2014年8月22日金曜日

カメラグリップ:LB-DPXM

ネタに詰まったら機材ネタ、である。

Sigma DP1 Merrill/DP2 Merrill/DP3 Merrill 専用
アルカスイス互換L型ブラケットカメラグリップ
形式名:LB-DPXM

ま、カメラグリップという名称にはなっているが、個人的には「アルカスイス互換L型ブラケット」という部分の方が重要というか、それが無けりゃ全く意味はないと常々考えていた。

しかし、今回はグリップの方にも、多少期待をしてみたのである。


従来は、専ら Sunwayfoto PML-DP を DP3M/DP2M 用として使用してきた。

DP1M のみ、UNX-9121 というグリップに、クイックリリースプレート(Sunwayfoto DPG-39)を付けた、二階建てで使用していた。

これは、もともと Sunwayfoto PML-DP の存在を知る前に DP3M 用として購入したもの。アルカスイス互換L型ブラケットとしての機能はないが、グリップとしての出来は悪くない。

その後、DP3M は追加導入した Sunwayfoto PML-DP に交換した。だが、カメラグリップとしてはオマケ機能みたいなもので、グリップの形状やその強度には、あまり期待しない方が良い。

グリップの形状が良くないこと、強度が低いことに加えて、DP3M のフードを外して逆向きに取付けることが出来ないことも、そのデメリットのひとつである。

いままでは、三脚での使用が多い DP3M では、グリップとしての機能よりもL型ブラケットであることを優先していたので、実用上それほど問題にはならなかった。

また、ビューファインダ(HE-3XA)を導入してからは、フード共々付けっぱなしでバッグに収納していたので、そのデメリットも気にならずに済んだのである。

ところが、DP1M を追加導入してから、バッグに2台収めようとすると、どうしてもフードと HE-3XA は外さざるをえない。俄に、逆向き収納ができない(ロックがかからないだけで、収めることは可能)ことが、懸案事項となっていた。

その点 LB-DPXM は、フロント側がクランプにかかる部分のみ出っ張っている形状なので、この逆向き取付けができるのではあるまいか、と事前の調査段階では期待していたが、予想通り逆向き取付けは可能だった。

少し遅れての導入となった DP1M には、一脚または手持ち撮影が多いこともあって、UNX-9121 のグリップの機能を優先して、そのまま流用していた。

縦位置での取付は出来ないが、90度方向どちらからでも取付可能な DPG-39 の機能のおかげで、トッププレートの交換に対応していない、結果的に方向が限定されてしまう雲台(SIRUI K-20X & L-10)での使用では、結構重宝していたのである。

ただ、そのアルミの塊然としたしっかりした作りと引換えに、 DPG-39 も加えると 155g(125g+30g)の追加重量は、その数値以上にズッシリと感じられる。

特に、カメラ本体の重量が 360g 程度の DP1M にとって、Sunwayfoto PML-DP(90g)と比べるとその差は大きい。だが、事前の調査でも、この製品については重量などの詳細な情報は見つけることができなかった。

それは、オフィシャルと呼べるのかどうかは分からないが、販売元(STOK)のサイトでも同様であり、販売側の姿勢を疑いたくもなる。

で、導入後いろいろ細かく検証してみると、何かと問題の多い LB-DPXM である。

製品画像だけは豊富に出回っており、かなりゴツイ感じのグリップが付いているので、この点に関してはあまり期待は出来ないと考えていた。

実際、計ってみると、その重量は UNX-9121 と全く同等の 125g であり、DPG-39 が不要になる分、実質 30g 程度の軽量化にしかならない。

それでも、単独使用の場合持ち出すバッグ(ケースロジック:SLDC-203)への収まりは多少改善されるかと思ったが、大きめなグリップのおかげでチャラである。

しかたがないので、DP1M には DP2M 用に追加導入した Sunwayfoto PML-DP に交換し、今回の LB-DPXM は DP2M/DP3M 用として暫く様子見である。

