2015年7月31日金曜日

7月の定点観測:2015

もう恒例になった感もある、土壇場の更新である。

いっそ定点観測も、月末のお約束事にしてしまえば言い訳も必要なくなる。毎月末に発売の、定期刊行物みたいに。よし、来月からはそうすることにしよう。(またまた行き当たりばったりな、その場の思いつきだ)

左足の痛みは未だ癒えたわけでは無いが、取りあえずで購入したラフ&ロードの簡易版プロテクタもすこぶる按配が良い。

おかげで当初危惧されていた、転倒恐怖症により暫く乗れなくなるのではという心配もどこ吹く風で、天気が良ければ相変わらずセローの出番は多い。

どうせなら、もう少し凝ったニーシンガードやらエルボーガードとのセット物にも興味を示すなど、逆に何処からでもかかって来やがれ的な状態になりそうで恐い。

我ながら懲りないというか、物欲には限りがないものだと呆れているのだが、そんな取り留めのないお道具類の楽しみに乗せた、キリンビール7月号だ。


今月も、スカッと晴れた日にはタイミングが合っていないので、雲の多い空模様ばかりだ。それでも、工場前に拡がる緑の絨毯は順調に育って、タンクとのコントラストが一層鮮やかになってきた。

まあ、快晴の空は来月に期待するとしよう。

延べ四回に渡って訪れた定点観測現場、最終日を除いて全てセローによるものだ。

それにしても、単車にあまり荷物を満載していては、機動性も犠牲になるしその魅力も半減する。

考えてみれば、火遊びや撮影行に関しては、何もセローばかりに任せる必要もないわけで、今迄通りにミニも積極的に参加して貰えば良いのである。

それによって、単車では必要最低限の装備で極力身軽に、車ではサイズや重量よりも、ある程度使い勝手や使い心地の方を優先した装備の選択という、使い分けが出来るのではないかと思う。

最近は、あまり長居をしなくなったので以前より頻度こそ低いが、定点観測の現場ではガスストーブを使い湯を沸かすこともある。また、早朝の仕事に出掛ける前に寄るので、現地でコンビニ弁当による朝食を済ませることも少なくない。

珈琲など、豆まで持参して現地で淹れたところで、味や香りでコンビニカフェを上回るのは難しいので、サーモスの保温水筒があれば十分だろう。せいぜい、インスタントの味噌汁に使う熱湯さえ手に入れば御の字で、それ以上の献立を企むようなことはしない。

単純に、湯を沸かすという目的の為には、コンロがあればよい。アウトドアでは、そんなコンロの類いはストーブと呼ぶらしいが、冬場の暖房にもなる製品も多いジャンルである。ホワイトガソリンやアルコールなどの液体燃料、炭や練炭を筆頭に数多ある固形燃料を使うものなど、燃料の種別で分けても相当な種類がある。

そんな中でも、最もお手軽なのはカートリッジ式のガスを使用するガスストーブ、バーナーの類いだろう。

単車での携帯を考慮して、小型軽量なプリムスのフェムストーブを選択した。だが、その燃料であるガスボンベの大きさを考えれば、無闇に小型化しても意味がないことに程なく気づく。

また、開いて使う五徳はちょっと傾けたり、振動を与えたりすると閉じてしまうので、あまり使い勝手は良くない。ツマミ類にプラを使うあたりも、耐熱温度に関して一体何を考えているんだ、と呆れるところもあるメーカである。

おそらく、SOTO のアミカスシリーズやスノピのギガパワーシリーズなどのライバルの方が実用性では遥かに優るだろう、というのが悲しい現実だ。

しかしこの手の製品、尖ったモノほど多少の実用性を犠牲にしてでも、兎にも角にも小型化を目指すのがお約束となっている。購入する側も、ついそんな気合いの入った製品を贔屓したくなるのが人情で、気に入った道具なら実用性なんかどうでも良かったりする、というのも楽しい現実なんである。

あえてノーマルタイプ(P115)ではなく、スウェーデンカラーバージョン(P115F)を選んだのも、オマケのガスボンベ用のゴトクと国旗カラーの入れ物が欲しかったからに決まっているのだ。

クッカーは、同じプリムスから幾つか出ているが、価格の安いイージークック・ソロセットS(P-CK-K102)ではなく、蓋付きのイージークック・ミニキット(P-CK-K101)がベストである。どちらも、小さい方のカートリッジ(110g)ならスタックできるが、蓋が単独で使用できるメリットは意外に大きい。

