2013年9月30日月曜日

iPhone 5 の OS をアップデート

iOS7.02 (11A501)

アップルの期待に反して、iPhone 5c が売れず人気は iPhone 5s に集中しているようだ。

お抱えの人気ブロガー連中にもハッパをかけて、iPhone 5c の人気回復に向けてかなりあからさまなテコ入れに、躍起になっているように見える。

iPhone 5s の一番のウリであるはずの処理速度に関しても、あまり変わらないから iPhone 5c でも十分だろう、などという発言まで飛び出す始末である。いくら、需要を生産スケジュールに合わせるためとはいえ、形振り構わずにも程がある、である。

少なくとも、iPhone 5c では既存の iPhone 5 ユーザを釣り上げるには到底無理だし、新規のユーザに前より外観がチープになっただけの iPhone 5 に食いつかせるには、明らかにコマセが足りない。

過去何度か iPod などでは、カラー展開を取り入れることで、爆発的な売上げ増に繋がったことが、いまだに忘れられないのだろう。

最近の iPod touch の売上動向については知らないが、多くの新規購買層需要が期待できた頃のミュージックプレイヤと、キャリアなどとの絡みでそれほどお手軽に購入や買い替えができるわけではなく、既に飽和気味の電話市場を同列に比較しても意味はない。

iPhone 黎明期と比べて、買い替え需要に対する数も、無視できないほどの大きさになっているはずである。そのような観点からは iPhone 5c 自体どう見ても、新規獲得に特化した一部の国専用の機種にしか見えない。

もちろん、企業としての売上げを考えれば、莫大な売上げ増は見込めるだろうが、イノベーションを魅力として iPhone を選択してきたユーザに対する訴求力は全くない。

iPhone 4S ユーザからは、いっそ iPhone 5 を以前のままで買いやすくしてくれた方が、よっぽど有難いという声も聞く。

そんな状況で、買い替える意味を冷静に考えれば、iPhone 5 のユーザは一回パス、iPhone 4S ユーザは必然的に iPhone 5s へというのが自然な流れである。

新 OS に対するツッコミ材料確認のため、あえてアップデートを控えた iPad 3 であるが、ゴミメール削除の動作ひとつでさえ、従来とフリップ方向を変えるなど、意味のない変更による使い難くさばかりが目立つ。

これは、どちらが良いかなどの問題ではない。慣れの問題であり、ユーザが慣れた(慣らされた)操作を変更するなら、それなりの明確なメリットや必然性を感じさせる変更であるべきだろうと思う。

iPhone 5 の方をダウングレードすることも出来ないので、仕方なく iPad 3 もアップデートすることにした。もはや、どんなツッコミを入れても、それは死んだ子の歳を数えるようなものでしかない。

スケジュールの日付や時間を設定する画面では、しこたま目を凝らさないとままならない。決してそれが、自分が老化したせいだけとは思わないが、最近の若者がどう感じているのかなどには興味がないので、その是非を問うことは止めておく。

数の上では、昔のアップルとは比較にならないほど売れているプロダクトである iPhone ゆえに、その犠牲を考えればあまり大きな冒険を出来ないだろう。

ましてや、財務畑の CEO によって経営されている大企業にとっては、革命より売上げが重視されることも不思議ではないし、冒険は、いつでも差替えできるソフトでやれば、リスクは少ないと考えているに違いない。

よもや、クックにジョニーを更迭する度胸はないと思うが、願わくば、もう少しマシなインターフェイスに、さっさと変えて貰いたいものだ。

しかし、良くも悪くも頑固な英国人、世代が変わればこうも変わるものかと、今更ながらにジェネレーション・ギャップを感じる今日この頃である。(スコットは、今ごろどうしているんだろうね)


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.30] iPhone 5 の OS をアップデート 〜より転載&加筆修正

2013年9月28日土曜日

ミニについて

最近のトレンドなデザインを見るにつけ、この地球上にはカーデザイナーが実は一人しかいないのではあるまいか、と本気で疑っている。

それほどメーカごとの、もっと言えば国ごとの個性や特徴もない、おんなじデザインの自動車が増えているように見える。

車好きな幼少の頃は、町ゆく車は一見して、ことごとく車種を言い当てる神童として誉れも高かったのだが、いまでは全く区別ができない、ただのおぢさんになっちまった気がする。

溶けかけたアイスクリームのようなデザインが多い現代の車と違い、50〜60年代の確固たる丸みを帯びたそのデザインを、新鮮に感じる若い人も少なくないらしい。(ま、多くもないんだろうが)

ただ、その見た目だけで購入すると、あまり長続きはしないようだ。逆にハマると結構深いという点においては、その他の趣味人にウケるモノと同様に、沼の要素も持っている。

自分のミニについて、あまり書いたことはないのだが、最近の撮影行の足として、また時には風景の一部としてモデルにも任命したりと、登場する機会も増えたことなので、簡単に紹介しておこう。

良くも悪くも、50年代末期から60年代初期を代表する設計であり、レースシーンでも並み居る強豪を抑えて大活躍したあの時代から、さほど大きな進歩はしていない。いわゆる、頑固にも程がある英国車である。

この距離で停止するのは難しいのでは、という場合はまず間違いなく当たるし、この速度でこのカーブ無理っぽいと思うところでは、たいていコースアウトするかスピンするか最悪ひっくり返るか、のいずれかである。

その点において、人間の感覚や予想を裏切ることのない、たいへん素直な性能を持った車であり、すべてが低いレベルでバランスを保っている。

この時代、普段走りの一般道でほぼ全力を出し切れる車も珍しく、貴重な存在であると思う。

[概略と経緯]

基本デザインは、デビュー当時から生産終了まで全く変わっておらず(70年代のクラブマンは、この際無かったことにする)、91年から復活したクーパーモデルの、キャブレターからインジェクションとなったローバーミニの最初の型式である。

2005年に、それまで乗っていたレンジローバー(こちらは96年式の4.0SE)からの乗り換えである。年式は95年式だが、軽微な事故により登録抹消された期間が長かったので、走行4万キロ強の中古車として購入。

初年度登録から18年、購入からもすでに8年が経過しているが、オールドミニフリークに言わせれば、まだまだこれから、らしい。

走行距離は、9月現在あと僅かでオドメータがリセットされる99,300km であるが、わりと定期的に点検していることで、幸い大きな故障には遭遇していない。また、駐車スペースに屋根があることで、ボディの状態も年式に比べて傷みは少ないと思う。

仕事とプライベートの区別なく利用しているが、近場用の原付や雨の日などは別の営業車(VW Polo)を使うことが多いので、走行距離は月間千キロ以下である。燃費は、だいたい平均13〜14km/L だが、空いた県道などで少し長距離を走ると20km/L ぐらいまで伸びることもある。

未然にトラブルを防ぐ意味で、問題となりそうなパーツは対策品に交換するなど、それなりにコストは掛けている。だが、最近の車に比べると各部品がそれほど高価でないこと、正味で安価な中古品も数多くあることなどから、以前に比べると俄然庶民的な車であり、その邪魔にならないサイズも相まって、身の丈にあった車といえる。

レンジも、金さえあれば良い車であったと思う。今ほどガソリンも高くはなかったとはいえ、町乗りの燃費は悲惨な状況にあり、故障すると財布の被害が甚大である。

また、エアサスを始め足回りなどの凝った機構が災いして、わりとマメに壊れてくれる。ある程度覚悟はしていたものの、そんな甘い考えを吹き飛ばすがごとく、現実の厳しさを痛感させられる良い経験となった。

幼少の頃(といっても中坊時代だが)より何の根拠もなくただ漠然と、いつかはミニと考えていたにもかかわらず、出会いがなかったことにより35年が経過していた。

41年もの長きに渡って、そのスタイルを維持しつつ生産されていることが災いして、自分の中では知らず知らずのうちに、いつかはが、いつでもにすり替わっていたのかもしれない。

2000年、ついに生産終了の知らせと、時代の趨勢とはいえあまりにもミニらしくない残念な仕様である後継車が、いやがうえにも焦燥感を煽る。

これが最後のチャンスとばかりにローバー代理店を訪れたのだが、気が付いたらなぜかレンジローバーになっていた。

当時はアウトドア志向も真っ盛りで、デリカ・スペースワゴンみたいなデカい車からの乗り換えに、いきなり軽四サイズのチンケな車に移行する必然性は皆無であったし、一歩間違えるとディフェンダー 90 になった危険性もあったぐらいだ。

その時代時代によって、趣味趣向というものは揺れ動くものである。そんな流れに逆らって購入したとしても、ましてや、もっと若い時に購入していたら今のように愛でることも、たぶんなかったと思う。

そんなことを考えると、おそらく2005年辺りが至極真っ当な必然性をもっていたのだろう。

同じ英国車とはいえ、およそ比較対象にもならない2台の車のギャップに、当初は戸惑いもあった。しかし、バカみたいに金のかかる車を5年以上も維持することに少々疲れ気味な時期に、やっと目が合った相手のアバタがエクボに見えたとしても不思議はない。

