2014年8月31日日曜日

季刊サンライズエクスプレス

懲りもせず、サンライズエクスプレスである。

前回、未現像ファイルもかなりあったので、なんとかなるべと甘い考えで、つい季刊サンライズエクスプレス8月号などと、余計な予告をしてしまった。

いざ現像作業に取りかかってみると、これがまあなんとも予想以上にひどい出来なんである。

もう今月も後がないし、だいたい季刊なんだから8月号などと言わず、夏号ぐらいにしときゃよかったと後悔している。

何が何でも今月中に公開しないと、シグマのような狼少年になっては不味かろうと思い、急遽昨日、またもや早朝より出掛けたのだ。


しかし、どうもこの季節、熊山〜和気間の線路際では、霧が発生することが多い。今月も、2回ほど濃霧によって視界を阻まれ、悔しい思いをした経緯がある。よほどの遅延などにより、現地の通過時刻が大きく変わらないと、絵的な変化も望めそうもないのだ。

というわけで、河岸を変える必要もあろうと、当面14両編成は諦めて、伯備線のサンライズ出雲にターゲットを絞ってみたのである。

幸い当日は、県北方面も雨の予報は出ていないかったが、山間部の天気は変わりやすいので油断は出来ない。また、出掛ける直前には、運悪く(?)定刻通りの運行状況であることも確認していたので、明るさの点で少しでも有利になる場所を選ぶ必要もあった。

当初は無難に、以前訪れたこともある第7高梁川橋梁あたりも考えた。だが、絵的な変化を望むなら、もっと思い切った撮影場所の変更が必要になる。

そんなわけで、昨年12月の伯備線遠征で訪れた、足立〜新郷間にある第3西川橋梁である。当時も、山を背景にS字に線路が延びて鉄橋、というまことに美味しい風景である、と感想を述べており、なかなか期待できる景観であったのだが、…。

以前、グーグルのストリートビューで確認した時は、ちょうど撮影ポジションとなる場所に車が停まっていた。たぶん、あの場所は鉄道写真を撮る者なら、誰しも知っている絶好のスポットなのだろう。

だが、まさかストリートビューと同じように、先客が居ようとは夢にも思っていなかったのである。いくらに早朝とはいえ、当日は土曜日でもあり、その程度の事は想定しておく必要はあったのかもしれない。

少し離れた所に車を停め、とりあえずメインとなる DP3M とシルイのトラベラー三脚(SIRUI T-2204X) のみを抱えて、その場所へ歩いていく。

と、案の定三脚を立て、カメラとビデオと思しき2台態勢の御仁が、すでに撮影準備を終えて、なにやらノートを確認しておられた。挨拶と共に、獲物はサンライズエクスプレスなのか尋ねてみると、貨物列車がメインで寝台特急は序でのようであった。

先客の邪魔にならぬよう、撮影エリアを確認すると R400 の立札より先ということだったので、線路際に向かって少し降りてみた。だが、前回訪れた真冬と違って、雑草の成長も著しく曲線区間の先は見通せなくなってしまっている。

仕方がないので、県道まで戻って少し前寄りから捉えることにしたのだが、そこからの景観も雑草が多く、なかなか理想的なポジションにはなりそうにない。

直前の上り貨物列車で確認すると、開放でも1/125秒程度しか確保できない。この明るさでは、特急の通過速度も分からない以上、少し不安が残る。

また、県道を通過する車の騒音の中では、下り列車の接近を聞き分けるのも難しい。付近の駅時刻表には、通過する寝台特急の表記もないので、いったい何時頃通過するのかも予想できないのである。

慌てて車まで走って、画角的に有利な DP1M をマンフロットの三脚(Manfrotto 190CXPRO3)と共に取りに戻った。しかし、露出オーバーを避けて空を外そうにも、手前の雑草が大半を占める構図になるので、あまり思い切ったアングルはとれない。

未だに、巡り合わせには恵まれていないようで、それまで曇天の雲に覆われていた朝の太陽も、雲の切れ間から遠慮なしに直射を始める。明るさには有利だが、折角光が回った影のない絵が期待できる、と思ったのも束の間であった。

これなら DP2M の方がマシかと、カメラバッグに手を伸ばしかけた矢先、手前の第4西川橋梁を通過する走行音が、かすかに聞こえてきたのである。

え〜い、侭よとばかりに当初のセッティングで、まず DP3M、続いて DP1M のシャッターを押す。この時やっと、オートブラケットから単純連写に切替えるのを忘れていたことに気付いた。一瞬、躊躇して DP3M はワンショットで指がシャッターから放れた。

が、ノーファインダの DP1M はそのままバッファフルまで、押し続けた方が良かろう、というか左手がいう事を訊かないので、そうするしかなかったのである。

ま、結果は予想通りというか、今回はもっととんでもない事になっているに違いないと考えていたので、まあこんあもんだろう、という評価に留めておこう。

それより酷いのは、DP3M の露出補正である。こんな時に、またもや露出オーバー病が再発してしまったようで、オートブラケット一枚目は、開放で一段のマイナス補正(EV-1.0)にもかかわらず、1/250秒という呆れたシャッター速度である。

二枚目のマイナス1.3段(EV-1.3)で1/640秒はまともな方だが、適正露出にはまだ明る過ぎるぐらいだ。三枚目の最も明るい、マイナス0.7段(EV-0.7)でさえそれより速い 1/400秒であることから、一枚目は最低でも1/500秒以上であるはずだ。

現像前の確認用のプレビューにおいても、その暴れようは顕著である。以前は、連続長時間使用による加熱が原因かとも考えていたが、今回のようにいきなり2ショット目(4枚目)からの発症には、困ったものだ。

その後、日中の光量が充分な環境でも何度か続いていたが、暫くして収まったようである。しかし、その前の週には濃霧の中、デフォルトオートのまま適正露出、およびカラーバランス無調整を連発するなど気紛れにも程があり、心配の種は尽きないのである。

シグマがアホなせいで、後継機種の目処も立たない現状では、もう少し DP3M には頑張ってもらわねばならぬのたが、…。

この日は、昼前より天気は回復して気温・湿度ともに、それほど高くもならなかったのだが、まるで夏が戻ったかのような好天に恵まれた。

それに気を良くして、以前中途半端に終わっていた、伯備沿線や芸備線にも足を延ばしたのである。

いや、またもや予告めいたことを漏らして、無闇にハードルを上げるのはよそう。まだ、先週の因美線リベンジも、現像作業が終わっていないのだから。

ふう、なんとか間に合ったぜい。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2014年08月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.08.31] 季刊サンライズエクスプレス 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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