2012年5月10日木曜日

OS X Lion アップデート 10.7.4 (Build 11E53)

かねてより評判の悪かった「再ログイン時にウィンドウを再度開く」が、ようやく修正された。

改善項目の筆頭に件の修正点が表記されていたので、アップデート後どのようなオプション設定が追加されたのかと「システム環境設定」内の該当項目を探してみたが、それらしいものは発見できなかった。

ただ、よく調べて見ると特別な追加オプション(選択項目)で実現したわけではなく、前回チェックが入っていれば従来どおりに、一度チェックを外したら次回からチュックボックスは未設定になるという、非常にスマートなやり方で実現されている。これなら、ウィンドウを再度開いてくれた方が良いと考えるユーザも、いやいやあれは鬱陶しいだろうと嫌悪感を示すユーザも、両方満足させる上手いやり方である。

シロウト考えでは、てっきり何らかのオプションで選択させるものと思い込んでいただけに、あのようなシンプルな方法で実現されると、やっぱアップルの連中は賢いのかなと関心する一方で、しかしそれならなんで最初からそうしておかなかったのか、という疑問もわいてくる。

たしかにアップルサイドに立って考えれば、「再ログイン時に…」に関しては、一般ユーザに極力負担をかけまいとする配慮からあえて選択肢を削り、よりシンプルな操作性実現が最優先事項であるという理由づけも納得できないわけではない。しかし、ある程度 Mac に慣れたユーザからすれば、せめてイースターエッグ的なモノでもよいから、それがオフにできる機能も用意しておくべきだろうと考える。問題はその機能を隅々まで探す手間は厭わないユーザに対しても、全く門戸を閉ざすやり方だ。

ちょっとググればリスキーな荒療治も含めて情報は数多あるが、やたらターミナルから須藤さんに頼る方法は Mac らしくないし、より安全な方法でカスタマイズ可能な逃げ道を作っておいて欲しかった機能でもある。

個人的に好んで常用している TinkerTool というフリーウェアがあって、OS の隠された機能を設定することができる非常に便利なツールなのだが、コイツの最新版にも「再ログイン時に…」に関するオプションは無かった。

ドザから信者と揶揄される妄信的なアップルスキーな連中は、ユーザサイドに立って要望の多いものから徐々に実現していくという、アップル的な計算されたやり方だと擁護する意見もある。しかし、前述のスマートな実現方法は、OS の隠された機能にも無いところを見ると、あらかじめ用意されていたモノではなかったに違いない。

どうも最近のアップルを見るにつけ、たしかに賢いしやればデキる子なのだが、中々ヤル気を起こさせるのが難しい問題児のように思えてならない。だいたいにおいてアップルは、昔からユーザに選択肢を与えず、身勝手で上から目線でエラそうな態度が鼻に付いて…、いやまあここはヒトツ素直に喜んでおこう。文句を言い出したらキリがないからな。

それはそうと前回、iCloud 移行前にパスワードの変更をしておいた方が良いという趣旨の文章を書いたが、その変更方法が以前と(というより状況によりかな?)変わっているようなので補足しておく。

5月10日現在の正しい変更方法は、パスワードリセットを行うことが推奨されている。
Apple ID のパスワードを変更する方法:
http://support.apple.com/kb/HE36?viewlocale=ja_JP

MobileMe からまだ移行していないユーザは、MobileMe ログインページから入って、アカウントへアクセスしてサイドバーの「パスワードの設定」を選択して変更というのが従来からのやり方であったはずだが、最近は以下のような訳の分からんメーッセージが表示されて、行き詰まってしまう。

以下引用:
パスワードまたはセキュリティに関する情報を変更するには、 へアクセスしてください。(原文のまま)

「へアクセス」とはいったいなんぞや? …と、思うかもしれないが、たぶん何らかの文字列が挿入されて、文章を構成するのだろう。おそらく、「へ」の前には「My Apple ID」のリンク先あたりが表示されるのがスジであるが、ここしばらくはずっと上記のマヌケな文面が表示されるのみである。

