2014年4月5日土曜日

自由への回帰:邂逅

先日の雨により、桜も既に散り始めたようだ。

例年この季節には、多くの写真サイトで桜の競演となるのがお約束なようで、いずこでも見事な作品が披露されている。

実家のワン公のお散歩コースには、ところどころ花びらを敷き詰めたようになっている道もある。春になると桜の花は飽きるほど目にするのだが、植物関係にはあまり興味がないので、撮り方の作法も実は良く知らない。

かといって、他の作法は知っているわけでもないので、不作法にも程があるのだが、…。

そんなもん、適当に撮ってりゃ絵になるだろうとばかりに、何枚か撮ってみるのだが、どうもお歴々の作品のように奇麗な桜色にはならない。実際、近くで見ても花びらは白いので全くのウソッパチではないと思うが、そこはひとつ、嘘ではないが本当でもない匙加減が必要なのだろう。

ま、そんなこたあどうでもいいんだが、広げた過ぎた大風呂敷は、畳むのもたいへんなんである。

前回までは、一定の選定基準に基づいて選択したものの、その後の使用上(または仕様上)の問題点を潰していく過程で、もっと手っ取り早く解決できる方法があるのではないか、と思い至った経緯を辿ってみた。

特定の機能を必要とした場合、それに見合った製品を購入するのが一般的ではある。だが、写真機材の分野では中華のお勤め品と言えども、庶民にとっては高級品に相当する価格帯である。

極力無駄な投資を避けるためには、システマティックな展開、すなわち必要になった機能は後から追加できることのメリットを検証するという観点から、若干の方向転換を図ってみた結果である。

まだ途中経過と言えなくもないが、なにせこの沼けっこう深いので、溺れないようにしたい。そのためにも情報が不足気味な現状では、掴むべき藁もないのも同然であり、一本のワラとなるべく続けてみることにする。

[現行機材に至るまで]

現在までに導入した機材は、いずれも最短距離でその製品に到達出来たわけではない。

何かの要求に対して、解決策自体が別の問題を誘発することも少なからず経験した。当面の問題だけではなく、根本からの解決が望ましいことは明白であり、未だ改善の余地も多い。

ただ、解決策を模索する過程においていくらか遠回りをしたことで、新たな発見や潜在的な要求に気付くことができたように思う。

アルカスイス互換とはいえ、それほど厳密な規格でもなく、またそれがキッチリ守られているわけでもない。互換製品の中にも、メーカごとに微妙な誤差のようなものは必ず存在するが、逆にメーカを限定してしまえば、誤差は最少に押えることもできる。

そうなれば、ラインナップが豊富なメーカに注目するようになるのだが、この場合価格や入手しやすさというハードルもあって、おのずと候補は限られてくる。

システマティックな展開を模索すれば、必ずといって良いほどサンウェイフォトの製品群に遭遇する。だが、その情報は国内ではまだ限られており、死ぬほど重たいオフィシャルサイトや S.V.C Photography Ideas (http://www.scvphotoideas.com) の情報に頼るしかない。

併用する機材が異なれば、その使用感なども微妙に違い、実際に使用してみないと細かいフィーリングまでは得られない。

稚拙な英語の読解力から何度か失敗もしたが、同じメーカの機材を使用した経験があれば、ある程度類推もできるようになる。したがって、これも撮影と同様に、とにかく場数を踏んで後は想像力で補うしかない。

最近では、サンウェイフォト製品の国内における使用者も徐々に増えて、情報の多様化の兆しも見え始めているが、まだまだ絶対数が少ないのが現状である。

[現行機材のシステム構成]

レベリングベース(Sunwayfoto DYH-66i)上に載るべき機材を選択するに当たって、汎用性を考慮し組換えが簡単にできることを第一条件に構成してきた。

ただ、レベリングベースに直付けできるクランプの選択には、干渉問題から少々難儀をした経緯があり、鬼門といっても過言ではない。

最も単純な機能なら、サイズ的もピッタリな 64mm 径のシンプルな円形クランプになる。だが、ショートノブ版(Sunwayfoto DDY-64i)では、ベース周辺の出っ張りと干渉して完全な締付けはできないので、ロングノブバージョンの円形クランプ(Sunwayfoto DDY-64iL)が必修になる。

