2013年4月17日水曜日

写真のモチベーション

DP3 Merrill を使い始めてから、しばらくは触る気にもなれなかった Olympus E シリーズ。

長年、飽きもせずに使用してきたおけげで結構手に馴染んではいるのだが、超絶高画質な新人を前にして最早出番は無いかに思われた。

前回、「まともな一千万画素を作り出すためには、三千万画素は最低必要だ」てなことを、独断と偏見により勝手に結論づけたんだが、それについて若干の補足。

ウラを返せば、1200万画素もあれば多少マシな400万画素ぐらいなら出来るのではあるまいか、という素朴な疑問と、ピクセル等倍での観賞は相手を選べ、という教訓である。

ま、この手のネタは本来「新・雑記/雑想」に掲載すべき内容であるが、なにせアップルに関するモチベーションは下がりきったままなので、致し方なしということにしよう。

「1/3か、せめて50%程度にリサイズと最適化」というのは、単なる思いつきから出た適当な数値であり、なんの根拠もない。実際、それが画像サイズなのか、縦横サイズなのか、はたまた面積比(=総ピクセル数)なのか、全く曖昧な表現である。

JPEG の画像サイズなんぞ、圧縮率や内容によって変化するのでアテにならないので、これは却下。

Olympus E-620 の場合、縦横比で4:3(4,032×3,024)の縦横サイズを1/3にすると、1,344×1,008 になってしまう。デジカメ写真を、自前のデスクトップピクチャにすることを主な用途としている身にとって、これはちとツライ。

これでは、MacBook Air 13.3(1,440×900)はおろか、11.6インチ(1,366×768)にさえ、横幅方向でタッチの差で届かない。現行モデルとして残り寿命が秒読みに入った MacBook Pro 13.3 それも非 Retina(1,280×800)や iPhone(1,136×640)、 iPad mini(1,024×768)用画像などを、いまさら量産する気にもなれない。

一応、電卓を叩いて、ベイヤーが4ピクセル(R×1/G×2/B×1)で画素をデッチ上げている補完しているらしいので、縦横サイズを半分にすればピクセル等倍に耐える画像になるはずではあるまいか、という超適当な推論から計算してみる。

1200万画素(4,032×3,024)のピクセルを縦横それぞれ1/2にすると、2,016×1,512 ピクセルで結果、面積では1/4になる。これなら、21.5インチ(1,920×1,080)程度ならクリアできる。が、iPad Retina(2,048×1,536)や 27インチ(2,560×1,440)には、かなり足りない。う〜む、自分のメインモニタのサイズに足りないとなれば、やはり作成のモチベーションは下がる。

で、誠に勝手な個人的な都合により、最適なリサイズ比は面積比とすることにした。

面積比で1/3なら総ピクセル1200万画素の1/3は400万画素、2,560×1,440 ピクセルに必要な総画素は、3,686,400 ピクセルであり、元画像(12,192,768)の1/3、4,064,256 ピクセルあれば十分である。

ただ、ここでひとつ問題がある。
現行バージョンの山猫では、デスクトップピクチャの設定には以下の5つのモードがあり、画面サイズだけでなくアスペクトレシオ(縦横比)にも留意する必要がある。

実際、モードに設定された名称を額面通りに受け取ると、意外な結果になることもあるので、自前で作成する前に一通り検証しておいた方がよい。

[画面全体に表示]
十分なサイズがあり、縦横比が合っていれば大きな問題はないが、サイズが足りないと当然画像は粗くなる。
ただし、いずれかの方向にピクセルが足りないと拡大された上、余った部分は縦であろうが横であろうがトリミングされる。ま、少なくとも縦横比は維持されるので、写真の場合一番無難なモード。

[画面に収まるサイズで表示]
十分なサイズがあり、縦横比が合っていれば画面全体に表示との差はない。ただ、縦横比が合っていないと、とりあえず高さまたは幅方向に合わせ、足りない部分は指定のソリッドカラーでお茶を濁し、いったいどこが収まっているんだと言いたくなるモードでもある。

