2014年2月28日金曜日

DP2 Merrill

そんなわけで、DP2 Merrill である。

何がそんなわけか全く判らないと思うが、当然 dp2 Quattro ではなく、しつこいようだが、あくまでも DP2 Merrill である。

大人しくシグマ貯金でもしておこう、という前言をまたもや撤回しなくてはならない状況というのは、なかなか説明が難しい。

今さら、2年近く前の機種など誰も興味はないだろうが、dp Quattro の発表以来、随分と悩んだ揚げ句の判断であり、純粋に DP2 Merrill が欲しいと思った、いたって健全な(?)欲望による帰結である。

以前は珍しくもなかったが、カメネタ中心になったここ最近にしては更新が滞っていたのも、自分自身を納得させる理由を捏造するのに苦慮していた、という事情もある。

もちろん、最近の実売価格下落により、以前のキャッシュバックキャンペーン当時の実質価格と比べてもさほど変わらなくなってきたことや、2月中であればバッテリー4個付きという特典など、庶民を誑かすコマセに惹かれたというのも、大きな理由ではある。

だが、それだけでは既に新型が発表された旧世代を、積極的に購入するきっかけにはならない。

問題は製品の方ではなく、自分の中にある何か、である。

ま、その辺りの経緯はいずれ初撮り写真も含めて、次回以降に…。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

2014年2月16日日曜日

The Computer for the Rest of Us

アップルの国内のサイトでも、遅ればせながら日本語版「Macの30周年」が公開されたようだ。

この手の記念行事みたいなものは、その期日がけっこう重要だと思うが、3週間近くも遅れて公開することに、果たして意味があるのだろうか。

ぶっちゃけ、今年の1月24日が Mac 30周年にあたることは、30年前から分かっていたことであり、ローカライズの手間はかかるとはいえ、まさか本国でも前日まで秘密にしておいた訳でもないだろう。

ま、日本以外の各国サイトがどうだったかなど、興味がないので調べてもいないから、日本だけではないのかもしれない。

ただ、その内容は、翻訳しているだけだからもちろん本国の意向であるが、あまり庶民の生活には現実感のない、成功者達の歯の浮くようなマック賛歌に終始しているようにしか見えない。

たぶん、それは個人的な僻みに過ぎないのだろうが、パーソナルであることを重視してきた筈の Macintosh の歴史を、アップルが語るそれには、まるで感じられないことに違和感を覚える。

古くから Macintosh を使用してきた者の中には、今のアップル製品にそこまで賛辞を贈る気になれないと考えている連中も、少なくないのではあるまいかと思う。

今日ではもう、The Computer for the Rest of Us というのは、iPad や iPhone を指す言葉になってしまったのだろうか。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

2014年2月14日金曜日

SIGMA dp Quattro その後

CP+2014 での dp Quattro に関する報告が、あちこちでアップされてきた。

それによると、今度は電子水準器も内蔵されているようだ。

アナログな気泡管水準器でさえ、±0.3°程度なら確認できるので、それ以下ということはないだろうが、果たしてその精度はどの程度のものなのだろうか。(なんと、iPhone 以下の ±2°!だって、…ハァ〜)

気になるのは、水準器を表示できるのは、いったいどの画面モードなのかである。特定の画面モードでしか表示できないようだと、たぶん使いにくいだろう。

dp2 だと、デザイン上バランス(特に高さと幅の関係)が悪そうに見える。だが、中望遠モデルの dp3 ぐらいになると、横幅に負けない大きさのレンズになるようで、これまたデカい純正フードまで付けたら、もう横幅どころではない、巨大なコンパクトカメラができ上がるらしい。

こんなカメラを、ファインダも覗かないスタイルで撮影することを想定しているのは、甚だ疑問である。三脚前提ということになるにしても、屋外での見やすさを求めれば、何らかのカバーが必要になる。

また、液晶も従来通りの92万ドット(≠ピクセル)なので、ビューファーとしては、まだまだ解像度が足りない。

ファインダを搭載しないのであれば、写真を表示することが主たる目的の液晶画面には、せめて iPhone 並のクオリティは欲しい。

iPhone 5 の4インチ液晶は 1,136×640 (326ppi)  であり、その総画素数は 73万(727,040 ピクセル)程度にしかならないが、92万ドットの液晶はこれと比べても、明らかに画質は粗い。