ベースのパンニング機能を望むなら、パンニングクランプ(Sunwayfoto DDH-02/03 or DDH-02i/03i)シリーズであれば、ショート/ロングのいずれも取付可能である。パンニングベース分の厚みが、ノブとの干渉を回避するスペーサの役割を果たすので、締付けにも問題はない。

ただし、円形クランプシリーズのような専用ホールが無いので、センターのネジをアダプタを介して使用することになる。ノブの方向は任意に設定できないが、取付に必要なものは各クランプにすべて同梱されているので、特に追加部品は必要としない。

個人的な用途での理想は、単独でパンニング機能を持った上位機種の DYH-90R だ。しかし、無用に径はデカいし、現時点においても流通が整っていないせいかアマゾンでも DYH-66i とは、笑っちゃうほどの価格差がある。

できれば、DYH-66iR みたいな製品の登場を望みたいが、機能の追加ができることもカスタマイズ性に優れるサンウェイフォトのメリットと考え、パンニングクランプ(Sunwayfoto DDH-02i)を追加した。

しかし、外見の不釣り合いも然る事ながら、もともと雲台のトップに取付けることを前提にデザインされているので、ロックノブも小さく少々使いづらい。

また、DDH-03 では完全ロックから開放までのノブの回転角度が 110° 程度であったにもかかわらず、少なくともロングノブバージョンの DDH-02i ではなぜか 270° 近く回ってしまうのだ。(ショートノブの DDH-02 は未確認)

ロックされる位置はどちらも変わらないし、60° も回せば完全フリーになるのに、そこから無駄に 180° 以上回る意味は不明である。これが災いして、取付ける機器によっては、ベース部分と干渉して引掛ることもある。

加えて、レールを介して2台態勢で運用する場合など、パンニングクランプの回転が軽過ぎて使いにくい。軽くロック状態に近づけてテンションを持たせることは可能だが、雲台のベースのようにオイルダンプによる抑制の利いたものではなく、何かゴリゴリと擦れるような感触も頂けない。

よって、暫く使用した後にパンニング機能は当面あきらめ、シンプルな円形クランプ(Sunwayfoto DDY-64iL)の導入を検討しはじめた。

その時、かつてサンウェイフォトも製品化していた、64mm径のパンニングクランプ(Sunwayfoto DDH-01)に目が留まった。すでにディスコンとなっており、流通在庫のバカバカしい価格に呆れながらも、なにか良い方法はないものかと模索を続けているうちに、インデックスローテイタという奇っ怪な機械に遭遇するのである。

価格面でも、当時の DDH-03 と同等かそれ以下であり、当然 DDH-01 などより遙かに安いことが、その面妖な外見(好みではあるが)にも関わらず、チャレンジャー精神を刺激する。

インデックスローテイタ自体、導入時にその機能を全て理解できていたわけではないので、あえて機能的には十分とも思える簡易版ではなく、上位版(Sunwayfoto DDP-64M)を選択した。迷ったら高い方、を実践して幾度となく失敗した経験は、ここでも生かされていない。

機能面においても、単純なパンニングクランプより使いやすいことも判明したので、最近ではより低価格化が進んだ簡易版(Sunwayfoto DDP-64S)が、そのコンパクトさも相まって十分魅力的であると思う。

ただ、国内市場ではまだ見かけないが、角度設定がより細かい方向へシフトされた改良版も既に出荷されており、これならレベリングベースに常設しても良いと思える。(型番が以前と変わっていないので、ややこしい)

主に高さ方向の増加を抑える意味で、前述の 64mm 径のパンニングクランプ(Sunwayfoto DDH-01)を検討していた時期もある。正確には、そのパチモンであるデスモンド(PC-1)という製品だが、海外通販まで利用して導入した失敗談は、昨年十月頃の「憂鬱」を参照して頂きたい。

