2015年2月14日土曜日

2月の定点観測:2015

ヴァン・アレン帯とは、無関係なバレンタインデイ。

地球の磁場がどうなろうと知ったこっちゃないが、鼻血が出るほどチョコ食ってみたいとも思わないので、3連チャンで恒例の定点観測である。

定点観測の場合は、被写体に対してあまり期待はしないように努めている。もっとも、在るが侭を写すのが観測ならそれが当然だろう。辞書によると、「天候や自然現象の様相を見て測定すること」とか、「物事の様子をよく見て動きを推測すること」となっている。

工場施設を前景にして、ひたすら田圃や空模様の変化を撮っているだけで、別に何かを推測したり測定しているわけでもない。だが、機材の検証という側面においては、多少なりとも測定の範疇に入るのかもしれない。

また、希望的観測という言葉もあるくらいで、「そうあって欲しい」とか「そうだったらいいな」という希望に影響され、絵柄に「らしさ」を求めて同じ月でも何度か訪れたこともある。そんな意図的な微調整も含めるなら、「希望的定点観測」というのが正しい表現だ。

というわけで、定点観測:2015 というのも芸がないので、よっぽど今月からの標題はこれでいこうかとも思った。(またまた、思いつきだけで…)

だが、そんな悪足掻きも棚ボタ的な要素以外では、だいたい上手くいった試しはない。せいぜい季節感みたいなものが感じられたら、それでいいような気もしているので、絵柄に対してはそれ以上の要望というものはない。もちろん、写真的な失敗等についてはこの限りでないので、修正を施すぐらいなら撮直した方がマシとばかりに再度出掛けることもある。そんなところも、序でとはいえ定期的に訪れることが出来るメリットである。

工場という人工物が前景にあることで、主に天気によって大きく様相の変わる風景で、漠然と野山を写す場合とは少々異なる景観でもある。裏を返せば、似たような空模様なら、似たような絵柄になることも避けられない。

ま、去年のように雪でも積もらない限り、今回もおよそ2月らしい写真は撮れていないが、月末まで粘ったところでそんな保証はないし、機材ネタも思いついたので、今回は少し早めに公開することした。先月に続いて今月も機材関係のチェックを兼ねた、これも在るが侭で致し方なしのキリンビール2月号だ。

で、言い訳はこれぐらいにして、唐突に機材関係の話に入るのだが、現在使用している三脚のうち、簡単装備で出掛ける時は、主にトラベラーモデルのシルイ(SIRUI T-2204X)を持ち出すことが多い。

軽量・コンパクトであることを以て良しとしているシルイの場合、雲台も現有機器では最小最軽量 200g そこそこの自由雲台(Sunwayfoto FB-28i)との組合せで、重さはトータルでも 1.5kg 以下に収まっている。ただ、マンフロット(Manfrotto 190CXPRO3)には常設しているレベリングベースがないので、水平出しは少々面倒だ。自由雲台の場合は、ベースとトッププレートの関係も自由であるが故に、雲台のベースレベルで水平が出ている保証はない。

たいていは、足の長さや開き具合を適当に調節して、なんとかホットシュー上の気泡管が中央に来るように合わせる。センターポールにはジッツォの水準器(GITZO GLEVEL 2)を奢ってやっているが、取付誤差の調整もいい加減に済ましているので、こちらもあまり頼りになるとは言い難い。

特に、定点観測のようなお決まりの被写体に対して、メリル三姉妹を取っ換え引っ換え取り付ける場合、画角の違いからどうしてもアングルの微調整は必要になる。雲台ベースで絶対基準が確立されていれば、少なくともパン機能においては水平が崩れることはない。ティルトアングルに関しては2ウェイ雲台の使用が最も手っ取り早い解決策だが、制限された機能上どうしても例外処理には難がある。

そこで、マンフロットでは2台態勢の場合、もう一方には自由雲台(Sunwayfoto FB-36)を選択、そのトッププレートにパンニングクランプ(Sunwayfoto DDH-02i/03)を付けて対処していた。どう対処するかといえば、カメラ側に取付けたL型プレートの左サイドを使用して、自由雲台には縦位置のポジションでセットする。そして、自由雲台が唯一その自由度を制限される位置、すなわち90度ローテイトのための切り欠きに合わせて横90度へ倒すのである。パンベースで横方向のアングルが決まれば、あとはロックノブを少し緩めておけば、全く水平を崩すことなくティルトアングルの調整が可能になる。

この場合、切欠きの角度が、正確に90度で設計されている Sunwayfoto FB-36 のような自由雲台が必修になる。だが、必ずしもそのような設計になっていない製品(シルイの雲台とか)も存在することは、以前身をもって体験したこともあるので、どの製品にも通用する手段ではない。

ぶっちゃけ、Sunwayfoto FB-28i もこの点については怪しいのだが、逆にパンニングクランプがあれば、必ずしも直角に倒れる自由雲台でなくても可能だし、雲台ベースの水平もそれほど厳密に拘る必要はない。というか、円形水準器なしで全周に亘る水平を出すのは不可能に近いので、ホットシュー上の2ウェイ水準器でチャレンジすること自体不毛である。 [2015.02.16] 追記:補足

昨年来、Sunwayfoto FB-36 & DDH-02i の組合わせにより、主に DP1 Merrill 専用ポジションとしてその役割を担っていたのだが、想定していた例外対処の頻度が極めて少ないことが判明したのである。

要するに、2台態勢の場合の自由雲台側は、ほぼ DP1 Merrill 専用になる。正規の横位置のままでもアングル自体を変更することが少ないので、パンニングクランプは必ずしも必要ない。(キッチリ直角に倒れるなら、自由雲台の機能だけでも事足りるのだ)

一方、フルセットで持ち出した場合、シルイの三脚はほとんど DP2 Merrill 専用になっているが、簡単装備の場合は画角の異なるカメラが、一つの雲台上のポジションを奪い合うことになる。となれば、レベリングベースによる絶対基準を設定できない、裏を返せば自由度が高いことにより、一時的にその自由度を制限したい、シルイの三脚にあった方が使い勝手が良かろうと判断した。

もともと、このような使い方をしたいが為に自由雲台(Sunwayfoto FB-36)の追加導入をしたのだが、原付撮影行でもない限りメリル三姉妹に対して三脚を一本だけという組合わせがあまりなかったのが、その導入経緯を忘れさせていた。

しかし、前回の因美線のように、悪天候では仮にフルセットを持参しても、三脚を2本立てで使用することは少ない。どうしても、車から離れて撮影ポジションを探す場合などは、小型軽量なシルイのトラベラーにお鉢が回ることが多い。同じ被写体に対して、カメラを交換することも何度かあったので、アングルの変更の度に微調整を繰り返すのがわりと面倒に感じたのである。

今回の定点観測では、あえてシルイ一本の場合を想定したテストも兼ねてみた結果、Sunwayfoto PML-DP を取付けている DP1Merrill と DP3 Merrill  では、概ね期待通りの良好な感触を得た。

だが、DP2 Merrill に付けているカメラグリップ(LB-DPXM)に関して、懸案のL型プレートのサイズに関する互換性のなさ以上に、縦位置で左サイドを使用した場合の精度の悪さという、デメリットをいっそう明確させる結果となった。

これは、まことに遺憾であり、まったくもってイカンのである。さてどうしてやろうか、…。

しかし、3連チャンは疲れるなあ。



…ということで、ヒトツよろしく。
2015年02月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.02.14] 2月の定点観測:2015 〜より転載&加筆修正

0 件のコメント:

コメントを投稿