手元に揃った機材を見るにつけ、そろそろ沼の脱出宣言をしても良いのではないか、とも思える充実ぶりを見せるサンウェイフォト製品群である。
別にこれといった噂があるわけでもないのだが、お家騒動といえばカメネタ方面でもちょっと気になる事柄がある。
前回のデスモンドは、如何にも BENRO や Sunwayfoto の、延いてはアルカや RRS のパチモノ臭いのだが、サンウェイフォトに在籍していた(唯一の?)デザイナーが興した会社、というのがあるらしい。
馬小路(Marsace)というこのブランド、なんと読むのやら発音するのやら(うまこうじ?ぢゃねえよな)全く分からない。端から見ればモロにサンウェイフォト製品そのものであるが、その経緯を信じるなら、至極当たり前なことなのかもしれない。
まるで、サー・ジョニーがアップルを離れて、新会社を興したような話であるが、直ちに精度や品質までもが継承できるとは、誰も思わないだろう。
いくら筆頭デザイナーとはいえ、あまりにもまんま過ぎるその製品群からして大きな問題にならないのは、中華ゆえの事情があるのかもしれない。
ところが、会社や製品に関してネットにも殆ど情報が無いにも関わらず、既に国内のアマゾンでは相当数がラインナップされている。
流通の関係なのか、並行輸入品としてはおよそリーズナブルとは言えない価格を見る限り、いちユーザとして少なくとも現状では興味を持てる存在ではない。
未だ販売元は一社のみで、本来の真っ当な相場は全くわからないが、サンウェイフォトの同等品と比べても、積極的に馬小路を選択するメリットは感じられないのだ。
個人的には、確かにサンウェイフォトのデザインに惹かれた部分は大きい。しかし、馬小路がラインナップする製品は、インプルーヴと称される最近のデザインではなく、全くサンウェイフォトの初期モデルそのものでしかない。
もちろん、ノブのデザインなどは以前のゴツゴツしたものの方が好みではあるが、馬小路のそのあまり良いデザインとは思えないロゴマークも含めて、全体から受ける印象はイマイチ感が漂う。
超個人的な意見としては、如何にも旧 JIS マークをパチッたロゴには批判もあるかと思うが、日本工業規格が新デザインに変更したせいもあって、なんとなく懐かしさを感じており嫌いではない。
また、そのロゴマークや社名に使用されているフォント、実際の製品に配置された製品型番の刻印とのバランスやコントラストに、多いに惹かれる部分もあるのだ。
未だ、国内においては情報が多いとは言えないサンウェイフォトであるが、興味深い製品が今後発表できないようになってしまうと面白くない。
したがって、危惧されるのは本家(と、あえて言ってしまうが)サンウェイフォト製品にある何かが、一人のデザイナーが退職したことで断絶してしまうのだろうか、という一点に尽きる。
このあたりは、転生の期待が出来ないアップルと同様の、いや見方を変えれば、真逆な憂鬱材料と言えるかもしれない。
このところ、思うように撮影に出掛けることもできないので、連日の雑談に続く雑談でした。
…ということで、ヒトツよろしく。
2013年11月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2013.11.05] 継承と断絶、または転生 〜より転載&加筆修正
0 件のコメント:
コメントを投稿