2015年6月20日土曜日

原付撮影行の練習:其の弐

慣らし運転を兼ねた練習編、其の弐である。

内容的はまたもや倉吉方面だし、最終的には北条砂丘にある風力発電の風車のすぐ側まで行ったので、それを標題にしてもいいような気もする。

だが、そこが目的地だったわけでもない。

当初、国道484号線から県道372号線(林道)あたりで遊んでいたら、落合付近まで辿り着いてしまったので、それならついでに津黒高原まで足を延ばしてみようかと思い走り回ったところ、つい福本峠を越えて鳥取県に入ってしまったというのが経緯だ。

仮に最終訪問地を標題に据えるなら、時系列のまま話を進めていたんでは、標題が決まるのは最後の最後になっちまうほどの、あくまでも放蕩の末の結果に過ぎないのである。

ま、そんなわけで原付撮影行倉吉方面編(結果論)だ。

気紛れにも程があるのは毎度のことであるが、今回ほど最終目的地が決まらない撮影行も過去に例がない。

最初は、金川から津山線沿線などを辿るところから始まった。国道484号線も、宇甘川沿いの津山線を追いかけていくうちに、建部あたりから思いつきで通っただけである。その後の林道372号線も、言ってみればその場のノリで入ってみたに過ぎない。

このあたりまでは、天気も良く爽やかというには少し湿度が高いが、6月の梅雨入り後としては贅沢も言ってられない空模様だ。

林道の終点が、道の駅「かもがわ円城」となっており、わりと安心して通れる道という印象をもった県道372号線から、国道429号線へ入る。

ダムによって堰き止められた旭川湖へ出る手前で、この国道はややこしいことになっている。素直にダム湖沿いの道に出れば迷うこともないのだが、通行止めの警告を無視して江与味方面へ向かうと、その先はまことにやっかいだ。

立派なトンネルに騙されて、新しい道を選んでもそう長くは続かず、唐突にヘアピンカーブのようになって国道429号線は途切れてしまう。

その先、旦土方面へは県道370号線が担う。所々に新しく舗装された箇所もあるし、道幅も広くセンターラインもあるところも多い一般県道である。基本的には、里山の風景を見ながらノンビリ走れる道で、それは再び旭川に出会うまで続く。

県道370号線から県道30号線へ入って落合へ向かう頃には、俄に空模様も怪しくなり、国道313号線へ出た頃には雨が降りだした。

今回は、季節柄全天候対応を想定して雨具持参である。といっても、前車のヤマハジョグ時代から購入後一度も使ったことがない合羽の上下セットで、その内容は全くの未知数だ。

で早速、未開封新品の雨合羽を試すことにする。この手の製品、何故かズボンが短いのが定番になっているが、その例の漏れずコイツも裾まで隠れてはくれない。少し長めに作っときゃ、折り返すなど工夫のしようもあるが、短いとどうしようもない。

また、その生地は避妊具かと思うほど薄く、少し手荒に扱えばすぐに破れそうな雰囲気で、さすがに軽量であることをウリにした安物である。

ま、購入時の要望としては、兎に角軽いことを前提に選んだような気もする。あくまでもイザという時のためであり、願わくば一生使わずに済めばラッキーという消極的な製品選択だったのだから、それも宜なるかなで、そんなモノに多くを求めても仕方がない。

それでも、生意気にも裏メッシュになっており、着心地は見た目ほど悪くない。この日の小雨程度なら、十分に機能は発揮するようで、ズボンも少しずらし気味に履けば裾も濡れずに済みそうだ。

それよりも、ヘルメットに付けたシールドにかかる水滴の方が気になる。ワイパーを取付けるわけにもいかないので、曇り止め対策と合せて、なんらかの化学的な手段を講じる必要がありそうだ。

その後、国道313号線を湯原温泉方面へ向かう頃には、少し晴れ間も見え始めたのに気を良くして、奥津方面に向かう県道56号線へ逸れてみる。

これは、まあ予想通りの林道であり、余川あたりで県道65号線と交わり、なおも北へ向かう頃にはまた雨が降りだした。枯れ葉も落ちているコーナーも多く、滑りやすいから気が抜けない。

雨足もかなり強くなってきたので、木陰に入って暫く様子を見ることにした。久世のコンビニで調達した、オニギリを頰ばりながらの雨宿りである。

この県道も、結局真加子の先で再び国道482号線に戻るわけだが、実はそのまま素直に福本峠へ向かったわけでもない。

京都から米子へ向かう国道482号線は、岡山県と鳥取県の県境を4回も行き来する。最初の2つは、前回も通った辰巳峠と人形峠、次は三朝町から中和村への福本峠、最後は蒜山から江府町に至る内海峠である。

この内、今まで通ったことがないのが福本峠で、それも国道482号線から県境の手前で西方向ヘ分岐する、県道115号線経由で越えようというのである。グーグルカーも未だ通っていないので、その先の景観が気になっていたんだが、折角訪れたので通ってみることにした。

