2015年3月30日月曜日

不幸の団体

およそ、2週間ぶりの更新である。

弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂、踏んだり蹴ったりと負の連鎖を表す言葉は数多あれど、だいたい不幸は団体でやってくることになっているようだ。

2TB ドライブが立て続けに3台故障、ミニのエンジンを固定するステディロッドのボルト折損、営業車のパワーウィンドウ関連の電装不具合が再発。以上が、ここ数日内に訪れた不幸の数々で、よくもまあこれだけまとまって来やがったものだと感心する。

ま、考えようによっては、どいつもこいつもいずれやってくる事が、たまたま重なっただけと言えなくもない。おかげで雑談のネタには事欠かないのだが、更新のモチベーションに関しては、著しく盛り下げてくれる。

ハードディスクの故障、それもデータ復旧さえ不可能なドライブ自体の問題に遭遇したのは久しぶりである。

ここ数年、ドライブの故障といえば、たいていはインターフェイス基板、すなわち箱の問題であることが多く、移設することで事無きを得ていた。しかし、今回は3台とも箱の入替え程度ではどうにもならない、ドライブ本体の故障である。

幸いなことに、3台の内2台はバックアップ用に使用していたドライブだったので、内容物に関しては早々に諦めがついた。だが、その2台は導入後2〜3年ほどしか経過していない外部ドライブで、モノとしてのデキの悪さには少々ムカついている。

いずれも LaCie MN シリーズ。内蔵されていたのはシーゲイトの Barracuda (ST2000DL/DM) で、ドライブ単体ではまず購入することはない、どちらかといえば避けていた製品だ。

今回、ショックが大きかったのは、もう1台の内蔵タイプとして購入していた、ウェスタンデジタルの Caviar Green (WD20EARS) が含まれていたことだ。

単体ドライブとしては、2.5/3.5 インチ共々、専らウェスタンデジタル製を選択してきたのは、その耐久性に期待していたからに外ならない。

メーカごとの信頼性という点においては、人それぞれだろうと思う。それは過去何年にも渡って、痛い目にあった経験からくるもので、結構拘りがあるものだ。

Mac II 時代の Quantum やその後の Maxtor、それに前後して Conner など、ハードディスク黎明期より故障の不安とは切っても切れない腐れ縁のようなもので、企業の統廃合が進んだ近年に於いても、自分が失ったデータの量とハードメーカに対する恨み辛みは、キッチリ比例している。

日立、東芝、富士通はまだしも、シーゲイトとその一派にはあまり良い印象は持っていない。そんな中でも、ここ最近は少なくとも個人用で使用しているドライブでは、ウェスタンデジタルのドライブに関して、性能よりも耐久性という漠然とした安心感を持っていた。

それは SATA 以降、ドライブの性能よりインターフェイスの性能向上に目覚ましい進化があったことで、無理な高速化を控える傾向のあった同社の製品に対する、幻想のようなものだったのかもしれない。

2010年製のドライブではあるが、より新しいシーゲイトのドライブが壊れたことよりも精神的なダメージが大きいのは、あんな画像やこんな動画が失われたことの所為ばかりではないと思うな。(^^)

ま、いずれにしても、さほど重要度の高いデータでもないからそれほど落ち込んでいる訳でもないが、ハードディスクなんぞ、いつかは必ず壊れるモノだということを決して忘れてはなるまい。

それよりも、ミニの方がもう少し深刻である。

今月の定点観測もすでに公開が済んでいたので、これといって何かを撮ろうとしたわけでもないが、ついいつもの癖で仕事帰りに寄ってみたキリンビール工場近くの撮影現場からの帰り道に、それは発生する。

土手を登って県道へ出ようと、坂道の途中で通過車両を待っていた時のこと。大型トラックの集団が、ゆっくりとやって来るのが目に入った。県道から国道2号線へ出る、吉井川大橋手前の信号の待ち時間は結構長い上に、夕方のラッシュ時には待ち行列も長くなる。

