2014年6月12日木曜日

6月の定点観測

雨とともに、懸案の原付撮影行計画も流れっぱなしである。

梅雨入り宣言した途端に晴天が続く、というパターンも期待したのだが、気象庁もそう都合よく外してはくれない。

さすがに、合羽や防水ジャケットまでも写真機材と見なして、導入計画を立てるほどには気合いも入らない。

今暫くは従来通り、ついでのついでによる行き掛かり上の成り行き任せに頼ることにして、キリンビール6月号だ。

ところで、X-Day はどうやら 6月27日らしい。<dp2Q>

今月に入ってから、何度か訪れたビール工場だが、梅雨なら梅雨で6月らしく雨の風景も一興と考えて、あえて天気の悪そうな日を選んでみた。

初回は、出掛ける前はどんより曇っていたが、一仕事済ませて現地に向かう途中から泣き出したのである。長船方面より、備前大橋を渡った頃からは本降りになってきたので、シメシメこれならそれらしい絵になりそうだと、内心喜んでいた。

ところが、現地到着と同時にピタッと止んだかと思うと、東の空には一部青空も覗く始末であり、我ながら晴れ男ぶりにも困ったものである。

それでも、雲の動きは速いので暫く様子を見ることにした。程なく、小雨もぱらつきだしたが、この日は、端っから雨を想定して営業車で訪れたので、例によってテールゲート越しの撮影だ。

一応、機材チェックも兼ねてフルセットを持込んだのだが、狭い車内で三脚2本を展開するのはひと苦労であり、なるべくいつものアングルに近づけようとはするが、なかなか思うようにはならない。

特に広角の DP1M では、その画角をカバーしようとすれば、どうしても車外にカメラを出さないことには、リヤゲートの開口部をフレームアウト出来ない。

しかたがないので、マンフロットのセンターポールを横に展開して極力外に出してみる。だが、シルイのように末端にフックも装備されていないので、カウンターウェイトを吊り下げることも出来ず、片手で押えたままのいささか無理な体勢である。

いつも通りの、2秒タイマーによるオートブラケットで撮ってみるのだが、どうしても押えている手の震えが伝わってしまう。これぢゃ三脚使っている意味ね〜、という状態になりがちな上に、斜め横からの液晶画面による確認では、細かいアングルや水平の調整もままならない。

終いには小雨が降りしきる中、車外へ出て悪戦苦闘を始めた。三脚の脚1本だけ外に設置し、カメラだけはテールゲート下に位置するような、折衷案で凌ごうという姑息な手段である。

DP2M/DP3M では何とかなるが、DP1M の画角では左右は確保できるが、今度は上下方向が厳しい。

そうこうしているうちに、俄に暗雲が立ちこめてあたりは一気に暗くなり、激しい土砂降りとなった。 f5.6 では、もう苦しい明るさになる。

慌てて、我が身もテールゲート下に潜り込もうとするが、風も出てきて横殴り状態になり、カメラにも猛烈な飛沫がかかってくる。

とりあえず、カメラにはタオルなど被せながら、いっそ、雨でも写りはしまいかと、プラス補正をかけてスローシャッターにしてみる。結果的には普通に撮った方がよかったりで、こと DP1M に関しては、余計なことを考えずお任せした方が、良さそうである。

何れにしても、画質は期待できそうにないことは、撮影時点でも予想していた。だが、結果はそれ以前のイマイチさで、テールゲートでケラレていることにも気付かなかったという、お粗末である。

最終的に、初日の DP1M によるマトモな絵になっているモノは皆無で、失敗写真の乱造に終始してしまった。

いくらなんでも、これで6月号で御座いはまずかろうと思い、後日リターンマッチに再度出向いた。

二回目となるこの日は、客先ヘ回る前の比較的早い時間に立ち寄ってみた。ご当地では、運良く田植えが始まっており、なんとか季節感のある絵が撮れそうな気がした。

工場前の田んぼにも、水が張られて水面にはキリンの赤い看板とタンクも映り込んでいる。コイツは、何とか絵にしたいものだと、いつも以上に粘ってみたが、なかなか風の止んだ瞬間を捉えるのは難しく、鏡のような反射にはなってくれない。

撮影前、頭の中に浮かんだ妄想イメージは、かつて見た(もちろん写真ね)東南アジアのどこかの、差詰めタイかベトナムあたりの農村の風景であり、葉笠(ノンラー?)を被った農民と牛の2ショットだ。

しかし、ここはメコン川ではなく、吉井川である。岡山の田んぼで、いったい何を期待しているのだろう。

近代農家のご多分に漏れず、機械化された田植機とトラクタが今や必修であり、そのおかげで国産米が食えるご時世である。

昨年の田植え以来、久々の出動に不調な機械もあったのだろう。あぜ道では、イセキの軽トラックも忙しそうに走り回っており、あちこちでメンテナンス作業と思しき光景も目にする。

この日だけで、DPM 3台合わせて、およそ 250 ショット近く撮影したのだが、残念ながら、妄想のような期待通りの絵にはならなかったのである。(あたりまえだ)

2時間以上粘ってみたが、気がつけば次の予定時刻もとうに過ぎており、後ろ髪を引かれる思いで現場を後にした。

実際には、その間の日にも訪れていたのだが、当日は曇天ながらも時折晴れ間も覗く半端な空模様に、あまりにも梅雨らしくない絵にしかならないと思って、あえて撮影はしなかった。

季節柄、日の出の時間も早くなり、そろそろサンライズエクスプレスのリベンジもやっておかねばなるまいと、その日は早朝より出張って、そのまま熊山〜和気間の線路脇に直行したのだが、…。

ま、そのへんの事情は次回以降、小出しにしながら、間を持たせようなどと考えているのだ。果たして、前回の冒頭写真の謎が明らかになるのか、乞うご期待である。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年06月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.06.12] 6月の定点観測 〜より転載&加筆修正

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