だいたい、40年以上もおんなじデザインを見続けてきたんだから、フツーは見飽きるはずだ。

自分で所有して毎日毎日8年以上眺めたり、写真を撮っているが、未だに飽きていないどころか、前から良し、後ろから良し、斜めや上からも良しで、下手すりゃ真下から見ても、ボンネット開けても興味深い、という危険な状態である。

たぶん前よりも、ずっと、いや、これは決してアバタなどではなく、エクボに違いないと確信しているのであり、…余談である。

仕様諸元には、心躍るパワーも目を惹く装備も皆無であり、それこそ 60年代(昭和40年頃)にワープさせてくれる。頭の中もそれに応じて切替え、既存の価値観や概念を捨て去り、自ら積極的にパラダイムシフト受入れる必要がある。

そのことを前提に評価してみるが、当然極度のバイアス信号が検出されるかもしれないので、そのつもりでヨロシク。

走って曲がって止まるというのが自動車の基本三要素であるが、走る止まるはさておき、曲がるという性能においては多少抜きん出ている。

今では聞かれることもないが、シャーシが勝つというバランスが望ましいと言われた時代もあり、それが面白さにつながっている。

そこそこ走って、よく曲がるが、あんまり止まらない、と言えば分かりやすいかもしれない。

[走って]

運転席に座ると、真正面にハンドルは無いしベダル類もかなり内よりであり、ハンドルの影でメータ類は殆ど見えない。(速攻で、定番中の定番、ステアリングヘッドを寝かすためのステーで対策)

フロントウィンドウから見える景色は独特で、あの短い短いボンネットやタイヤハウスの膨らみが見えることに感激し、また直立したフロントガラスとやたら天井が目に入る視界に、しばらくは違和感を感じたものだ。

運転席からボンネットが、それがあるにも関わらず見えない車が多い。自分にとってはもうこれがデフォルトなんで、他がおかしいとマジで思う。

その動力性能自体には、とりたてて見るべきものはない。

時代の要求から内装やエアコン、ボディの補強などによりデビュー当時から100kg 以上重たくなっているが、それでも軽四よりも短い3メートルちょいの全長と、その車重が 700kg 少々と十分に軽いことで、たかだか60ps 程度のエンジンにもさほど不満はない。

また、その眠い吹き上がりにも、スムーズさのかけらもない高回転域にも、現代の自動車の進歩の度合いを感じさせるが、得るものがあれば失うものも少なくないという事実を、思い出させるきっかけとなる。

個人的には、高速道路など滅多に利用することはないが、オーバードライブもない直結の4速は 100km/h がどういう速度なのか、エンジン音と振動をもって教えてくれる。間違っても、走行中にカーステレオなどを聴けるような環境ではなく、運転に集中することを促される。

速度に関しても、所詮旧式な OHV でありノーマルでは十分に非力な上に、回して楽しいエンジンではないので、その上限は知れている。

実用許容回転数は、だいたい3500rpm(100km/h) 程度と考えておいた方が良い。その気になれば 5000rpm (150km)以上も不可能ではないが、それなりの根性と忍耐に加えて多少の度胸も必要となる。

ただ、そのサイズから想像するよりも直進安定性においては優れており、法定速度の範囲では極めて安定しているので、出来の悪い軽四などとは比較にならない安心感がある。

ちなみに、エンジンとトランスミッションが二階建てというその特異なエンジン形式から、エンジンオイルとミッションオイルが共有のため、オイル交換は3,000kmごとと、比較的短期間での交換が必要になる。

また、ガソリンはエンジン形式が古いのでハイオクであり、満タンで約34リッター入るが、燃料ポンプの冷却にタンク内のガソリンを使用しているために、25リッター程度で給油することが推奨されている。

この辺りも、現代の自動車とは比較にならないほど、車の構造自体の特殊性をもって運転者に興味を抱かせるきっかけとなっている。(フツーは目が点になる)

そのかわりに、ハイオクとはいえ満タンで100リッター以上入っていた以前に比べると、せいぜい一斗缶程度で済むことにより、レシートに記載された金額はたいへん微笑ましいのも事実である。

[曲がって]

パワステなどという甘えた装備もないので多少腕力も必要になるし、路面によってはキックバックも相当強い。停止したままの据え切りなど以ての外で、その重さは運転者に対して暗に足回りに無理な力を掛けることを戒めている。

ほんの少し車を動かすことで軽くなるにもかかわらず、動力により軽々とハンドルが切れることのメリットに対するデメリットは、パワステ車に乗っている限り実感できない。

しかし、山坂道に差しかかると、俄然その気にさせてくれるハンドリング性能を持つ。ウルトラダイレクトなその操作感は、ロールするほどサスペンションストロークもないことによって非常に安定しており、ハンドルを切ったら切っただけ曲がるという快感を与えてくれる。

また、運転者に対して、舗装のざらつきやうねり、ギャップやデコボコなどの情報は隠すことなく正確に伝えて注意を促し、常に運転者との対話を絶やさないコミュニケーション能力も発揮する。

タイトなコーナーでは、サスペンションが底付きして警告を発するなど極めて饒舌であり、決して乗り心地などという誤魔化しで、その場の状況を誤認させるようなことはしない。

乗っていて面白いのだが、だからといってそれほど速いわけでもない。前述のエンジン特性も相まって、トータルの性能自体はあくまでも60年代のレベルであるし、現代の車と大きく異なるのは、前輪駆動の良いところも悪いところもすべて運転者に伝えてくれる。

要するに絶対的な速さではなく、さほど危険な速度域に達することなしに、あたかも速かったと勘違いさせてくれることが魅力であり、運転そのものを楽しませてくれる車である。

だが、ミニよりもずいぶん後になって設計製造された前輪駆動車、スバル・レオーネ RX  やファミリア 323 などにも乗っていた経験があるが、トルクステアやタックインなどもっと酷かったように記憶している。

あの時代の欧州車が当時の国産車に比べて、いかに進んでいたかという事実にも、いまさらながらに気付かされるのである。

標準のサスペンションは、ラバーコーンという特殊なものである。開発された当時、限られたサイズで機能するコイルスプリングがないので苦肉の策であったらしいが、それがミニの独特の乗り心地を醸し出している。

しかし、そのヘタリも早く3年程度で劣化する。特に、初期に比べて増加したフロント荷重が災いし前が下がってしまうので、ハイローキットという車高調整に必要なオプションも、ミニ乗りの間では定番となっている。

現在では、ラバーコーンに換えて使用できるコイルスプリングも数多く市販されており、メンテナンスフリーという魅力に負けて、我ミニにもハイローキットとと共に組み込んである。この場合、バネレートに応じたショックアブソーバも合わせて交換することが望ましい。

しかし、前述のサスペンションが底付きして音を発することは、その構造上ラバーコーンに底はないので、オリジナルでは先ずあり得ないと思う。

それなりの対策が施されていない、金属コイル製品特有のデメリットの可能性が高い。(金属同士がぶつかり合うので、結構デカい音がする)

ミニ本来の乗り心地に関しても、劣化したラバーコーンしか知らないので、金属コイルとの比較については論評できない。

ここは、新車で購入できなかった者のツライところだが、今更ラバーコーンに戻す金も度胸もない。(だってコイルサスよりゴムの茶碗の方が高いし、それより工賃がもっと高い)

[止まらない]

ブレーキ性能に関しては、ABS などの他力本願な装備などは当然ないので、それなりである。ここでも車重が軽いことが功を奏しているものの、制動距離に関してはすべて運転者の技量に委ねられている。

そもそも、ブレーキの第一目的がタイヤの回転を止めることなら十分な性能と言えるが、車自体を減速または停止させるという点においては、イマイチと言わざるを得ない。踏めばタイヤは止まるが、車は一向に…、という事態になりかねないのである。

基本性能に不満を感じるなら、豊富なパーツ市場に様々なオプションがあり現在でも数多く販売されている。ブレーキ関連にも相当な品揃えとなっているが、大半はサーキット走行を前提としたチューニングキットであるので、価格もそれなりである。

これも、目的と手段を取り違えた安易なチューニングは避けるべきであり、タイヤのグリップを考慮せず、唯々ブレーキ能力を強化してもあまり意味はない。(タイヤが止まるだけ)

全体のバランスを崩してまで、一部の性能強化を行うことはそれなりの犠牲も伴うことが多く、徹底的にやるなら相当な出費を覚悟する必要がある。

もちろん、ノーマル状態でも考え方次第で、改善の方法は幾らでもある。

自動車本来の挙動に対して常に意識した走りを行い、濡れた路面など滑りやすい状況では、自らブレーキを踏む足で、セナ足と呼ばれる貧乏揺すりのようなポンピングを行い、ABS に替わる対策を講じて補うのである。

