生山から先の国道は、けっこうややこしく入り乱れており、このあたりは何度来ても道に迷いそうになる。
県道8号線から、最初に合流するのは国道183号線である。だが、暫く行くと三差路に出会し、その両方向が国道180号線となっている。
その付近にある道路標識には、左は松江・米子(国道180号)、右は鳥取・根雨(国道180号)とあり、まるで米子は島根県であるかのような表記にも見える。
ま、実際感覚としては、それほど間違ってもいないような気もするのだが、厳密には米子は鳥取県である。(いやいや、厳密でなくても鳥取県だろう)
それよりも、今まで走ってきた国道183号線はいったいどうなるんだ、という疑問がここで湧いてくる。
おそらく、どちらかの道の下に埋っているはずなんだが、その表記を見る限り判別は出来ない。
本来、183号線は広島市と米子市を結ぶ国道である。
だが、そのほとんどの区間で国道54号・国道180号・国道181号などと重複している。単独では、広島県三次市から、鳥取県日野郡日野町までしか表記されていない国道である。(らしい)
仮に、鳥取・根雨方面を選択して右折しても、根雨の手前あたりからは国道180号線でさえ、いつのまにか国道181号線に化けてしまう。
目ざとく、国道180号線に拘っていると、一生かけても米子には到達できない。なぜなら、岡山方面に戻ってしまうからだ。
根雨手前にある、T字路での表記はもっとややこしい。
左方向は国道181号線だが、今度は鳥取・米子と記され、岡山・津山となっている右方向などは国道180・181号線と、いったいどっちなんだと言いたくなる。
要するに、南の新見方面から来た国道180号線と、東の津山方面から来た国道181号は、根雨付近でほんの1km弱重なってもすぐに別れる。
生山近くまでわざわざ南下し、国道183号線を呑み込んだ挙句に米子の西側へ向かう国道180号線と、そのまま北へ米子の中心部に向かう国道181号線は、結局どちらの道を選んでも、米子に出ることに変わりはない。
前述の三差路も、実際はT字路と見るべきなんだろう。
いずれにしても、このあたりの道は全て米子に繋がっている、といっても過言ではない。したがって、標識には鳥取と表記されていても、とりあえず国道9号線に出ないことには、鳥取方面へ行くことは出来ない。
それは、国道482号線であろうが、国道313号線であろうが、国道179号線であろうが、全ては同じ経路を辿ることになるのだ。…国道ネタな余談である。
生山から、上菅、黒坂、根雨と、そんな国道180号線を経由して国道181号線に入る。武庫、江尾、伯耆溝口と辿り、岸本あたりから伯備線は、伯耆大山駅へ向かって国道から離れていく。
伯耆溝口を過ぎたところには、長編成の貨物列車などにお誂向きな長い直線区間もあって、撮り鉄には有名な撮影ポイントとなっているらしい。
また、前回の上菅、黒坂あたりから武庫までは、伯備線が東に向かっている。早朝でも、前面が陰にならないポイントもありそうだが、よほど気合いの入った時でないと、おいそれとは訪れる気にもなれない距離である。
いっそ、玉造温泉にでも浸かってのんびりとカニでも食いながら、宍道湖バックで狙う方が楽チンだろうなあ、などと夢見がちな妄想を抱きながら、日野川に沿って米子市内に入って行ったのである。
河口付近まで北上すると、おもむろに工場マニアの目を引く景観が現われる。王子製紙の米子工場である。
北側から、工場を眺めながら例によってコンビニ弁当の昼食を済ませる。なんと、鳥取県にはセブンイレブンが一軒もないというのは、その日まで知らなかった。
そのかわりに、これでもかというほどにローソンが林立しており、珈琲に拘らなければそれほど不便はない環境である。が、拘るので結構不便な思いをしたのも事実である。
しかし、街の中心部に近い場所でありながら、やたらに空が広い。回復した天候も相まって、山陰地方を訪れるたびに感じる清々しさは格別だ。
お目当ての大山には、もう何度も振られ続けているが、おのれいつかはモノにしてやろうぞ、と決意も新たにしたのである。
王子製紙をしこたま撮った後は、山陰本線日野川橋梁を狙ってみることにした。
今では、車両通行止めとなっているのをいいことに、なにやら由緒ありげな「ひのはし」の袂に陣取ってみる。
日野橋の詳細については、各自適当にググってもらうとして、天気にも恵まれた土曜日である。
日野川橋梁付近には、ご同輩と思しき人の姿も見えたので、あえて離れて臨むことにしたのだが、もう少し長い玉でもないと、ちと苦しい気もする距離ではあるな。
特急スーパーまつかぜなどを何枚か撮ってみたが、基本的にスーパーいなばと同様、後藤総合車両所に所属するキハ187系である。
このスーパーまつかぜ、500番台のスーパーいなばとの違いは、遠目からは乗降口の位置程度でしかないので、よほど目を凝らして見なけりゃ区別はつかない。
製造会社は、新潟鐵工所または日本車輌製造なのかとか、円錐積層ゴム式の制御振子ボルスタレス台車の形式が異なるだろう、などというツッコミはこの際無しね。
当方のようなヌルい鉄オタからすれば、それがどうしたというレベルでしかないので、ここではその詳細については割愛しよう。
この後、芸備線方面も帰りがけの駄賃と考えていたので、15時を過ぎた頃には米子を後にした。
備後落合方面を目指して、国道180号線を南下し、国道183号線から小奴可、野馳駅あたりを回るつもりだったのだが、多少の紆余曲折もあったりした。
そのへんの事情は、またまた次回以降、準備出来次第。
…ということで、次回もヒトツよろしく。
2014年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan
http://www.hexagon-tech.com/
[2014.09.21] 米子と山陰本線など 〜より転載&加筆修正
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