2013年8月31日土曜日

撮影と現像のパラメータについて

SIGMA Photo Pro 5.5.2.0.0 (15277) 

標題の SIGMA Photo Pro は、SIGMA DP Merrill 用の X3F RAW Data に対応した、現時点で唯一の現像ソフトである。


しつこいようだが、またまたまたカメネタである。さすがに商売が絡まないとなんも気兼ねなく書けるせいか、我ながら驚いている。


ま、そうは言っても一応 OS X 用のソフトウェアであることから、全くマックと関係のない話ではない。まいどのことながら、SIGMA DP シリーズのユーザ以外には全く参考にはならないので、念のため。


現時点で唯一、と言い切ってしまうが実はもうひとつ Iridient Digital が、“Iridient Developer” という X3F RAW フォーマットをサポートしたマック対応版を出している。(http://www.iridientdigital.com)


フリートライアル版もあるので早々に試してみたが、マックらしいインターフェイスになっている割になんか使い難いのである。英語版だからというだけでなく、多少出来が悪くとも既に SIGMA Photo Pro に体が馴染んでしまったせいかもしれない。


現時点でのバージョンは 2.2 で、価格も日本円で ¥8,092 と決して高いわけではない。が、残念ながら未だ正式版の購入には至っていない。


SIGMA Photo Pro 自体、他社の現像ソフトに比べれば機能的には劣るし、動作も不安定なところはあるが、あまり高機能過ぎるよりちょっと足りないぐらいの方が手に馴染むという、ソフトウェア全般に感じている個人的ポリシーな事情もあって、SIGMA Photo Pro を使い続けている。(シグマユーザはタダだしね)


最近のアップルはアホ過ぎて、X3F RAW に対応する可能性は全く期待できないし、もはや期待さえもしていない。現状では Corpus Callosum Corporation (http://www.corpus-callosum.com) の「X3F.qlgenerator」および「X3F.mdimporter」という古いプラグインが、ファインダ上でのクイックルックを実現してくれるので、当面はさほど不便を感じない。


したがって、シグマユーザが愛情をもって文句を言い続けていれば、SIGMA Photo Pro だってもっと使いやすくなるに違いない、という観点から到達した結論なんだが、はたしてどこまで進化できるかはシグマ次第である。(以前にしぐまと心中だ、という決意表明もやっちまった手前、そう簡単に浮気も出来まい)


そんなわけで、今回は撮影時のカメラ設定とSIGMA Photo Pro について書いてみる。


SIGMA DP Merrill ユーザ以外には全くワケがわからんことだと思うが、カメラ本体と現像ソフトにも一応個人的なデフォルト値を設定している。

撮影時の感度は原則 ISO100 固定で、絞り優先またはプログラムモードによるオートブラケット(EV±0.3)で、手持ち撮影ではタイマー無しの3連写、三脚の場合は2秒タイマーによる3連写を基本として、カスタムモードC1、C2に設定。C3にのみ ISO Auto の3連写を設定。

可変(ISO Auto)といっても、感度の上限は ISO200 に設定、1/3段(125、160)刻みという、ほとんど気休めでしかない。DP Merrill にとっては、ノイズが気になりだす許容上限感度なんだから情けない、が致し方あるまい。

DP1 Merrill では単写の場合、絞り優先を使うことが多いが、DP3 Merrill は単写で使用することは滅多にない。

ちなみに、カラーモードはすべて風景(Landscape)で、ホワイトバランスは原則オート(AWB)である。いずれも DP1 Merrill & DP3 Merrill 双方で、同じ設定にしている。
また、現像ソフトには彩度(-0.2)、シャープネス(-0.5)をデフォルト値として設定し、モノによってはシャープネスゼロに相当するという噂の値(-1.0)まで下げる場合もある。


晴れ(DayLight)固定が無難という意見もあるようだが、SIGMA Photo Pro 5.5.2 は色温度の表記機能さえもないタコなんで、微妙な色温度の変更はできない。オートホワイトバランスの自動可変機能を利用した方がカラーバランスを大きく変更しなくて済む場合が多いので、オート(AWB)を設定している。バージョンアップにより、以前と比べてホワイトバランスもだいぶマシになったと、いうのもその理由。

ま、たまに大コケすることもあるが、そんな時はまずプリセットのいずれかに変更してみて、マシなものからカラーバランスを調整する。あまり極端にカラーバランスを変えると、たいてい何処かに犠牲が出るからだ。