そうでもしないと、四輪ロックフルブレーキングを敢行すれば乾いた舗装路であっても必ずどちらかに振られ、真直ぐ止めるのは難しい。

標準的なセッティングでは、先ず前輪がロックするので無様にスピンすることも少ないが、パニックブレーキでコントロールを怠ると、我ミニはたいてい右リアが前に出ようとする特性を持っている。

したがって、 十分に止まれるだけの車間距離を維持することと、安全に旋回できる速度まで減速することが手っ取り早く、最も安価な当面の解決策であることは言うまでもない。

かつて教習所で教わった、運転基本講座を実践する意味がある、数少ない貴重な場である。

[安全対策およびその他の装備]

96年以前のミニには、エアバッグなどの衝突安全性などというものは全く装備されていないので、何かあればたぶんイチコロだろう。(あっても大してかわらないと思うが)

だが、自動車の安全性などというものは、運転者に依存している部分が大半であり、それだけに性能を過信する(ほど無いけど)ことなく、車間距離や速度に関して、乗る者が配慮してやる必要がある。

標準で装備されているものは、リアウィンドウのデフロスタと発煙筒ぐらいで変わったモノは付いていない。

エアコンは年式によりあったりなかったりだし、オモチャのような灰皿はあるが、シガーライターもないので電気製品を持込んでも電源供給能力は、自分で改造しなければ全くない。

カーナビやステレオはおろか、パワステ、パワーウィンドウなどおよそパワーを必要とするものは一切ない。間欠ワイパーなどもちろんあるはずもなく、簡潔ワイパーとして完結している。

ただ、もう一台の営業車(2001年式 VW Polo)のように、時間調節のできない間欠ワイパー(なんとデフォ7秒固定!)でイラつくよりは、自分で任意の間隔で手動による動作の方がマシである。

コイツがムカつくのは、一度でも間欠ワイパーからオフにすると再度オンにしても、前回の動作から7秒経過していないとピクリともしない。運転者が間欠であろうが無かろうが、ワイパーをオンにする時は直ちに動くのが礼儀であり7秒も前のことを根に持って人間を待たせるなど、機械の分際で言語道断である。

まるで、1分過ぎて入ったMドナルドで朝食メニューを断られたような気分になる。これを設計したドイツ人は、よっぽど石頭の石部金吉金兜野郎であると断定せざるを得ない。これを書いていても腹の立つ、…大憤慨の余談である。

ましてや、50年代後期の設計から基本的な変わっていないミニなら当然としても、21世紀に製造された車でリアウィンドウにハンドルがついていたのには驚かされた。(もちろんノンパワーだ)

95年式までのミニは、シングルインジェクションで以降のツインインジェクションとの差はどの程度なのかは知らない。だが、燃料噴射をコントロールするコンピュータのせいで、ロッカーアームの交換など、エンジンを下ろすまでもなくできる簡易なチューニングでさえままならない。

根本的な解決はキャブ仕様に戻すことらしいが、これはコスト的にもちとハードルが高い。もっとも効果が高いのは軽量化であり、あまり使用頻度の高くないエアコンを下ろすことも検討し始めて早3年以上になるけど、未だ実現していない。(撮影機材など含めると、以前より重量化しているぐらいだ)

ま、イザという時のことを考えるとその度胸もないし、それ以上に何かを付け加えることによる費用に対しては容認できても、捨ててしまうモノに費用を掛けることは、ゴミの処分に支払う費用のような抵抗がある。

だいたい、壊れてもいないモノを邪魔だからという理由だけで捨ることにも、罪悪感を感じる。それでいて一方では、もう一台走りに徹した真っ赤なミニもあれば嬉しいな、などど不遜な妄想をしていたりするんだから、沼は危険である。

バッテリー充電能力も、家電製品てんこ盛りな、現代の自動車と比べるまでもなく弱い。したがって、強化バッテリーとレギュレータ交換(85W)は定番となっており、これも実施している。

また、そのバッテリーもスペースの関係でリアのトランクに放り込まれており、エンジンルームまでの長距離(といっても精々3mもないんだが)を経由しているため、ノーマル状態では電圧降下が著しい。

事実、アーシングと呼ばれるマイナスアースをボディアースに頼らずケーブルによって送る対策を施した途端に、ヘッドライトのメインスイッチが煙を吹いたぐらいである。当然、スイッチ類はヌルい英国製などに頼らず、出来の良い国産の互換品に交換する必要がある。

95年式までは、驚いたことにエンジンルーム内のガラス管ヒューズを採用という、いわば 60年代で時間が止まったような仕様である。

ヘッドライト回路には、リレーさえも設置されておらず、これが前述のスイッチ類の発煙原因にもなっている。また、ノーマルでは小田原提灯であり、恐ろしく暗い上にその照射範囲も極めて狭い。

で、リレーをメインスイッチとの間に挟んでバッテリーから最短距離で電源を送り込むという、今では当たり前の改善を施したのだが、てきめんにライトは明るくなった。(当社比1.5倍ぐらい)

とはいえ、やっとフツーの明るさになっただけで、照射範囲などの問題は、より抜本的な対策が必要だ。山道などマジで暗い場所では、コーナーの出口が見えないことが多いので、我ミニではフォグランプを2個少し外側に向けてに追加している。

最近では、中国産のおかげでかなり安くなった、キセノンランプなども珍しくない。しかし、あまり色温度の高いライトは、雨の日の見にくさなど環境条件によるデメリットや、ミニのような古い車にとって、機構が複雑になり過ぎることによるトラブルなども増えると聞く。

そんなこと考えると、あまり贅沢をいってもしょうがない。ある程度は、改善に向けて対策も施すが、あまり度が過ぎると沼でおぼれる可能性も高くなる。

要は程度問題なのだが、なるべくオリジナルの良さを失わないように心がけていないと、本来何のためにこの車を選んだのかという、当初の目的や理想を忘れがちになる。

あるがままを受入れ、その中で最良な方法を模索していかねばなるまい、と常々思うのである。

いずれにしても、生産中止から今年で13年になろうとしており、すでに時代に合わなくなってしまった車ではある。

しかし、今がそれほど好きな時代でもないし、時代に合わないからといって、目の前から抹殺してしまうにはあまりにも惜しい。ましてや、他人から見ての価値など、この際一切関係ない。

だからこそ、今そこにあるミニが自分にとって貴重な存在となり、昔から年寄連中にミミタコのごとく聞かされた、モノを大切にという言葉の意味が理解できるのである。

ミニの話、いつかは書こうと思いながら、いつでも書けると思って今まで避けてきたんだが、少し吐き出してちょっとスッキリしたな。

ま、ミニの話になると止まらなくなるから。(8千文字越えの新記録)
だって、コイツはブレーキが…、ね。



…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.28] ミニについて 〜より転載&加筆修正

2013年9月26日木曜日

評価基準

モノの良し悪しを判断する場合、その評価基準が曖昧だと選択の妨げにしかならない。

よくある雑誌などの製品評価に、最後まで読んでも結局どっちがいいのか判らない記事を見かける。

対象となる製品がメーカからの貸与によるものだったりすると、まともな評価など端っから期待できないのは当然であり、いっそ広告の一種であると考えた方が分かりやすい。

前回までの提灯記事もどきの評価基準は、SIGMA DP シリーズで使用することが前提で、やたら水平レベルに拘る風景撮影をメインとして、何かとチャレンジしたがるわりに長続きしない、さほど経済的に恵まれていない撮影者が、なけなしの身銭を切って行った実体験をもとに、所詮趣味の延長でしかないカメラや写真機材の使用感などを、その時の気分で適当に書いた雑談と余談のすきまに埋め込んで、多少なりとも共感や反感をもった方々によって、人道支援の一環としてアフィリエイトでもクリックして貰えたらこの上なく嬉しいな、という思いをこめて評価した、たいへん分かりやすいものであった。

したがって、極端にバイアスのかかった内容であることは言うまでもなく、しつこいようだが、実際に使ってみなけりゃ本当のところはいつまでたっても判らない。どうしても本当のことが知りたければ、これはもうバナー広告をクリックするしかないのである。

ま、冗談はさておき、サンウェイフォトのその後である。

以前、Acratech Long Lens Head のように、トッププレートが簡単に回転できたら完璧だろうなどと考えたこともあったが、目的と手段を取り違える危険性をはらんだ、近視眼的思考と言えよう。

本来トッププレートの回転機構など、ティルト方向を変換するための一手段に過ぎず、雲台に対してカメラの向きが変わりさえすれば、その方法論などなんでも構わんのである。

機材が持つ機能そのものにあまり拘り過ぎると、本来その機能が達成するべき目的を見失う結果になりやすい。誰もが陥りやすい迷路の入口であり、これこそがあらゆる沼に仕掛けられた罠であるといってもいい。

