2015年6月14日日曜日

原付撮影行:準備の続き

原付撮影行の準備編、その続きである。

「転ばぬ先の杖」という諺もあるが、後悔先に立たずというぐらいだから、とりあえず転んでみないことには分からないことだってある。

前回の転倒による自尊心以外のダメージは、主にブレーキレバーとリヤフェンダーに集中しており、運転操作に直接影響が出るのはブレーキレバーだけである。

リヤフェンダーに関しては、共振による騒音程度なんで、割れた部分を再度ワッシャで挟み込んでネジの締め直しで誤魔化した。ナンバープレートは叩き直したので、羞恥心との折合いを付ければ済む話だ。だが、ブレーキレバーは曲がりを修正すると折れる可能性もあるので、この際交換することにした。

ま、転ぶとレバー類が曲がる折れるぐらいのことはごく当たり前で、ホントに転んでみなくても分かることなんだが、転んでただ起きるだけでは面白くない。どうせ替えるなら、転倒に対する対策が施された製品を試してみるのも一興と考え、可倒式のピボットレバーというヤツにしてみたのだ。

備えあれば憂いなしといえば聞こえは良いが、ぶっちゃけ転んだ後の杖であり、渇して井を穿つという気がしないでもない。

まあ、これで転倒が最後というわけでもないだろうし、出来ればそうあって欲しいものだが、どうしても避けされないものなら多少の対策も必要だろう。

ただ、価格的にはノーマルタイプに比べて極めて高価である。純正品であれば、被害の及んだブレーキ側だけで済むものをわざわざクラッチ側も交換するハメになるから、単純に考えても2倍かかる。


その上、単価が2倍以上の製品を選択するんだから、当然費用は4倍以上になるわな。(対ノーマル1本と比べた時の価格差は8倍以上か?)発注前から、アホなことをやっているなとは思っていたが、転倒時の折損に対する効果よりも、レバー自体が高価なことで、より一層の転倒に対する用心を期待するところが大である。

要するに、コケると高いよという経済的な面からの抑止力だが、もちろんカッコいいからというのが大前提あるのは、言うまでもない。

ここ最近は、撮影よりもツーリングの方に重点をおいたパターンが多くなっているが、その原因の一端となっているのがカメラバッグである。時系列は多少前後するが、カメラバッグに対する善後策というか、もう少し実際の撮影行に合った装備も模索してみることにした。

単車の場合、気になる被写体に遭遇した場合、その場に停車すること自体は車以上に容易である。だが、そこからカメラを取出して撮影に入るプロセスまで考慮すると、必ずしも有利とは言えないのである。

前回の撮影場所から、スタンバイ状態のままで助手席に転がしておくことさえ可能な車に比べると、毎回収納することが前提となる単車の場合は、どうしても DPM より iPhone 頼りになってしまうことが多くなる。

結果として、単なるスナップ程度の写真を量産するだけで、決して撮影行とはいえない単なるツーリングになってしまうのである。まあ、本人はそれも含めて楽しんでいるので、とりたてて問題になるわけでもないのだが、出来れば撮影行の足としても、単車の有効性を見いだしておきたいという要望もある。

というか、ここ最近は天気さえ良ければ、いや多少天気が悪くても、ミニよりもセローで出掛けることが多くなっている。悪天候を前提で、雨天用の装備品チェックのために出掛けることだってあるぐらいだから、何をか言わんやである。

で、降りてからの移動とカメラの取りだし易さを考えると、あまりカメラ本体に対する防護方面に重きを置いたカメラ用のバッグより、お手軽なバックパック方式の方が向いているような気がしたのである。

たまたま以前から持っていたものの、使うこともなかったバックパックがあったので、日常の業務用に引っ張り出して使ってみた。それは、ノートパソコンを持ち運ぶことを想定したアップルロゴ入りの、いわゆるアップルノベルティグッズの一端である。

年代からすると前世紀末、おそらく PowerBook G3 あたりを持ち運ぶという、今から考えれば殆ど拷問に近い行いだが、そんな暴挙も厭わない時代もあったのだ。

まあ、もともと初代マッキントッシュが登場した頃は、ノートでもないまんまのデスクトップも持ち運ぼうとして、そして実際にも何度か持ち運んだ経験もあるのだが、そんな用途のバッグさえあったのだ。

