2014年1月8日水曜日

たまには、オリンパス

今年も、シグマ一辺倒で行くという決意表明をしておきながら、その舌の根も乾かぬうちにオリンパスである。

ま、今そこに在る機器は有効に使わないと勿体無いし、iPhone と DP Merrill の間にある、未だとてつもなく大きな隙間を埋めるべく、完全引退には至っていない。

iPhone に対するそれは、画質だけでなくあらゆる面においてのギャップであり、必ずしも DP Merrill の全勝とは限らない。

ビデオ機能やメモとしての手軽さ、通信機能との連携によるデータとしての即時性、そして何よりいつでも携帯していることのメリットは、計り知れなく大きい。

そんな大きなメリットを犠牲にしてまで、写真としての表現力に関してはアップルが考えているほどには、誰も望んでいないことは明白である。願わくば、これ以上無駄に画素数を、延いては画像サイズを増やさないで貰いたいものだ。

個人的には、iPhone が写し出すものが写真だとは思っていないし、またその必要さえも感じていない。それはある意味、今手元にあるオリンパス機も含む話になる。

将来、iPhone がマイクロフォビオン?みたいなモノでも搭載しない限り、その考えは変わることはない。(わ〜、フォビ厨全開発言!)

また現状では画質よりも、レンズの焦点距離や撮影技法による、多彩な表現力を重視した用途も皆無ではない。ただ、それによって得られるものだけなら、最近の高級コンパクト程度で十分間に合う。

しかし、必ずしも結果が全てではない個人の趣味の領域では、仮にそれが旧態依然としたデジイチだったとしても、未だにそれなりの用途はある。

もちろん、さすがにそんな言い訳も、だんだん苦しくなりつつあるオリンパス(E-410 & E-620)ではあるが、基本贅沢は敵である。完全に使い物にならなくなって引導を渡すまでは、もう暫くは頑張ってもらおう。

で、物撮り猫撮り以外では久々の出番を得た E-620 である。

実は、会社のある場所から徒歩5分ほどで行ける距離に、宇野線/瀬戸大橋線がある。

したがって、単に列車撮影だけが目的であれば、サンライズエクスプレス(瀬戸)は毎朝ここを走っているわけで、撮ろうと思えば大した苦労もなく何時でも撮れるのだ。

しかし、岡山駅を発車してからわずか6〜7分で到達できる距離にある笹ケ瀬川橋梁あたりでは、あまり撮影意欲も湧かない景観でしかない。

県南の瀬戸内海近くまで捜索エリアを広げれば、少しは景観も良い場所だってあるだろう。だが、基本的に高架線区間の多い瀬戸大橋線では、まともな絵にしようと思えばそう簡単ではない。

わざわざサンライズ瀬戸ではなく、サンライズ出雲を狙って伯備沿線まで足を延ばしていたのは、そんな理由からである。

冒頭の写真は、これでも一応サンライズ瀬戸であり、南区の瀬戸大橋線笹ケ瀬川橋梁において、今朝の撮影である。

その状況から、予想通りの夜景然とした想定内の写真なので失敗作とまでは言えないが、残念ながらほとんど絵にはなっていない。日の出三十分前は、肉眼ではほぼ真っ暗であり、ISO400 で6秒露光してやっとこの明るさだ。

露光開始点あたりではカメラブレも顕著で、ミラーアップはおろか遅延シャッターも使わず如何にいい加減に撮ったか、が如実に見て取れる。せめて、リモコンぐらいは使うべきだったかな、とは思う。

暫くピクセルマッピングもしていなかったので、画面中がまるで星空のような状態だったこともあって、滅多にやらない PSE8 によるレタッチもやってみた。

この鉄橋、たとえば午前中に順光で捉えようとした場合、都合よく鉄柱が反対側にあるので一見良さげに見えたのだが、手前の半端な高さに電線がぶら下がっていて、列車側面に被ってしまうのがイマイチだ。

市街地に近いこともあって、午前6時半頃でも周辺地域の交通量は結構多い。裏道でしかない鉄橋付近でさえ、少なくとも十秒に一台はすぐ側を通過するので、ヘッドライトの明かりがそこら中に反射して、およそ露出は安定しない。

また、以前の第7高梁川橋梁と違って、近くに踏切もないので事前に列車の接近を知る手立てがない。まだあたりが暗いことで、列車のヘッドライトの明かりがわずかな助けにはなるが、日中の明るさではそれも期待できないことも、撮影条件としてはマイナスだろう。

キッチリとダイヤ通りに走ってくれりゃまだしも、一時間以上遅れることもあるような特定の列車を狙うには、あまり向いていない。

当日は小雨模様で、お世辞にも楽しい撮影とは言えない状況である。たまたまこの時間に通りがかって、偶然にも E-620 を持ち合わせていたので、やってみました的なモノに過ぎない。(ということにしておく)

一応三脚も立てたが、ヒワヒワな SLIK 500G-7 しか手元に無かったので、細かいアングル調整などは望めない。今から考えると、以前はよくこんなものをよく使っていたものだと感心するが、それでも手持ちよりはなんぼかマシだ。

SIGMA DPM に比べりゃ、高感度には多少耐性のあるオリンパスだからという期待もあったが、慌ただしさからあまりにも雑な撮影になってしまい、当然結果もそれなりでしかない。

事前のテストで撮った一枚では、なるべくシャッター速度が稼げるように絞り開放で撮る設定にしていたはずなんだが、なぜか絞り優先モードにもかかわらず、本番ショットは f5.0 に絞られてしまった。

当初は、望遠ズームの広角端あたりでどうかと思っていたが、あまり画角を絞ってしまうと、いったい何が写っているのか判らなくなりそうな状況である。少し寄って、明るさの点でも有利なワイドズームの広角端 14mm(換算 28mm)を使ったのだが、あまり意味はなかった。

やはり、こういった状況ではマニュアルモードを選択するべきなのだろうが、久しくオリンパスの出番がなかったので、使い方を忘れてしまったようだ。

同世代の DP1M/DP3M では、あまり操作や設定で迷ったこともない。しかし、メーカや世代の異なる複数台のカメラを使う場合、カメラ毎の設定をうまく使いこなすためには、日頃から使っていないと現場で慌てることになる。

世代が異なれば、オリンパス同士でも E-410 と E-620 の間では、かなり戸惑うことになるのが現状であり、全く同じ操作で使用できる DP Merrill 兄弟を使うことのメリットは、その点においても大きい。

特に、動きの速い被写体撮影には事前の設定が重要である。状況に応じた判断により変更を加えていく過程で、操作を誤らないようにするには体で覚えるしかない。

ぶっちゃけ、サンライズエクスプレスに拘り過ぎるのもどうかと思うが、あくまでも練習台みたいなものである。

鉄道のある風景なら、もっと視点を変えた撮影にも挑戦したいところだが、自分にとってはまだまだそれは先の課題であり、せめて納得のできる一枚が撮れるまでは続けてみようと思う。

いずれそのうち、もっと明るい日中にマリンライナーあたりで、今少し練習してみようかと考えている。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年01月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.01.08] たまには、オリンパス 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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