冷静になって考えれば、解決法の一つは以前紹介した、どちらの方向にも対応するシュープレート(DPG-39)であり、もうひとつはパノラマクランプである。

パノラマクランプ、またはパンニングクランプ(Sunwayfoto DDH-03)について、少し補足しておこう。現時点で個人的にかなり惚込んでいるので、適当に割引く必要はあるかもしれない。

これは、機能的には Sunwayfoto DDH-02 と同様に、同社または規格上互換のある雲台の交換用のプレートであるが、サイズも裏面のホールの配置も全く異なる別製品である。

Sunwayfoto DDH-02
トップベース直径:52mm/パンベース直径:51mm/重量:74g
Sunwayfoto DDH-03
トップベース直径:58mm/パンベース直径:57mm/重量:126g

重量差は付属のプレート(AM-02)の重量も含むので、実際の本体重量は 110g である。(我家の料理用秤による実測値)

ただし、DDH-02 の底面にはプレート(AM-02)を取付けるためのホールはないので、汎用性を求めるなら DDH-03 を推奨する。

シュープレート(DPG-39)と比較すれば、コスト的には大きな開きがあるが、その応用範囲も価格以上の差があり、これはもう素晴らしい万能パーツ…、とまで言ったら、ちょっと過言だろうな。(冷却、冷却)

パノラマクランプの最大のメリットは、シュープレートの取付方向は全く無視できることであり、取付方向を変更できないL型プレートを使用する場合に、最大の効果を発揮する。

仮に取付けた方向がティルト機能の上下アングル側だったとしても、そのまま 90° 上向きまたは下向きに持っていき、パノラマクランプのパン機能を使用すれば、ただちにジンバル雲台として縦位置用の独立ティルト機能が実現する。

また、トッププレートの交換ができない製品に対しても、アルカスイス互換品であれば装着できる。(親亀子亀状態だな)

Sunwayfoto DT-02D50 との組合わせでは、シューの付直しはおろかトッププレートの回転さえも必要なく、2ウェイ雲台でありながら自由雲台以上の自由度と使い勝手の良さが実現できるのである。

すなわち、独立したパン機能のない1ウェイ雲台である SIRUI L-10 の底部に取付ければ、機能的には Sunwayfoto DT-02D50 と同等の機能を持たせることができ、SIRUI K-20X のトップにつければ、Sunwayfoto FB-36DDHi のようなカメラレベルでのパンニングや、縦位置ではジンバル機能を持たせることも可能である。

もし、新たに雲台の買い替えまでを考えているなら、何処に問題点があるのか洗い出した上で、今一度再検討してみたほうが良い。

現状の機材に機能が追加できるもので解決策を模索した方が、無駄な投資を押えることができるので、候補として検討する価値はあると思う。

その価格も安価な自由雲台並であるが、応用次第でかなり広範囲にわたって使用でき、ひとつ持っておいても絶対損はない。(超個人的意見)

ま、良いことばかりを書いていては、本当の提灯記事に成り下がってしまうので、一応問題点というか、気になった点にも言及しておこう。

現時点で既に問題になっているわけではないが、ひとつ懸念材料を挙げるとすれば、耐久性に多少不安を感じることだ。

相当精密に作られているようだが、サイズ的にはかなり小さなものであることから、軸受け部分がその機構を十分な強度を持ったまま、どのぐらい維持できるのか。カタログスペック上の耐荷重は、DDH-02 で 18kg、DDH-03 では 20kg というのが明記されているが、あくまでも上方からの荷重を平面的かつ静的に保証するものであると思われる。

したがって、ジンバルのように横方向や斜めからの偏心した荷重にも、同様な性能を期待してはなるまい。

特にパンロックのノブは非常に小さく、その締付力も自由雲台のベース部分に比べたらかなり華奢である。単なるクイッククランプとさほど変わらないサイズで、回転機構を内蔵する精密機械であり、取扱いにはそれなりの配慮が必要になるだろう。

耐久性については、長期にわたって実証してみないと何とも言えないところである。

また、サンウェイフォト製品の付属品および別売品のクランプについて、気になった点を少々。

比較対象が、シルイ製品のみなんでアレなんだが、クランプを締めつける時のタッチはシルイの方が良い。強度的にも K-20X のトッププレートなどは交換できないことで、その強度を高めることができていると思う。

シルイに比べると、精密感や高級感はあるのだが、サンウェイフォトのクランプ類はどれも華奢な感じがするのである。

マットブラックで統一されたボディにクッキリと浮かぶ白い文字、ノギスやマイクロメータなどに感じる、その如何にも測定機器然とした外見は、個人的に非常に琴線に触れる魅力を持っている。

決して安っぽくはないのだが、いかにも丈夫が一番と言わんばかりに少々テカリ気味の塗装が施されたシルイ製品にはない、高級感を演出している。だが、如何せん全般に線が細いのである。

その強度を反映したかのように、サンウェイフォトのクランプの締付時にはノブを持つ指に、あからさまにグググッという感覚が伝わってくる。

細かいことだが、SIRUI K-20X のクランプノブにはゴムが巻かれており、わりとソフトなタッチを維持したまま締付けることができ、指に伝わってくる感覚にも、かなり差違があるのだ。

このあたりは、メーカによる味付けの違いというか個性みたなものかもしれないが、同じ中華製品でありながらその差は意外と大きい。

また、Sunwayfoto DT-02D50 を使用してみて感じた、イマイチな点についても書いておこう。

DT-02D50 をメインで使ってみてすぐに気が付いたことであるが、最も不便に感じるのがフリクションのコントロールが出来ないことである。

出来ないと言い切ってしまうのも語弊があるが、言い方をかえれば、フリクションコントロール機能のある自由雲台 SIRUI K-20X と同じ感覚で使うと、メインノブを少し緩めただけでお辞儀をしてしまうのである。

全く抵抗がないわけではないのだが、メインノブの調整が微妙過ぎてコントロールが難しい。慣れの問題というにはあまりにもセンシティブに過ぎるのだ。

ただ、剛性感は十分にありその動きも精密感に溢れているので、お勤め品にありがちな締めたつもりが強度不足で動いてしまうようなチープな感覚ではない。フリクションを持たせた状態では、SIRUI L-10 と同様な抵抗感を維持しているのだが、そこから少し緩める場合の調整が難しいのである。

あくまでも比較の問題かもしれないが、サンウェイフォトの自由雲台は使用したことがないので、同社のフリクションコントロール自体がどうこうというレベルの話ではない。

個人的には許容範囲であり、自由雲台(ボール雲台)と同列に比較することは避けるべきだろう。だが、人によっては致命的な不満点と感じる場合もあるかもしれない。

SIRUI L-10 も、本来一脚用雲台であることから、自由雲台のようなフリクションコントロールは装備されていないし、メーカの公表している仕様にもそのような記述はない。

仕様の上では DT-02D50 も同じなのだが、シルイの場合少しノブを回したぐらいではかなりの抵抗感があり、まずカックンとなることはない。完全に開放した状態でも、わずかな抵抗を残しており、安心感がある。

購入後、何かと不満も多かった SIRUI L-10 であるが、この点については Sunwayfoto DT-02D50 より優れている。メリットもデメリットも、比較対象があって初めて分かることであり、その判断は容易ではない。

SIRUI L-10 と同等の機能を持つ Sunwayfoto DT-01D50 には、アマゾンでの価格において約2倍の開きがある。どちらもボトム部分はアルカスイス規格互換の形状であるが、DT-01D50 は正方形になっておりクランプの方向に関わらず、取付位置を選択できる。

シルイはこの点、コストダウンのためか一方向にしか切削されていない。この差は、ユーザが必要としなければ全く問題はないが、運用していく上で要求に変化があった場合にも対応できることが、サンウェイフォト製品が持つ利点である。

ただ、一脚用として比較対象が下位モデルの DT-01D50 となると、前述のフリクション機能を考えれば SIRUI L-10 で初期投資を押え、パンニング機能などは必要になってから後で追加という選択も決して悪くない。

だが、最初から独立したパン機能を必要として、上位モデルである DT-02D50 と比較するなら、こちらを選択した方が無難だろう。 確かにパンニングクランプ(DDH-02/03)を追加すれば、 SIRUI L-10 を選択しても価格的にも機能的にも同等となるが、トッププレート交換など汎用性と拡張性を考えると DT-02D50 の方に分がある。

したがって、個人的にはコスパという観点において、DT-01D50 との比較では、SIRUI L-10 が有利であり、価格差はより大きくなるにもかかわらず、DT-02D50 が比較対象なら SIRUI L-10 に対しても同等以上とであると考えている。

あくまでも選択はユーザに委ねられており、優先事項によって判断が別れるだろう。

まるで、煮え切らない雑誌の記事のような表現になってしまうが、私的にはその評価に至るまでにすでに両方を所有しているのである。したがって、この場合どうしても本当のことが知りたければ、裕福な方にできる助言はひとつしかない。迷ったら両方、である。

