2014年5月7日水曜日

5月の定点観測

この連休中の後半は、風邪をひいて寝込んでいたので、何処にも行けなかった。

外は天気が良いのに、寝ていなければならないのは、何か損をしたような気分になるが、外出もせず篭っていたおかげで現像作業は捗ったのも事実である。

前回の「鉄撮りの練習:其の七」の写真に対するコメントは、大半が布団の中で iPhone と iPad によって書いたものであり、そんなことをしているから回復が遅れたのかもしれない。

この定点観測の写真を撮った2日あたりには、すでにおかしくなっており、鼻水を啜りながらの撮影である。

ま、それでもこの日は好天に恵まれ、スカッと晴れた気持ちの良い一日であったので、キリンビール5月号だ。

かつて、アウトドアに嵌まりかけていた時、四駆のワンボックスにキャンプ用品を満載して、あちこちのオートキャンプ場を巡っていたこともある。

巨大なクーラーボックスに食材を詰込んで、テントやタープに留まらず、イスやテーブルはもちろんのこと、果てはキッチンセットまで持込んでしまう。

いったい、山の中で何をしたいのだろうと疑問を抱くこともあったが、子供達も小さかったこともあり、三家族ぐらいまとめて、とにかく大勢でワイワイガヤガヤやっていれば、それで良かったんである。

たまに、一人で出掛けることもあったが、なにせ当時のデカイ車で行くものだから、装備も必要最小限とは言えない大層なモノになりがちであった。

車中泊も可能な車ではあったが、それでは気分も盛り上がらないので、あえてテントを張っていたが、4人用のテントを一人で独占できるという快感はあるものの、撤収時のことを考えると帰り際には憂鬱になる。

買い揃えた装備も、その多くはたんだん使用頻度は下がってしまい、今では倉庫の肥やしとなっている。

そんなキャンプ用品の中でも、未だに使っているのはキャプテンチェアと呼ばれる、アルミパイプのデカイ椅子ぐらいだ。

以前にも、その収納性に惹かれてコンパクトな椅子を買ってみたこともあるが、あまりにも強度が不足しており、2〜3回の使用で崩壊してしまった。(昨年十月頃の「理想の三階建て?」を参照)

また、いくら小さい方が良いといっても、ある程度は座面の高さがないとテーブルとの相性も悪い。その点、キャプテンチェアは強度も十分な上に、ピンと張った座面もそこそこに高く、座り心地も悪くない。

ただ、座面と背もたれの関係がダイニングチェア的なポジションなので、テーブルについて食事などをするには良いのだが、リラックスしてゆったりと寛ぐには少々姿勢が良すぎるのが難点である。

横幅が広いので窮屈な感じもなく、これはこれで使いではあるのだが、その分収納性が犠牲になる。で、さすがにミニのトランクには収まらないので、後席に積んでいる。

トランク内には、ミニのトランクドアに合わせた専用(?)の木製テーブルを常備している。椅子さえあれば、何処でもリラックスできるスペースは確保できるので、最近の撮影行には欠かせない存在となっている。

だが、三脚などの撮影機材も増えてくると、けっこう邪魔になってくる。もう少し小さな物、せめてミニのトランク内に収まるサイズの物はないかと、ホームセンターのキャンプ用品売り場を物色してみた。

また、前回の崩壊に至った原因は、もっとも荷重の掛かる脚部の四隅が、いかにも弱そうなプラ製の部品で繋がれた構造であったことにあり、この点もキャプテンチェアのような金属パイプのアールで構成された物でなければなるまいと考えていた。

今回は多少値が張っても、その辺りの妥協点をより高めに設定していた。そんな理想を掲げて、某ホームセンター訪れたのだが、…。

幸いにも、店頭で畳んだ状態と設置状態の両方が確認できるようになっており、実際に座ってみることも出来た。5〜6千円クラスには、キャプテンチェア並と思われるモノも在るには在るが、収納性も同等では新たに買い足す意味はない。

そんな数多ある製品群の中で、キャプテンチェアよりサイズは小さいが、パイプはそれほど細くない製品に座ってみる。背もたれが少し寝ているので、リラックスはできそうだ。

付属ケース(ただの袋だが)に収まった状態で、目の前に山積みになっている在庫品を見れば、ぎりぎりトランクには入りそうだ。

だが、あまり座り心地も良くない上に、脚部は例によってプラスチック部品で繋がれているので、これは却下だなと考えて別の製品に移ろうとした時、その商品にぶら下がっている値札が目に入った。

そこに表示された価格は、多少の不満など吹っ飛んでしまい四の五の文句を言わせない、圧倒的な価格である。

なになに、なんかの間違いだろう。七百六十…、いや、千七百幾らのミスプリか?

いくら税抜きとはいえ、このサイズの椅子が七百円台とは驚いたものである。

製造はもちろんのこと流通コストまで考えたら、店頭に展示スペースまでとって、こんなモノを売る意味があるのか甚だ疑問である。仮に、仕入金額がゼロであっても、純利益は高が知れているのだが、もちろん仕入がタダなわけはない。(限りなく、タダには近いのだろうが)

当然のことながら、製造元は中華ではある。だが、商品タグを見れば「山善」の名が見て取れる。ヤマゼンといえば、ホームセンター商品群の中では、アイリスオーヤマ、コイズミ、フナイ、モリタなどと並ぶ、一応名の通った一流ブランドだ。(ほんまかいな?)

鉄ちん時代には、照明器具やら扇風機などで、何かと世話になった覚えもあるし、モノによっては、当時のシャープやサンヨーなどより、長生きした製品もある。

で、結局掲げた高い理想は、いとも簡単に降ろされたのだ。

このような、製品に対する価値観を根底から覆し、流通コストの概念までも舐めきった、まことにケシカラン価格の商品とは、いったいどういうモノなのか、身をもって体験することにしたのである。

ま、いったい何時まで使えるモノやら、全く分からんけどね。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年05月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.05.07] 5月の定点観測 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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