2015年6月5日金曜日

原付撮影行の準備

撮り合えず、慣らし運転を兼ねた準備編である。

もちろん、乗り手の方の慣らしというか練習がメインだったりするのだが、かつて乗ってきたどのトレールモデルよりも乗りやすく扱いやすいセローの特性は、長年のブランクを忘れさせるほどである。

ここ最近は、仕事の序でという口実で、近場を走り回ることが多い。しかし、ほぼ皆無に近い標準の積載能力では、普段持ち歩いている MacBook Air やそれにまつわるケーブル類や周辺機器などでさえ、それなりの対策を講じなければならない。

ましてや、従来車での移動ではあまり気を使うこともなかった撮影機材の積載方法などに至っては、以前の原付以上に根本的な再検討が必要で、撮影行の足としても何かと工夫が必要になる。

問題は、カメラバッグや三脚等の機材をどういった形で積載するのが相応しいのか、である。この手の単車で、今まで撮影機材を運んだこともないので、全くの手探りだ。

標準状態のセロー、リヤフェンダーにはほんの申し訳程度のキャリアスペース(?)とハンドルスタンディングと呼ばれる、把手のようなものがあるだけだ。ゴム紐等を利用したとしても、せいぜい菓子箱程度しか積めそうにない。

よって、納車時のオプションとして、ミニスクリーンに加えてリヤキャリアを選択した。いずれも、ツーリングセローのアクセサリパッケージほど巨大なモノではないが、バッグなどを括りつけるにあたっては無いよりマシで、安定した積載姿勢を期待してのことである。

定番のタンクバッグとシートバッグも、あまり最初から冒険するのも如何なものかと思い、ネットではよく見かけるTANAX の製品ラインナップからの選択と、あまりにも無難な路線で固めてみた。

タンクバッグの方は、その特異な形状からも想像できるように、見た目ほど容量は多くはない。そのへんもネットでの評判通りだが、DPM 一台とミニ三脚ぐらいなら、緩衝材を含めても楽勝で収めることは出来るし、工夫すれば二台でもなんとかなる。

ただ、開口部が前の方向になるのでお世辞にも取りだし易いとはいえず、ハンドルの切れ角も大きいセローでは多少干渉もする。カメラバッグとしては、別のモノを検討した方が良さそうである。

シートバッグの方は、日帰りの撮影行程度なら容量的には充分過ぎるほどで、従来より使用しているマンフロットのカメラバッグ(アミカ50)を、そのまま呑み込む余裕も十分ある。

当然のことながら緩衝材もないので、カメラバッグごと入れるしかないのだが、スペース効率としてはあまり良くない。


そこで、一度はハクバのインナーボックスを詰込んで、シートバッグ自体をカメラバッグのように設えてみたが、開口部もあまり広くないので使い勝手はイマイチ。

また、撮影現場では単車から離れることも多く、複数台のカメラを持ち出すには、結局カメラバッグをそのまま積んでいた方が面倒がない。いつもの慣れた態勢を維持でき、いちいち中身を入れ替えたりと準備にも無駄な時間をかけずに済む、というのが現時点での結論である。

よほどの長距離や、泊まりも想定した撮影行でもないかぎり、その可変であるキャパはたとえ小さい方でも不足することもなさそうだ。よって、積載に関する効率の追求は今後の課題としておいた。

また、近場の撮影行には少々大げさにも見えるシートバッグのおかげで、マンフロットの三脚でもそれほど違いがないことに気づいたのだ。

センターポールを横方向に向けてL字型を形成することで、シートバッグに添わせ非常に安定した積載方法が可能なのである。要はケースに拘らなければ、皮肉なことに、必ずしも三脚はトラベラーモデルである必要はなくなったのである。

もともと、単体重量に関してはマンフロットもシルイも違いはないし、シルイの縮長がメリットにならないなら、レベリングベースが付いている分だけマンフロットの方が利便性は高い。

レベリングベースをシルイの方に付けてもバッグには納まるので、レベリングベースの移設も視野に入れて検討する必要はあるだろう。即座に使える態勢、則ち雲台の常設を諦めて、インデックスローテイタ等を含む2台態勢まで考慮したシステム構成で臨むなら、十分に可能性はある。

だが、いつもの三脚バッグから出して、ほぼ裸の状態でシートバッグに添わせるように括りつけたマンフロットで、実際に何度か出掛けて使ってみた感想は、思いの外使い勝手が良かったのである。

同時に、シルイも持ち出していたが、いつもならどちらか一方が取り立て設置し辛いと感じたことはなかった。

というか、両者にそれほど違いがあるとも思わなかったのだが、冷静に考えればそれはごく当たり前のことなんである。要するに、区間タイムとその合計を積算した時間の違いみたいなものである。

車での撮影行では、マンフロットもシルイの一脚と共に、少々大きめの専用バッグに納まっている。いつもはミニのリヤシートから、えいやあとばかりに取りだして三脚本体を設置するまでには、それなりのプロセスを経なければならない。

対して、シルイの方はコンバクトなバッグのおかげで、三脚自体を設置場所に移動するのには、それほど手間がかからない。

ところが、今まではあまり比べたこともなかったのだが、両方の三脚をバッグから出して畳んだ状態から、よーいドンで設置完了までのプロセスを考えると、マンフロットの方が早く、シルイの方が圧倒的に時間がかかるのである。

縮長を稼ぐため、180度展開する開脚角度も然る事ながら、機能として備わっているばかりに、金属石突を脚先を回して三本とも出すのは結構手間がかかる作業だ。

仮にそれを使わなかったとしても、ナットロック式の4段とレバーロック式の3段では、たとえ慣れたとしても時間的には若干レバーロックの方に分がある。

この差は、撤収時にはより顕著になって現われることになり、最終的にバッグに仕舞うというプロセスがなければ、マンフロットのメリットが一層際立つのである。

したがって、シルイにレベリングベースの移設までしたとしても、あまり恩恵はなさそうな気がしているのだ。

また、当然原付撮影行以外でも使用する撮影機材なのだから、移動手段が変わったからといえ、道具立てとしては在るべきものは、いつもと同じように在った方が迷いがなくて良い。

原付スクータの頃は、その移動距離もごく近場に限られていたことで、ある程度割切った軽装備を良しとしていたところもあった。

しかし、セローで訪れる撮影地は、従来ミニで出掛けていた場所に比べても、いやそれ以上に距離だけでなく多彩な場所になりそうである。

そんなわけで、当面は下手に無駄を省いた最適化よりも、従来通りのフルセットで持ち出すことにした。

いずれは、もう少し時間をかけてその内容物を吟味した結果を、逆に車での撮影行の方に反映させるべく、今一度考え直してみようと思う。


…ということで、今月もヒトツよろしく。
2015年06月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.06.05] 原付撮影行の準備 〜より転載&加筆修正

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