ま、両方買えるだけの予算があるなら、全く別の選択肢を模索した方がたぶん幸せになれると思うな。

というわけで、提灯記事もとい紹介記事の補足でした。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.26] 評価基準 〜より転載&加筆修正

2013年9月25日水曜日

iMac アップデート

iMac が御披露目の舞台もなく、ひっそりとアップデートされた。

一応、 広報発表文はあるのでサイレントではないが、iPhone の馬鹿騒ぎの影で主力機種である iMac でさえこのような扱いでは、先が思いやられる。

ま、とは言っても、その更新内容もよほど以前の技術仕様とにらめっこして見ないと気付かない程度であり、目立つのは最上位機種がついに20万円の大台を突破したことぐらいだから、致し方なしである。

いっそスペックはそのままで値下げでもしてくれた方が、よっぽどありがたいのだが…。

広報発表文へのリンクと、基本仕様を以下に記述しておく。

本日、iMac をアップデートし、第四世代のIntelクアッドコアプロセッサ、新しいグラフィックプロセッサ、次世代のWi-Fiを搭載、より高速なPCIeベースのフラッシュストレージを採用したオプションの選択も可能になった。

Apple News Release

iMac 27インチモデル
[ME089J/A]
3.4GHz Quad-Core Intel Core i5  (Turbo Boost Max 3.8GHz)
8GB 1,600MHZ DDR3 SDRAM (2×4GB)
1TB SATA HDD (7,200 rpm)
NVIDIA GeForce GTX 775M 2GB GDDR5
Apple Magic Mouse & Apple Wireless Keyboard  (JIS)
[ME088J/A]
3.2GHz Quad-Core Intel Core i5 (Turbo Boost Max 3.6GHz)
8GB 1,600MHZ DDR3 SDRAM (2×4GB)
1TB SATA HDD (7,200 rpm)
NVIDIA GeForce GT 755M 1 GB GDDR5
Apple Magic Mouse & Apple Wireless Keyboard  (JIS)
iMac 21.5インチモデル
[ME087J/A]
2.9GHz Quad-Core Intel Core i5 (Turbo Boost Max 3.6GHz)
8GB 1600MHz DDR3 SDRAM (2×4GB)
1TB SATA HDD (5,400 rpm)
NVIDIA GeForce GT 750M 1GB GDDR5
Apple Magic Mouse & Apple Wireless Keyboard  (JIS)
[ME086J/A]
2.7GHz Quad-Core Intel Core i5 (Turbo Boost Max 3.2GHz)
8GB 1600MHz DDR3 SDRAM (2×4GB)
1TB SATA HDD (5,400 rpm)
Intel Iris Pro Graphics
Apple Magic Mouse & Apple Wireless Keyboard  (JIS)

以上、業務連絡。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.25] iMac アップデート 〜より転載&加筆修正

2013年9月23日月曜日

現実のコストパフォーマンス

立て続けの更新である。が、実際は一つの話があまりにも大作になっちまったので、分割したに過ぎないのだ。

で、前回の続きというか、一応レベリングベース導入の第二部完結編みたいなものである。

写真機材には、どれもお約束のように水準器が付いてくる。中には、どう見てもこれは実用にはならんだろうというレベルのものも少なくない。

にもかかわらず、一番必要なカメラ本体には付いていない機種も多い。電子機器として、これだけ進歩したかに見えるデジカメであるが、 iPhone にも付いている程度のものを標準にすることが、なんで出来ない(しない)のだろう。

シグマには事あるごと(それほど多いわけでもないが)要望していることなんだが、他社の状況がどうなっているのかは、興味がないので実はあまり知らない。

ま、±1° 単位の iPhone (iOS7.0) のコンパスでは、暇つぶしのゲーム程度にしか使えないのだか、単なる水泡でしかないアナログチックな水準器でも、マシなモノなら目が慣れれば ±0.3 ぐらいのズレは判断できる。

問題はその精度であり、いくら沢山あってもてんでバラバラな表示には閉口する。各水準器の本当の中心点を探るために、前回は宝伝くんだりまで出掛けたのだが、どいつもこいつもいい加減にも程があるという実態に呆れ返っている。

たかが、アクリルのサイコロごときに何千円も出せるものか、というユーザ心理にもう少し歩み寄ってはくれまいかと常々考えるのだが、アナログでキッチリ精度を出すことは、かなりコストがかかるのだろう。

しかし、高けりゃ信用できるというわけでもないのが、悩みの種である。

以前より気になっていた一脚用雲台 Sunwayfoto DT-01D50 に対して、見た目が良いという理由だけでは SIRUI L-10 の倍の対価を容認できないと思ったが、今では必ずしもそうとは言い切れない気がしている。

その上位モデルに DT-02D50 というのがあり、一般的には一脚用の簡易雲台として認識されているが、必ずしもそれだけでは終わらない。最初に一脚を購入した頃、なんで独立したパン機能が付いているのか理解できなかった。そんなの一脚回しゃいいぢゃん、と。

購入当初 SIRUI L-10 の使いにくさに関して、一脚にはティルトトップ(1ウェイ雲台)という固定観念に囚われすぎた結果であろうと考えたのだが、逆に Sunwayfoto DT01D50 および DT02D50 を一脚用雲台としてしか見ていなかったことが、間違いだったのだろう。

SIRUI L-10 は、トッププレートの取付方向が固定である上に、その部分のみ交換するようには考えられてはいない。あるがままの仕様でコストを抑えており、その割に精度は高い。一般的な使い方では問題になることはなく、一脚用の製品としては完成度も高いと思う。

シルイ製品の特徴は、各製品ごとに完成品としてのコストパフォーマンスが最大になるように考慮され、ユーザの要求がその想定範囲内で収まるのなら、初期投資は最小限で済むことである。

しかし、要求が少しでも変化すれば、それに応える拡張性という点において、サンウェイフォトの製品群に大きな利点がある。

<基本的な仕様>
Sunwayfoto DT01D50(1ウェイ雲台 + クランプDDC-50)
Sunwayfoto DT02D50(2ウェイ雲台 + クランプDDC-50)

製品番号の末尾 D50 はトッププレートの形式を表しており、クランプ が付属している。クランプのないベーシックモデル(DT-01/DT-02)もあり、基本的な仕様は全く同一である。

Sunwayfoto DT02 のベーシックモデルに着目すると、クランプが装着されるトップは SIRUI L-10 のベース部分と同じ形状をしている。

それを見てアクラテックの社長の顔が思い浮かんだ。別に、スコット・ドーディック(Scott Dordick)氏の顔が雲台に似ているわけではない。(無表情ではある)同社の製品には、三脚に対して上下逆に取付けることにより、非常にシステマティックな対応をウリにしていたことを思い出したのである。

価格はさておき、Acratech Long Lens Head のように、トッププレートが簡単に回転できたら完璧だろうと思うが、そういえば、Acratech Long Lens Head にも独立したパン機能があった。

また、その製品名(望遠レンズ用?)の何処にも for Monopod という記述がないことにも違和感があったが、その外見から勝手に一脚用(それもずいぶんと高価な)雲台と判断していた。

この時点で、サンウェイフォトの製品がアクラテックと同様に、システマティックな対応を考慮して作られていることが理解でき、新たなモヤモヤを誘発した疑問も氷解した。(おせえよな)

話をもどすと、一脚用雲台(に見える)にもかかわらず、独立したパン機能持った Sunwayfoto DT02 であるが、もちろん、そのままではカメラはおろか何も取付けることは出来ない。しかし、単体として製品化されている同社の製品群をよく見ると、トッププレートだけでも相当な数があり、用途に応じて細かくカスタマイズできるのである。

その中で、Sunwayfoto FB-36DDHi などの自由雲台、Sunwayfoto DDH-02/03 等のパンニングクランプシリーズを再度じっくりと眺めると、以下の疑問に対する解答が見えてくるのである。

疑問:パン(水平回頭)は雲台のベース部分で行うべきか、それともカメラ直下のクランプベースで行うべきか。
答え:両方出来るのが一番なんぢゃね?

