2015年1月10日土曜日

寄席観ての存在価値

•OS X 10.10.1(14B25)

前回に引続き、アップルネタである。

年始から、ヨセミテに対する不満をブチ撒けて始まった 2015年だ。

実際、そんなに気に入らなきゃ卓袱台ひっくり返すなり、ダウングレードするなりの善後策を取ればいいわけで、何の影響力も無い、いちユーザがこんな所で四の五の言っても仕方がないのである。

だが仕事柄、好むと好まざるとにかかわらず、OS X の最新版は常に使用していなければならない立場にあったりする。

したがって、たまにストレス解消を兼ねてここでぶっちゃけとけば、多少はスッキリすることもあるし、どうせひっくり返した卓袱台は自分で片づけなければならない立場でもあるのだから、良い所も探す努力を怠ってはなるまい。

で、事あるごとにボロクソに書いてきたオーエス・テンテンテンも、少しだけ擁護しておこう。

テキストエディットを起動した時、あの鬱陶しい書類を選択する画面を経由することなく、新規書類が開くようになった。以上。

…と、まあこれだけで終っては身も蓋もないので、もうひとつだけ。


それは、ファインダに標準で装備されたファイルのリネームおよびリナンバリング機能である。

従来、“R-Name” というドネーションウェアというか、パブドメみたいなアプリを好んで使用していた。

大量の画像や書類のファイル名を一括で変更したり、任意の順序に並ぶように連番ファイル名にすることができるソフトだ。書籍や書類の電子化を行う場合には重宝するので、自炊ユーザには欠かせない機能であろう。

ただし、2003年からバージョンアップは停止しており、PPC アプリケーションであることから、OS X Lion (10.7.x) 以降は使用できなくなっていた。

その後、いろいろと探し回ってみたものの、残念ながら Universal アプリではこれに匹敵するような、使い勝手の良いモノは発見できなかった。

一時は、Photoshop Elements 8 をインストールしたら勝手に入ってくる Adobe Bridge の「ファイル名をバッチで変更…」という機能も使用していた。

しかし、たかがリネーマごときに、あまりにも大仰なインターフェイスである。その他の全く使わない機能で、テンコ盛りなアプリをいちいち起動するのもどうかと思う。その割には、修正後の確認もできないなど、イマイチ感が募っていた。

たががリネーマと言ってしまったものの、されどリネーマなんである。

で、やむなく、わざわざスノレパをインストールした旧型 MacBook を一台用意して、つい最近まではローカルネットによる画面共有で “R-Name” を使用するという、見方によっては遙かに面倒な手順を経由してまで使っていたのだ。

ただ、サポート業務の関係で、スノレパ(10.6.8)とマウンテンライオン(10.8.5)に関しては、常時アクセス可能な状態にしておく必要もあったので、序でといえば序でであったのだが、…。

画面を操作する MacBook 側のデスクトップに、メイン機である Mac mini で共有した、作業用フォルダのエイリアスを作っておけば、一発でマウント可能だし、“R-Name” の画面上に一括ドラッグするだけで事足りる。

慣れればさほど手間な作業ではないが、最新の OS X 環境を使用していながら、三世代以上前の機種とその機能に頼らざるを得ないこと自体、まことに情けないことである。

ヨセミテのファインダには、マウスの右クリまたは、CTRL+クリックで表示されるコンテキストメニュー内に、「〜項目の名前を変更…」という機能がある。

その機能とは、「テキストを置き換える/テキストを追加/フォーマット」の三点のみであり、使用法もいたってシンプルだ。

対象となるファイルを選択し、リスト表示で連番ファイルにしたい順番を選択した上で、この機能を選ぶと設定画面が表示される。

単純な連番ファイルなら、名前のフォーマット欄で「名前とカウンタ」を選択、カスタムフォーマットの欄にファイル名、カウンタの数字を付加する場所を選んで、開始番号を指定すれば良い。

例として、ファイル名と番号の組合せが下段に表示されるので、問題がなければ「名前を変更」ボタンをクリックするだけだ。デフォルトでは、五桁の数字が固定フォーマットとして設定されて、桁数の変更などあまり凝ったことは出来ない。

通常、千枚以下の書類なら三桁もあれば事足りるのだが、桁数程度なら「テキストを置き換える」機能を使えば、いとも簡単に変更できる。専用ソフトでもないファインダの一機能に、あまり多くを望まない方がよかろう。

例えば、Books-00001.jpg 〜 Books-00224.jpg というファイルの場合、置き換え機能で “-00” を “-” に変更すれば、ゼロを2つ減らして三桁にすることも可能だし、別の文字列に置き換えもできる。

“R-Name” のように、変更後の確認機能はないが、間違えたらすかさずコマンド+Z、アンドゥ機能でやり直しもできる。この辺りは、OS X の基本機能で連携可能になっており、どこぞのデキの悪い他社製のアプリにありがちな、目が点になるようなことは少ない。

※注:SIGMA SPP 6 など、現像ウィンドウの編集メニューには、コピペの機能さえ無い。やむなく右クリを使っているが、基本的なショートカットも使えないようなアプリなど、Mac ユーザとしてはアホかと言いたくなる。(暗に、皮肉るだけに留めておこうかとも思ったが、あえてここでバラシおく)

このような、シンプルな機能を組合せ、自分なりに工夫していく方が使い勝手も良いと思うし、ファイル名の変更程度なら簡単に使えることこそが最重要課題だろう。

前述のテキストエディット起動時の動作のように、新規書類が開くだけで、使い勝手は大きく違ってくる。もちろん、書類を選択して開けば、その白紙と置き換わるので面倒もない。

標準のメモアプリが、リッチテキストデフォの呆れたバカ野郎なために、プレーンなテキストをメモ代わりに使っている身にとっては、こんなちょっとしたことが、指先に刺さった棘のように気になるのである。

何かとあちこち棘だらけな OS X 10.10 であるが、多少の進歩もしていることも、紛れもない事実ではある。

これ以外にも、ウィンドウを全て閉じた状態でファインダアイコンをクリックすると、良く使うタブグループが表示される機能など、マーヴェリックス以降では改善点も少なくない。(たぶん)

ま、このあたりがブツブツ文句を言いながらも、毎回アップデートを行って使い続けている理由であり、ヨセミテにして良かったことなど全く無いわ、とも言い切れない今日この頃。

ただ、現在の開発陣、こんな細かい配慮もやれば出来るのに、全般的に見てどうしてこんなロクでもない OS にしか仕上げられないのか、甚だ疑問に感じるところでもある。

連絡先のメモ欄における、テキスト編集に関するバグなど、Spotlight の怪しい挙動と並んで、何時まで経っても修正されることもなく、新しい、そしてまともに機能しないモノばかりが増え続けている。

それまであった機能を隠してまで、新しい機能を押付ける傲慢さは、ユーザ体験を完全に無視したものだ。旧来からのユーザにとっては理解し難い無神経さであるが、すでにアップルのお家芸のようになって久しい。

裸の王様アップルが、いったいいつそのことに気づくのかわからないが、当分はそんな愚かなことが繰返されるだろう。

願わくば、メジャーアップデートは3〜4年に一回ぐらいにして、折角搭載した機能がちゃんと動くように磨いていくことに注力して頂きたいものだ。


…ということで、ヒトツよろしく。
2015年01月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2015.01.10] 寄席観ての存在価値 〜より転載&加筆修正
なお、本家には図表と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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