第何弾かは、数えてもいないので分からない。仕事の都合により、玉島方面へ出向いたので、帰りがけの駄賃に寄ってみた。
水島臨海鉄道については、実はあまり良く知らない。詳細は、ググって貰うとして、撮り合えずそこに機関車や気動車さえあれば、撮ってみることにしている。
どういう絵になるか全く予想もしていなかったし、結果もそれなりでしかないが、まあこれも数の内ということで。
当日、日中の気温は34度近くまで上がった猛暑日で、夕方になっても気温、湿度ともに高く、蒸し暑さはあまりかわらない。
水島本線の終点、三菱自工前駅の少し先にある倉敷貨物ターミナルに到着した時はすでに午後5時半を回っており、日が長くなったとはいえ、幾分夕暮れの陽光である。
それでも、昼の間に十分に焼きつくされた路面の余熱は、容赦なく襲いかかる。上からも下からも熱気を感じて、熱いトタン屋根の猫になったような気分だ。(題名しか覚えていないが、たしか猫が主人公ではなかった、と思うな)
日陰に入っても風も吹いてこないから、ビューファインダーを覗いているだけで汗が目に入ってくる。その度に、タオルで拭いながらの撮影では、あまり快適とは言えない。
最初の何枚かを DP1M で撮って、その日の傾向を確認したのだが、どうも空の色がおかしい。だいたい、カラーバランスが安定している(と思っている)DP1M の ABW を基準にして、DP3M/DP2M はそれに合わせていくというのがいつもの手順なのだが、こうも基準が崩れると何かと後の処理が厄介だ。
念のために、iPhone でも同様に撮ってみるが、目の前に拡がる実物の空と並べて見ても、まあどっちもどっちという感じ。DP1M だけが、極端におかしいわけでもないようだ。
順光であっても、日の差すの角度によっては、空の色も大きく変わる。特に夕暮れ時は、時間と共に刻々と変化するので、何を基準にするかは難しい。その上、西の空では太陽の周りにうっすらと雲がかかっており、常に日差しの直射を受けているわけでもない。
案の定、帰って現像してみたら、DP3M/DP2M のホワイトバランスは、晴れでも曇りでもなく、蛍光灯(FL:約 4100K)が最適値に近い、という色温度である。
色温度を低く設定したせいか、デフォルトではかなり赤っぽいので、普段は滅多に使わない CY系(8C4Y)に振ってやる必要があった。撮影時のオートと晴れの差はほとんどなく、そのままでもカラー調整だけである程度までは可能だ。
だが、DP3M を例にとれば、36C24M といった極端な設定になるほど、画面全体に夕日の影響が及んでいるので、微妙な調整が必要になった場合、何処かに破綻をきたす可能性はある。
したがって、できれば正しい(と思われる)色温度を元に調整する方が、各機種を揃えやすいので、色温度の表示/編集機能が SPP に搭載されることを望みたい、と毎度言っているのだが、…。
DP1M だけは、AWB で何とかなりそうだが、普段良く使う MY系(4M2Y) でもちと怪しい。少し赤目(8M4Y)も試してみたが、この日の結果については、3台とも揃えるのは難しいようだ。
この日、倉敷貨物ターミナルで見かけた車両は、国鉄色のキハ20形203/205、キハ30形98/100・キハ37形103・キハ38形104、水島臨海色のキハ37形101/102、MRT300形301-306 などである。
また、機関車では DD50形501、DE70形701 の姿はあったが、その他に在籍しているはずのキハ20形204/208 と DD50形505 は、見かけなかった。たぶん、そのへんを走りまわっているのだろう。
この DD50形501、車番も DD501 と初号機にように見えるが、車番が途中から逆戻りをしたため、1968年までに製造されたDD50形5両の内では、最も新しい車両だ。などという、濃い目な情報もネットには見受けられる。
ちなみに、DD501 に関する情報を検索していると、似たような名前の機関車がある。だが、DD50形501という形式は、国鉄DD50形とは全く異なるものだ。最初は亜流の私鉄版なのかとも思ったが、姿形が違い過ぎる上にそのスペックからするとどうも辻褄が合わない。
だが、少々検索したぐらいでは、この機関車の情報はなかなか出てこない。主に知りたかったのは、その機関の構造と形式なんだが、この日立製作所で製作されたディーゼル機関車は、当時の倉敷市交通局が何台か発注したオリジナルの一台で、その形式も様々なようである。
とりあえず、水臨のDD501 に関しては、国鉄DD13形ディーゼル機関車となんとなく似ているので、そのあたりから調べてみた。