また、追加のクッカーとしては、地方の店頭でもよく見かけるライテックトレックケトル&パン(P731722)ではなく、イージークックNS・ソロセットM(P-CK-K202)の方を勧めたい。

前述のイージークック・ミニキット(P-CK-K101)が丸ごと内包できるのは当然としても、径の小さいパンは深い方が使い安い、というのもその理由のひとつ。それ以上に、ライテックトレックケトル&パンのように、把手が干渉して密閉した蓋として機能しにくいという不具合もない。

プリムスが、なんであの出来の悪い把手をいつまでも改良しないのか、甚だ疑問である。

前回の、ソロキャンプシミュレーションでは、このクッカーを両方持込んでみたが、シチューや雑炊、せめてラーメンでも作らない限り、日帰りの湯沸かし程度には不要であると判断した。

沸かす湯の量も、よっぽど大盛りなラーメンや焼そばでもなければ、それほど必要ではないし、逆にパックライスやレトルトなどの加熱には、サイズだけでなく形状にも向き不向きがある。

結局、ラージメスティンのような炊飯も出来るアルミの弁当箱が、最も汎用性が高くて便利という結果になった。いずれ、もう少し凝った料理にでも興味が湧けば使用頻度も上がるだろうが、今のところ出番は少ない。

ただ、泊まりのキャンプでは必修となる、プリムスのランタン(IP-2245)とガスカートリッジが共通な点が悩ましい。というのも、 イージークックNS・ソロセットM(P-CK-K202)には、大小2つのガスカートリッジが内包出来る。パッキングの中身としては、殆ど場所を取らない組合せも可能になるので、状況に応じて取捨選択も必要になるだろう。

車の場合は、お手軽なガスのメリットは十分に享受できるが、単車の場合はもう少し、スペースユーティリティや軽量化の面で突き詰めてみたい。

ぶっちゃけ、味噌汁やカップ麺に使う熱湯なら、シエラカップで十分だろし、単純な湯沸かしに凝った火力調整も必要ない。そんな用途には、サイズ的にも有利な固形燃料の簡易ストーブではどうかと試してみた。

エスビットポケットストーブには、付属の燃料の違いによって、スタンダード版(4g×20個付)とミリタリー版(14g×6個付)がある。シエラカップの湯沸かし程度には、1単位の小さいスタンダードでもいけそうな気がしたので、取り合えず純正組合せでテストするべく、別売りの 4g×20個を調達した。

だが、約6分間燃焼するこの固形燃料では、シエラカップに入れた 200ml の水を沸騰させることは出来なかった。正確に水温を計測したわけでは無いが、そのまま飲もうとすれば軽く火傷もしそうな、概ね80度前後には達していたようだが、殺菌を兼ねた乾燥麺の調理などに使用するには少々心もとない。

その後、条件の良いほぼ無風な台所シミュレーションでさえ沸騰には至らなかったので、4g×2 ぐらいは最低必要なのかもしれない。

また、野外での使用においては、その火力も風に大きく影響されるので、防風対策にも万全を期してにおいた方が良いだろう。非力なストーブやバーナーの場合、外気温が高い夏場でも、風の影響を受ければいつまで経っても沸騰しないという状況に陥る場合もある。

以上のことから、固形燃料のエスビットはイザという時のバックアップにして、やはりメインはお手軽なガスストーブか、せめてアルコールバーナーが無難であろうという結論である。

ところで、最初に購入したウィンドシールドは、付属のプラ製のケースに惹かれて、ハイマウントの製品を選択した。大抵の製品は、薄い袋が付属するだけであり、バッグの中に金属板を収納するにあたって、すぐに破れそうな袋ではイマイチ不安があったのだ。

だが、肝心の本体は、各エレメントを繋ぐ心棒の下方向へ落下防止対策が施されておらず、使用中にバラバラになってしまう、たいへんお粗末なモノであった。落下防止対策といっても、ペンチでちょっとつまめば済む話で、もちろん自分で行ったのである。

その後、鮮やかなグリーンカラーに惹かれて(兎に角いろんなモノに惹かれるのだ)追加購入した EPI のウインドシールド(A-6505)では、案の定同様の対策は当たり前のように施されていた。ハードケースこそないが、価格の面でもハイマウント製よりも安価で、総合評価では遥かにマシであったことを付け加えておく。

