2015年3月5日木曜日

チャレンヂャ〜?

草木もいよいよ生い茂る、弥生3月である。

何か、新しいことを始める準備の季節。新暦では、三月下旬から五月上旬にあたるので、春を実感するのはもう少し後になるだろう。

人道支援を期待する下心がミエミエな、アマゾンのアソシエイトリンクもそろそろ賞味期限切れなモノも多い。

残念ながら、個人的には一押しの SIGMA DP Merrill シリーズも、終息が近いようだ。現時点では、DP2 Merrill 以外価格や納期も考慮すると、現実的な選択肢とは言えなくなってしまった。

また、輸入品に関しては、同じ商品でも扱う業者によりその価格も大きく異なる、所謂生モノであり、その時期の相場はあれど基本的には時価である。

購入に関しては、あくまでも自己責任がお約束となっているが、あまり現実的ではないリンクを放置しているわけにもいかない。せめて先頭ページだけでも、最新情報をと考えているので整理してみた。

自分自身でも、アマゾンに限らず通販では、その安さに釣られて何度も痛い目にあっている中華のパチモンだが、今回もその価格の魅力にねじ伏せられてしまった。(懲りないね〜)

ま、そんな機材関係の人柱的チャレンジに関しては、学習の一環と割切ればそれほど腹も立たない。それ自体が、楽しみになっているところもあったりするのだ。

ここはひとつ、センチュリオンやチーフテンより、やっぱチャレンジャーだろう。(なんのこっちゃ?)

前回の定点観測では、Sunwayfoto FB-28i の横位置に関して、まことに残念な事実が露呈してしまった。

今一度、オフィシャルサイトやマニュアルなど見直して見ても、FB-36 シリーズなど上位モデルと同様に、仕様上はキッチリ横90度と明記されている。

だが、実際は 0.7度近く余計に倒れるし、メーカが公開している画像でさえ、よく見れば何となく直角以上に倒れているような気もする。同社の製品全般に、刻印されたスケールの精度などにイマイチ感も多く、今さらではあるが、所詮その程度のメーカだったのかもしれない。

製品に関する情報の絶対量が少ないので、あまり無責任な評価もどうかと思うが、最近発表された新製品のラインナップを眺めてみても、あまり購買意欲は喚起されないものが多い。

それ以上に、デザインやコンセプトには、以前よりも劣化の目立つ製品も増えているように思える。このあたりは、最近のアップル製品にも通じるところがあって、自分自身が、メーカの考える購買層から外れてきている可能性も否定できない。

要するに、価値観の違いというやつだが、その製品に何を求めるのかは人それぞれであり、世代や体験によっても微妙なズレみたいなものはあるのだろう。己の基準では、普遍的な価値基準と思っているものでも、需要と供給のバランスがそれを崩してしまう例も、普及品では枚挙に暇がない。

その所為ばかりでもないのだろうが、何処の業界にも所謂高級ブランドみたいなものは、一部のユーザによって支持され生き残っている。拘れば拘るほどに、絶対的なコストは上昇し結果コスパは下がる一方に見えるが、満足度のような数値化の難しい要素などを加味すれば、必ずしもそうとは言い切れない。

個人的には、機械式腕時計のように、本来時間に対する精度や維持費なども考えれば時代錯誤も甚だしく、拘りさえ捨ててしまえばもっと楽になれるモノがあることも、頭では理解している。だが、勢いとはいえ一度知ってしまうと、なかなか抜け出せない世界でもあるので、そう簡単に時代の流れに乗り切れない。

アップルのスマートウォッチが、如何程のモノかなど知りたくもないが、少なくとも2〜3年で捨ててしまうようなものに、これ以上ビタ一文払う気にはなれない。己の右腕の特等席は、既に売約済みである。

だが、もしあんなモノがヒット商品になるようなら、時代が自分には合わなくなっていることを、今以上に実感できるかもしれない。それが分かれば、何かと今後の方針も立てやすいので、そういう意味では、ワクワクさせられるまことに楽しみなアイテムだと思う。

ま、そんなこたあどうでもいいのだ。

今回のお題はパチモノ中のパチモノ、アマゾンでも群を抜く安さで異彩を放っている、何と発音するのかさえ知らない “Andoer” というメーカというか、業者の扱うのクイックリリースクランプ2点だ。

ひとつは、「Andoer 25mm アルミニウム製クイックリリースクランプ」、そしてもうひとつは「Andoer 38mm アルミス製クリューノブクイックリリースクランプ」である。

アマゾンの表記が正しいとすれば、 アルミスというのが一体どんな材質なのか、クリューノブって何?といった興味も湧くところだが、たぶんコピペミスだろう。

その上、スペック欄にあるのは「サイズ:25mm」だけで、商品説明の欄はまるで日本語になっていない。輸入品といっても、扱っているのは国内の業者ではないようで、名称こそ「Andoer-JP」とまるで日本代理店を装っているが、販売業者は「Timetop Limited」となっている。傑作は、住所欄には Las Vegas の表記がありながら、なぜかお問い合わせ先電話番号はしっかり中華という、それはもう怪しさ全開なんである。

