2010年7月21日水曜日

iTunes 9.2.1 アップデ〜とぉ…お?、と余談。

[追記:07.25] iTunes 9.2.1 (4)

意外に早くアップデートされたなあ、…と思ったら何のことはない、昨年10月に行われた iTunes 9.0.1 (9) 以降で発生し続けていた「スノレパ上における iTunes 9 のアヤシイ挙動」が修正されただけであった。

iTunes 9.2.1 では、以下を含む重要な問題が多数修正されています。
• 互換性のない他社製プラグインの古いバージョンの使用を停止 
• 項目のドラッグ&ドロップ時に起きる小さな問題を修正 p
• iTunes 9.2 で一部のデバイスとはじめて同期する際に起きるパフォーマンスに関する問題を修正 
• 暗号化されたバックアップがある iPhone または iPod touch を iOS 4 にアップグレードする際に起きる問題を解決 
• 安定性とパフォーマンスに関するその他の問題を修正

iTunes 9.2 では、いくつかの新機能が追加され、機能が向上しています:
65,536枚組のボックスセットや、16,777,216曲入りのアルバム、42億回も再生するほどのお気に入りが、iTunes 9.2 なら余裕で表示できるようになりました。(←アップルは公言してないけどね)

あれ自体、別に放置しておいてもなんの支障もない人畜無害な問題であったように思うが、現状で発生し個人的には極めて重大かつ鬱陶しい問題であるはずの「トラック番号&ディスク番号最小幅問題」より優先するべきであると、アップルは判断したらしい。

たぶん、これは憶測だが「トラック番号&ディスク番号最小幅」に関してアップルに抗議したユーザは、世界で私を含めて三人程度に過ぎず(とうぜん0.55%以下ね)、しかし「項目のドラッグ&ドロップ時に起きる小さな問題」に関しては、昨年来累積で三万人を超える数に上ったに違いない。

[追記:07.25] トラック番号&ディスク番号等の最小幅に関しては日本語版のみの問題のようで、言語環境を英語にしてから iTunes を起動すると最適幅に設定できる。しかし、再度日本語で起動すると元の木阿弥、やっぱ日本語ローカライズの段階でバグっているようだ。前回デフォルトフォントを変更した影響であれば根が深そうにも思ったが、9.1では問題がなかったところを見ると、単なるパラメータの設定ミスのようにも思える。
と、なると「世界で私を含めて三人程度」という表現は誇張であったので「日本で私を含めて三人程度」に改めることにする。


ギャアギャアと五月蝿い連中が束になってかかれば、些細な問題でも全社を上げて対応するが、良識ある控えめなユーザが小声でささやくような問題には、仮にそれが重大なトラブルを引き起こすキッカケになろうとも(ちょっと大げさ)、放置プレイを決め込む腹だ。

要するに、企業として大きくなると懸念すべきは、問題の「質より量」ということなんだな。

このままだと、「トラック番号&ディスク番号最小幅問題」が修正されるのは、早くて来年の三月あたりか…、冗談ぢゃない。

よっしゃ、わかったそれなら声を大にして叫んでやろう。

トラック番号とディスク番号の最小幅を
さっさとなおせ〜っ、バカヤロー!!

ハァ、これでどおぢゃ!?

ところで、これは真っ向から余談なんだが、
iPhone 4 における一連の「アンテナゲート騒動」を眺めていると、アップルが好んで使う「小さな問題」という言葉も、問題の大小関係が必ずしも修正の優先順位を決定する要素にはならない、という現実をよく表していると思う。

5年ほど前、iPod nano の初代が発表されたときも、スティーブがジーンズのポッケから出したばっかりに、それを真似てディスプレイに傷が入ったと文句を言った連中と似たようなレベルな気がする。

ご参考:http://homepage.mac.com/hexagon/zassou/ipod_issue.html

で、今回はデス・グリップ(Death Grip:死の握り)だ。

「死の握り」って、なんか厨房が喜びそうな呼び方だが、どちらかといえば食中毒で死者を出した寿司屋に近いな。しかし、イザというときに繋がらない電話は、生死にかかわるから問題だとでも言いたいのだろうか?

そんな保証が携帯電話についているわけでもあるまいが、これもまた、あまりにも不確実なテクノロジーに頼りすぎている現代社会を象徴している一例だろう。

ネットで批判が増えれば増えるほど、売れ行きも伸びるというのがこの手の製品だから(または売れるから批判も増えるのかも)、たぶんアップルは気にしていないだろうが、iPhone ユーザはおもしろくないかもしれない。

そういうユーザ心理に配慮してか、アップルも一億ドル以上をかけてラボを建設した上に、その公式サイトまででっち上げてライバルを挑発しているのだが、その趣旨はさておき「アンテナ設計・試験室」というのが、一見の価値ありで、ん〜なんかよくわからんがスゲ〜。

アンテナの性能:http://www.apple.com/jp/antenna/
設計・試験室:http://www.apple.com/jp/antenna/testing-lab.html

さすがは、アップルお金持ち!って、要するにこれを見せびらかしたかっただけだろう。

それにしても、ライバルメーカはアップルの主張に反論することで、まんまとスティーブの罠に嵌まって自ら墓穴を掘っているようにも見える。

とくに、台湾の HTC Corp. が傑作で、
「電波受信問題はスマートフォンによくみられる問題ではなく、Appleはオペレーターに携帯電話をテストする十分な期間を提供しなかったようだ」
という内容のコメントを発表した直後に、「HTCの「Droid Eris」のユーザマニュアル(13ページ)には、アンテナが配置されている場所に触れると通話品質を損なうので、使用中は触れないようにと記載されているぞ」と、ジョン・グルーバーにツッコまれている。

