Mac OS X 10.6.1:Snow Leopard Build. 10B504
スノレパ(雪豹)の美点については商用各サイトで、これでもかとばかりに営業活動の一環としか思えないような提灯記事解説記事があふれているので、ここでは例によってイチャモンをつけてみることにする。
ただし、今回のバージョンアップは地べたに足のついた大変堅実な更新であり、不満点よりは満足な点の方が多いのだというフォローもしておこう。外観に変化がないことは長所であるべきで、そうでなければ元が悪いということになる。
ということで、
【仕様上の改良点】システム全般の高速化と機能強化
以上。
続いて、問題点に入る。
<Mac OS X:最近のトラブル>
解決された問題や、効果的な対策が明確になっている項目ばかりではないので、非常に散漫な書き方になるけど、とりあえず忘備録(備忘録?)みたいなものとして書いておく。
中には極々ローカルな問題や、設定または運用方法に対しての無知からくる勘違いもあるかも。ま、あまり参考にはならないかもしれないけどね。
[09.12:追記]気のせいか、10.6.1にアップデート後の方がアプリが落ちる頻度が高くなったような気がする。
【バグまたはトラブル】
●現象:iWeb でサイト公開後、ヒラギノ書体が太字になる。
(Leopard から引続き、ただし一度は直っていた)
○対策:暫定(とりあえず、未変更ページも含めてサイト全体を再公開)
●現象:FontBook でヒラギノ書体の表示名がアルファベットになる。
(Leopard から引続き)
○対策:FontBook を起動したまま、フォントファイルの三角移動。
[2009.03.02] あやしいベータ版を参照
だいたい、フォントフォルダを気にせずアプリのインストーラをかけると、Microsoft が119、Adobe が120ぐらいフォントを追加する。デフォルトの153-157前後に加えて、これだけ追加すりゃ重複の一つや二つあっても不思議はない。
現状ではフォルダに分類して管理しているが、以前はこれによるトラブルも多少あったし、同一階層による管理でも、ただ拡張子がないだけで重複というのもあったな。
フォント選択画面で日本語を選択しても、日本語以外が表示されている場合はフォント管理上問題があるといえる。以前は、「Times, Helvetica」程度は誤差の範囲だったが、スノレパでは正しく認識されていれば本当に日本語フォントだけに限定されるようになった。(ただ、めったに正しく認識されない)
●現象:iWeb でサイト公開時のエラー。
「MobileMe 構成サーバに接続できませんでした。後でもう一度公開してみてください。」という、メッセージが表示される。
何度やっても同じだから「後でもう一度」という言葉を信じてはいけない。
しかし、ファイル公開の準備の行程に入る前にいきなり出てくるので、ネット上ではなく内部の問題の可能性あり。
○対策:暫定(Leopard でサイト全体を公開後、再度同一ファイルをコピって Snow Leopard でサイト全体を公開)
09.07:追記[
こいつは結構再現性があるが、なにが原因かはいまだ不明。ただし、一度 Snow Leopard でサイト全体を公開後に発生した場合は、とりあえず保存だけしておいて、iWeb 再起動後公開するとできるようだ。
] 09.07:追記
●現象:iPhoto のアルバムが、iTunes および Front Row でのみ、表示されない。(Leopard から引続き←ローカルトラブルっぽい)
○対策:スライドショーを削除(←破損か?)
●現象:iPhoto のアルバムで最近の1ヶ月を表示させても3ヶ月以上前の写真まで出てくる。デフォルトの最近の12ヶ月だと30年以上前の写真まで...。
旧バージョンの iPhoto で日付を手動入力したものだが、2004年以降の Exif を持ったデータや、iPhone で最近撮影した写真もでも同じ結果だから、 iPhoto が悪いと思うな。(Leopard 以前から引続き←ローカルトラブルでもない)
○対策:なし(お手上げ状態)
写真の再読込み&アルバム再登録でもダメ。オプ+コマ+iPhoto 起動で表示される「再構築」をフルセットでやってもダメ。
●現象:Safari 4 で動画再生時、ダウンロードのプルダウンメニューが表示されない。(Leopard から引続き← Safari 4 の仕様か?)