この県道115号線、以前倉吉線リベンジで通りがかった関金温泉付近で、県道305号線と合流していた路線である。岡山県側では、小川のせせらぎといった風情になってしまった旭川の源泉の一部と思しきものにも遭遇するなど、里山の風景を眺めながらのわりと長閑な道程だ。

福本峠自体、岡山県側はあまり高いところへ登って行く感覚は希薄で、それは国道482号線での県境越えにも共通している。

県境を越えて、三朝町に入ってから急激に山を下る林道となり、それまでの開けた景色から一転、いかにも山越えの峠道といった風情へと変わる。それでも、さほど険しい道に変貌することもなく関金へ出ることができたので、 一般的な林道としての範疇には収まるだろう。

倉吉線も既に回っているので、関金ではあまり寄り道もせず、そのまま県道50号線を日本海へ向かって北上するのだが、県道34号線に入ったあたりから、方向も怪しくなってきた。

以前、出雲からの帰り道で迷って、たまたまここへ至る手前の琴浦町を通りがかった。その時、多くの風力発電の風車を見かけたのだが、すでに深夜であったために、闇夜に不気味に佇む風車を目撃しただけで、その全貌は拝んでいない。

事のついでとは言え、折角訪れたんだから近くまで行ってみようと思い、関金の市町村道や農道を右往左往するも、中々海に近づくことが出来ない。

小高い丘の上を走っている市町村道からも、今にも海が見えそうな雰囲気満々な景色なのだが、 iPhone のマップで確認すると海岸線まではまだかなり距離がある。

県道297号線へ入り北上を続けるのだが、途中では再び山の中へ入り込んだような景観になってしまう。やっと、田園風景の平野に出たところで道なりに行くと、県道250号線へと変わる。

この道もまた、うねうねと曲がりくねって素直には海の方へ行っていない道だ。由良川に沿った県道23号線へ出て北へ向かうが、住宅地の中を通っている道で、周りを見渡すことができない。結局道なりに行くと、またもや途中から県道250号線へ戻されてしまう。

それでも暫く行くと辺りの景色が開けて、やっと彼方に微かに風車がひとつふたつ見え始めた。どうやら、海沿いの国道9号線付近に設置されているようだ。山陰本線やナガイモ畑越しに何枚か写真を撮ってみるが、もっと側まで行ってみることにした。

この風力発電というやつ、環境に優しいというイメージがウリなんだが、ネットで調べるとそう目出度い話ばかりでもなく、地元はけっこう大変らしい。まあ、端から見ている分には壮観な眺めで面白いだけだが、モノがデカいだけにいろいろと一筋縄では行かないのだろう。

国道9号線と海岸線の間にある通り沿いに、合計9基の風車が並んでいる。この風車、主柱の高さは65m、ブレードの直径は77m もあるらしい。

近づくにつれて、その大きさも徐々に実感できるが、同時に DP2M の標準画角では捉え切れなくなってくる。

風が吹いてりゃ回り続けているのかと思ったら、近いところに並んでいる隣同士でも、必ずしも動きは一致していない。時々止まったり回りだしたりと、その動きの法則は暫く眺めていても良く分からんものだ。

海岸へ出てみれば、DP2M でも少しは収まりが良くなるかと期待したが、やはりここまで広い景色には広角が向いているように思う。だが、すでに少々疲れ気味ではある上に、今ひとつな景観にカメラバッグから DP1M を取出す気にもなれない。

ちなみに、砂浜には大量の足跡と共にキャタピラと思しき跡もついていたが、以前の観音寺有明浜における学習機能から、砂浜へ突っ込んで行くのは止めておいた。目前に1m近い段差もあるので、たぶんセローでは戻って来れないような気がする。

また、ここから10km ばかり西の琴浦町にも、似たようなヤツが13基ほどあるらしい。以前見かけたのは、どうやらあっちの方なんだが、これから回っていると野営の覚悟も必要になりそうなんで、また別の機会にゆずることにした。

ま、これ以上北へは進めないところまで来たので、納得して帰ることにしたのである。日が暮れてからの山道峠道というのも頂けないが、帰路の距離と時間を考えれば、既に午後5時近くなっても未だ倉吉市内にいるんだから、それも自業自得だ。

そんなわけで、スタートが遅く時間的な余裕もなかった前回の四国編と同様に、今回も帰路は慌ただしく終った感がある。結局、時間的な余裕が有ろうが無かろうが、大して変わりないのだ。

この手の気紛れによる行程では、行きは良いが帰りは辛い通りゃんせな場合が多い。小学生ぢゃあるまいし、ガス欠寸前まで目一杯遊んでいては後が大変なんである。

それは、毎度分かっていながら無計画に行動するので、同じことばかりを繰返している。

今回も、往路ほどではないにしてもそれなりの時間を費やした復路に関しては、あまり楽しめてはいないし、それは撮った写真の枚数にも現われている。

これは良く考えると、たいへんに勿体無いことである。そのあたり、次回からはもう少し考え直してみよう。



…ということで、ヒトツよろしく。
2015年06月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.06.20] 原付撮影行の練習:其の弐 〜より転載&加筆修正

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