当初 DDH-02i をパンベースとしていたが、やはり DT-02 のトッププレートに戻し、汎用性の高い DDH-03 をフリーにしておいた方が、何かと都合がよい。
機能の点だけで見れば、DDH-02/03 シリーズのパンニングクランプでもなんら問題はないが、レベリングベースのトップ(約66mm)にチョコンと貼り付いているのは、あまりバランスが良いとはいえない。
実用面では失敗には終わったものの、円形クランプの 64mm シリーズとの組合せは、たいへんシックリくるものがあった。
その DDY-64i に変わって、レベリングベースに載ることになったインデックス・ローテイタ(Sunwayfoto DDP-64M)である。
型番から分かるように外径も DDY-64i と同じ 64mm、スペック上の耐荷重は10kg だ。
姉妹品の DDP-64S の方が価格的にも若干安く、高さも2センチほど薄くコンパクトだが、耐荷重は 6〜8kg となり、トップに独立したパン機能を持たないのでパンベースとしての使い勝手に不安があった。
しかし、制御ノブを差さない状態でパンロックを開放すれば、その機能は実現できるので、単なるパンベースとしてならこちらでも良かったのだ。ただ、そのことに気が付いたのは、購入後その機能を精査してからのことであり、後の祭りである。
ちなみに、あの小さな DDH-02/03 シリーズの耐荷重は、俄に信じ難いのだが、それぞれ 18kg と 20 kg であるから、相当な強度を持っているのだろう。
土台となるレベリングベース DYH-66i、トッププレートとして DDY-64i を取付けた出立ちは、なによりも据わりが良い。やはり、このために設計されたことが実感できる。
三階建てを遙かに越え、高層建築になってしまった感はあるが、個人的に外観上の善し悪しは、意外と優先順位が高い。
当面は、パンニングベースとして使う予定であり、その本来の役割であるはずのローテイタの機能はもう少し研究してから、ということにした。
ただ、基本的な機能は知っておくべきだろうと思い、いろいろつつき回している内に何となく分かったような気がしている。
円筒形の本体両サイドには、まるで埴輪の腕のようにも見えるパンロックと思しきレバーがあって、紛失防止のワイヤーでパンロックノブと繋がれた制御ノブがぶら下がる。複雑怪奇な面容のインデックス設定部分には、なにやらごちゃごちゃと数字が書かれた多くの穴があいている。
その数字を見ると、5°-72 10°-36 15°-24 20°-18 24°-15 30°-12 36°-10 45°-8 60°-6 90°-4 となっている。どうやら角度とそのステップ数で、両方を掛け合わせるとすべて 360°、つまり円周となることから、一周を何段階で刻むのかを設定するようだ。
試しに、制御ノブを 45°-8 に締込んでトップのパンをロック、ローテイションロックを開放して回転してみる。なるほど、45°毎にカチカチとクリック感を伴った抵抗がある。最少角度の 5°-72 では、ベース部分に書き込まれた 5° 単位の線のところで、キッチリ止めることができる。
それぞれの穴は2段で構成されており、微妙に下方に向かってずれている。覗いてみると内側のドラムの表面に、ドリルで浅く掘ったような窪みがついている。ここに制御ノブの先端が嵌り込んで、クリック感を実現しているようだ。
バラしてみた訳ではないが、内側のドラムはそれ自体がスプリングのようなもので中心軸からフロートされているようだ。それにより、制御ノブが浅い窪みに嵌り込んでも、固着することなく回転を続けられるようになっている。
電子機器ばかりが持て囃されるこの時代において、機械的な精度だけで勝負しようという、たいへん前時代的なメカニズムだ。なるほどなるほど、と見ているだけでも結構楽しめるが、最近の中華製品のモノ作りには、感心するばかりだ。
ただ、機構上仕方のないことなのかもしれないが、左右のパンロックは内部で完全に切り離されていないようだ。片方を完全に締込んでも、もう一方を緩めると全体のロックが緩んだ状態に戻り、追い締めが必要になる点がイマイチである。
マニュアル(というほどのものは付属していない)には明記されていないので、あくまでも想像だが、ロック/アンロックは両方同時にバランスを取りながらやっていくのが、正しい使い方のような気がする。
要するに、使用者が微妙なさじ加減で上手く使いこなすことを求められる、その点においてもミニと共通する前時代的な機械であり、個人的にこういうモノは嫌いではない。
パノラマ写真にはさほど興味がない、はずだったのだが、ここまでお膳立てが出来てしまえば、おのずと興味も湧いてくるというものだ。
というのも、実はサンウェイフォト製品に興味を持ち始めたキッカケとなった製品写真が、SUNWAYFOTO Fluid Pantoscopic Panoramic Pano-3 Modular Versatile Head という長い名前のパノラマセットだった。
そこには雲台の類いは一切なく、レールとクランプ、それになにやら見慣れぬ怪しげな台座のみで構成されたセットであり、素人の目からはおよそ工事現場のクレーンにしか見えない。いったい、こんなもので何をしようというのだろうという、半ば笑ってしまうような異様な外観である。
ところがふと気がつけば、なんと後レールを2本程度追加するだけで、件のシステムと同等のモノができ上がってしまうところまで、深みにハマっていたのだ。(DMP-200 & DMC-200)これはもうパノラマも逝ってみるしかあるまいと、いろいろと調査だけはしている次第である。
実際ノーダルポイントが何なのかも知らないような輩が、パノラマ撮影などおこがましいのであるが、なんでも初めてはあるもので、始めてみないと始まらない。
もはや、完全に目的と手段が入れ替わっていることに、気付いていないわけではない。だが、道具から入るというアプローチもなかなか楽しいわけで、いやはや困ったものだ。
ま、本格的なパノラマ撮影はもう少し先になるかと思われるが、当面はパンニングベースとして使いながらの使用感なども含めて、次回以降のネタとしてみようと思う。
…ということで、ヒトツよろしく。
2013年10月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2013.10.20] インデックス・ローテイタ 〜より転載&加筆修正
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