○対策1:暫定(アドレスバーをアクティブにしてから option + return)
○対策2:暫定(ダウンロードウインドウを開いて、アドレスバーのURLをダウンロードウインドウにドラッグ)
【仕様上の問題点】
09.08:追記[
ファインダが全面的に書き直された割には、ウィンドウ表示関係のバグは修正されていない。並び順序の設定がされていると、未だにスームボタン(緑玉)はスクロールバーの表示/非表示を計算に入れないリサイズを行って憚らない。
だいたい、ツールバー非表示の時にステータスバーを上に表示するぐらいならそのまま下に残しておいた方がマシで、どうもウィンドウ最下部に何もないのは気持ちが悪い。Safari のステータスバーだって下にあるんだから、統一してもバチは当たるまい。
表示オプションを別ウィンドウで出したままというのも邪魔になるだけだから、現在の設定を表示している部分をクリックして切り替えるか、サブメニューで設定変更出来るようにはならないものか。(ツールバーのギヤアイコンからの設定機能には限りがあるし、非表示の時はどうしようもない)
ウィンドウ周りの表示設定には、サイドバーも含めて独立した表示切替えがあって然るべきだろう。(せめて、Panther のようにサイドバーはアイコンのみの設定が出来ると良いのだが)
ファインダでのアイコン表示は最大512 ピクセルまで拡張されたが、ハッキリ言って現在の表示設定ではあまり実用性はない。
もともとアイコンなんだから当たり前の話だが 512×512 の正方形が前提で、縦長が多い文書や横長(ワイド)が大半の写真を表示しても上下または左右に無駄な余白がつく。
結果としてひとつのウィンドウで表示出来る書類の枚数は限られ、24インチ画面をフルに使ってもせいぜい6枚程度で、13インチだとかなり悲惨なことになる。
一応実用的なのは256ピクセル前後だが、スライドバーにはグリッドはおろか、ガイド目盛りも数値表示もないのでピッタリ256というのも難しい。おまけに、ツールバー表示/非表示で下だったり上だったり、というのもまことに鬱陶しい。
以前の最大128ピクセルの時は、スライドバーを右端いっぱいにしておけばそれでよかったのだが、だいたい実用サイズを行き過ぎておっと、ということになる。
ま、適当でいんぢゃね、ということなんだろうけどね。
折角の拡大表示機能を生かしきれていない背景には、前述の余白とファイル名の表示領域が各画像の間隔を必要以上に広くしている、というのがある。
このサイズのアイコン(と呼ぶべきか?)になると、ユーザの主眼はファイルの内容にあるのだから、必ずしも律義にファイル名を表示する必要はあるまい。
クイックルックのインデックスシートのようにアクティブなファイルのみ、その余白または画像のエリア内にファイル名を表示して、各アイコンの間隔をできるだけ詰める工夫が必要だろう。
動画に関しては、結構賢い。アイコン表示で再生途中からクイックルックに移行しても、再度先頭から再生というおバカな仕様ではなく、ちゃんと続きから再生(逆もまた真)になるという気合いの入れようだ。
ところが、PDF 書類や動画には表示されるページボタンや再生ボタンのようなオプションは、一般書類には全く無いしフォルダに関してはなんの芸もない。
せめて、クイックルック用のボタンぐらいは付けて欲しい。スペースキーを叩けば済むことだが、マウスで出来ることはマウスで完結するべきだろう。
しかし、アイコンもこれだけデカイとクイックルックの有難みも薄れるなあ。
] 09.08:追記
●仕様:主要 iLife ’09 アプリケーションが64ビット化されていない。(その結果速度が改善されていない)
○対策:もうしばらく我慢
●仕様: メールからのアドレス帳参照において、グループをダブルクリックでグループ内のアドレス(各カードで選択されたもの)すべてを宛先欄に展開できない。
○対策:とりあえず個々のアドレスをクリック(グループごとドラッグすると、たまにメールが落ちる)
アドレスブックに関しては Mac OS X 登場以来、標準的なテキスト編集のルールからかけ離れた仕様になっているが、どうもこいつを根本的に改める気はないらしい。
[09.10:訂正]なんと、修正済みでした。大変失礼いたしました。m(_^_)m
09.10:追記[
文字列の中間にカーソルをいれて下に引っ張ると行末まで、上だと行頭までの選択というのが、テキスト編集の基本的なルールであるはずなのに、アドレスブックでは長らく守られていなかった。再度確認すると10.5.8 では直っていないので、雪豹で修正されたようだ。しかし、いったい何年かかったのだろう?
