しはイマイチ過ぎて現像の手間はかかるし、データはバカみたいにでかいしバッテリはすぐ切れる。とにかく何もかもが厄介なカメラで、これで画質が悪けりゃ間違いなくドブに放り込んでいる。

また、解像度もぱないので、その画質を生かそうとすればブレていない写真を撮るだけで一苦労だ。それまで、如何にいい加減な構え方をしていたのか痛感した次第であり、本来の解像感を実感できたのは、使用開始からほぼ一週間が経過した頃だ。

ちなみに、その1ヶ月後に追加導入した、DP1 Merrill も6千枚近く撮ってきたし、1年後の DP2M でさえ既に4千枚を越えているので、トータルでは2万枚ほどになろうか。

今ではもう、このシリーズ以外には全く興味を示さない体になり果てたので、後継機種も覚束ない現状では DP Merrill 三姉妹、まだまだ頑張って貰わねばならぬ。

で、後編は郡家駅から南へ向かう若桜鉄道若桜線だ。

2015年2月1日日曜日

因美線:鳥取方面・前編

気紛れ鉄撮りの練習シリーズ、因美線の本編である。

先月中に公開する予定だったのだが、アップルのバカタレが余計なネタを提供してくれるもんだから、そちらに時間を食われてしまった。

ま、おかげで一時は盛り下がっていたサイトの更新意欲だけは維持できたようなもので、あとは撮影意欲と現像意欲を喚起してくれる、何かがあれば有難いのだが。

最近、幾つかの製品がサンウェイフォトからも発表されて、その一部はすでに国内のアマゾンあたりでも入手可能になっている。

ただ、その製品自体、一連のクランプシリーズについては、一見して旧製品の焼き直しにしか見えないのが気になるところ。この会社も、そろそろ停滞の時期に入ってしまったのだろうか?

いまだ、その製品に触れたこともないので、いい加減な憶測に過ぎないのだが、オフィシャルサイトで確認できる画像(いつもこれが唯一の情報だったりするのだが)から受ける印象は、あまり芳しいものではない。

いまひとつ新製品としてのインパクトに欠ける気がしているので、いずれ各方面から、辛辣なコメントが寄せられるものと思う。

個人的には当面、64mm 版のパンニングクランプ(DDH-04)が、バリエーションを拡げるという意味では興味を持った。また、インデックスローテイタとパンニングクランプが合体した IRC-64 という製品にも注目している。(☟以下、ご参考)

Sunwayfoto Panoramic indexing rotator panning clamp IRC-64

問題は、国内の流通価格の一点のみが気掛かりであり、現状での従来品インデックスローテイタ(DDP-64M)の極端な値下がりを見るにつけ、魅力的な候補となるにはもう少し時間がかかりそうな気がしている。

現状では、機材関係での要求はそれほどないが、出来ればレベリングベース(DYH-66i)のより軽量コンパクトな製品を望みたい。

また、カメラ本体関係では機材以上に欲求もなく、現状に満足というわけでもないのだが、あまり高価で魅力的な製品を出されても悩ましいだけで終りそうなので、まいっかというのが正直なところ。

シグマにもあまり期待できそうにないが、ブツブツいいながらも現像ソフトだけは、新しい Photo Pro 6 のワークフローに馴染んで来つつある。あれだけ、エラそうに文句を垂れていたにも拘わらず、こうも簡単に移行できる人間の順応性の高さには驚かされる。

だが、未だに DP Merrill 世代の現像においては、露出補正値が記録されないなど、果たして修正する気があるのかどうかも分からないバグも含んでいる。

X3F Raw データに SPP6 独自のパラメータを保存するせいか、一度現像したファイルは SPP5 でやり直しもきかないから、なかば諦めて使用しているのが現状であり、いつ旧版に戻ってやろうかとも考えているのだ。

他に選択肢のないことに胡坐をかいて、どこぞの巨大企業のように精進を怠っていては、いつかそのツケが回ってくる日が訪れるだろう。

ま、そんなこたあどうでもいいのだ。どうせ、シグマの連中がこんな銀河辺境の惑星タトゥイーンみたいなサイトを訪れることはありえないから、好き勝手の言いたい放題なんである。

で、撮り合えず因美線:鳥取方面の前編である。