2012年4月29日日曜日

iCloud のメール


仕事柄、iCloud 移行に伴う雑事で忙殺されて、ココの更新もままならない状態が続いている。

iWeb 絡みのウェブホスティングの問題はそう簡単には解決できないので、もともと長期戦の構えではあったのだが、iCloud アカウントへの移行はそれほど難儀をするとも考えていなかったので、先月来メールに関連するトラブル解消に奔走させられている現状は予想外である。

業務や使用アプリの関係もあって、おいそれとはライヨンにアップデートできない、またはしたくないユーザは結構な数にのぼる。また、そういったユーザほど iCloud への移行はギリギリまで待ってからと考えがちなのは、致し方の無いところだろう。

トラブルの大半は、MobileMe から iCloud へアカウント移行するとメールがコケるというものだ。いや、もちろんコケない場合もあるのだが、だいたいはコケる。

ライヨンの場合はまず問題ないのだが、それ以前のシステムではかなりの確率でうまくいかない。たいていは、送受信サーバがパスワードを拒否というパターンが多いのだが、その対策はシステム環境によって微妙に異なる。

ま、全組合わせを厳密に精査したわけではないので適当な推測に基づいている点も多々あるが、ある程度こうやれば上手くいくハズ的な対処法がかすかに見えてきたので、覚書のつもりで書いている。

Tiger (10.4.11)、Leopard (10.5.8)、Snow Leopard (10.6.8) などで、MobileMe から iCloud へ移行したアカウントでは、それまで正常に送受信できていたメールが前述のパスワード拒否で使えなくなることが多い。

で、いろいろやってみた結果から、その対策について。

IMAP サーバの場合、メールデータは全てサーバにあるので、それまでに使用していた機器から環境を移す必要はない。全くに新規に設定しても正常に設定が終われば、従来の環境がそのまま再現され便利である。

が、その設定が iCloud に対する設定項目のない旧システムでは、まともなアプローチではたいてい正常に終わらない。そこで、まともではない(わけでもないが)アプローチを試してみることにより、かなりの確率でうまくいく。

其の壱:MobileMe アカウントを iCloud へ移行する前に My Apple ID へ行って、Apple ID が主要メールアドレスになっていることを確認する。MobileMe 以前の @mac.com のアドレスを使用しているユーザは、Apple ID もそれに揃えていた方が、あとあと面倒がない。

其の弐:8文字以下のいい加減なパスワードを設定していたユーザは思い切って、パスワードを変更する。英数大小文字を含んでいて連続3文字以上同じでなければたいていは通る。

以上2点は、メール専用アカウントから iCloud へ移行するユーザには必修といってもいい儀式であり、其の弐のパスワード変更は、8文字以下のパスワードを設定していなかったユーザも、このさい心機一転新しいパスワードを設定することだ。(←ココ重要ね)

実際、同じスノレパでもかたや何も変更しなくても送受信おけ〜もあれば、なにをやっても送信はおろか受信さえも絶対にできない、というパターンもある。どちらのアカウントも同じパスワードを設定しているにもかかわらず、一方だけは受信サーバがパスワードを拒否という壺から抜け出せないという状況なのだが、結局パスワードを変更したら、それだけでウソのように正常動作に復帰した。

ついでにいえば、事前にソフトウェアアップデートを行い、現状のバージョンで最上位に更新しておくことも重要だ。(Mac OS X 10.6.8, 10.5.8, 10.4.11, 10.3.9, ect.)

スノレパユーザは、運が良ければこれだけでメール設定は何の変更もなくそのまま使える。もちろんパスワードは送受信とも新しいのに入れ替える必要はある。
運の悪いスノレパユーザおよびタイガー以前のユーザは、もう一工夫が必要になるが、パンサーおよびジャガーユーザはこの際思い切って最新型に買い替えよう。そうすれば、こんな苦労は全くする必要がない。

.Mac、から MobileMe になったとき、受信サーバはそれまでの mail.mac.com から mail.me.com に変更になった。今回の iCloud では imap.mail.me.com に変更しなければならない、ということになっているらしい。が、必ずしも絶対ではないところが厄介の種。

運の良いスノレパユーザが、なぜ mail.me.com のままで正常に受信できるのかは未だ謎であるが、できないものはウダウダいっても始まらないので、素直に変更しよう。といっても、MobileMe アカウントの場合そのままでは受信サーバ名は変更できないので、一度アカウントをマイナスボタンで削除し作り直す必要がある。

前述のように IMAP アカウントで設定していれば、削除しても再登録で復活するからなにも問題はないが、POP アカウントとして登録していたユーザは設定によってはメールデータがすでにサーバから削除されている可能性もあるので、メールフォルダのバックアップをとってからやった方がよい。

また、アカウントを作り直す場合も @mac.com および @me.com のアドレスは、そのままでは MobileMe アカウントとして認識されて自動設定により変更不可になってしまう。そこで、MobileMe ではなく IMAP として設定変更する必要がある。それにより、受信サーバの名称変更が可能になる。

IMAP への設定変更ができないバージョンの裏技として、ネット接続を切ってわざと設定エラーを起こさせて設定変更とか、とりあえずウソッパチなメアドを入れておいて、後から正しいメアドに変更などというのもある。