その頃の気合いの入り方は、たった1kg 程度しかない MacBook Air や、それにも満たない iPad などの重さを気にするような、昨今の甘えた根性では想像もつかない壮絶なものであり、並の精神力ではなかったろう。

そのせいか、このロゴ入り製品も体に対する負担を軽減することなどあまり考慮されておらず、バックパックとしては出来も良くない。背負った瞬間に、その内容物の重量以上に重さを感じさせるようなものだ。

実際に、MacBook Air 11インチと充電器や変換ケーブル等のわずかな周辺機器と業務関連書類、緩衝材としての雨具、それの隙間にフードおよびビューファを付けたままの DP3 Merrill などを入れて担いでみた。

まあ、降りてからの短時間なら我慢できそうだが、このままセローに跨がるのは勘弁して欲しい。とても、運転する気にならないほど、背中の負担が大きいのである。

原因はハッキリしており、主に背中のパッド部分と肩にかかるベルトの形が悪い。その割にはバッグとしてのサイズも大きく、よもや満タンになるほど荷物を詰めようものなら、絶対に担ぎたくなくなる代物だ。

時代も変わって、その辺りも改良されていることだろうし、それ以上にその方面のノウハウに長けたメーカの製品ならどうだろうかという期待から、Thule EnRoute Strut Daypack という製品群から選んでみた。

最近のラインナップでは、黒かまたはケバい色しか選択肢がない同社の製品では珍しく、青とも緑ともいえないコルセアという中途半端な色に惹かれた。まあ、それ以上に値段が安かったので、選択の余地はなかったのだ。

現在では、アマゾンにおける価格も1万円越えとなっており、他のラインナップとの比較でも微妙な位置付けになってしまった感は拭えない。だが、発注時点ではなぜか5千円代という破格の値段だったのである。

おかげで、比較検討する余地もなく決定してしまったので、果たしてラッキーといえるのかどうかも分からない。容量的には19Lと、デイパック形式では比較的小さい部類になるだろう。もう少し小さいと、スリングパックと呼ばれる一本ベルトの斜め掛けのバッグの範疇になるサイズである。

カメラのことを考えなければ、Thule Crossover Sling Pack(14L)も検討していたのだが、実際どっちが良いのか分からなかったので、とりあえず大きい方(かつ安い方)にしてみたのである。

両肩用のベルトが幸いして、セローではタンクバッグ的な使用法も、短時間ないしは近距離なら可能であることが判明した。だが、基本的にはリヤキャリアにネットで縛りつけるのが、一般的な搭載方法である。後部を開放にすることで、カメラの取出しを容易にでき、三脚もトラベラータイプなら一緒に積むことも不可能ではない。

実は、三脚についてもその運用を再検討をしていたところで、今までのところセローでの撮影行に限っては、使用頻度はそれほど高くないのである。

かといって、ミニ三脚だけでは心もとないし、今さらお勤め品三脚に頼るのもどうかと思う。携行はするもののあくまでもイザというときのためと割切って、もう少し実用面に則した対策も考慮してみる必要はあるだろう。

それは、ミノウラカメラマウントという製品を使用して、ハンドル部分に自由雲台を取付けてしまおうというものである。当面、テストケースとしてシルイ(SIRUI T-2204X)に取付けてある Sunwayfoto FB-28i & DDH-02i という組合せの雲台を付けてみた。

これにより、簡易的な三脚の替わりとしてはもちろんのこと、ちょっとした移動の際にも、いちいちカメラバッグに仕舞うことなく、即撮影可能な状態を維持できるのではないかと考えている。

バックパックには、単車から離れた場所への移動と撮影がより快適になることを、またカメラマウントには、常に臨戦態勢のまま移動できることで、 もっと気軽に撮影行自体を楽しめることに貢献してくれまいかと思う。 

いずれも、実戦に於ける検証はまだまだこれからであるが、そんなひと工夫で撮影に対するモチベーションまでも高めることが出来ればと、ほのかな期待もしている。


…ということで、ヒトツよろしく。
2015年06月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.06.14] 原付撮影行:準備の続き 〜より転載&加筆修正

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