2015年11月30日月曜日

11月の定点観測:2015

いよいよ11月も終わって、年末モードに突入だ。

作業台下のオイルヒータも、少し前から既に稼働中である。先日は、ついに石油ストーブも出して灯油も入れたし、冬を迎える準備も着々と進んでいる。

毎年、この時期になると、あらためて冬が来たことを認識する。それは、最初に点火する石油ストーブの排気が、記憶している冬の臭いを思い出させるからだろう。

そろそろ、今月の定点観測の準備をしないといけない時期も迫っているのだが、遅々として進まない。これは、一重に出来の悪い SIGMA Photo Pro 6 と、コンピュータの処理能力向上に極めて怠慢なアップルのせいであって、決して私の所為では無いのである。

とはいえ、もう十分に切羽詰まっているので、毎度の見切り発車も致し方なしのキリンビール11月号だ。


今月は、月末までにもう一回ぐらいは行けるだろうと高を括っていたら、なんやかやと予定がずれたり、気分がのらなかったりで果せず。

結局、02-10-19 と都合3回訪れた定点観測の現場は、それでも快晴こそなかったが、そこそこバラエティに富んだ絵が撮れたつもりでいたのだが、…。

初日は小雨模様で、空は一面雲に覆われて視界も悪く、山々には霧が深く掛かっていた。当初、DPM にはタオルでもかけて、雨を凌ぎながらの撮影も覚悟していた。

だが、到着後間もなく雨足も強くなってきたので、三脚の設置は諦め車内からの撮影となった。よって、いつものポイントから少しずれた位置での撮影となったので、厳密には定点観測とはいえないかもしれない。

2日目は、折り悪く地元の農作業の準備と重なってしまい、ごく短時間しか撮影できなかった。撮影ポイントが、田圃へ農機具を運ぶ通路になっているので、まあ致し方なしである。

この日も今にも降り出しそうな空模様で、絵的には初日とあまり代わり映えがしない結果となった。 だが、それに気づいたのは、初日分の現像作業にとりかかったこの2日後であり、未現像のまま放置する期間が長くなればなるほど、ミステイクに気づくのも遅れる。

そして最終日、 なんと DP2M 版のみとはいえ、今更の水平基準のズレにより全数が却下写真となるなど、我ながら呆れ返る不注意にも程がある為体なんである。

出掛ける前には青空も広がっていたのだが、現場に到着してみたら例によって工場の背景のみ雲に覆われているという、お馴染のパターンである。上空は部分的には晴れていたので、時間と共に回復するのを期待したが、思いの外雲の動きも鈍く、DP3M の画角には最後まで雲が居座っていた。

この日は、久しぶりにタイムラプス動画も撮ってみた。後で確認すると、上空の高いところは西の風、低いところは逆に東の風と、全く正反対の動きをしている。そんな雲の動きからも、大きく天候が回復するとも思えず、これでは何時まで待っても埒が明かんのである。

結果的には最終日となった19日も、それほど粘ったわけでもないし、前述の DP2M の失敗に気づくのも現像作業が終った27日になってからである。まさに土壇場の今日にでも、その気になれば撮直すことも可能だったのだが、あまりの脱力感からそんな気にもなれず、有りもので更新をしている次第である。

そんなわけで、おしなべて気合いの入っていない写真ばかりになった気もする、今月の定点観測である。

先月来、更新意欲が湧かない、今ひとつ力が入らない言い訳のひとつに、実家のワン公の病死というのもある。悲しみを紛らわそうと、何かと能天気で楽しい話題に努めようとするのだが、中々そう簡単にはいかない。

ここ2年ほどの間、足腰が弱ってきた母親に代わって毎朝の散歩という役目を続けていた。早朝、実家までの僅かな距離でも、毎日通うとなると精神的にも結構大きな負担になっていた。

しかし、慣れというのも恐ろしいもので、最初は面倒で仕方がなかったことも習慣になってしまうと、それほど気にならなくなる。

それどころか、いきなり明日からそんな必要もなくなったという状況の方が、心理的な違和感として残るぐらいで、そんな変化にもよくもまあ体調が崩れないものだと、己の健康体に感謝するばかりである。

それ以上に、猫派を自認する自分自身それほど犬好きではないし、とりたてて可愛がっていた訳でもない。

動物病院から、段ボールの棺桶に入れられた状態で連れて帰った時も、火葬の手配やその後の段取りについて家族と相談していた時も、極力無感情を装い、それなりに成功していたと思う。

その後、市役所で諸々の手続を済ませるまでは、努めて事務的に振舞っていた。ところが、斎場へ運んでそこの担当者から「はい、ここで結構です」と言われて、初めて本当に最後の別れであることに気づく。慌てて蓋を開け、既に温もりのない首筋を撫でていると、涙が止まらなくなってしまった。

母親が、実家のお犬様用スペースとして設えていた、部屋の棚の下にあいつが居ないのは、悲しみを通り越して不思議ですらある。

裏山のいつもの散歩コース、短い脚で一生懸命に登った階段も、野犬と対峙してビビりまくった坂道も、その目的以外では通ることもない道だから、おそらくもう二度と目にすることはない。

そんな、いろいろなことが懐かしい想い出にかわるまで、もう少し時間がかかるだろうな。

俗名アロンというウェルシュ・コーギー、享年13歳。合掌。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2015年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.11.30] 11月の定点観測:2015 〜より転載&加筆修正

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