アップルのサポートサイトでも情報が交錯し、
受信サーバ:mail.me.com、imap.mail.me.com
送信サーバ:smtp.me.com、smtp.mail.me.com
など、サーバ名だけでも複数存在し、ハッキリこれが正解というのは現在のところ無い。

また、一時的に受信できたからといって安心はできない。翌日になって、パスワード拒否されて設定をやり直した例もあるぐらいだ。

ライヨンでは、受信サーバの頭に p99-imap とか p02-imap などが自動設定されている場合もあるが、これを真に受けてマネしても、スノレパ以前のシステムではたいてい蹴られるので、バージョンが違うとあまり参考にはならない。

受信サーバの設定が運良くうまくいって、正常に受信が確認できたら次に送信サーバの設定である。

送信サーバのアカウント名は通常 @ より左側のユーザ名を設定するのだが、アップルのサポートサイトでは @ 以降を含めたはメアドを入れよと案内されている。しかし、メアドを設定してうまく送信できる場合は、ユーザ名だけでも送信はできる場合が多いので、これとてかなり怪しい情報だろう。

確実なのは、SSL ON Port 587 ぐらいだが、べつにSSL OFF Port 25 でも送信はできる。ただし、プロバイダのスパム対策等により、相手が受信してくれるかどうかは甚だ疑問だが…。

ようするに、ライヨン以外では各ユーザの環境により、コケ方もその対処法としての設定の仕方が多彩に変化する。

それは以前に設定したパスワードや、@mac.com および @me.com のいずれが Apple ID に登録されているか、移行する以前のアカウントがメール専用か正規アカウントか、またはそのアカウントを取得した時期など、あらゆる要素が絡んでくる。

したがって、ちょっとググったぐらいの情報では自分の設定環境にとって正解にブチ当たる確率はそれほど高くない。うまくいくヤツはいくし、いかないヤツはどうやってもいかない。少なくとも現状では、正しい設定というのは、とりあえず動作するというのも含めると複数あるようだ。

それでも、ムリヤリ基本的な設定手順の要点をまとめると以下のようになる。少なくとも、下記要点の1.2.を事前にやっておけば割とすんなり完了するはずだ。

<iCloud メール設定手順:スノレパ・レパード・タイガーなど>
1.My Apple ID:Apple ID の確認
主要メールアドレスを設定(xxx@mac.com or xxx@me.com)
2.My Apple ID:パスワードに変更
英数大小文字を含んだ8文字以上
3.MobileMe:iCloud アカウントへ移行
4.メールを起動し、送受信確認
何も問題がなければメデタシだが、しばらく様子を見よう
即座にパスワード拒否されたら、あわてず5へ
5.IMAP メールとして再設定
メール設定項目
○メールアドレス:xxx@mac.com (or xxx@me.com)
○ユーザ名:xxx
○受信サーバ:imap.mail.me.com (or mail.me.com)
認証:パスワード (SSL=ON, Port 993)
○送信サーバ:smtp.me.com
認証:パスワード (SSL=ON, Port 587)

また、すでに設定済みでパスワードを拒否される場合も、各項目が正しく設定されていれば、やおら My Apple ID へ行ってパスワードを変更してからメール設定に再度入れ直すことにより、正常に送受信できるようになる場合もある。

たかがメールされどメールであるが、こんなばかばかしいトラブルでユーザを失うことぐらいアホらしいことはない。

第一の問題は、iCloud へ移行したアカウントもスノレパ以前のシステムでは MobileMe アカウントであると見做されることであり、これはもうアップルの問題といってもよい。
スノレパ以前のシステムに対して、システム環境設定の iCloud やメール/連絡先/カレンダーの設定項目程度はアップデータやインストーラで対応できるはずなのにこれをやらないことが、問題を深刻化させていることに他ならない。

次にユーザの問題、といっても半分はアップルの問題でもあるんだが、iTools、.Mac、MobileMe 時代を通して、いい加減なパスワードを設定していたことが尾を引いて、不可解なパスワード拒否現象を引き起こしている可能性があることだ。

ただ、ユーザが任意で決めて嘗てアップルもそれを一度は認めたんだから、いまさらセキュリティレベルを口実に上から目線で一方的に拒否というエラそうな態度は、如何なものかと思う。

10.7 以上の Mac OS X、Intel Core 2 Duo 以降の Mac、iOS 5 以降のモバイル機器を持たないユーザに対する制裁措置であり、イヂメでもある。

いくら iOS 機器をコマセに潜在的次期マックユーザをかき集めようが、旧来のユーザに対して余計な手間を強いたり、サポートを犠牲にしていたのでは意味がないだろう。

毎度々々、いい加減な手抜きアップデートを改めりゃいいのに…、まさか山猫でも、こんなことをくりかえすつもりなのだろうか?。

アップルの連中が巷で言われるほど本当に賢いなら、こんなアホらしくスマートでないやり方はしないと思うな。

…ということで、来月もヒトツよろしく。

2012年04月某日 Hexagon/Okayama, Japan


[2012.04.29] iCloudのメール〜より転載&加筆修正

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