カメラ業界が、なぜカラー液晶の解像度を表すのにピクセルでなく、ドットを使用する思惑がいったい何なのか全く理解できないが、センサー解像度の表示をはじめ、ハッタリをかますものいい加減にして欲しいものだ。

コンピュータ業界で例えるなら、メモリやハードディスクをバイトではなく、ビット表記で売っているようなものである。(ま、それでも1Kは 1,024 ではなく、1,000 だと言って憚らない、厚顔無恥な業界でもあるが…)

低価格な入門機ならまだしも各メーカの主力機種でさえ、液晶の質はおしなべて高くない。いつまでも、こんな手抜きをやっているからコンピュータ屋の作る携帯カメラごときに客を奪われるのであって、カメラ全般が売れないのも自業自得である。

今のご時世、たとえそれがメイドインジャパンに拘るシグマでさえ、 3〜4インチ程度のレティナディスプレイの調達は、さほど困難でもあるまいと思うのだが。

進化発展の過程では、未だ不満も多いデジカメであるが、個人的には結果として得られる写真の品質こそが、その存在価値を大きく左右することは間違いないと考えている。

いずれ、メーカによる実写サンプルも公開されるだろうし、フォビ厨な輩にとってはなかなか楽しみな、今回の dp Quattro シリーズ。

ただ、気になる価格に関しても未だ情報がないが、実際の販売開始は夏頃以降になるようだ。

ま、それまでは大人しく、シグマ貯金でもしておこうと思う。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.02.14] SIGMA dp Quattro その後 〜より転載&加筆修正

2014年2月12日水曜日

SIGMA dp Quattro

なんかへんなの出たけど、だいぢょうぶかいな?>SIGMA

シグマのサイトで、公開されている情報をいろいろ見た感想を少々。

上からみると、デッドスペースになってしまう空間が多く、いかにもバッグに納まりの悪いデザインに見える。(いや、デザイン自体は悪くないと思うが、どうにも収まりがね…)

次期機種は、液晶の高解像度化と可動型を期待したんだが、どちらも実現しなかったのが残念でならない。

インデックスを見る限り、撮像素子はほとんどボディ前面なんだから、いっそ鏡銅内に組込んでしまって、ボディごと液晶を可動(ティルト)させるようになってくれたら良かったのに。

その方が、他社のようなバリアングル液晶にするより、機構も複雑にならずに済むし、鏡銅とボディを両手で持ってグキッと捻る撮影ポジションなら、持ち替えなくて済むのでメリットは大きいと思う。

ま、要するに Cyber-shot F-505K みたいになんだが、それやると如何にもパチったことがバレるよなあ。S●NY はアホだから、DSC-F828 を最後に止めちまったが、アレはアレで結構気に入っていたデザインだった。

SIGMA dp Quattro シリーズ、どう見ても本体が薄いことのメリットより、幅が広いことのデメリットの方が目立つように感じるが、実際のところどうなんだろうねえ。

本体をいくら薄くしてもフッドアイ(HE-3XA)みたいな、ビューファインダーを付けているような者にとっては、恩恵は少ない。

どうせシグマは、レンズを小さくする気など全くないだろうから、ハッセルブラッド(503C)のように、奥行き方向に延ばして幅を狭めてくれた方が、有難い気もする。

カメラ本体だけでなく、Foveon 自体も何かと問題の多いセンサーだが、今回もトリッキーな方法で改善策を打ち出しているようである。

画質に対して良い影響が出るなら、どんな方法でもかまわんと思うが、あくまでも Foveon らしさ、写真らしさを失わないで欲しい。

個人的には、シグマに対して宴会でも使えるカメラなど、全く期待していない。(そんなもん iPhone で十分だ)

DP2 Merrill もたいへんお安くなって、心動かされる今日この頃であるが、今週から始まる CP+2014 で弄り倒してくるであろう連中の報告が、今から楽しみである。