ところが、「My Apple ID」へ行ってパスワードを変更しようとしても、ここでもまた訳の分からん状況に遭遇する。変更後に何度保存ボタンを押しても、別の設定項目に移動しようとすると「変更内容を保存しますか?」というメッセージが表示され続ける。

もちろん、このメッセージの「変更内容を保存」というボタンをたぶん百回クリックしても結果は同じであり(39回まではやってみたけど)、一度サインアウトして再度サインインしようとしても、新たに設定したパスワードは有効になっていない。

で、結局パスワードリセットを行うしか手がないのである。

ただ、以前  MobileMe メール専用アカウントから移行したアカウントでは、「My Apple ID」で変更した記憶があり、いつの時点からできなくなったのかは全く不明で、気まぐれなアップルの仕様変更と半ばあきらめている。

これは、全くの憶測であり個人的な想像だが、どうもアカウント(メアド?)が @mac.com と @me.com の違いによっても発生している不整合性のような気がしてならない。

Apple ID に関してよくお問い合わせいただく質問のページ(http://support.apple.com/kb/HE37?viewlocale=ja_JP)にも、両者は同等の扱いである旨が書かれている。

以下引用:
<これまでの mac.com の ID を Apple ID として使うことはできますか?
2008 年 7 月 11 日以前に .Mac にサインアップし、それ以降も有効なアカウントをお持ちであった場合は、iTunes Store やオンラインの Apple Store での購入時、および iPhoto や Aperture で作成した Apple プリント製品の購入時に、その mac.com の ID を Apple ID としてお使いいただくことができます。mac.com や新しい me.com の ID (どちらの ID でも同じアカウントにアクセスします) は引き続き Apple ID としてお使いになれます。
注意:MobileMe や .Mac アカウントの有効期限が切れている場合は、Apple ID に関連付けられているメールアドレスを変更する必要があります。詳しくはこちらの記事を参照してください。
(リンク:http://support.apple.com/kb/HT2968?viewlocale=ja_JP)>

が、コイツが当てにならない。

当該のリンク先にも「Chat アカウントについて」の追加情報があり、
以下引用:
<MobileMe iChat アカウントは、アカウントの期限が切れると、作成日に応じて、動作が異なります。通常、2008 年 7 月 9 日以降に作成された MobileMe iChat アカウントは、MobileMe アカウントの期限が切れると、無効になります。2008 年 7 月 9 日より前に作成された古い .Mac iChat アカウントは、MobileMe アカウントの状態にかかわらず、引き続き有効です。>

と、いうことになっているらしいが、ここにも明らかな矛盾点がある。

○2008 年 7 月 11 日以前に .Mac にサインアップし…
□2008 年 7 月 9 日より前に作成された古い .Mac iChat アカウントは、

と、2008 年 7 月 10 日にアカウントを作成したユーザが頭を抱えてしまう文章が記載されている。

当初、原文(たぶん英語)翻訳の段階で発生した時差の問題かとも思ったが、少なくともこの地球上ではその自転周期から考えても、2日以上時差のある地域は存在しないハズだ。

以上のように、移行に関するトラブルは枚挙に暇がない。

強いて言うなら、.Mac から MobileMe サービス移行時の最も余計なお世話である、 @mac.com → @me.com 変更が今になっても尾を引いているのではあるまいか。(MobileMe の怨念か?)

生前スティーブは、iCloud では MobileMe のサービス開始時のようなお粗末な対応はしないと豪語していた、と記憶している。

もし墓参りに行けるチャンスがあれば、いやいやそれに劣るとも勝らん程度には結構バタバタしておりまっせ、と報告してやろう。



…ということで、今月もヒトツよろしく。
2012年05月某日 Hexagon/Okayama, Japan



[2012.05.10] OS X Lion アップデート 10.7.4 (Build 11E53)〜より転載&加筆修正

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