かなり内部を肉抜きされたグリップのせいか、見た目のゴツさ程は重くはない。だが、付属のネジはまことにお粗末なもので、ヘキサレンチが上手く嵌まらない。

結局コイン頼りになってしまうので、早々に別の互換品に交換した。実際一度取付けてしまえば、滅多に外すこともないのだが、使用中に緩んで増し締めをすることも考えておかねばならない。

また、UNX-9121 と同様に、バッテリーおよびメモリカードの挿入口を囲んだ形状から、特に頻繁に行うバッテリー交換がしにくいことが危惧された。

案の定、そのまま無造作に取付けてしまうと、蓋が引掛ってロックを外しただけでは開いてくれない。

どうやら、挿入口の蓋が、本体右端の部分で干渉しているようだ。精度そのものは問題ないのだろうが、サイズ的にあまりにもギリギリで作られており、取付時の微妙なズレが大きく影響を及ぼすようだ。

結局、挿入口を囲んだ部分をヤスリで削るハメになったのだが、もしこれが個体差によるものであれば、いいかげんな精度であることの証明になる。

また、これで精度がキッチリ出ているのなら、全ての製品において干渉するはずなので、どちらにしても褒められたものではない。

アルカスイス互換とはいえ、その形状はメーカによりまちまちである。

LB-DPXM もご多分に漏れず、PML-DP に比べるとクランプへの取付時に、少し広めに開かないと取付できない。その原因は、エッジの厚みの違いによるものだが、LB-DPXM は少し厚すぎると思う。

加えて、Sunwayfoto PML-DP では、クランプへの取付位置のガイドとして、レンズの中心点(三脚取付穴の位置)が刻印されているが、LB-DPXM にはない。

したがって、レンズの中心を所定の位置に取付けるのが難しいので、何らかの印を自己責任で記入してやる必要がありそうだ。

価格的には、Sunwayfoto PML-DP と比べてさほど大きなメリットがある訳でもない。強いて言えば、PML-DP の不満点であるグリップの形状に期待するところが大きかったのであるが、その点に関しては、たしかにかなりマシなグリップ感は得られる。

だが、あくまでも個人的な問題ではあるが、 プレートとしての精度というか、現有機器との整合性を考慮すれば、あまり大きなメリットとも言えない、というのが正直なところ。

アマゾンから届いた、製品パッケージはおよそパッケージと呼べるものではなく、ビニール袋に組立済みの状態で入れられたものを、段ボールの切れ端で囲んでいるだけである。

このあたりは、パーツ毎に斬込まれたスポンジに収められた上で、箱に入っているサンウェイフォト製品とは比較にならない雑さである。

サンウェイフォト製品との比較という観点では、以前のデスモンド製品と同様に、製品ランクとしてかなり落ちると言わざるを得ない。

製品自体に問題がなければ、梱包材などどうでも良いことではある。だが、ライバル製品と比較して価格に大きな差がない以上、それによるコストダウンは販売側の利益に貢献しているだけで、ユーザのメリットには繋がっていない。

発売開始時期が、次期製品の発表後の3月上旬ということを考えたら、それを間抜けと見るか有難いことと捉えるかは、人それぞれだろう。

少なくともメリルユーザとしては、この先関連製品が増える可能性も多くないと思われ、選択肢が拡がるという点においては、歓迎されるべきことであるが、…。

グリップ重視で、他社製品との併用を考慮しなくて良いのならという条件付きだし、おそらくヤスリがけが必修となることが予想されるので、あえてお勧めはしない。

ぶっちゃけ、個人的にはトータルで考えたら、やっぱ Sunwayfoto PML-DP かなあという感じだが、なにせもうすでに旧製品となってしまった SIGMA DP Merrill シリーズ専用品である。

ま、ネタのひとつとして色々チャレンジしてみるのも、一興であったろうと思う。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年08月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.08.22] カメラグリップ:LB-DPXM 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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