なるほど、その通りである。

サンウェイフォト製品群の特徴は、各製品を構成するパーツがセットだけでなく単体でも販売されており、あらゆる組合わせが可能なように作られていることだ。

同社または、規格に互換性のある製品を使用しているユーザが新たな使用法を模索しているなら、現有機器に対して最小限の追加投資で、それを実現できる可能性を提示しているのである。

Sunwayfoto DT02D50 を例にとった場合、パン(水平回頭)は雲台のベース部分で、と考えるならそのまま使用すれば良いし、 カメラ直下のクランプベースが適当と思えば、追加投資さえ必要ない。ただ、ひっくり返せばいいのだから。

トッププレートはヘキサレンチで簡単に取外しができるので、付属の UCN3/8 アダプタを使用してボトム側へ付替えることで、簡易パンニングヘッドができ上がる。どちらも欲しいユーザは、Sunwayfoto DDH-02/03 なりを追加することにより、如何様にも対応可能なのである。

前述のパッケージ製品として、Sunwayfoto FB-36DDHi などのトッププレートは、汎用品として別売りもある DDH02i であり、型番も明記されている。別形式のモデルを購入してもトッププレートの交換で何時でも同等品になるだけでなく、より高機能な(またはシンプルな)カスタマイズもユーザの思いのままにできる可能性を持っている。

パンニングクランプ DDH-02 を付けた場合、L型プレートを併用して縦方向にカメラを取付けてローテイト(横回転)すると、パンニングクランプはジンバル雲台のような動きで独立したティルトを実現する。前回 SIRUI K-20X で玉砕したアプローチにも、すんなりと応じることができるのだ。

また、鉄道写真などのワンチャンスに賭ける撮影の場合、バックアップ用のカメラも一台の三脚上にあった方が何かと都合が良い。そのためには、DPG-2416 のようなレール状のクイックリリースプレートもラインナップされており、クランプを介して2台の雲台を取付けることもできる。

当然、洗濯ばさみで一脚を保持するような杜撰なスタイルより、遙かに安定した撮影が可能になる。

豊富な製品ラインナップを見ると、なんでこんなモノを製品化しているのか素人には直ちには理解できない。しかし、各機材の実際の運用において遭遇した問題の解決策を探しだすと、必ずここの製品群にブチ当たるのである。

過去には、Sunwayfoto DBH-52 のように自由雲台でありながら、パン/ティルトが独立でコントロールでき、必要ならレバーまでも付けられる、かなり無理目な製品もあったらしい。価格やサイズはさておき、機能的には当面の問題に対する一つの解決策かもしれない。(現在はカタログ落ち?)

だが海外に比べて、国内では未だ情報が少ないのも事実である。個人ユーザの人柱的情報が頼りであるし、その数も国外の記事が大半を占める現在、ユーザ側でよほど積極的に収集しないと、個々の製品について得られる情報には限りがある。

もちろん、RRS を筆頭に KIRK や Markins、同じ中華の BENRO などにも探せば、似たような製品は数多くあり、価格も幅広く展開している。オリジナルがどっちか知らないが、正味を求めるユーザにとってはあまり関係ない。

より高級品であるアルカスイスの製品群にも機能や精度だけなら、遙かに上回る製品を提供している。それも、たった一つの製品でユーザの要求を全て満たすような、ある意味理想的なものである。

少し前の、どこがモノボールやねんとツッコンでみたくなる、2重非球面ボールを採用した3ウェイ雲台モノボール Z2 や 最新の D4 ギアヘッドなど、当初は機能過剰な製品にしか見えなかったが、今ではユーザが行き当たる問題をことごとく解決する万能選手のようにさえ感じる。

問題があるとすれば、全部入りの、裏を返せばユーザの用途によっては現時点では不要、または過剰な機能や精度を持たせることによって、高級品にありがちなケタ違いな機能・性能と引換えに、ケタ違いな対価を要求されることだろう。

その機能は必要になってから追加したい、と思ってもそれほど選択肢があるわけでもない。まるで、即金オンリーで月賦は利きませんよ、と言われているようなものであり、悪いこと言わないからこれにしておきな、と言われてもハイそうですかと容易く従えない事情もある。

また、価格だけでなく国内流通において、手に入れやすいことも重要な要素である。送料や支払い方法、トラブった時の対応などを考慮すると、あまり一般的ではない流通経路は避けたいと考えるユーザも多いのではないだろうか。

その点、アマゾンでも相当数の商品が取扱可能となっていることが、サンウェイフォトの有利な点である。

ただ、並行輸入品の中には法外と思える価格を設定している業者も多く存在する。アマゾンに限らず、複数の業者が取扱う商品については、どれが真当な価格なのかをある程度多角的に調査しておく必要はあるだろう。

ディスカウントというのは、基準になる価格があって初めて成立するものであり、それが判らないと高い安いの話にはならない。ましてや、お勤め品と高級品の区別がつかないと、お値打ち品を判断することは出来ない。(いわゆる、通り相場というヤツである)

個々の製品については、何を今更という部分もあるかと思うが、あくまでも SIGMA DP Merrill シリーズで使用してみた感想であり、話の土台が変われば別の評価もあって然るべきだと思う。また、何事もステップがあり、現時点ではこのように感じたという、一つの記録としたい。

以上のことから、現実のコストパフォーマンスに優れるものは、ただ初期の機能と価格だけでは一概に断言できないし、固定観念を捨てることも時には必要だということである。

個人的な話をすれば(それしかしてないけど)、何時になるかわからないが将来的には、サンウェイフォトの製品群を選択することが、増えそうな気がするのである。

と、完結したのかしていないのか自分でもよく判らないが、一応区切りとしておく。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.23] 現実のコストパフォーマンス 〜より転載&加筆修正


2013年9月22日日曜日

理想の三階建て?

iPhone 5s の金色が人気らしい、などという情報にも全く無関係にもくもくと更新を続ける。

雲台沼の入口で右往左往し、この沼で思う存分泳ぎ回れるならさぞや楽しかろうと思うが、飛び込む度胸も技量も経済的余裕もないので、淵から恐る恐る覗いては片脚を浸けてみる、今日この頃。

前回の撮影アングル決定のプロセスでは、ティルト(上下)方向の調整とパン(回頭)方向の調整はどの段階で行うか、によりレベリングベース(Sunwayfoto DYH-66i)だけでは解決できない問題があった。

少なくとも、独立したパン機能を持つが独立したティルト機能は持たない、一般的な自由雲台である SIRUI K-20X との組合わせでは解決できない。(たぶん)

そこで、思いついたのが一脚用の1ウェイ雲台 SIRUI L-10 を三脚で使用することである。

カメラベースで水平出しを行っていた段階では、自由雲台(SIRUI K-20X)が、レベリングベースの役割も担っていた。だが、ティルト方向を修正した途端に水平は崩れるわけで、雲台のベースラインを水平から外すことでカメラの水平を保っていては、その独立したパン機能も有効に働かない。

逆にレベリングベースには、角度的に制限はあるものの自由雲台としての一部機能もある。したがって、1ウェイしかない SIRUI L-10 を使用してみたのである。

1ウェイ雲台なので、アングルの調整方向はティルトかローテイトに限られるが、先日入手した 90° 単位でいずれの方向にも対応したアルカ互換のクイックシュー Sunwayfoto DPG-39 のおかげで、どちらでも(ローテイトは使うことはないが)選択可能である。

パン(回頭)方向の調整は、センターポールの回頭機能で何とかなるのではないかという、予想に基づいてやってみたのであるが、…。

結果は、ぜんぜんダメ。

第一の問題は、センターポールの軸受けの精度がさほどでもないことにより、回頭した後に締込むとレベリングベースでせっかく出した水平は、物の見事に崩れるのである。そうでなくとも、アクロバティックな水平展開を可能とする Manfrotto 190CXPRO3 のセンターポールには、もともとそのような精度は盛り込まれていないので、そんな期待自体が間違っていたのだろう。

また、第二の問題は事前に判っていたことだが、SIRUI L-10 のティルト方向に対して平行にしか取付できないので、L型プレートを付けた場合にはティルト機能が使えないないことである。したがって、ティルト方向はレベリングベースの水平を崩さない限り微動だにしないので、全く意味はない。

次に行ったのが、見た目は少々不細工だが、三脚+レベリングベース+自由雲台+一脚用1ウェイ雲台という三階建てシステムである。

SIRUI L-10 のベース部分は、アルカ互換のクイックシューの形状になっており、このような親亀子亀的な使用にも対応している。

まず、レベリングベースで自由雲台の水平を出す。自由雲台はパン機能のみを担い、一脚用1ウェイ雲台でティルトを行うという、考えただけでも頭痛がしそうな旅館の建て増しシステムである。

だが、この場合は全ての要求、すなわち水平レベルを崩すことなく、独立したパンおよびティルト機能が実現する。実際に使用してみた結果は上々であり、高さが稼げるのでセンターポールを最大まで伸ばすことなく、実用的なポジションが採れる。

当然、重量は増加しトップヘビイになるが、一脚の頭に付いていようが三脚の頭に移ろうが、常に両方を持ち出しているかぎりトータル重量は全く変わらないので、重量の増加は実質ゼロである。

問題があるとすれば、操作に迷うほどつまみやネジの類いが増えてしまい、お世辞にも使いやすいとは言えないことと、三階建てのあまりにも不細工な外見である。

しかし沼の入口とはいえ、どんどん深みに嵌まっているような気もする。

で、考えたのは、もっとシンプルに解決できないか、1ウェイ雲台にできて、自由雲台にできないことがあるのか、と。言い換えれば、1ウェイ雲台と同じことはできないものか、である。

