2014年3月7日金曜日

鉄撮りの練習:其の四(サンライズ瀬戸&宇野線)

鉄撮りの練習と称した、DP2 Meriill に慣れる(馴染む?)プロセスの一環である。

いい加減、ヘタクソな鉄道写真を量産するのもどうかと思うが、近場の路線ではそれほど構えることなくお手軽に撮影できるので、結果はさておき本人としてはそれなりに楽しんでいる。

当日は、仕事上比較的早い時間に客先を訪問する必要があったので、行きがけの駄賃として早朝の宇野線/瀬戸大橋線を撮ってみることにした。

出掛ける前に、何気なく JR 西日本の列車運行状況を眺めていると、以下のような情報が目に留った。

[寝台列車運行情報:2014年03月06日 04時40分更新]
東海道線での強風の影響で、3月5日始発の寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号(高松・出雲市行き)に約70分の遅れがでています。
※遅延時分が変わる場合がありますのでご注意ください。

なになに、それだけ遅れてくれりゃ明るさに不足はないぞ、と近所の笹ケ瀬川橋梁へと出向いたのである。

3月6日時点での、岡山地方の日の出時刻は午前6時28分である。天候にもよるが陽が差す前なら、f2.8 のDP Merrill シリーズでは開放でも 1/125 秒がやっとで、早朝の動体撮影ましてや近接での列車撮影には、いまだにちと無理がある時期だろう。

しかし、日の出から1時間以上も経過すれば、f4.0 でも 1/500秒ぐらいは楽に稼げる。サンライズエクスプレスが岡山駅に到着するまでの間に、どの程度遅れを取り戻すことが出来るのか全く知る由もないが、駄目元で挑戦してみることにした。

ま、もっと早くにその情報を掴んでいれば、尚且つ都合が許せば、先ず間違いなく伯備沿線に飛んでいったに違いないが、残念ながらそういうわけにもいかない。

前回までの反省から、日付時刻の設定確認はもとより、オートブラケットもやめて、絞り優先オートフォーカスで連写機能を使用することにした。

また今回は、同じ場所でも少し角度を変えてみようと、土手に沿って建てられている電柱に渡された、コンクリートブロックの支柱伝いに上がって、猿のように電柱にへばり付いて高さを稼いでみたのである。

場所的に、三脚を展開するのは無理なので、一脚(SIRUI P-326)に常設のティルトトップ(Manfrotto 234)から自由雲台(SIRUI K-20X)に変えて、電柱に設置されているアンカーに縛りつけてみたが、あまり自由にアングルの変更は出来ない。

あくまでも、 DP2 Meriill をメインにした練習の一環という前提なので、今回は DP3M の出番はない。 DP1M をサブとして一脚に据えて、メインの DP2M は手持ちで対応、運が良ければ後追いも撮れるだろう。

日も昇ってしまえば、当日の天候から高速シャッターが期待できるので、それでもまあよかろうと考えたのだが…。

ただ、その様相は、端から見れば決して尋常ではなく、通り過ぎる列車の乗務員からも、露骨に不審者を見るような冷たい視線を感じる。

線路からは十分離れているが、あまり奇異な行動で列車指令に通報されてもマズかろうと考え、通過する他のローカル列車で練習するのは、早々に止めておいた。

一応、主題であるサンライズ瀬戸がやってくるまで、あまり目立たぬように待つことにしたが、日の出後も陽は差しているものの、気温はそれほど上がらず少し風もあるので結構冷える。

震える手で、iPhone で例の運行状況のサイトを見ても、一向に情報が更新されている様子はない。毎度のことながら、いったいどのい程度遅れているのか、全く判らないのには困ったものだ。

近くに踏切もないので、鉄橋の対岸にある信号を確認しながら、何度か通り過ぎるローカル列車の接近の度に、次こそは本命かと待ちわびるが、なかなかやって来ない。

そういえば、四国方面に向かう特急は、南風もしおかぜも、その特徴である四つの前灯をなぜか二灯しか点灯していない。その理由は定かではないが、少なくとも岡山方面に向かう南風は、どれも四灯とも点灯していたと思うが、なにか法則みたいなものでもあるんだろうか。

で、そんなことを考えている内に、閉塞信号が赤になってその区間に列車が進入したことを示した。いくら何でももう来るだろうと、線路近くまで寄って確認すると遙か彼方に、かすかに四灯の光が見えたのである。