]09.10:追記
メールアプリのデザインもそうだが、既読の山に埋もれた未読メールを小さな「未読マーカ」だけで識別させる、劣悪なインターフェイスも Mac OS X 登場以来なんら改良されていない。
いまさら CyberDog を引き合いに出すのも気が引けるが、せめて既読メールの非表示機能ぐらいはあって然るべきだろう。
●仕様:アドレスブックで全角文字入力時、EGBridge Universal 2 を使用した場合、挿入ポイントを指定できない。(どこを選択しても、文字列最後尾に入力される)
ことえりでは問題なし
○対策:既に会社がないので、とりあえずことえりでがまんがまん。
しかし、 EGBridge がトラブるのはイタイ。なんとかアップルに版権とソースコードを買い取ってもらって、ことえり2として復活してほしいものだ。(→エルゴソフト)
09.07:追記[
仕様と呼ぶにはあんまりな現象だが、Finder 上でファイル名選択・編集時、ダブルクリックで文字列の選択が出来ない。一文字選択になり、トリプルクリックは行(またはすべて)の選択になってしまう。
テキストエディットなどでは以前と同様に、区切り記号やスペースなどまでの文字列選択が可能なので、たぶんバグであると信じたい。
ついでに、ウィンドウ操作についてもイマイチなところがある。
伝統的に複数開いたウィンドウを閉じる時、オプションキーを押しながらクローズボタン(赤玉)で、ファインダ上のウィンドウを全て閉じることが出来るのだが、情報ウィンドウのクローズボタンに限りオプション+クローズが効かない。
ショートカットでの同様の機能である、オプション+コマンド+Wでは可能だし、情報ウィンドウ以外のウィンドウにあるクローズボタンでは、オプション+クローズは有効であり、情報ウィンドウも一緒に閉じる。
これはいったい、どういう仕様なんだろう?
もひとつ、ついでにリスト表示でのアヤシイ挙動。
複数ファイルを選択する時、リスト表示ではアイコンやファイル名などの各項目以外の空間部分からドラッグすることで選択出来ていたが、ドラッグの先頭ファイルが選択されていると、そのファイルの移動になってしまう。
一度、別のファイルを選択してからのドラッグでは可能だが、ワンアクション増えて面倒だ。リスト最右端に空白領域があればそこからの複数選択は可能だが、ファイル名の長さや表示項目の数によってはいつも空白とは限らない。
ま、もっと前はリスト表示でもアイコン表示と同様に、エリア指定による選択が出来ていた時代もあったのだが、もうずいぶん前のような気がする。
いずれにしても、マウスを持つ「手が覚えている機能」を気紛れで勝手に変えないでもらいたいものだ。(これが仕様ならバカヤローとしか言いようがないが、バグなら、さっさと直せ!と、言っておこう)
] 09.07:追記
●仕様:入力ソース切り替え時、コマンド+スペースを使用すると、画面中央にモードが表示されコマンドキーから指を放さない限り変更しない。
○対策:キーボードショートカットの入替え(オプ+コマ+スペースとコマンド+スペース入替えて、ひらがなとカタカナのみ表示)
●現象:iTunes 8 でブラウズ時の iTunes Store へのリンク矢印を非表示にできなくなった。(設定項目が無い←もともとなかったかも?)