少なくとも、機関形式は同系列(DMF31SB)の直列6気筒、ボア×ストローク180mm×200mm、30.52リッター(500ps/1500rpm)であるらしい。ただし、DD13 が前後に2基搭載しているのに対して、1基のみという違いがある。その外見から、ラジエターと思しきルーバー状のモノが、片方にしか付いていないところからも納得できる。
それよりも、その過程で見かけた情報の方に興味を持った。水島臨海鉄道とは全く無関係な、ただの脱線なんだが、名前が似ている国鉄DD50形である。
水臨のDE70形701は、国鉄DE11形と同じ液体式変速機を搭載する一般的な機関車だが、国鉄DD50形は電気式ディーゼル機関車である。
液体式がエンジンの出力を、トルコンを介してそのまま動輪に伝えるのに対して、電気式はディーゼルエンジンで発電機を回して、その電力でモーターを駆動するという、たいへん回りくどいやり方をする。
いわば、自前の発電所を積んだ、電気機関車みたいなものらしいが、どうも電気式というのは、そんな解説を読んでもピンとこない。
その機関は、三菱重工製 8LDA25形で、単動過給式直列8気筒の直噴ディーゼルだ。ボア×ストロークは 250mm×320mm という巨大なものであり、計算に間違いがなければ1気筒あたり15.7リッター、総排気量は 125.6 リッターにもなる。(ホンマかいな?)
DE701 に搭載されている、バンク角60°のV型12気筒、DML61ZA形(1,250ps / 1,500rpm)がボア×ストローク180mm×200mm、気筒あたり約5リッターで総排気量61リッターになるから、たぶん合っているはずだ。
当初、こんなもんがあの小さな DD501 に入っているわきゃねえだろう、という疑いを持ったのだ。それも当然で、実際の国鉄DD50形は、少し小型の電気機関車を2両連結したような形をしている。
この巨大なエンジン、出力こそ 900ps と大したことはないのだが、コイツをブン回して主発電機(出力:580kW/800rpm)から、4基の主電動機(出力:130kW/730rpm)を駆動する。
はたして、これがパワフルなのか非力なのかはまるで分からないが、なんかこう、まだるっこしさを感じてイラつく方式でもある。
まるで、ゴムを…、いやこれは例えが良くないな、ん〜そうだ、まるで手袋をしたまま麻雀をしているような、とでも言っておこうか。
液体式変速機を搭載した、フツーのディーゼル機関車しか見たことない者にとっては、そのパワーで直接動輪回せよな〜、と思ってしまうのだ。このあたり、最近の省エネハイブリッド車にも感ずるところであり、とても頭がついていかない。
しかし、電気式も方式としての歴史は古く、アムトラックの馬鹿デカイ機関車なども、だいたいそんな方式らしい。
諸外国の鉄道事情には疎いのだが、映画などでよく見かける、サンタフェ鉄道の GE U30C あたりになると、3,000馬力越えも珍しくないそうだ。あまり大出力になると、そのパワーに耐える変速機の開発が困難になるので、どうしても電気式になるらしい。
ま、水島臨海鉄道とは関係ない、鉄オタな雑談でした。
近年、電気仕掛けのモノが多くなり、日頃の生活にも欠かせなくなっている。乗り物関係でも、電池で動いているような車も珍しくないが、いずれバッテリの後始末に難儀をするに違いない。
電車や電気機関車など、およそ電気式というものは、自分自身では排気ガスも出さないので、一般にはクリーンなイメージがあるようだ。だが、その電力供給のためには、どこかで排気ガスやら有毒ガスを撒き散らして発電し、送電する設備まで必要になる。
ぶっちゃけ、思いっきり長〜い排気管が付いているために、その近所では排気ガスが見えないだけで、JFE の高い煙突とあまり変わらないように思えるのだが、気のせいかな。
ま、それ以上に、エンジンパワーはその大小を問わず、自分でコントロールしたいという欲求もある。ただ単に、訳の分からない電気仕掛けより内燃機関の方が好みである、というだけなんだけどね。
…ということで、今月もヒトツよろしく。
2014年08月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2014.08.03] 水島臨海鉄道 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく
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