…ということで、ヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2014.02.11] SIGMA dp Quattro 〜より転載&加筆修正

2014年2月9日日曜日

2月の定点観測

今週末は、少し大人しくしておこう。

…と言った、舌の根も乾かぬうちに2月の定点観測である。

いや、まあどうしても出掛けざるを得ない雑用が出来たから、そのついでなんだが、せっかく岡山県南では珍しい雪景色が拝めるのに、大人しくしているわけにもいかない。

炬燵で丸くなる猫を見習っておくつもりだったが、庭を駆け回る犬になってしまったわけで、キリンビール2月号だ。

未明に積もり始めた雪も午後には溶け始め、路肩に残るバリバリの氷状態に成り果ててしまった。

当初、路面の雪が多いようなら、娘のジムニーを借りて万全の態勢で臨むつもりだった。だが、それらしいのは駐車場の周りだけでしかなく表通りは殆ど乾いていたので、ミニでも大丈夫だろうと高を括って出掛けたのである。

午後の早い時間なら天気も良かったのだが、雑用を済ませてから現地に向かったので、すでに陽は傾いて空模様も怪しくなりつつある時間である。

もちろん、街中は何も問題はなかったが、あまり車の往来がない撮影現場付近では、気温も低いせいか辺り一面が新雪状態だ。

いつもの撮影ポイントへ向かう、土手からの下り坂を降りている最中には全く意識していなかったが、考えてみれば帰りには、その坂を登らねばならないのである。

下まで降りてからそのことに気付いたのだが、今さら手ぶらで引き下がるわけにもいかない。帰りのことは帰りにに考えることにして、撮影を始めた。先月以来、久々に三脚を設置するが、手が悴んで中々思うようにいかない。

いつもなら、ちょっと待つことで雲も移動して青空になることもあるが、この日は風も弱く雲の動きも遅い。到着直後には、わずか日差しもあったが程なく曇り空になってしまい、期待した青空と雪景色の定点観測にはならなかった。

吹雪の中での撮影を強いられる心配はないようだが、絵的にはいっそ吹雪いてくれた方がマシになったかもしれない。

一時間ばかり粘ってみたが、天気はどちらにも変わりそうにないので、引上げることにして機材の撤収にかかったのだが、脳裏には果たしてあの坂を登りきれるのか、不安がよぎり始めている。

案の定、ノーマルタイヤでしかない前輪は 50cm ほど進んだところで空転を始め、坂道どころかその手前で、すでにスタック状態である。

たしか、トランクには冬場の山陰方面への出張に備えて、オートソックスという名の雪道用ネットが積んだまま、もう何年も肥やしになっている。

ここはひとつ、その効果を試す絶好のチャンスではないのか?

とも思ったが、一方では、いやいやこんな岡山市内のたかが田んぼからの脱出ごときに高価な靴下(その耐久性はあまり期待できないので、たぶん使い捨てだろう)を使うわけにはいくまい、などとケチ臭いことを考えている自分がいたのである。

何回か前後に揺すってやれば何とかなるだろうと考え、極力ゆるりとトルクを掛けながら、前進と後退を繰返してみる。

それにより、自ら空転によって作り出してしまったギャップの山を越えることは出来たが、坂道に差しかかるとまたもや停まってしまう。

こうなると、勢いで乗り切るしかないので、少し余計に後退して全力でアタックをかけることにした。

三歩進んで二歩さがる、人生はワンツーパンチだ。(なんのこっちゃ)

しかし、実際には2m下がって1.5mしか進んでいない。その結果、どんどんと下がっているのである。はて、どうしたものか。

先程から何度も、JAF のレッカー車が脳裏をかすめるが、それはであまりにもカッコがつかんだろう。

このところ、モチべを下げることばかりが多いので、ここをキッチリ自力で乗り越えられたら、ひょっとして何かが変わってくれはしまいかと、前向きに考えることにした。

出始めから勢いを付けようとしても無理があるので、今度は始めチョロチョロ中パッパ、で行くことにした。

じんわりトルクを掛ければ、坂道の手前まではどうにかたどり着ける。坂道へのアプローチを少しづつ変えながら、何度かトライしている内に、空転の度合いが少ない箇所が幾つかあることに気付いた。