○対策:荒療治=以下の Terminal コマンド実行
“defaults write com.apple.iTunes show-store-arrow-links -bool FALSE”
常用している TinkerTool ver. 3.96 (090825) でも、 現時点では設定項目がないので、最もマックらしくない所作であるターミナルコマンド実行という、荒療治に頼るしかない。ま、その他のアプリを全部試した訳ではないので、もう少しスマートなやり方はあるかもしれない。
●仕様:システム環境設定/言語とテキスト/書式内のカスタマイズ項目において、日付の区切り記号を変更する場合、全ての項目を別々に変更しなければならない。
○対策:なし→忍耐と寛容
仕様の中でも、書式に関しては根が深い。
(例1)スラッシュをピリオドに変更する場合
(例2)一桁の時刻表示の先頭にゼロを付けて、一覧時のケタずれを防ぎたい場合
(例3)12時間表示から24時間表示に変更する場合
また、時刻書式設定画面では例として19時8分9秒が使用されているが、これでは現在の設定が時刻の先頭にゼロが付いているのかいないのかわからない。
カスタマイズボタンを選択する前は 0:34 が採用されているのになぜ設定する時には19時8分9秒なのか。0-23 または、00-23 を選択しても表示されるのは19のままで変わらず。
この酷いインターフェイスは Tiger(10.4)で改悪されて以来、4年以上にわたって放置されている。
それどころか、スノレパでは何を勘違いしたのか、それを縦いっぱいに展開して見事にバカ丸出し状態である。だいたい上から短・中・長と来た後がなんで「すべて」なのか?
「すべて」の項目を変更することにより、全ての項目に変更が適用されるなら本当の意味での「すべて」なのだが、実際は「長」よりも長い「超長」に過ぎない。(曜日の設定が増えるだけね)
普通に考えれば、12時間表示か24時間表示の選択や、表記上桁揃えのためのゼロを先頭に付加するか否か程度の設定ごときは、いずれもラジオボタンまたはチェックボックス一発で済むことだ。
ユーザが何をしたいのかを理解せず、設定項目で出来ることをただ並べただけの間抜けなインターフェイスを、これだけ長期にわたって改良しないのはいったいなぜなんだろう。
(何度もフィードバックには、投稿したんだけどね)
オリジナルの英語表記が International から Language & Text に変更になったからといって、バカ正直に日本語表記まで「言語とテキスト」にかえる必要はないだろう。
もともと、International だって国際的なとか、 国家間の、国際関係の、という形容詞だ。名詞形の場合複数の国にまたがる公式機関名になってしまうんだが、これを「言語環境」としたのはその設定が持つ意味に配慮した「名訳」であったのに、どうしてわざわざ変更したんだろう?
これこそ、無意味で無駄な変更でユーザを混乱させるだけの、おマヌケローカライズといえる。
システム環境設定の画面全体を見渡してみてもわかるが、「Dock」や「Spotlight」「MobileMe」などMac OS 独自のオリジナル名は英語表記のままで、マウスやキーボード、セキュリティなどの一般名詞的な設定項目については、カタカナまたは日本語表記というように、わりと一貫性はない。
ま、アピアランスを外観、アカウントを権限、Bluetooth を青歯、TimeMachine を時間旅行装置と表記されても、鬱陶しいだけだが....。
などなど、良い点が増えれば増えるほど、いまいちな点が目立ってくる。
ちなみに。アプリケーションフォルダの人事異動も多少行われたようだ。Exposé と Spaces、AppleScript エディタ、などは QuickTime Player 7 と共に「ユーティリティ」フォルダに左遷され、フォルダをすっきりさせることに貢献している。
しかしもうすでに2年近く、一般に対してお披露目期間は終わったはずなのに未だに Front Row と Dashboard が、アプリケーションフォルダの上座にエラそうに鎮座しているのは、いったいどういうわけだ。iSync なんぞは「お前は、そこにいて何が出来るんだ?」と、言ってやりたくなる。
今回のバージョンから、PPCは完全に見捨てられたようだが、「Rosetta」と「QuickTime 7」については執行猶予があたえられたようで、必要な方はクリーンインストールの場合オプション項目で選択することをお忘れなく。
(Mac OS Xフィードバック済)
2009年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan
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