2015年8月30日日曜日

8月の定点観測:2015

毎月恒例、土壇場の更新である。

と、定点観測の月末更新を済し崩し的に既成事実にしてしまうのだが、これといった大ネタもないので、致し方あるまい。

ところで、「済し崩し」には、成り行きを利用して有耶無耶してしまうような、ネガティブな意味合いはないらしい。

ここでは、その時の雰囲気に任せて事を進めようとする、姑息な行為として使っているが、元々は借りた金を徐々に支払うことを意味する語であり、物事を少しずつ片付けていくとか徐々に物事を行うことなど、まことに堅実でポジティブな行いを表す言葉なんである。

しかし、少しずつの積み重ねで徐々に変化させ、結果として一方的な結論に導くやり方には、どうしても悪いイメージが付き纏う。徐々に物事を行うといえば穏健な雰囲気もあるのだが、言い方をかえればズルズルとかジワジワとか、相手が気付かないよう徐々に形勢を傾けて、その勢いで物事を進めようとする様なども連想できる。

例文などにも、「既得権を済し崩しに形骸化していく」という風に、「済し崩し」自体にネガティブな意味はなくとも、結果としての文章全体からはプンプンと負の臭いというか、悪意みたいなものが漂ってくる、そんな表現で使われることが多い。いにしえより、巧妙な悪事は堅実でなければ成就しない事になっているし、完全犯罪はバカには無理だというのも道理である。

ちなみに、上記の「姑息な行為」という表現は、本来の「一時しのぎ」の意味で使っているが、一般的には「ひきょうな」という意味で使う人の方が多いそうだ。

故事にまつわる表現などは時代と共に変化するもので、必ずしも誤用と言い切れない使われ方もある。いわゆる諺などに多い、〜から転じてと表現される場合だが、言葉の民主主義みたいなものを振り回せば、元々の意味や正否正誤または正邪は関係なく、多い方が勝ちになってしまう。それも如何なものかと思うが、例えば「玉石混淆」よりは、「玉石混合」の方が意味が通りやすい気もするのは確かである。

「汚名挽回」みたいな表現は、思わず聞き流してしまいそうになるが、汚名返上/名誉挽回の真ん中を略してしまうと、意味が変わってくる。挽回すべきは名誉であり、汚名は返上するもの。そんなもん挽回してどうする? というツッコミも入れたくなる。

だが、これとて返上すれば結果的には挽回したことになるというこじつけも可能だし、汚名返上/名誉挽回の省略形と見れば、それ自体意味を持つ熟語でさえ無い。

それでも明らかな間違い、それも自分でも笑っちゃうような表現にならぬよう気をつけようとは常々考えているのだが、油断するとつい普段の勘違いに気付かずに使ってしまう場合もある。

まあ、それがどうしたというわけでもないのだが、昨年と同様に今年も夏らしい8月の空には巡り合うこともなく終った、キリンビール8月号だ。

で、話は定点観測とは関係なく、例のカメラバッグ、Case Logic Luminosity (DSS-103) のその後である。

山陰方面の続きネタもあるのだが、所詮は日帰りツーリング、それほどドラマチックな展開にはならないという点において定点観測と同じである。そんな訳で、そっちも前回と同様に欄外のコメントを参照して頂くことにして、一杯千五百円のラーメンの件を片づけておこう。

基本的な機能などについては、未だ現行製品でもあり公式サイトでも情報は公開されているので詳細は省くが、価格に見合うバッグかと問われればやはり微妙な製品ではある。

サイズだけで比べるなら、価格的には非常に近い Thule Perspektiv Compact Sling(TPCS-101)より、コスパに優れるように見えるだろう。しかし、同じカメラバッグとはいえ用途も多少異なる上に、細部の作りや、機能も形も含めた全体的なデザインまで勘案すれば、必ずしも勝てる訳では無い。

ましてや、個人的には少しばかりディスカウントで購入した点など、どうしても Thule よりに評価が傾いてしまう。ぶっちゃけ、同じシリーズの Case Logic Luminosity (DSS-101) よりは遥かにマシだが、値段的には同じぐらいになって欲しい気もするので、今後型オチなどで一万円を大きく割ったら、お買い得なバッグだと断言しよう。

いまだ、それほど使い込んだとは言い難いのだが、撮り合えず定点観測の現場へセローで持込んでみた実戦投入の感想だが、やはりデカイ、デカ過ぎる。

容量的には、14.8リッターという触れ込みだが、19リッターの Thule EnRoute Strut Daypack と比べても、その大きさが際立つ。その原因の一つには、カメラバッグの範疇ではないデイバックなどの場合、素材がペラペラの薄い生地であることが多いので、緩衝材の多いカメラバッグよりその容量はサイズ以上に大きくなる。というより、カメラバッグがサイズに比して、容量が少なめになるというのが正しいのだろう。

要するに、デカイ割りには大してモノが入らないのが、カメラバッグの宿命である。したがって、自分の使うカメラやレンズ、その周辺機器などの最適なサイズを踏み外すと、もっといえば大は小を兼ねるなどと野放図な選択をすると、とんでもない大きさになってしまうということなのである。

そもそも、この定点観測用に最適化しようなどと考えたことが、間違いの始まりである。従来、ミニで訪れることが当たり前になっていた定点観測の撮影現場だが、ほぼフルセット態勢で持込んでいた機材を、そのままセローへ搭載することは不可能だ。

せめて、必要最低限の原付撮影行セットから少しでも従来の運用に近づけたい、加えて業務用の機材(主に MacBook Air だが)も1つにまとまれば楽になるだろうと考えて画策した結果が、今回までの経緯である。

色々なバッグを、それこそカメラ用とは限らないモノも含めて、導入した経験から得た要求ポイントは多岐に渡る。まず最初は、撥水・防水性に関する性能に始まり、MacBook 対応などのオプション機能などを求めていくと、おのずと全体のサイズも大きくなる。ある程度サイズが大きななった時点で、すでに三姉妹まとめて収納が暗黙の了解になっており、次第に欲が出てビューファインダーなど取付けた状態での収納まで追求すれば、三脚へのサポートも当たり前のようになる。

セローに搭載する場合、三脚バッグを使用することが多い。カメラバッグの三脚対応が必要になるのは、単車を離れて撮影現場までの移動の場合のみであり、現実にはその頻度もそう高くはない。

あって邪魔になる機能ではないが、どちらかの側面を使用する場合は、その機能に占有される。従って、場所によってはカメラ本体ヘのアクセス性やアクセサリ類に対するサポートは、かなり犠牲になることを覚悟しなければならない。

また、パソコンに対するサポートも微妙な部分である。というのも、iPad mini 程度ならあくまでもオマケの機能、所謂隙間で済むレベルだが、フルサイズの iPad を通り越して幅または高さが25センチを越えた辺りから、カメラの序ででは済まなくなるようだ。

何処のメーカも、パソコン対応となれば13〜15インチサイズまで欲張り、すでにオマケとは言えない扱いになる。おそらく、現場での編集作業までも可能な機種を想定するので、カメラバッグのサイズも一気に二回り以上肥大化する。

カメラに対するアクセス性など、単車に搭載したまま使ってやろうとすれば、おのずとモデルは限定され、選択肢が狭まってしまうことも災いしている。ここに至っては、従来の前提を見直し複数に小分けするような、それでいてまとまりやすいという、一見矛盾した要求を満たす可能性も探って見ねばなるまい。

何はともあれ、カメラバッグについては、もう少し別の角度からもアプローチしてみる必要がありそうだ。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2015年08月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.08.30] 8月の定点観測:2015 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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