そういえば、以前に来た時の状況を思い出してみると、今は雪の下に隠れて見えないが、雨の影響で縦に割れたような深い轍が、何箇所かあったように記憶している。

天気の良い時は、あえてその轍にタイヤが嵌り込まないように避けて通って来たんだが、いっそそこに嵌まってしまえば、タイヤのサイドウォールも接して摩擦係数が増えるに違いない。それが、登坂力に貢献してくれはしまいか。

この際、あんまり関係ないかもしれないが、急坂を登る鉄道にも、アプト式という線路の真ん中にギヤを噛まして、登坂力を稼ぐラック式鉄道の一種があったはずだ。

もちろん、ギヤとは全く比較にならんのであるが、溝に嵌まった状態の方が空転が少ないことは確かで、半クラッチ状態を微妙に調整することにより、僅かに空転しながらもちょっとづつ登って行けるのである。(秒速10cmぐらい?)

およそ10分ほどの悪戦苦闘の末、やっと登りきることができた。

ジムニーなら、たぶん何も考えずに無意識のうちに登りきっていただろうし、営業車のポロなら、まず脱出は不可能だったろう。

車重の軽いミニだからこそ、創意工夫と反復チャレンジによって、その辺りが何とかなりそうな、微妙なラインを提供していたと思う。

自力脱出できた土手の上からその道を振り返って見ると、何本ものタイヤ跡が彼方此方に向かって付いており、我ながら苦労の跡が偲ばれる。

これが何かのきっかけになるとは限らないが、僅か数メートルの距離とはいえ、諦めずにチャレンジした甲斐があったと思うのだ。

ま、県北の人里離れた林道や、前人未到の秘境であったなら、そんな悠長なことは言ってられないのであるが、なにせ趣も風情もあったもんではない、所詮市内の田んぼでしかない。

そんな状況でさえ、どこか楽しんでいる自分が、いと可笑しである。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.02.09] 2月の定点観測 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

2014年2月8日土曜日

鉄撮りの練習:其の壱のつづき

前々回の X3F RAW の日付修正は、結局バイナリエディタ(HexEdit)を使用しても、X3F Raw の撮影日付を修正することは出来なかった。

ターミナル経由でも、Exiftool だけでなく、SetFile -d date/-m date やら touch -t/-mtなど、およそ考えつくコマンドは試してみた。

ファイル内の ModifyDate はもちろん変更できたし、日付と思しき箇所は全て正しく変更が行われているにもかかわらず、なぜかそれが結果として撮影日と認識されない。

どうも RAW データ内の撮影日付は、そう簡単に変更が出来ないような仕様になっているようだ。

シグマのサポートにも問い合わせたが、現像ソフトの SIGMA Photo Pro が、いったいどの部分を撮影日としているのかさえ分からず仕舞いであり、お手上げなんである。

仕方がないので、問題の2日分のデータのみ現像後の JPG に対してだけの日付修正で納得することにした。いや、納得はできないので、我慢というべきか。

そのせいでもないのだが、モチべは下がりっぱなし「鉄撮りの練習:其の参」の予定であった写真の出来もイマイチ過ぎて、晒す気になれずにいる。

いずれ、2月の定点観測のついでにでも、紛れ込まそうとかと考えているのだが、…。

今週末は、雪も降って大荒れになるらしいので、少し大人しくしておこう。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

2014.02.08] 鉄撮りの練習:其の壱のつづき 〜より転載&加筆修正

2014年2月3日月曜日

鉄撮りの練習:其の弐(宇野線)

