2014年7月31日木曜日

更新

写真の見方というのも、ここ数年で大きく変わってきた。

最近では、その大小を問わず液晶画面などで見ることが多いと思う。

写真を撮る機会が増えると、またその画質が向上してくると、それをどうやって見るかも重要な要素となる。以前のように、プリント一択ではないし、そのサイズ的なバリエーションも様々である。

しかし、その見方もただ漠然と眺めるだけとは限らず、現像作業のように重箱の隅という隅を徹底的に突きたい場合は、どうしてもある程度以上のサイズが欲しくなる。

MacBook Pro も Retina モデルあたりならさぞや高精細な写真を表示できるのだろうが、現像や編集加工作業をノート型でやる気にはならない。写真の高画質化に伴い、そのデータ量もノート型でのキャパでは、とても賄いきれるものではない。

どうしても、デスクトップ型に興味が向くのだが、現状ではまともなディスプレイを期待すると、アップル製品では選択肢が無い。かといって、画質はさておき製品外観では、およそその価格に見合うとも思えない、サードパーティ製品を選択する気にもなれない。

一時は、Thunderbolt Display 27 にも食指を動かされたが、その縦横比と旧態依然とした USB インターフェイスの規格に今更感があり過ぎ、導入には至っていない。未だに、6年越しとなる LED Cinema Display 24 や、それ以前の Cinema Display 20 などを手放せないでいるのも、必ずしも経済的な問題だけが理由ではない。

どうも、こちらの要求に対して大きく外すことが多いアップル製品、その傾向はここ数年さらに酷くなっているように思う。

まもなく、Mac mini あたりも更新となるのだろうが、ことディスプレイに関しては、やる気のなさが見え過ぎる。Mac Pro など、個々のデザインには力を入れても、ユーザが使用する段階まで見通したトータルデザインに関してはまことにお粗末であり、トップに立つ連中、特にチーフデザイナーの資質を疑うところでもある。

ここ数年、Mac 関連では Mac Pro 以外に、これといった新しい提案はなされていないのが現状である。過去の勢いに頼って、やっと動いているようにしか見えない。いい加減には、周辺機器に対しても、何らかの解決策を用意して貰いたいものだ。

また、写真機材方面では、サンウェイフォト製品も主力のボール雲台(FB36 シリーズ)が、更新されたようだ。市場に出回るまでには、もう暫くかかるだろう。

オフィシャルサイトには、すでに製品画像とともにスペックも掲載されている。FB36IIDDHi の1〜2枚目の画像は、どうも FB-44IIDDHi の写真が使用されているように見えるが、このあたりのいい加減さも、相変わらずである。

今回の更新で、サイズのバリエーションである全てのファミリーの仕様が統一されたようだ。だが、オフィシャルの写真で見る限り、インデックスは以前のものより見にくくなっているような気がする。

従来は、ベース部分には指標のみで、回転するボディ側面の方に数値が刻印されていたものを、上下入れ変えたデザインになっている。三脚ヘッドに固定され、回転しない部分に角度を刻印する意味は、全く理解できない。

仮に、0度を基準に撮影者正面に固定したとしても、回転角度分だけ指標はズレていくのだから、角度を読み取るためには大きな視点の移動が伴う。指標の位置さえ自分の見やすいところで固定しておけば、一目瞭然であった従来型の仕様に比べると、いったい何のメリットがあるのだろうか。

ま、インデックスやスケールに関しては、従来より結構雑なメーカではある。だいたい、ボール雲台自体ヘッドの位置は自由に設定できるのだから、元々このインデックスにそれほど厳密なスケールとしての意味はないのだろう。

スケール以外で目立つのは、ノブのデザイン変更や製品型番の刻印省略などに限られる。製品仕様で確認できるのは、クランプが DDC-42 から DDC-42L とロングノブとなったことによる、わずかな重量増加程度で、これといった機構上の大きな改善点も見当たらない。

どう見ても、従来から行われていたバリエーションの追加程度でしかなく、新たな製品というより、単なる目先を変えるための、変更の為の変更にしか見えないのである。

以前、デザイナーが離脱したお家騒動の話もあったので、そのための意匠変更の可能性もある。将来的に、機能面も含むそのデザインの劣化が危惧される、という話も書いたように記憶しているが、そろそろその影響が出始めた可能性も否定できない。

製品名の付け方を見ても、いままでの法則とは多少異なり、そのあたりにもセンスの無さが窺える。(FB-36☞FB36II)

詳細については、そのうちに S.C.V. Photography Ideas あたりでも採上げられるだろう。現状では、その評価待ちというところだが、そういえば DDH-03i Panning Clamp の締付トルクが、以前のモデルより減少している問題も掲載されている。

新しけりゃ必ず良いとも限らないのは、サンウェイフォト製品だけでもないが、何かと購買欲を萎えさせモチベを下げる要因にもなり、まことに残念でならない。

今回の MBP Retina のアップデートを見ても、何か停滞を感じる所は多い。アップルが、一体いつまで惰行を続けるつもりか知らないが、少なくともコンピュータ関連では、停滞は則ち後退を表す。

したがって、余程の価格的なメリットでもない限り、旧製品を選択する意味はないが、ソフトウェアと同様にユーザの使い勝手に影響を及ぼす機材の場合は、そこに選択肢があるのなら積極的に選ぶのもひとつの方策であろう。

いずれ、現在販売されている旧製品も在庫が完売となれば、新しいバージョンに置き換えられるだろう。もし、以前の方が良いと感じるなら、早めに確保しておいた方が良いかもしれないな。


…ということで、来月もヒトツよろしく。
2014年07月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.07.31] 更新 〜より転載&加筆修正

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