三脚が前提となる場合が多い DP Merrill を複数台使い分ける上で、設置と撤収が楽になる方法を模索してきたわけだが、こうしてでき上がったのが通称 Pano-3 システム(Sunwayfoto Fluid Pantoscopic Panoramic Pano-3 Modular Versatile Head)相当である。

最初に見た時は、いったい何に使うのやら全く分からなかったシステムだが、全く別方向からのアプローチによる試行錯誤を続けた結果、知らず知らずのうちに行き着いた、というのも皮肉なものである。

最近は、上記の全部入り本チャンシステムも価格が下がってきたので、面倒ならエイヤアッと一気に逝っちまうという手もある。(専用ケース付きというのはちょっと惹かれるが、未だバラで買った方が安いので、あえてお勧めはしないけど…)

Pano-3 は、基本的に固定システムなので、パンニング機能を担当するインデックスローテイタはレベリングベースに UNC1/4-3/8 アダプタを介して直付けされている。その上に 64mm 径円形クランプのショートノブ版(DDY-64i)が専用ホールの2本の UNC1/4 で固定され、汎用レールなどが取付けるのが基本仕様である。

ただ、このままだとレベリングベースを三脚側に固定で使用したい当方としては、少々使いにくい。前述の簡易版インデックスローテイタ(Sunwayfoto DDP-64S)なら、パンニングクランプとして常設もアリかもしれないが、できればシンプルな構成で使いたい場合もある。

インデックスローテイタシリーズには、円形プレート(AM-01)が付属した型番末尾に X が付いた、Sunwayfoto DDP-64MX/DDP-64SX というのもあるようだが、当時の流通価格を考えると随分高くついてしまう。

また、円形プレート(AM-01)単独で販売されていたのは、海外通販ばかりで本体価格と変わらない送料を負担してまで取り寄せるのもバカバカしい。そこで目をつけたのが、前述の64mm 版パンニングクランプであるデスモンド(PC-1)である。円形プレート(AM-01 相当品)が付属した上に、送料込みでも思わずニヤついてしまう価格だ。

で、結果その出来に愕然とするわけで、おまけに期待した円形プレートも皿ネジ用の窪みが僅かに深いことが災いして、付属のネジ(UNC 1/4)とセットでないと締付できないという汎用性の無さである。いや、これはもう汎用性などというレベルではなく、キッチリ精度が出ていないことで、使い回しもできない非互換というべきである。

互換品には互換品の誇りというものがあって然るべきと考えるが、互換性を維持してナンボのパチモンの風上にも置けない為体である。浮気をして初めて分かるなんとかみたいなモノだが、その点においても、サンウェイフォト製品の安定した品質に感心する結果となった。

ま、そうは言っても、サンウェイフォトでさえ根本的な仕様上の問題や、ロットによるバージョン違いなど、けっこういい加減な製品管理(品質管理ではないが)もあって、数え上げれば果てしないほどアラも出てくる中華の一翼を担うメーカだ。

このメーカ、型番の振り方は行き当たりばったりで、サイズを表す数字の後に改良版を表す文字(i = Improve)が付くことになっているが、パンニングクランプシリーズ(DDH)ではロングノブ版に付けられている。(実際、スライド部分のガイドに改良が施され、締付のタッチが僅かながら改善されているが、ノブの長さに比べたら外見からは判別しにくい)

しかし、円形クランプシリーズ(DDY)では、それが必ずしもロングノブ版を表すわけはないらしく、Lの文字が追加された製品が存在する。

また、インデックスローテイタシリーズのように、改良が施されても型番が変わらないこともあったり(Sunwayfoto DDP-64M/Sunwayfoto DDP-64S)、ノブや水準器の形状も公開されている画像と異なるバージョンの存在は珍しくない。

その上、輸入業者の大半は、その全く当てにならないオフィシャル画像を商品情報として流用しているので、現物の確認ができない通販でのハードルを高くしている。

ま、毎回賭けのようなスリル味わえて楽しくもあるんだが、製品仕様としてさほど重要でもないことなら、中華相手にあまり厳格な管理を期待しても仕方がない。改善されれば喜ばしいことだが、結果としてコストに跳ね返ってしまうと面白くはない。