ところで、この両者サイズ的には近いが、ハイマウント製がエレメント幅で僅か 2mm 程度小さく、残念ながら EPI 製はプラケースには入らない。せめてケースの流用でも出来ればと考えていたが、テーブル上にベタに敷いて遮熱版として利用すれば無駄にはなるまい。

巷では、火遊び用にはテーブルトップがステンレスのユニフレームの焚き火テーブルというのが、定番になっているようだ。しかし、その作りのわりには高価に感じたので、ケチって同社の少し安い UFサイドテーブルという製品を選んだ。

天板が木製というのも個人的な好みだったのだが、スパルタンな焚き火テーブルと違って熱には弱そうだ。出来の悪いウィンドシールドは、そんな UFサイドテーブルとの合わせ技で余生を過ごして貰おう。

前回の苦い経験から、優先順位をより高くしておきたい案件に、飲料水の確保という項目がある。コンビニはおろか、店舗や自動販売機もないような山奥へ向かう場合、飲料水の確保は早い段階で済ませておくことが肝要である。

当初、水タンクなんぞ2リッターのお茶のペットボトルを再利用すればタダだし、軽いだけでなくイザとなったら捨てて帰っても惜しくはない。わざわざ別に用意しなくても、と考えて実際にも暫くはそれを利用していた。

しかし、実際に給水してみると全長の長い2リッターでは、手洗い場などの蛇口に届かなかったりすることもある。また、口も狭いため蛇口の形状によっては、満タンにするのが困難だったり、また運良く出来たとしてもそこまでの量が必要なかったりと、あのサイズには中々ピッタリな用途が少ないのだ。

冷却水量に一抹の不安があった頃、ミニではわざわざコンビニでお茶として調達した、1リッターのペットボトルを2つばかり、リアシート下に転がしていた。

だが、そんな野放図は許されないセローでは、その辺りもより吟味する必要がある。従来は、カップホルダなどの制限から、350〜500ml のペットボトルを常用していたのだが、容量的にはもう少し大きいものが欲しい。

この用途には、コンパクト性と給水のし易さから、 手付ポリタン1L 抗菌タイプ(EverNew ECB-211)を選択した。

野外で手に入る水は、必ずしも飲用には向いているとは限らない。そんな場合を想定して、飲用を前提とした必要最低限の水は、事前に確保しておくべきだろう。また、飲用以外の用途とは、器も分けておいた方が後々の都合も良いので、大1よりも小2という構成である。

そこで、手付ポリタン1Lは現地調達を前提に通常は空で持参、飲用専用としてナルゲン広口1.0L(nalgene Tritan Blue 91315)を使い、飲料水は事前に用意しておくことにした。

この手付きというのもけっこう重要な要素で、空で持参する限りは、調達出来る場所を見つけたら直ちに取出したい。そんな時、荷物の奥にあっては役に立たない。

できれば、見える所にぶら下げておくのが理想で、そのためにも把手があると荷物の追加分として、ぶら下げやすいという機能面の理由もあるのだ。

もちろん、予め給水して持参しても良いのだが、人里はなれた山方面などへ向かう場合は、給水だけでなく色々な面で行程にメリハリは付けるためにも、一呼吸入れた方が良い。ここから先は、それなりの覚悟を伴う場所であり、決意を新たにして気合いを入れるのだ。そんなことも、たぶんソロツーリングには必要だろうと思う。

ちなみに、飲用専用として選んだナルゲンに関しては、色々とウンチクもありそうなこのボトル、飽和ポリエステル樹脂という素材で作られており、有害な化学物質を含まない BPAフリーという触れ込みである。

ビスフェノール A(Bispheno A)について興味があれば各自ググって頂くとして、個人的には有害無害はどうでも良かったのである。ぶっちゃけ、青いボトルが奇麗であまりにも瑞々しかったから買ってみただけで、別に他意はないのだ。 

そんなこんなで、数多あるお道具も用途によっては向き不向きもある。燃料切れの心配が無い、ネイチャーストーブやソロストーブも話の種としては面白いのだが、夜の部がない県内の日帰り用途などには、必修アイテムとはなりにくい。

現状では、バックアップ用途のアルコールバーナーなども併用しつつ、未だ最適化を行っている最中である。こちらも場数をこなせば、いずれ定まってくるだろう。

う〜む、やっぱまとまらないねえ。そんなお道具談義も、まだまだ続きそうな予感がしている今日この頃だ。



…ということで、来月もヒトツよろしく。
2015年07月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.07.31] 7月の定点観測:2015 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

0 件のコメント:

コメントを投稿