一方、ノキアなんぞは、「一般的に、携帯端末を強く握ったときにアンテナ性能は影響を受ける可能性はある」と、おいおいあの大メーカが認めちまってるよ。

で、「だからこそノキアはユーザーの日常生活のあらゆる場面を想定して設計を行っている」と反論したそうだが、これぢゃあまったく反論になってないよな。

また、リサーチ・イン・モーション(RIM)からは、以下のような声明が発表されているらしい。

以下、他所んちよりコピペ
http://ascii.jp/elem/000/000/538/538343/
*************
アップル社が自社の失敗にRIMを巻き込もうとしていることは容認できません。アップル社のRIM製品に関する主張は、アンテナ設計に関する一般の理解を歪め、アップル社の困難な状況から注意を意図的に逸らそうとしているように見受けられます。RIMは、20年以上アンテナ設計の世界的なリーダーとして、業界最高水準の効率的かつ効果的な送受信性能をもつ無線データ製品を設計しています。RIMは、アップル社がiPhone 4で使用した設計を従来採用しておらず、特に電波が弱いエリアで通話が中断されるリスクを軽減する革新的な設計を採用しています。RIMのお客様は、BlackBerryスマートフォンの接続を維持するためにケースを使用する必要はない、ということを明確にお伝えします。アップル社は過去にデザインに関する決断を明確に下しました。アップル社はRIMや他社をアップル社固有の問題に巻き込もうとするのではなく、その決断に対する責任を持つべきです。
*************
と、鼻息も荒い。

BlackBerry が iPhone 4 に比べて、革新的な設計であり先進的なデザインなのかは、反論の余地もあるように思うが、「アップル社の困難な状況から注意を意図的に逸らそうとしている」と、言いながらそれに反論することで、すでに注意が逸れてしまったのではないか?

そうか、20年以上もやってる世界的なリーダーでも難しいのなら、駆け出しのアップルに多くを望んでも仕方がないな、彼らも完璧ではないって言ってるしぃ。

しかし、部分的に「ケースを使用する必要はない」というところなどは、ケースに入れるほどのデザインぢゃないからだろう、という iPhone ファンのツッコミが入りそうだが、そもそもケース自体あるのかな…、と調べてみたら流石にトップシェアのメーカ製品だけに、結構な数が販売されている。

だがそうなると、製造メーカの CEO から「ケースを使用する必要はない」なんてこと言われたら、こんどはケース製造メーカの CEO から、またまた「ぬわにぃこの〜っ」的な反論が出そうでキリがない。

いずれにしてもアンテナの問題は一筋縄ではいかんのだよ、という意味あいにおいては、アップルのフォローに回っている様にしか見えないところがツライな。

ま、見ている分には面白いだけで、もっとやれ〜とも思うのだが。

そういえば、その昔ポケベル時代を経て、初めて携帯電話なるものを使い始めた時のことを思い出した。

当時はまだアナログで電話機も高く(確か163,000円也の領収書が、探せばどこかにあったような)、当然通話料金もべらぼうで携帯電話の電話帳を表示したまま公衆電話ボックスに駆け込む、というのがトレンドであった時代である。

ハッキリ言って、目の前に公衆電話があるのに携帯電話を使うのは大馬鹿野郎のすることだという、良識がまだ生きていた時代だ。

それでも、近所に公衆電話がなくやむを得ず通話する時には、確かロッドアンテナを引き伸ばして使っていたよなあ。

その内、デジタルになってどんどんアンテナが短くなり、終いには引っぱっても伸びないただのイボチンになったと思ったら、いつのまにかアンテナの存在自体が見えなくなってしまった。見えないから無いとは断言できないのだが、漠然ともう必要なくなったものと考えていた。

それが、iPhone 4 の発表の時、スティーブがアンテナの存在に言及したとき、おっそうか無くなったわけぢゃないのね、ということに改めて気づかされた。

また、発表会場でも用途ごとに分離され、筐体デザインにも貢献しているそのアンテナを紹介している時には、会場から称賛ともとれるどよめきが起こっていたのを懐かしく思い出す。

と、いってもこれはそんなに昔話でもないのだが、なぜかもう遠い昔の出来事のような気がしてならない。

その、アンテナがこうも話題に上ろうとは、その時は誰も予想していなかっただろう。

翻って、業界ではまだ解決できていない問題であることが一般に広く発覚したわけで、衆目の興味を引いたことにより新たな技術革新も生まれるのではあるまいかと、お気楽に考えている。

ま、アップルとしてもこれだけ騒がれたら、宣伝広告費に換算するとゴムバンド代ぐらいはカル〜く出たろうし、iPhone 4 自体がアップルユーザにとっての逆踏み絵みたいなもんだろうな、SB だしぃ。

…おもいっきり余談でした。

… ということで、ひとつよろしく。
2010年07月某日 Hexagon/Okayama, Japan

[2010.07.21] iTunes 9.2.1 アップデ〜とぉ…お?、と余談。〜より転載&加筆修正

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