自由雲台がその自由度を制限される状態が、ひとつだけあったのだ。
それは、カメラを横から縦に切替えたとき、すなわちローテイト(横回転)した時である。

この機能は、一般的な自由雲台の一ヶ所だけ(二ヶ所ある機種もあるにはあるが)ある切欠き部分に倒した場合、トッププレートの動きはティルト方向のみに制限される。独立したパン機能を持たない、低価格な機種ではその時点で1ウェイ雲台になるのである。

幸い SIRUI K-20X は独立したパン機能を持つので、2ウェイとなる。

したがって、最初の定義が間違いである。ローテイト(横回転)した時は、独立したパン機能とティルト機能のみの2ウェイ雲台に変わるので、この組合わせでも解決できるかもしれないのである。

もともとのヒントはジンバル雲台であり、アルカスイスやアクラテックなどの高機能/高価格な雲台には、たいていこの機能も盛り込まれている。L型プレートを併用して縦方向にカメラを取付けてローテイトすると、トッププレートはジンバル雲台のような動きでティルトを実現する。

厳密にはパン方向の中心軸がオフセットされてしまうのだが、わずかな方向修正程度なら実用範囲内である。近接の物撮りやパノラマ写真でも撮らないかぎり、単写の遠景の場合にはさほど問題にならないだろう。

レベリングベース無しでは実現できない(やる気にならない)方法でもあり、そういう意味において前向きなアプローチである。

が、残念ながら結果は…。

水平を保ったまま実現できるのは、パンかティルトのどちらかだけである。

SIRUI K-20X は、ローテイト方向に 90° 以上にほんの僅かだが倒せることが災いして、水平を出すためにはメインノブを緩めたまま、フリーにティルト可能な状態にはならない。

水平レベルを再度調整した時点でロックする必要があり、ティルトを優先するならレベリングベースによって水平を崩して、またもやカメラレベルの水平出しに戻ってしまう。

これでは意味がない。なかなか、理論道理にはいかないものだ。

自由雲台と比べて、2ウェイ雲台メリットは各方向に制限を設けることによって正確性を維持できることだが、例外に対処できない不自由さも持つ。

ある基準を元に積み上げていくしかないのだが、最終的にはカメラレベルでの結果が全てであり、その基準を崩してでも対応しなければならないことも当然ある。

そのような場合、レベリングベースはイザというときの柔軟な対応に適したディバイスであり、基準を作ることも崩すことも、また別の基準にシフトすることもできる、全ての三脚にあって欲しい機能である。

見た目はさておき、実用面ではこちらの要望をほぼ実現できている三階建てシステムぼんやり眺めながら、ため息をつく。

ネットでたまに見かける、心惹かれる写真の中には必ずしも水平レベルがキッチリ出ているものばかりではない。多少ズレていようが、構図的には違和感のないものも少なからずある。

だがいつかは、水平などいつでも正確に出せるがコレはあえてこうしたのだ、と言ってみたいがためにもう少し探ってみることにしよう。

たまたま、手元には自由・不自由の両雲台があるので、これを一つの基準としていろいろやってみたわけであるが、もう少し追加機能が必要な段階になってきたのかもしれない。

せめて一脚用雲台に独立したパン機能さえあれば、レベリングベース上に直付けできるんだが。…はて、どこかで見たような。

そうか、アレはそういう意味だったのか、と。おそらく、まだつづくような気がする。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.22] 理想の三階建て? 〜より転載&加筆修正

2013年9月20日金曜日

ヘロヘロなアップデート

iOS7.0 (11A465) & iTunes 11.1 (126)

お約束の iOS7 アップデートである。ついでに、対応バージョンとしての iTunes 11 も同時アップデートされた。

事前に判っていたことではあるものの、どうもこのヘロヘロ感には馴染めない。操作方法も色々なところで変更されているから、慣れるまでは非常に使いにくい。

あまり慣れたいとも思わないが、必要最低限の設定だけは認識しておかないと、イザという時に間に合わないのでしかたあるまい。

とりあえずアプリの終了操作が、従来の押し続けて揺れるアイコンのバツ印タップから、上方向にフリップに変わったことは確認したので、アイコンを押し続けながら意味もなく待つという、間抜けな姿を晒さなくてよくなった。

モバイルサファリの方には、一目でそれと判るクローズ用のバツ印はあるにもかかわらず、である。ユーザ体験を重視するというポリシーは、既に過去のものとなったようだ。

ユーザが望もうと望むまいと選択肢など一切与えないのは、アップルの悪しき伝統であり、今に始まったことではない。

嫌なら、アップデートしなけりゃいいんである。それによって、何らかの機能制限に遭遇したとしても、それはユーザの選択なんだから知らねえよ、という姿勢も従来通りで変更はない。

で、嫌なんで、iPhone 5 は必要悪と割切ってアップデートしたものの、iPad 3 の方はしばらく見送ることにした。

ま、以前と比べて何処がどのように改悪されているか、ツッコミ確認用に必要だしな。iTunes の方は、まあ…、そのうちに。

以上、業務連絡。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.20] ヘロヘロなアップデート 〜より転載&加筆修正

2013年9月19日木曜日

撮影アングル決定のプロセス

今回のレベリングベースの導入自体は、とりたてて大きな落とし穴があったわけでもなく、概ね期待通りの効果を得られた。

問題は使用者側にあり、人間の欲深さというものは果てしないという、今更な事実に呆れるのである。

姑息な手段ばかりを選択していると、ひとつの問題が解決すればまた新たな問題が発生して、当初考えていた理想と微妙なズレが生じてくるものだ。主として中間に介在する要素の数と精度が、そのズレの要因となる。

大人数でやる伝言ゲームみたいなもので、最初と最後はかけ離れた内容になってしまうのだ。

ちなみに、前回の百パー雑談に比べりゃ、今回は撮影機材について言及している部分は多少含まれそうだが、所詮はネタに過ぎず大きな期待をしてはならない。

ここは、雑談と余談が主題であり、デフォルトなんである。

ある地点から別の地点に、最短距離で到達しようとすると、目標に向かって一気に直線で行くのが手っ取り早い。しかし、そのルートには様々な障害がある場合も多々あり、時には迂回せざるを得ないこともある。

写真機材を選定するにあたり、それぞれの機器が持つ機能を子細に検討することで、ある程度は最適な選択の助けになることはある。しかし、実際の使用においては必ずしも期待通りではないことも少なくないし、無知による想定外の落とし穴に気が付くこともある。(が、これは学習と言えなくもない)

この場合の障害は価格であったり、迂回路は代用品であったりする。

かつて、平面的な地図だけをたよりにツーリング計画を立て、単純に一日に走行可能と思われる距離から、宿泊地点を適当に決めて出発した。

西日本ではもう暖かくなり始めた三月下旬であり、目的地は九州地方であることから、シュラフも持たないアホな高校2年生にとって、テントによる安上がりな宿泊計画に全く不安などなかったのである。

その杜撰な計画に従った三泊目の宿泊地は、高千穂高原でありその季節でも最低気温は零下になることも、珍しくない場所である。

日も暮れかけて、どこか野宿できる適当な場所はないものかと、近くの交番で問うてみたものの、おまえら自殺するつもりかと叱咤される始末。

結局、安い民宿を紹介され一命は取りとめたものの、以降の計画立案には標高など高さ方向の位置関係や、訪れる地方の特質なども細かく検討する必要性を痛感したものである。(実際には同行のM尾と二人で、ま、そんなこともあるわなあ、と笑い話ですましていた、…やっぱバカである)

この場合の障害は宿泊地点の標高であり、迂回路は民宿であり、そして余談である。

使いもしない機能のためにより多くの対価を支払うことは、できれば避けたいと考えるのは庶民として真当な人情であり、ただ単に安物買いの銭失いとして片づけられる問題ではない。

安価な代用品とはいっても、その価格は使用者の要求レベルに対して相対的な価値である。必ずしもその製品自体に、本質的な問題があるとは限らない。あくまでも用途に向くか向かないか、何処までの機能を望むのかにより、評価は変わってくる。

写真機材の場合、似たような機能を持つ製品でもその価格は幅広く、個々の基準によりベストなコストパフォーマンスを追求すれば、おのずと最適な選択になるはずである。

ただ、その基準が変化してしまうことは避けられない。学習機能と言えば聞こえは良いが、その実態は欲である。欲望がなければ、進歩は望めず現状に満足するしかない。

レンズ沼、三脚沼、雲台沼とカメラ趣味にはあらゆる沼が存在し、入門者にとってその底は果てしなく深い。日常生活が平穏であることを望むなら避けて通ることが懸命であり、本来近寄ることも憚られるべき不吉な沼である。(某価格掲示板などでは、沼へようこそ、と自虐的に歓迎の言葉をかけられるが、喜んでいる場合ではない)