結果的には、遅れを取り戻すどころか、定刻なら 06時35分頃通過予定が、2時間以上遅れて 08時45分になってやっと姿を現したのである。サンライズエクスプレスを狙い始めてから、過去最高の遅延だ。

たしか、国鉄時代からのローカルルールでは、特急・急行列車が、到着時刻より2時間以上遅れた場合は、特急・急行料金の全額をお返しするという規定があったように思う。JR にとってはさぞや大変な事態だろうが、この時期の鉄撮りにはこの上ない好都合だ。

右手で、DP2Mに付けたグリップを持ち、左手の甲でそれを支えながら左手人さし指は、一脚に取付けた DP1M のシャッターを押すという、まるでウルトラマンがスペシウム光線を発射するときのような、いささか無理な態勢ではある。(ま、分かる人は少ないだろうけど…ジュワッチ!)

両方の画面を確認しながらタイミングを計るが、ピアノも弾けないような者が、両手の指をバラバラにコントロールするのは容易ではない。その上、DP2M の水準器も確認しなければならず、 両目にはカメレオン並の技も要求されるのだから、すべてが上手くいったら奇跡だろう。

ま、当然のことながら、結果はさほど芳しいモノでもない。

サブの DP1 Meriill は、途中バッテリー切れなどもあって、何度か電源が切れてしまう。 バッテリー交換の後に、絞り設定ボタンに当たってしまったのかもしれないが、本番ショットでは F11 になっていた。

そのせいで、シャッター速度は遅くブレており、散々な結果に終わったが、少なくともメインの DP2 Merrill は光量も十分なこともあって、f4.0 でも 1/1000 秒以上と、被写体ブレのない写真は撮れた。

日差しは強くなり、光量は十分なものの列車前面は影がきつく暗くなりがちで、かつての第7高梁川橋梁の再現になってしまった。が、絵的にもそれ以上のモノではない。

帰宅後、期待して現像してみた印象はイマイチ、イマニであり、周りの景観や、列車ごとのシチュエーションの重要性など、新たな反省材料もいくつか判明したことが、せめてもの収穫であったように思う。

よほどアレンジした写真ならまだしも、真っ当な鉄道写真の練習なら、やはり風景撮影と同様に、キッチリしたセッティングで撮らないと、結果としての写真もそれなりでしかない。

それ以上に、ローカル列車ではそれほど気にならなかったが、サンライズエクスプレスにとって、この場所はあまり相応しいとは思えないのだ。伯備線が無理なら、せめて熊山まで車を飛ばすべきだったかもしれない。

やっぱコイツは、緑の中を陽を浴びて駆け抜ける、というような情景で撮ってみたい。できれば、青空、山、川、鉄橋、曲線区間(カント)などの、基本要素の幾つかを含んだ絵を期待してしまう。

などと欲なことを考えているから、なかなかマトモな写真にならないのであるが、いつかはそんな絵にしてみたいものだ。

だからというわけでもないが、標題もあえてサンライズ:リベンジではなく、あくまでも鉄撮りの練習である。

その後、仕事を済ませて少し時間があったので3月の定点観測へ回ったのだが、青空も覗く早朝の天候から時間が経つにつれ、雲が増えてしまい揚げ句に小雪も舞い散る、冬の天気に変わってしまった。

定点観測といえども、できれば春らしい絵にしたかったのだが、まだ少し早いようで、好天に恵まれた後半の日にでもあらためて撮直そうと思う。よって、今回の撮影はオマケみたいなものでしかないので、いずれまたそのうちに。

いまだ、もう DP2 Meriill 慣れたとは言い難いが、何となく標準域の撮り方は判ったような気がしている。判ったとはいっても、広角、望遠とは違うのだという、あたりまえなことが判っただけであり、まだまだである。

ズームに慣れると楽チンで良いのだが、どうしても視点の移動を伴わない画角だけの変化で対応してしまう。結果、広角端と望遠端以外は面白くないので、あまり使わなくなって、それが苦手意識に繋がっていたのではあるまいか、と思う。

それだけに、固定焦点の三台を使い分けるには、それなりの苦労も伴うわけだが、それも楽しみに出来ればよかろうと考えている。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年03月某日 Hexagon/Okayama, Japan


http://www.hexagon-tech.com/
[2014.03.07] 鉄撮りの練習:其の四 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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