というわけで、前回に続いて練習シリーズの第2弾。

すったもんだの揚げ句、何とか現像済の JPG ファイルだけは日付の訂正が完了したので、今回はその二日目の1月29日分である。

この日は、前回と同様に時間の確認はしたものの、よもや年がずれているなどとは気付かずに撮影を続行してしまった。

おまけに、DP1 Merrill のレンズキャップを何処かで紛失してしまうなど、相変わらずチョンボの多い日だ。

それでも好天に恵まれた暖かい一日だったので、撮影自体はここ最近では最も楽しめたのが、せめてもの救いである。

今年の初め、無謀にも早朝のサンライズエクスプレスにチャレンジした、宇野線/瀬戸大橋線の笹ケ瀬川橋梁だが、明るい日中に再挑戦してみた。

瀬戸大橋線は、岡山起点の宇野線を経由して、茶屋町から宇多津までの本四備讃線をまとめた愛称みたいなもので、たぶん厳密にはここはまだ宇野線だろう。

この付近は単線区間なので、南東側から撮影すれば鉄柱が反対側だけで、たいへん都合が良い。鉄橋手前に、ぶら下がった電線が邪魔になるのが欠点だが、角度を工夫すれば余計なモノが写らない、シンプルな構図も可能であることがわかった。

また、明るい日中によく見ると、鉄橋と電線には3mぐらいの間隔がある。土手に上ってその間に入り込めば、邪魔されないポジションも採れるが、線路に対して距離も近く浅い角度に限られるので、構図の自由度はあまり望めない。

お馴染の115系電車だけでなく、快速マリンライナー、しおかぜや南風などの特急も頻繁に通る過密なダイヤなので、県北のローカル線に比べりゃけっこう忙しい。

快速「マリンライナー」は、JR四国5000系電車3両と、JR西日本223系5000番台2両の混成というまことにややこしい編成で、四国側の先頭車両はダブルデッカーである。

特急「しおかぜ」は、松山運転所に所属する8000系電車で構成され、振り子式車両が使用されている。伯備のやくもと同じく、岡山寄りと四国寄りで先頭車両は全く異なるデザインになっている。

特急「南風」は、少なくなりつつある気動車特急である。カーブが多く電化されていない土讃線を経由するため、JR四国2000系振り子式気動車だが、しおかぜと同様にこの区間では振り子機能は使用していない。

かつては、南風もキハ181系が使用されていたが、キハ185系を経て現在の2000系気動車に更新されたらしい。このあたりも、山陰地方の特急と似たような経緯を辿っているようで、キハ187系の「スーパーいなば」同様、その外見はあまり年寄好みの車両ではない。

その後、妹尾駅構内の複線区間(交換線)手前まで移動して、貨物列車との2ショットなども撮ってみた。

宇野線は干拓以前に敷設されたので、昔の海岸線に沿ってこのあたりは西に向かって伸びている。線路の北側はかなり住宅も増えているが、南側にはまだ長閑な田園風景が残っており、撮影アングルの自由度は結構高い。

また、早島から先にわずかな複線区間はあるものの、一部の交換線を除いて基本単線なので、電柱に邪魔されず撮影出来るポジションも多いことから、練習にはもってこいである。

場面によっては、シャッター速度も DP Merrill の上限に近いところまで上がるので、被写体ブレの心配はしなくて済む。やはり、動体相手の撮影は天気の良い日中にかぎるな、というのがこの日の感想。

ついでに、箕島、早島あたりまで足を延ばそうとした矢先、仕事の電話が入って以降の予定も中断せざるを得なかったのが、返す返すも残念だ。

ま、平日の真っ昼間に遊んでいられる身分でもないので、致し方なしであるが、いずれ時間を作ってもう少し続けてみようと思う。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

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[2014.02.03] 鉄撮りの練習:其の弐 〜より転載&加筆修正

2014年2月1日土曜日

鉄撮りの練習:其の壱(山陽本線吉井川橋梁)

2月である。別名で如月(きさらぎ)とも呼ぶ。

陽気が更に来る月であるから、「気更来」などという説もあるらしい。

先月末から、日中暖かい日が何日かあったので、鉄撮りの練習をしてみたのだが、注意力散漫病は完治していないようだ。

以前の反省から、撮影に先立っては、極力カメラ内蔵時計を合わせるようにした。だが、おそらく無意識のうちに、指が当たってしまったのだろう。分単位に気をとられて、なんとアホなことに年単位のズレに気付かないまま撮影してしまった。