参考までに、SIGMA DP Merrill のホワイトバランスと各カラーモードは以下のような設定になっているらしい。
カッコ内の略記はあくまでも個人的な表記であり、蛍光灯とアルファベットで被ってしまうフラッシュをストロボライト(SL)と表記せざるを得ない点など、結構クルシイ。

 ================================
 ホワイトバランス(SIGMA DP Merrill)
 日陰     :約 8000K(SH)
 フラッシュ  :約 7000K(SL)
 くもり    :約 6500K(CD)
 晴れ     :約 5400K(DY)
 蛍光灯    :約 4100K(FL)
 白熱電球   :約 3000K(TL)
 ================================
[カラーモード:彩度の高い順]
 1.風景    :Landscape(L)
 2.ビビッド  :Vivid(V)
 3.スタンダード:Standard(S)
 4.ポートレート:Portrait(P)
 5.ニュートラル:Neutral(N)
 ================================

また、各カラーモードを補正した場合はだいたい以下の順に彩度が変化するらしい。
以下の数値はシグマユーザにはお馴染の maro さん家からのパクリを自分なりに並べてみたものである。(毎度、貴重な実証結果を公開して頂き、お世話になっております)

やっかいなことに、数値上同等になるはずのレベルであっても、モードが異なると写真に反映される色は同じにはならない。

おそらく各色に関するバランスを変更しているためであろうと察するが、そのパラメータが公開されていないので、実際にやってみるっきゃないのが現状である。

================================
[カラーモード:補正値]
 彩度 カラーモード 設定値
  1.風景     +0.1
  2.ビビッド   +0.1
  3.風景     基準値
  4.ビビッド   基準値
  5.風景     -0.1
  6.スタンダード +0.3
  7.ビビッド   -0.1
  8.ポートレート +0.3
  9.スタンダード +0.1
 10.風景     -0.3
 11.ビビッド   -0.3
 12.スタンダード 基準値
 13.ニュートラル +0.3
 14.ポートレート +0.1
 15.スタンダード -0.1
 16.ポートレート 基準値
 17.ニュートラル +0.1
 18.ポートレート -0.1
 19.ニュートラル 基準値
 20.スタンダード -0.3
 21.ニュートラル -0.1
 22.ポートレート -0.3
================================

したがって、カラーモードを風景(Landscape)、彩度(-0.2)、シャープネス(-0.5)という個人的なデフォルト値は、彩度に関してビビッド(-0.1)とポートレート(+0.3)あたりに相当するはずであるが、当然この両者とも色は異なる。

主に緑の表現が独特な風景モードを好んで既定値としているが、彩度(-0.2)と X3 Fill Light を加えることでたいていの色飽和には対応できているので、たぶんそれほど異質な設定でもあるまいと考えている。

あとは、なぜか設定に保存できないので、毎回手動で行っている倍率色収差補正のレンズプロファイル(+1.0)をお呪いのようにセットし、フリンジ除去に関してはその都度状況に応じてやったりやらなかったり、である。

というのも、マゼンタはまだしもグリーンに関しては、風景の緑に与える影響が大きいので、色相や範囲、適用量などを微妙に変えてみたりしているが、だいたい彼方を立てれば此方が立たずというジレンマに陥ることが多い。特に個人的には、逆光写真が多いのでこのあたりは悩ましい限り。

その時はこれがベストだろうと思っても、他の写真と比較すると不自然に見えたりすることが多々あるし、一枚の写真をあまり長時間見続けていると、いったい何を基準としていいのか判らなくなる。

そのために、毎回カラーチャート(これがまた結構な値段なんだ)を持参して撮影するのもアレなんで、たいていは脳裏に焼き付けた景色の記憶をたよりに、適当な(自分好みの)調整をしているので、概ね色に関してはいい加減にも程がある、のである。

ま、そんなこんなで撮影した写真の中から、これはと思った自画自賛な作品に関してはご当地の地名などを文字入れして、デスクトップピクチャとして作成するというのが、最近のお楽しみとなっている。

遠征の足となっているミニには、三脚一脚を始めとする撮影機材一式、適当なロケーションを見つけてはドッカと腰を落ち着けて撮るためにイスやテーブルなども常用装備となっていたりする。

そのうち、小さなテントや寝袋まで積み込んで、どこか撮影意欲をそそるロケーションを探しに行ってみたいものだと妄想してみるが、はたしていつになったら実現できるやら。


…ということで、今度こそホントに来月もヒトツよろしく。
2013年08月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2013.08.31] 撮影と現像のパラメータについて 〜より転載&加筆修正
なお、本家には写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

0 件のコメント:

コメントを投稿