あのコンボイの後ろにまわると厄介なので、少し急激にクラッチをつないで県道に飛び出したその時、何か足回りからゴキッといった感じの異音が聞こえた。2速での加速時にも、変な振動が床下あたりから伝わってくる。

国道へ出てからも、4速で巡航中に意識的にアクセルのオンオフをしてみると、わりと大きな音と共に、ガクガクした振動をシフトレバーにも感じるほどだ。

まじいなこりゃ、サブフレームにでも亀裂が入ったかなと、不安が頭を過る。

以前から、不整地ではフロント周りから軋むような音が聞こえていたが、ブッシュの劣化だろうと高を括っていた。急発進のショックで、症状がより進んだのではあるまいかと思い、念のため萬治屋の社長に問合せの電話を入れてみる。

一通り、それまでの経緯と現象を説明すると、ステディロッドのボルトが緩んでいる可能性もあるらしい。当面、代車がないらしいので当日持込むのは諦め、詳細については後日ということになった。

その後暫くは、営業車のポロで客先を回る日々が続いていたが、こちらはこちらで運転席側のパワーウィンドウが動かなくなってしまった。あろうことか、助手席側は下がるけど上がらないという厄介なことになっている。

上がらないぐらいなら、いっそ下がってくれない方が有難い訳で、この年式のワーゲンは何かとパワーウィンドウ周りのトラブルが多い。昨年の今頃も、所謂窓落ちと呼ばれる助手席側のウィンドウが閉まらなくなって修理を行っている。その後、パワーウィンドウ関係の電装トラブルでも再修理となったが、どうやらそれが再発したらしく、こちらもやれやれである。

営業車の方は、当面運転席側のドアを開けた時に見える配線を通しているラバーブーツを蹴飛ばすと、一時的に回復するようなので、入院は月末まで持ち越しとした。

で、先日ミニの方を先に修理へ持込んだのだが、原因は当初の見立て通りステディロッド取付ボルトが緩んで外れていた。締込むだけなら入院は不要、その場で可能ということだったので、社長自らの手による作業が始まって一安心したのだが、…。

その作業を見学していたのだが、どうも周りの補機類が邪魔になって思うように進まないようだ。インジェクションのコントロール基板やら、ブレーキバキューム周りの部品を外して現われたのは、なんとエンジン側の取付穴に残っているボルトの先っちょである。

そりゃいくらボルトを回しても締まるわけがない。エンジン側で、ポッキリ折れているんだからね。

まあ、対策としては、ドリルで折れたボルトに穴を空けて、逆ネジの鉄板ビスみたいなものを捩じ込んで抜くしかないのだろう。どっちみち入院は確定である。

結局、昨日修理完了となり、ミニは無事に戻ってきたのである。心なしか、エンジン周りの振動も以前より減ってシッカリ感が増したような気もするが、たぶん気のせいだろう。

そろそろ、20年を経過していろんなところに劣化が目立ってきたミニではあるが、構造が単純なおかげで対処療法でも何とかなってきたという経緯がある。

もちろん、萬治屋の社長のようにミニのことなら隅から隅まで分かって、面倒を診てくれるプロがいるから何とかなっているのは言うまでもない。部品が無けりゃ無いで何とかするからまだまだ大丈夫、と太鼓判も押されているぐらいだから、この安心感は何よりも代えがたい。

それに引き換えワーゲンの連中は、原因究明にも時間がかかる上に、二言目にはこの年式だともう部品がないので云々と、すぐに泣きを入れたがる。

その部品も、素人から見たってある程度の強度が必要と思われる箇所にさえ、平気でプラスチッキーな材質を使っている  VW の神経には呆れ返る。最近の車事情にはまことに疎いのだが、少なくともそんなメーカの都合によるコストダウンは、ユーザのメリットに反映されているとは思えないのである。

世紀末のドイツ車より、50年代に設計された頑固な英国車の方が安心して乗り続けられるというのも、如何なものかという気がしないでもない。

はたして、月末からの入院で完治するのやらしないのやら、不安と不満の種は尽きない、今日この頃である。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2015年03月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.03.30] 不幸の団体 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

0 件のコメント:

コメントを投稿