[引き伸ばして画面全体に表示]
十分なサイズがあり、縦横比が合っていれば画面全体に表示との差はない。縦横比が異なる場合はムリヤリ画面にあわせるので、画面サイズに対して画像が小さい場合は悲惨である。
横長テレビが出始めたころの悪夢が蘇るモード。

[中央に配置]
大きなものは、左右といわず上下といわず切り落とされ、小さなものは文字通りまんまド真ん中に配置されるだけで、余白は指定のソリッドカラーという、言わばなるようになりやがれ的なモードである。

[タイル上に配置]
選択した画像に十分なサイズがある場合は選択できないが、ごく小さなパターンなどを一面に敷き詰める昔ながらのデスクトップパターンのモード。写真によっては、かなりシュールな画面になる。

以上の結果から、キーポイントは十分なサイズと、縦横比であることが判る。

縦横比に関しては、昨今の16:9比率と以前の16:10比率のモニタでの共有を考えた場合、とりあえず高さ方向に余裕のある16:10(2,560×1,600)で作成しておいて、上下に80ピクセルづつ、合計160ピクセル分は切り落とされても良いような、余白を含んだ構図で作成する、というあたりが落とし所であろう。

もちろん、構図として余白にもこだわるのであれば、この際共有などというセコイ発想は捨てて、俺様専用を作成するべきである。

ん〜、検証作業が長くなって、いったい何をしたかったのか忘れてしまいそうだが、そうか E-620 の救済策である。

で、念のためにもう一度確認だが、誠に勝手な個人的な都合により、最適なリサイズ比は面積比とすることにした。

面積比で1/3なら総ピクセル1200万画素の1/3は400万画素、2,560×1,600 ピクセルに必要な総画素は、4,096,000 ピクセルであり、元画像(12,192,768)の1/3、4,064,256 ピクセルだと…、ちと足りない。くそ〜。

よっしゃ、こうしよう。
面積比で1/3なら総ピクセル1200万画素の1/3はだいたい400万画素、2,560×1,600 ピクセルに必要な総画素は、4,096,000 ピクセルであり、元画像(12,192,768)のほぼ1/3、概ね63.5%縮小をかけることでたぶん最適化できる。

解像度(dpi)に関しては、カメラの設定によりマチマチでいったい何が最適なのか全く分からないので、この際見なかったことにする。(たぶん印刷前提の要素だろうが、この数値を変更したからといって、見た目の解像感がよくなるわけでもない)

この手の作業には一般的にフォトショ辺りを使うんだが、面倒だし、たいていは山猫バンドルのプレビューで済ませることが多い。最近のプレビューはハイライト/シャドウはもとより、色温度や色合いまでヒストグラムを見ながら調整できるので、もっぱらデスクトップピクチャの完パケ作成(最終の文字入れまで)に利用している。

撮って出し JPEG でも結構使える場合もあるが、原則として RAW データから暫定で 16ビットPNG を作成、編集後に最終形を 8ビットPNG または JPEG へ書き出しというのが、最近のお手軽基本ワークフローである。

トリミングやリサイズも直感的な操作はもちろんのこと、パーセンテージやピクセル単位の数値入力でも作業が行えるし、サポートされる大半のカメラ RAW ファイル(ただし、SIGMA は除く)も読込めるので、最近までは簡易現像ツールとしても結構重宝していた。

だが、(たぶん)アップルがアホなせいで SIGMA SD および DP Merrill シリーズを利用しているマックユーザは、たいへんな不便を強いられているのが現状である。早急に善処して頂きたいモノである。

