2012年10月30日火曜日

人事異動

今月は、前回のスティーブネタで締めにしようと思ったら、またもや大きな人事異動の発表である。なんと月末のクソ忙しい土壇場にきて、今月二度目の二本立てだ。

人事のことなど、外野席からでは全く分からないので野次馬なコメントしかできないが、個人的な感想を言えば(それしか言ってないけど)、ブロウェットに関しては遅すぎるぐらいだし、当初から何でこんなヤツがアップルに来たのか不思議だった。

会社としての発展には大きく貢献していることもあり、世間的な評判は良いキャプテン・クックだが、スティーブとは別の、悪い意味での朝令暮改を繰り返しているようにも見える。対応が早いことは評価するべき点であるが、それ以前にもっと良く考えてから実行しろと言いたくなることが多い。

トップのそのような対応は、少なからず今後の製品や運営に悪影響が出るものだ。(後先考えず、あまりにも簡単に判子をつくのは止めて欲しいな。←ボブの退職、EPEAT、etc.)

スコットについては、ジョニーとの確執やマップ問題の詰め腹を切らされたという噂だが、少なくともマップに関して責任の大半はクック船長にあると思う。確かにマップの完成度が低いままリリースしたのは、iOS 担当責任者として責められて当然としても、Google Map の継続使用期間を設けるなど、その善後策を含めた全般の運用に関しては、CEO の責任を追及されて然るべきであろう。

ましてや、謝罪文などの署名拒否が問題視されるような話にいたっては、高校の生徒会レベルの話ぢゃあるまいし、そんなモノにおよそ最高経営責任者以外の署名が必要とも思えない。

プレゼンターとしてのスコットは、他のメンバーに比べて何となく信頼に値するような自信に満ちたところがあり、好感が持てていただけに惜しい。もちろん、更迭の原因はそんな些細なことではない、と思うが…。

巷の評判はさておき、スティーブがそう簡単に謝罪しなかったのは、全責任を負っていた彼の確固たる信念(と、それに伴う往生際の悪さ)によるもので、熟考の末決定したことをそう簡単に変えるようなことはしない。その点においては、朝令暮改は彼の方が遥に少なかった。

そうでなければ、命がけでトップの至上命令に従ったスタッフはやってられねえだろうし、スコットがそのような謝罪文に署名することを拒否したり、謝罪文の公表自体に反対するのは至極当たり前の様な気もする。それとも、アップルの各担当上級副社長というのは、CEO をもすっ飛ばして製品をリリースできる絶対権限でも持っているんだろうか?

ま、アップルの親分子分の力関係については良く知らないんだが、いずれにしても、スティーブの時代には考えられないことだ。

以前のアップルであれば、すべての責任(と手柄)はスティーブが担い、それがアップルの顔であった所以である。今のアップルには、ハッキリ言って顔がない。どうして分かる、首無し美女殺人事件状態である。(なんのこっちゃ?)

それにつけても、リマインダ、連絡先、メモが使いにくい。

iCloud 連携の代表的な御三家アプリであるが、早急に何とかして欲しい。

リマインダでは、業務用と個人用を分けるためにリストを作ったら、全てを一覧できない。備忘録というのは、須く全体を見通してその後に細かい分類をすべし、というのが本来のアプローチだと思うのだが。(OS X & iOS)

そうかと思えば、連絡先では反対に分類済みのグループだけを表示しようとすると、やたらに余計なステップを踏まないとできない。そもそも分類に関する基本機能自体が、後述のメモとも大きく異なっており、まるで別会社のアプリケーションを使用しているような気になる。また、グループ作成や既存のグループへの分類など、編集機能に多くの制限があり、これまた Mac 版の連絡先(旧姓アドレスブック)とは外観が似ているだけの全く別アプリである。(iOS)

以前は問題なかったところまでわざわざ改悪するとは、一体何を考えてインターフェイスを作っているのだろうか?(もし、これがスコットのせいなら辞めてもらって一向に構わんと思うな)

メモに関しては、基本コンセプトに根本的な問題がある。長年 Mac を使ってきた者からすれば、コピペでこんなに苦労させられるクソアプリも珍しい。問題は、リッチテキストを優先するあまり、使いやすさが大きく犠牲になっていることだ。フォントの概念が全く異なるモノにリッチテキストは不要だろう。どうしても体裁にこだわるなら、せめてプレーンテキストオンリーの選択肢を設けるべきだ。(ワープロぢゃねえんだ、メモだよメモ、わかってる?)

加えて、相変わらずバグだらけの編集機能は、いつまでたっても修正されない。おまえら、リリース前にほんとに使ったことはあるのか、と言いたくなる。(OS X)
[以上:フィードバック済]
iOS 担当上級副社長が替われば、ただちに改善されるモノでもないだろうが、せめて以前から気になっていた Mac と iPad の統一性の無さが少しでも良い方向に向かえば、と思う。

製品について変化があれば人事も多少の影響はあったのだろうと、結果から類推するしかないのだが、何も改善されなければその責任者は何もしていなかったか、諸悪の根源はまだ別のところにあるという、より厄介な問題が表面化する。

上記課題に加えて、iPad 版のミュージックアプリの問題(アルバムを跨いだ連続再生機能など)は、iOS 6 になってから少しづつ改善されてきているようだが、今必要なのはもっと全般に渡って根本的な改革なのではあるまいかという懸念であり、あらたな人事によって任された担当者の手腕が問われる。

しかし、NeXT 時代からのメンバーがまた一人去ることによって、スティーブのカラーが一段と薄められていくのはちょっと寂しい。

てなこと言って、小綺麗にまとめてみてもしょうがない。

どうせ、スコットはハメられたんだろう。無責任な言い方かもしれないが(だって責任なんて全く無いもんな)、アップルのお家騒動なんてどうでもいい。アップルがさっさとバグを直して、新製品をとっとと出荷して、新たなワクワクさせてくれる何かを提供してくれりゃ、ぶっちゃけトップは猿でもいいと思っている。(なんなら、オレがやってあげてもいいよ〜)


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2012年10月某日 Hexagon/Okayama, Japan


[2012.10.30] 人事異動 〜より転載&加筆修正

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