正規代理店と称して高目の価格を提示しているいる業者でさえ、現状ではそのあたりは同レベルでしかない。

これはアマゾンの怠慢でもあるのだが、それよりもっと高い値段と製品情報さえロクに明記していないような、不届き千万な業者も多いのが現実であり、フィルタをかける必要もある。コスパの観点からは、そんなことも含めて、業者の選択はユーザの判断に委ねられている。

ただそんな中でも、肝心な機械的精度こそ高いレベルを維持していることが、魅力であることに変わりはないし、限られたコストでのシステム展開を考えると、現状唯一無二といっても過言ではあるまい。

問題は、流通における真っ当と思える価格が提示できればという条件付きであることは言うまでもなく、それがコストパフォーマンスに大きく影響する。

以上のような経緯から、現行機材は次のようなものになった。

[現行機材]

<カメラ>
SIGMA DP1 Merrill 28mm F2.8
SIGMA DP2 Merrill 45mm F2.8
SIGMA DP3 Merrill 75mm F2.8

<レンズフード>
SIGMA LH1-01DP1M
SIGMA LH2-01DP2M
SIGMA LH3-01DP3M

<水準器>
UN UNX-5685×
・堀内カラー HCL
HAMA5411
Polaroid PL-ABL3

三脚/一脚>
Manfrotto 190CXPRO3
SIRUI P-326

<その他関連>
カメラ用バッグ
Manfrotto アミカ50
CaseLogic SLDC-203
Crumpler 4 Million Dollar Home
三脚用バッグ
Manfrotto MBAG80PN

<雲台>
 2ウェイ雲台
Sunwayfoto DT-02D50
    ボール雲台
Sunwayfoto FB-36DL
SIRUI K-20X
 1ウェイ雲台
SIRUI L-10
Manfrotto 234

<パンニングクランプ>
Sunwayfoto DDH-03
Sunwayfoto DDH-02i
Desmond PC-1

<汎用クランプ>
Sunwayfoto DDY-58
Sunwayfoto DDY-64i×
Sunwayfoto DDY-64iL
Sunwayfoto MCP-01
 (DDC-26×2 & MPP-01
Sunwayfoto DDC-50
 (DT-02D50 付属)
Sunwayfoto DLC-42
 (FB-36DL 付属)
<レベリングベース>
Sunwayfoto DYH-66i

<インデックスローテイタ>
Sunwayfoto DDP-64M

<汎用レール/ノーダルスライド>
Sunwayfoto DPG-2416
Sunwayfoto DMC-200
Sunwayfoto DMP-140
Sunwayfoto DMP-100

<クイックリリースプレート>
Sunwayfoto DPG-39
Sunwayfoto DP-39
Sunwayfoto GHA-01

<カスタムブラケット/グリップ>
 DP1M
UN UNX-9121
 DP2M/DP3M
Sunwayfoto PML-DP×

<ビューファー>
DP2M/DP3M 共用
・フッドアイ:HE-3XA
DP1M
UN UNX-8508/8509

よくもまあ、マメに集めたものだが、自分でも何を持っていたのか持っていないのか忘れそうになるので、一応リストにしてみた。

これ以外にも、オリンパス時代から引き継いだものや、フィルタ類など細かいものまで上げればキリがないし、一般的な機材なら何もこんなところでなくても情報は手に入ると思われるので割愛する。

流石にこれだけ集まると少々の例外には、如何様にも対応出来る。

もう既に、沼の入口とは言えない状態だが、コスパに関してはこれでも優れている方だと自負しており、とりたてて無駄な部分はあまり無いと考えている。(☜自画自賛)

まるで、サンウェイフォトの提灯記事の様に見えるかもしれないが、個人的にはここの製品は、本当に気に入っている。邂逅というほど大仰なものではないが、回り道した分客観的かつ冷静に見ることもできると思う。

だが、あくまでも SIGMA DP シリーズでの使用が大前提の話なので、その適用範囲は意外と狭いことも念頭に置く必要はあると思う。

以下、次回につづく(と思う)
…ということで、次回もヒトツよろしく。

2014年04月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.04.05] 自由への回帰:邂逅 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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