この手の製品でこの価格なら、先ず中国製以外はあり得ないことは、もはや知らない者はいないほど周知の事実で、逆にそれ以外の方が恐いぐらいだ。

購入前からツッコミどころ満載な製品ではあるが、アマゾンで確認できる画像を見る限りは、それほど酷い製品には見えない。(☜根拠薄弱にも程があるのだが、…)

現時点で、“Sunwayfoto MCP-01” は6千円以上の価格で販売されているし、切離しが出来ない一体の専用品である “Sunwayfoto DDT-53/DDB-53” でも5千円以上である。

機能的には “Sunwayfoto MCP-01” と同等品であり、その構成要素である “Sunwayfoto DDC-26” をニコイチにしたような製品だ。

かつての経験から、価格的にもそれほど魅力的とは思えない、STOK やデスモンドの同等品と比べても、それよりなお安い(1,950円税込)でおまけに送料込みとなれば、ほんまかいなという疑いの方が先に立つ。

モノにもよるのだろうが、購入者の評価もマチマチであまり当てにはならないから、ここはひとつ自分で試してみるしかないと思ったのである。

発注から2週間程度という、当初の予定よりずいぶん早く約1週間で到着した。梱包は、裏プチプチの封筒に、これまたプチプチに包まれた商品が2ケ、ゴロッといった感じで詰込まれた状態である。発送元は中国郵政で、日本郵便によって宅配された。

サンウェイフォトの梱包レベルには遠く及ばないのは当然としても、以前のデスモンドや STOK と比べりゃ多少マシであり、価格なりの扱いとしてはまあ十分と言えるだろう。

まずは、25mm アルミニウム製クイックリリースクランプから、その概要などについて。

一応、付属品として、ヘキサレンチと連結用のネジは付いている。ネジの規格も UNC3/8-16 ではなく、サンウェイフォト製品の幾つかにも付属している “M6 flat-head hex screws” という6ミリのネジで、この点も DDC-26 と同様である。

機構は単純で、主となる側に出っ張りが、従となる側には十字の溝が彫ってあり、ネジ山は片方(従側)にしか切られていない。DDC-26 が連結する場合には、クランプ接続用プレート “MPP-01” も必要とするのに対して、ダイレクトに繋がる構造になっている。

したがって、例えばマンフロットのミニ三脚(PIXI MTPIX)などの一般的な UNC1/4-20 の製品にはそのままでは取付は出来ない。何らかのアダプタが必要になるので汎用性には多少難があるのだが、単品のダブルクランプ(Sunwayfoto DDT-53/DDB-53)として使用する場合は、それほど問題にはならない。

今現在、DDC-26 はマンフロットのミニ三脚に取付けている。これが可能な原因は、DDC-26 の従側に切られているネジ山がせいぜい 2.5山程度しかなく、製品仕様上は M6 でありながら、UNC1/4-20 でもなんとか使えてしまうという、いい加減さのおかげなんである。

最初から、それを狙って設計されているという可能性も否定できないが、その製品名からも DDC-26 は仕様上 26mm の幅があることになっている。だが、実測値では 25.4mm しかなく、Andoer の 25mm とはほとんど違わない。

あまり意味はないが、Andoer 25mm の主側(出っ張りのある方)と MCP-01(両方同じ DDC-26 だからどっちも)は M6 で連結可能であり、少なくともサイズ的には全く違和感はない。このあたり、Sunwayfoto FB-28i の残念な仕様または個体の問題?からもそれは伺えるので、表向きな仕様はあまり当てにはならない。

ま、357マグナムのパイソンで、M36 用の38スペシャルが使用可能な点と似ている。(いや、似てないか。逆はダメよ、というツッコミはこの際ナシね)

多少気になった点といえば、主従双方で開口部の開き方の差違があることだ。主となる側は、DDC-26 と同様に一杯に開いたときは 38.2mm だが、従となる側は 37.1mm しか開かない。もちろん、スライドによる取付では問題にならないが、上からダイレクトに嵌め込むには、僅かに足りないのである。

これは、不用意に外れることを防止するロックビスを付けたプレートのように、スライドで取付けることを想定していない場合には問題になる。機器によっては常に上下のどちらを使うのか意識している必要があるだろう。

個人的には、2台態勢の汎用レール(DPG-2416)ぐらいでしかロックビスは使っていないから、それほど困る訳でもない。だが、厳密な互換性に拘るなら、サンウェイフォト製品では気にならなかった注意点だ。

価格という点においては、もう一方の「38mm アルミ製スクリューノブクイックリリースクランプ」も凄い。こちらも、税込送料込みは同様で、なんと1500円である。(2015.02.25 現在)

あまり本気で探したわけでもないが、豊富な製品ラインナップを誇るサンウェイフォトにもたぶん存在しない、QR プレート用のクランプである。個人的な用途としては、主にトッププレートの方向を変更できない、シルイの雲台用にどうかと思い、購入に至ったのである。

