2015年3月14日土曜日

余談と雑談が本題

14日の土曜日、である。

という、書き出しを毎回使うとバカみたいだから、今回だけである。

これでも、最初の一行目についてはいつも苦悩している。本題がほとんど書き終わっていても、枕や書きだしが決まらずどんどん公開が遅れてしまうこともある。

とりとめのない余談ばかりで、本文の内容があまり無いというパターンも多く、枕のつもりで書き始めたら、そっちの方が面白くなって止まらないこともしょっちゅうなんである。

時折ネットで見かける、個人的に興味を惹かれる写真などをぼんやり眺めていると、いろいろ想像力をかき立てられることもあるが、掲載用に自分で撮った写真でさえ、その時の状況や被写体にまつわる雑談など、その気になればいくらでも出てくる。

ま、主に失敗写真の言い訳なんだが、そういう意味ではツッコミどころの多い写真の方がネタにはなりやすい。逆にネタとなる写真でもないと全く書けないこともあって、撮影に出掛ける機会が少ないと、どうしても更新は滞りがちになる。

そんな場合の逃げとして、機材ネタに頼ることも多々あるが、豊富な資金に恵まれているわけでもないので、おのずとセコイ話に終始するのはご存知の通り。

それでも、金額の多寡とは無関係に、結局楽しんだ分だけネタにはなっているから、アップルネタでネガキャンと誤解を受けるよりなんぼかマシだ。

で、3月の定点観測の序でに始めた余談と雑談が本題になった、山陽本線熊山〜和気間の線路際で連チャンだ。

以前も立ち寄ってみたのだが、周辺の伐採も行われてずいぶんスッキリした景観に変わり、撮影ポジションの自由度は上がっている。いまだ、草ぼうぼうになる季節には少し間があるので、この春ぐらいが旬であろう。

だが、さすがに複線電化区間で、これでもかというほどに電柱電線の類いが多い。固定焦点の三姉妹では、なかなか思うようなポジションを探すのも容易ではない。

貨物列車の時刻表まで、事前に調査するほどの濃い鉄オタでもない。たまたまやって来るたんびに適当に撮ってみるのだが、空模様は晴天からいきなり吹雪に激変するなど、それはもう大変な一日なんである。

それでも、スーパーいなばのおおよその通過時刻だけは知っていたので、雪も舞い散る風景をバックに、なんとか絵にしてやろうと待ちかまえてみた。

いつもより、線路に近いポジションに陣取ったので、ここはひとつ広角の方がよかろうと、DP1M を三脚に据えてフッドアイを覗く。開放 f2.8 なら 1/800秒ぐらいまでいけそうで、暗いながらも雪も写りそうだ。

この曇天では、オートフォーカスでは覚束ない。当然置きピンのマニュアルで、単純連写かオートブラケットかは迷うところだが、撮りあえずバッファ分で枚数を稼ぐより、露出のバリエーションに賭けることにした。

下り線の先にある、勾配標辺りにフォーカスポイントを置いて、絞りはプラス補正でもシャッター速度上限に当たらないよう、念のための f3.5 ぐらいか。

今回の撮影場所は、いつもの撮影ポジションより、和気寄りのコンクリート橋の近くである。

停車場でもないのに、橋の両側には上がっていける階段まで付いている。付近に立入禁止の札は見当たらないが、本来立ち入って良い場所とも思えないし、あまり目立って列車指令に通報されても面白くはない。よって遠慮がちに、その手前の柵外から撮影だ。

また、こんな状況では、レベリングベースが有る無しの差は大きい。設置の時間は大幅に短縮され、2ウェイ雲台との組合せでは、アングルの微調整も水平を気にぜずに済む。難点をいえば、どちらも軽量コンパクトとは言い難いそのサイズだろう。

そういえば余談であるが、シルイの L-10 を使って、自由雲台との二階建てというアイデアも以前やったことがあるが、見た目はさておき、実用性は十分にあることを実感した。FB-28i との組合せはまだやったことがないので、そのうちにやってみよう。(やってみた)

雪交じりの突風に凍えながら、そろそろ来る頃かと思い時計を確認するが、岡山駅からここまでいったい何分かかるのか、正確には把握していない。

しかし、時間を確認する手段は増えたとはいえ、それに特化した単機能の腕時計と、それ以外方法を比較すれば、おのずとその存在価値は見えてくる。

以前、時計表示機能もあった iPod nano で、専用のベルトまで調達して暫く使ってみたことがある。だが、防水機能もない上に頻繁に充電が必要な機器である iPod では、時計として常用するのは到底無理だ。ましてや、一瞥して時刻を認識できなけりゃ、時計としての価値は全くない、と結論づけた。

時間が確認出来るまでのアクションはより少ない方が良いことなど、頭では分かっていたのだが、とりあえずやってみようかというノリであった。たかが時計されど時計で、複合機能の中に埋もれていてはそれが致命的な欠陥となる。ましてや、その機能の全てが数多くの複合機能の一部に過ぎないようなディバイスが、…またまた、余談である。

そんな、どうでもよいことなど考えながらも、いつぞやのように省エネタイマに邪魔されぬよう、たまに液晶も覗いて直前に交換したバッテリの残量にも注意を払う。

お〜、こりゃ今回は何もかもバッチリだぜい。と、ほくそ笑んだ途端に、突然雲の切れ間から日が差してきた。

その上、なんと遠方には青空さえ覗いてしまうという、激変ぶりだ。アイリスロックまでは掛けていないから、シャッター速度は自動で追従するはずだが、はたしてこのままの絞りでいけるのか、…。

突然の陽光を浴びて、彼方からやって来たのは、キハ187ディーゼル特急岡山駅発 09:14 鳥取行のスーパーいなば3号(2074D/73D)である。

後で知ったことだが、岡山駅からの営業キロで約26km 程あるこの地点まで15分で到達している。これは、電車特急のサンライズエクスプレスと殆ど変わらない、平均速度 100km/h 以上を維持していることになる。どおりで、以前見かけた吉井川橋梁における、尋常ではない飛ばし方も頷けるところだ。

期待した雪交じりの荒天も、遙か彼方にスーパーいなばの姿が見えた時には、単なる薄曇り程度にしか見えないという、見事な外し方に我ながら呆れかえる。

結果的に、シャッター速度はより上がって被写体ブレの心配こそない。こんなことならもっと絞っときゃ良かったと後悔するが、それよりも絵柄として何となく中途半端に終ってしまったのが、まことに残念である。

まあ、サンライズエクスプレスでも、そんな想定外を数え上げればキリがないわけで、いまさら別に珍しいことでもないのだが、…。

おのれ、かくなる上は因美線の鳥取方面で勝負をつけるしかあるまい。と、その場では決意表明までしたのだが、雪国での撮影の過酷さは、たぶんこんなもんぢゃないことぐらいは分かってるので、とりあえず夏頃までそれは忘ておくことにした。

その後、通過する貨物列車では、またもや吹雪いてしまうという巡り合わせの悪さで、撮影者以上に天気までがこうも気紛れでは、そう思い通りになる訳もない。

荒天の中、震えながらカメラを携えて、線路際に陣取る酔狂者に同情してくれたのだろう。通過する貨物列車の機関士が、笑顔で敬礼をしてくれたように見えた。

呆然とそれを見送った時、少しだけ体温が上がったような気がしたのだが、やっぱ鉄オタとしては答礼するべきだったかなあ?

てなわけで、今回も余談と雑談にまみれた、七転八倒の鉄撮りシリーズでした。

…ということで、ヒトツよろしく。
2015年03月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.03.14] 余談と雑談が本題 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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