おかげで、DP1 Merrill の方だけ延べ2日分の撮影日が来年の日付になっており、その修正に余計な時間をとられて、月末にアップする予定が果たせなかった。

未だ、全て修正出来ていないので一部だけしか披露出来ないが、どうせまだまだ練習問題みたいなモノだから、まあよかろうと思う。

Exif データの修正に関しては、有象無象のアプリが数多あるんだが、Mac 黎明期に良く使った、リソースエディタみたいなモノを期待して色々探してみたのだが、それらしいものはない。

結局、ExifTool というターミナル経由で行う方法が無料だし、一番手っ取り早そうだったのでやってみた。

ExifTool はパッケージ版をダウンロード後、インストールすることによってターミナルで exiftool コマンドが使用可能になる。このコマンドの後に tag と呼ばれる引数みたいなものをズラズラ並べて操作する。

今回の場合、撮影日をマイナス1年するだけなんで、対象となるデータをひとつのフォルダにまとめて、上の階層から絨毯爆撃の要領で可能だ。

コマンドラインから、
exiftool "-AllDates-=1:0:0 0:0:0"  DP1M/
または、
exiftool "-DateTimeOriginal-=1:0:0 0:0:0" DP1M/ 
である。

上記例では、DP1M という名のフォルダにあるファイル全てが、変更対象となっている。

tag の直後にある(+/-) が変更増分または減分として指定され、= 以降の日付と時間(yy:mm:dd hh:mm:ss)に関連した変更が行われる。

変更が正しく行われたかの確認をしたければ、上記の方法で元データにはファイル名末尾に _original という文字が付加されたバックアップを作ってくれる。

だが、オレは絶対にタイピングミスをしない、という自信があるのなら、
 “-overwrite_original_in_place” というオプションを指定すればダイレクトに書換えが行われるので、後始末の面倒はない。

結論だけ書いちまえば簡単なことなんだが、Perl の知識など全く無い者がここに至るまでは、それはもうありとあらゆる紆余曲折が当然あるわけで、初めはエラーメッセージとの戦いに終始した。

Exif 情報で表示される項目名と微妙に異なる tag 名を見つけるだけで、相当な時間がかかってしまったのである。

ちなみに、exiftool -s DP1Mxxxx.X3F とオプション(-s)を指定すれば、項目名が tag 名に置き換わって表示される。

もちろん、それに気付いたのは、何度か投げ出しそうになりながらも、覚悟を決めて膨大な量の英語のヘルプファイルを深読みした後であり、作業開始からかなりの時を経てからであったことは、言うまでもない。

しかし、現像した JPG の Exif データはなんとか修正できたが、元データ(RAW)の方は、どうしても撮影日の修正ができない。

今回修正が必要だったのは DateTimeOriginal, CreateDate, ModifyDate の三箇所にある日付だが、上記のように同時に全ての日付を修正するコマンド(exiftool "-AllDates-=1:0:0 0:0:0")を指定しても、なぜか ModifyDate だけは修正されない。

現像ソフトである、SIGMA Photo Pro は、この ModifyDate を撮影日として認識している(らしい)ので、元の RAW データを変更しない限り現像する度に誤った Exif データが記録される。

現像する度に修正するのは面倒なので、できればここも修正したかったのだが、どうしても撮影日だけ修正されないのである。

かくなる上は、最終兵器としてバイナリエディタの使用も考えたのだが、ファイルサイズと数量、またその手間を考えると、RAW データ自体あまり表に出るファイルでもないので、今後の課題とすることにした。

ExifTool は、JPG はもちろん、シグマの X3F RAW も含む殆どの RAW データにも対応しておりバッチ処理もできるので、大量なファイルの一括変換が必要な場合は有効だろう。

サーバの設定などで、どうしても必要な場合もあるが、どうもターミナル自体があまりにもオタクっぽくて Mac らしくないやり方なんで、少々疲れ気味である。

ま、こういうのが好きな連中は、真っ暗な画面に点滅するカーソルを見ながら、嬉々としてキーを叩いていた時代もあったんだけどね。

いや、今でもやっぱそうなんだろうな。


…ということで、今月もヒトツよろしく。
2014年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

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[2014.02.01] 鉄撮りの練習:其の壱 〜より転載&加筆修正