聞くところによると、SIGMA DP3 Merrill 発売記念「SIGMA SD/DPユーザー様スペシャルキャッシュバックプログラム」というのがあって、期間限定でキャッシュバックが受けられるらしい。要するに、SD/DP Merrill シリーズを購入したユーザが、2台目以降何台買い足しても機種に応じてキャッシュバックという、俄に落ち着いていられない、たいへん危険なキャンペーンである。(ヤバいぞ、これは)

ちなみに、呆れた価格改定が話題になった、SIGMA SD1 Merrill であるが、昨年2月頃「SIGMA SD1ポイントサポートプログラム」という、なんと太っ腹なことに初代 SD1 購入者に対して、40万円相当のシグマ製品が購入できるポイント進呈というキャンペーンを実施したらしい。こんなことされりゃ、そりゃハマるよな。入信したくもなるだろう。

アップルなら、ぜっ〜てぇにやらんだろうなと思うが、役員連中が軒並み 60億円以上を稼ぐような企業であることを考えると、アップル信者などという呼称はご免被りたいモノだ。…余談である。

とまあ、リサイズと最適化に関して実際にやってみたんだが、被写体によってはバキバキにシャープネスをかけることで、それなりに解像感は上がるが、写真としての不自然さが解消される訳ではなく、あくまでもそれなりである。依然、遠景の樹木のモヤモヤは残るし、かえって不自然さを助長するばかり、という場合も多い。

最近の高画素(≠高解像度)カメラが作り出す作例画像を見るにつけ、Foveon X3 によるモノと比較するとピクセルの無駄遣いをしているようにしか思えない。

所詮、偽情報から作り出す偽画像は、嘘の上塗り恥の上塗りに等しく、やはり元画像がきちんとピクセル単位で解像していないと、単純なリサイズによって解像感を上げるのは難しい。

もちろん、お手軽な撮って出し JPEG や PNG の8ビットデータをいくらつつきまわしても、限界は知れているだろう。本来なら、キッチリ RAW から各パラメータの設定により最適値を探りながら、最良の画像を生成するのが望ましいことは分かっている。

が、問題はそれによって得られる画像が、お手軽データとどの程度の差をつけられるか、手間をかけただけの結果を示すことができるか、にかかってくる。でないと、やはりその作業に対する、モチベーションはあがらない。

その対象を作り出す立場でなければ、比較は容易である。
スーパーの惣菜モノやコンビニ弁当を美味しいと感じることが、幸せなのかそうでないのか、みたいな問題にも発展するのだが、自ら無闇にハードルを上げても、諸般の事情が伴わないことにより、それ自体が楽しめなくなってしまうと、不幸である。

ましてや、ただ上の存在を知ったことで、あたかも自身のレベルが上がったかのように勘違いするのは、もっと不幸である。

ぶっちゃけ、その過程そのものが楽しめればそれでいいような気もするが、できれば得られる結果のレベルは高いほうが、楽しさも増すというものだ。残念ながら、現状では E-620 のそのレベルは、地を這うかのごとく低い。(ま、あくまでも比較だけどね。)

しかし、デスクトップピクチャとしては、あまり目がチカるほどの解像感(≠解像度)が高いのも考えもので、好みにもよるがソフトタッチのユルイ写真、立体感や奥行きに乏しく、さほどインパクトの強くない絵柄の方が、常用して違和感がないのも事実である。

したがって、用途によって使い分けるという、その手のマニアならちょっと考えりゃ、当たり前の結論に達するのである。

ま、それでも解像感が高い写真からユルイ写真はわりと簡単に作り出せるが、その逆は絶対ムリであることから考えると、必ずしもそのような機種の必要性に疑問もある。

だが、撮影から写真としての完成まで、全てプロセスにおいての「楽しみ」で趣味が成り立っていることもあり、個人的には E-620 の存在価値は未だ微妙なままである。

もう少し、撮影段階からのプロセスにおいて、もっと良い結果が出るような努力もしてみる必要は、あるかもしれない。


…ということで、ヒトツよろしく。
2013年04月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.04.17] 写真のモチベーション 〜より転載&加筆修正

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