レベリングベース Sunwayfoto DYH-66i を使用して気が付いたのは、複数の水準器が必ずしも一定のレベルを正しく表示してくれるわけではない、という事実である。

以前のホットシュー水準器(HAMA5411)には、その価格とドイツ製という根拠のない漠然としたイメージから、その精度を過信したことにより大量の失敗作を生成した経緯がある。

どのような製品にも個体差があるので、個々の製品の評価として断定できるものではないが、その個体差がより少ないことを期待して、高価格なものを選択する場合もある。

裏を返せば、安価な物でも当たれば、実用に十分な精度を持つものもあることは事実である。重要なことは、精度を期待するのであれば事前に独自の検証を行い、要求に足るものかどうかを確認しておく必要がある、ということである。

幸い HAMA5411 は2ウェイ構造になっており、縦型として使う分には精度は出ていた。したがって、全く使えないモノにはなっていないのがせめてもの救いであるが、再び購入する可能性はない。

また、当たれば精度も期待できるとはいえ、低価格な製品にはもっと根本的な問題、気泡の動き方や、筐体の歪みによる特定の方向に対するバラつきなどもあるので、非常識な価格のものは高くても安くてもそれなりの覚悟(または割切り)が必要であろう。

その後に購入した、ユーエヌの V.H.S. レベラー(UNX-5685)は、精度上大きな問題はないようだが、これとて個体差の可能性を否定出来るわけはない。

したがって、実際使ってみなけりゃわかるもんか、という身もフタもない現実に直面するのである。

他人の評価があてにならないのは、実際に使用する前に開封の義などと称して、外見やスペックのみを基準にあたかも製品の善し悪しまで検証したように見える(見せる)評価記事が多いことだ。

さすがに、アフィリエイトだけが目的な商魂サイトは一見して分かるので、そのようなサイトにも決して悪意があるわけではない。購入前の、誰かに崖から突き落として貰いたい時には、重宝するのも事実である。だが、ここも含めて気分で書かれた個人のブログなどの評価を、真に受ける方がバカなのでる。

あくまでも、その評価を参考に自身で実証してみることが、肝要であろう。それにより、当たらずしも遠からず的な印象を受けるモノもあれば、大きく視点が異なっていたことに気が付くものもある。

繰返すが、そんなもん自分で使ってみなけりゃわかるもんか、というのが厳しい現実である。

Sunwayfoto DYH-66i にも少し大きめな水準器が付いているが、その精度以前に水平が出たという基準をどの辺りにもってくるかという難しさもある。

購入前アマゾンで確認した製品画像では、水準器の中央に+印が付いているが、実際に到着した製品にはない。かわりに、+印の周りに描かれたサークルがより小径のものになっている。

またもや、手違いによる不具合の一環かと思ったのだが、ネットで検索するかぎりどうも2種類のバージョンが存在するようで、詳細については未だ判明していない。(型番末尾の i が何を意味するのかも不明)

中華製品に限らず、ロットによって多少異なる製品が存在することは、さほど珍しくない。実用上大きな問題になるわけでもないが、購入前にはそのあたりも考慮しておく必要はある。

ま、油性マジックなどで印を付ければ済む程度の問題なんで、前回の付属品手違いの時のような、返品騒ぎにまでは発展していない。実際どちらがいいのかは未だ判断しかねるが、前述の精度も含めて今少し検証が必要かもしれない。

ただ、水平レベルに関して個人的な要求度も以前より上がってきているのも事実であり、レベリングベースが全てを解決してくれるわけではない。また、そこまで大きな期待をしていたわけでもない。

ここ最近の失敗作をつぶさに検証してみると、自分の中である基準ができているように見える。

それとわかる対象物が写っている風景写真の場合、許容できる水平レベルのズレは ±0.2° までだと考えている。よほど絵的に見るべきモノが無い限り、それはボツ写真であり現像さえもしない。(DTP は端っから編集加工が前提なんで、この限りではないが、…)

これほど水平レベルに拘りだしたのは、DP Merrill シリーズを使い始めてからである。その写し出すピクセル等倍画像が素晴らしいだけに、極力オリジナルのクオリティを維持したいがための拘りである。

加工できることが最大のメリットであるデジカメ写真なんだから、写真の角度ごときソフトで修正すりゃあいいんである。リサイズや再サンプルを前提とした、以前の写真加工プロセスの中では、そう考えていた。

もちろん、いまでも基本的な部分では変わっていない。そのためのデジタルデータであり、押入れ現像所で印画紙に焼き付けていた時代には到底考えられない自由度が手に入ったのだから、本来はそれを最大限に生かすべきなのだ。

当然プロと呼ばれる人達の中にも、そうしている人はたぶんいるに違いない。(ここでは、職業写真家と芸術家はあえて区別していない)

しかし、自分にとってはあくまでも個人の趣味である。何を以て良しとするか、他人から見れば常識外れな基準も拘りも、その是非については、大きなお世話であることに変わりない。

これはレベリングベースを使いだしてから気付いたことなんだが、自分が普段行っている撮影アングル決定のプロセスに関して、市販されている製品ではそれに向いた製品と、必ずしもそうでない製品があるということだ。

撮影アングル決定までの手順(三脚+自由雲台の場合)
1.三脚の設置と水平出し(不整地においては、諦める場合も多い)
2.カメラを載せ、おおまかなフレーミング
3.ローテイト(傾き)方向の調整と水平出し
4.空をどの程度入れるかなど、ティルト(上下)方向の調整
5.場合によっては、再度水平出し
6.被写体の中心を何処に持ってくるかなど、パン(回頭)方向の調整
7.場合によっては、当然再々度水平出し
8.最終的なアングルが決定したら、水平を確認後、撮影開始

とまあ、常に水平レベルを確認しないと何時崩れるかわからないのが、自由雲台のデメリットである。レベリングベースがこのプロセスに入ると、以下のようになる。

撮影アングル決定までの手順(三脚+レベリングベース+自由雲台の場合)
1.三脚の設置(開脚角度のみで決定し、センターポールの多少の傾きは無視する)
2.レベリングベースで、水平出し
3.カメラを載せ、おおまかなフレーミング
4.空をどの程度入れるかなど、ティルト(上下)方向の調整
5.被写体の中心を何処に持ってくるかなど、パン(回頭)方向の調整
6.最終的なアングルが決定したら、水平を確認後、撮影開始

都合2ステップほど簡略化できるだけだが、レベリングベースが無いと第1ステップが最も手間がかかり、その割には正確性に欠ける。結局各段階で再確認と調整が必要になるので、トータルでは大幅に改善される。

実際に撮影に入ったら、5.6.のプロセスは繰り返しになるので、ステップ2の確度がその後の手順に与える影響は大きい。毎回この手順でのみ行うなら、今回のレベリングベース導入だけで問題はない。

問題は、ティルト(上下)方向の調整が、どの程度の頻度で行われるかで、不満も出てくる。またパン(水平回頭)は雲台のベース部分で行うべきか、それともカメラ直下のクランプベースで行うべきかである。

そんな疑問が、新たな問題を誘発しモヤモヤの原因となる。

風景撮影の場合、主題となる被写体に対してティルト方向で正対するアングルは滅多にないが、皆無でもない。その場合は、ベース部分のレベルは関係なくカメラ直下のクランプベースでパンすれば良い。自由雲台のメリットを生かすなら、そういう状況にも対処できる可能性を探るべきかもしれない。

自由雲台の不自由な点は前にも指摘したが、この点については3ウェイや3D雲台を使えというのが、一般的な回答であろう。

たしかにこの段階では、3ウェイ雲台が有利であり、ティルトすることにより水平レベルが崩れることはない。一時は、3Dギヤ雲台(Manfrotto 410)も検討したが、その重量と汎用性の無いクイックシューが二の足を踏ませる。

しかし、3ウェイであろうが3Dであろうが、全ては雲台ベースの水平レベルが確実に出ていることが、大前提であることに変わりはない。また、自由雲台ならではのメリットを完全に放棄できるほど、悟りが開けているわけではない。

ネットには、Manfrotto 410 を3軸から2軸に改造したり、はたまたアルカ互換のクイックプレートを直付けする加工など、ありとあらゆる情報に溢れている。が、改造前提で新規購入というのもハードルが高い。(グラインダーの費用までを考えたら、いったい幾らかかるのか)

また、L型プレートを使用すると、ローテイト方向(横回転)は必ずしも必要ではない。いずれは、ビデオ用のように2ウェイ雲台も検討する必要はあるかもしれないが、当面の問題に対する対処療法(姑息療法)として、もう少し現有機材を有効に生かす方向で探ってみたい。

以下、次回にたぶんつづく…と思う。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan


http://www.hexagon-tech.com/
[2013.09.19] 撮影アングル決定のプロセス 〜より転載&加筆修正