汎用性に富むサンウェイフォト製品では、パンニングクランプなどの底面にGHA-01 のようなマウントプレートを取付けることにより、QRプレート感覚で使用することが可能だ。

しかし、機能的にもコスト的にも少々過ぎるし、用途としてほぼ専用になってしまう可能性が高いので、汎用性自体がそれほど必要もないなら、無駄にコストをかけるのもバカバカしい。

要は、適材適所と割切ればこのような製品にも、十分存在価値はあると思う。もちろん、機材としての最低限の精度や機能は必要だが、より高価格な製品でもそれほど複雑な機構が搭載されているとも思えない製品に至っては、サイズなどのよほどの非互換でもない限り、実用上問題はないと考えた。

こちらは全く付属品も無いが、ネジのピッチは一般的な細ネジ(UNC1/4-20)で、その点では最低限の汎用性もある。だが、底面は全くフラットな形状で、ロック機構に対する配慮や軽量化などは全くなされていない。


また、その明確な理由は不明だが、レールに相当する部分も中央部は削られており全長に渡っていない。例えば DDC-26 のような、極端に顎の狭いクランプでは、センターに取付けることは出来ないので、機器によっては相性がある。

購入前、アマゾンの製品画像でも確認できるエッジ部分の厚みを見れば、開口部の非互換性もある程度予想はできた。 だが、個人的な用途としては SIRUI L-10 に常設する予定であり、あえて互換性を問うならシルイのクイックシューとの相性である。(サンウェイフォトより、広く開く必要がある)

結果論ではあるものの、レール幅は実測値で 1.1mm ほど狭いので、サンウェイフォトには少々キツイが、 LB-DPXM ほど開かなくても装着は可能であり、幸運にもシルイのクイックシューがサイズ的には最も近い。

以前、似たような予想から導入して、その後に後悔したデスモンド製品や STOK のカメラグリップにおける学習機能は、今回も全く働いていないように思われるかもしれない。(実際そうなんだが…)

実は、その点については “Sunwayfoto PML-DP” を今回同時に発注することで、やっとリカバリできたのだ。価格は、以前より少しばかり上がっていたが、どうしても譲れない線というのもあり、それは用途によって微妙に異なるのも、実戦投入した経験から得たものだ。

逆に、割切り所、落とし所というのもその経験から得られたわけで、どの部分に重点を置くべきかという優先順位もコスパを追求する上では、重要な要素となる。

そんな事情から、在るが病のようなシルイの雲台に対しては、いわばお試し的な用途でしかなく、できればあまりコストをかけたくなかったという事情もあった。

ぶっちゃけ、手元のシルイの雲台など無かったことにしてしまえば、全くコストもかからないのだが、なんとか実用性を持たせ復活させたいという、貧乏性な意向も完全に消えてしまったわけでもなかったのだろう。

まさに、病膏肓に入るとはこのことであるが、今回の “Andoer” ブランドの両製品、実用面においてクリーンヒットとは言えないまでも、ボテボテの内野安打に運良く打点が付いた、ぐらいの印象は持っている。

危惧された、クランプとしての締付具合もサンウェイフォトに対してそれほど劣るわけでもない。あえて細かいことを言えば、締付の最終段階でサンウェイフォトのクランプにはある、もう僅かに締まるググッという感覚がないことで、締付の度合いをコントロールする感覚が希薄に思えることぐらいだ。

だが、慣れや好みの問題もあるだろうし、単なるメーカごとの特徴というか癖と言えなくも無い。はたして、どちらが正しいと断言できるほど、豊富な機器の使用経験もないので、前述の開口部の差違と比較すれば、このあたりは許容誤差の範囲としておく。

ちなみに、この業者は他にも写真機材関連の扱いはあるようで、 あえてお勧めはしないが、 業者違いで製造元は同じというパターンもありそうだ。金額面では個人差もあるので、一概には言えないが、基本はトラブっても笑って済ませられる範囲に収めた方が無難だと思う。

そんなこんなで、やっと懸案であった DP2 Merrill にも整合性を持たせることができ、オマケではあるが、シルイの雲台も復活の兆しが見えたような気がしている。

いまだ、実戦投入による検証は不十分ではあるが、机上のシミュレーションでは、従来のような開封した途端に目が点になるような落とし穴はなかったことに、現時点では満足している。

ま、実際に使ってみると想定外の問題も出てくる可能性もあるが、さすがにこの価格には有無を言わせぬ魅力はあるのも事実で、久々に価格の面からコスパに貢献した庶民的な製品だろうと思う。

だからといって、ここの製品が全て同じレベルであると断言できるわけでもなく、未だ怪しさも漂うメーカだ。

本当のことが知りたければ、自分で確かめる以外に確実な方法はないことは、ご承知のとおり。

うわあ、高々2千円もしない製品によくもこんな長文が書けたものだと我ながら感心するが、よっぽど安かったことが嬉しかったんだろうねえ。


…ということで、今月もヒトツよろしく。
2015年03月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.03.05] チャレンヂャ〜? 〜より転載&加筆修正
なお、本家には図表と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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