2014年5月31日土曜日

懐かしい機関車

いつものことではあるが、新しい機材が手に入った途端に、不思議とそれを使うチャンスがなくなってしまう。

雑用に追われたり、想定外の問題(というほどのモノでもない)が発生したりで、今月の後半は全くといって良いほど、機材以外の写真が撮れていない。

前回は、機材関係の標題で始めたのだが、その物撮りと検証を兼ねた撮影で、随分懐かしい釜と遭遇した。

懐かしさのあまり、つい三脚のオマケ話として入れてみたのだが、機材とは直接の絡みもないし、それが邪魔になってもまずかろうと考えて、新たにメインとして差替えてみたのである。

もちろん、写真が撮れていないせいで少々ネタに窮した、という裏事情がないわけでもない。

細かいことを言えば、DP2 Merrill による特急はシルイの三脚と FB-36 の組合せだが、こちらはマンフロットと DT-02 の組合せによるモノである。よって今回の写真には、新規導入の機材は一切関係していない。

冒頭のディーゼル機関車がその写真だが、流し撮りの練習など行っている最中にやって来たところを、パンニングしながら3連写した、その2枚目である。

絵的にマシな3枚目をメインに据えてみたものの、写真的にはイマイチ感が漂う。それをハッキリさせるためにも、その経緯を全部晒してしまえ、と考えた懐かしい機関車 DE10 である。

まだ準備も出来ていないところに、突然やって来たものだから、設定はオートブラケットのままだし、絞りも開放でさえ時間的には無理がある明るさになっている。

直前の DP2 Merrill による、特急スーパーいなばの練習ショットから、本来ならば前回の吉備線のように ND フィルタをかけ、それほど絞込まなくても済むようにと、流し撮りのことしか頭になかった。

ま、そんな悠長なことを考えている時に限って、シャッターチャンスというのは訪れるものであり、テスト撮影、機材撮影とはいえカメラを持ったら最後、決して気を抜いてはならぬという教訓になったのである。

ネットの情報によるとこの機関車、DE10-1151 と共に 岡山機関区から電車区に配置替えとなった DE10-1147 である。

なにせ、古い記憶なので勘違いの可能性は否定できないが、川崎重工業製のこの車両、機関区時代(1980-1985頃)には何度か、仕業検査で検修作業を行ったことがあるように思う。

昔のアルバムも探してみたが、残念ながらこの釜が写っている写真は見つからなかったので確証はない。当時の岡山機関区に所属していた機関車も、JRF 移行後に余剰車両として処分されたり、大半は既に廃車になってしまったものが多いと聞く。

記録によると1971年製なので、当時はまだ新しい釜であったはずである。よもやそれが30年後に、このようなピカピカの台車を伴って目の前に現われようとは、予想もしていなかった。

テスト撮影のつもりで、たまたま通りかかったところを撮ろうとしたのだが、まるでタイムワープでもしたような錯覚を起こして、一瞬手が止まってしまった。

おかげで、いつものシャッタータイミングより遅く、ジャストな位置で捉えることができたのだろうと思う。(ただし、後ピンだ)

ちなみに、構内の入替え用機関車 DE11 と同じような形態ではあるが、DE10 は2端側に暖房用SGも搭載しており、本線用も兼ねている。(DE11 の2端側は錘が入っている)

そのため、手前運転台にはまるで機関士が乗っていないかのように見えるが、実は反対側にも運転台があり、窓側に背を向けて横を向いたまま操作する。実際に、機関士の評判は聞いた事がないのであくまでも想像だが、長時間はキツそうな構造でもある。

1,100ps の機関(DML61Z)が2機搭載された、本線専用の DD51 と異なり、機関は1端側(長い方)に1基のみ搭載される。

だが、より強力な DML61ZA形(1,250ps/1,500rpm)、1000番台以降の DE10-1147 に搭載されているのは、その出力増強形の DML61ZB形(1,350ps/1,500rpm)である。

入替え作業を終えた DE10/DE11 が仕業検査に入ってくると、合計20個もある制輪子(ブレーキシューみたいなものだが、要するに鉄の塊だ)は、たいていペラペラに消耗しており、交換要員である検修係としては、あまりお近づきになりたくない釜でもあった。

しかし、その機関車がまだ現役で頑張っている姿を見ると、なにやら嬉しくなってしまう不思議な感覚である。


…ということで、来月もヒトツよろしく。

2014年05月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.05.31] 懐かしい機関車 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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