2014年9月23日火曜日

プチ芸備線

米子から帰りがけの駄賃、芸備線である。

標題にするのも痴がましいほど、濃い目な内容は無い。

それはもう、薄過ぎて芸備線に申し訳ないぐらいである。あくまでもプチであり、何だったらほんの芸備線でも、ちょっと芸備線でも良かったのだ。

ほとんどその場のノリで巡っているに過ぎない、鉄道ワサビシリーズである。

これで、やっと溜まっていた先月分が全て消化できるのだが、あまり短期間に気張っても、後々にしわ寄せがくるだけということが、よおくわかった八月でもあった。

そのせいか、折角気候も良くなった九月はさっぱりで、見事に外してしまった感は否めない。

これも巡り合わせと諦めているが、さて十月分のネタはどうしたものかな。


米子市街を出て、法勝寺川という日野川の支流に沿った県道244号線を南下した。

国道180号線へ出るには、最も手っ取り早いと思われたので、 iPhone のナビに従ったのだが、専用機と違って最近できた新しい道には、どうも対応が怪しい。

今では旧道となっている方へ案内されることも何度かあり、実用面では画面サイズにも多少無理がある。このあたりは、例のデカイ iPhone に期待するところだが、この手の機能もあまり過信するのもどうかと思うので、参考程度に留めておいた方が良かろう。

国道に入ってからは、生山の手前で再び国道183号線へ合流するまで、幾つかあるダム湖周辺の景色を楽しみながらの、至極平和な道程である。

問題は、生山から県道8号線へ戻って、来た道を再び帰るのかどうかである。

まずいことに、国道183号線は諏訪付近から新しく自動車専用道路として改修されており、わずか3km程でしかないのだが、それに乗ってしまうと県道へ戻る気がしなくなる。

ちなみに、グーグルのストリートビューでは、この近辺でサンライズ出雲と遭遇している。くそ〜運の良い奴め、とちょっと僻んでみたりするが、巡り合わせとはそういうもんだろうという、余談である。

以前訪れた経験により、当日の最終目的地である野馳駅は、備中神代から芸備線の下りに沿ってアプローチする方が近いことは分かっていた。

しかし、その流れでいくと岡山方面へ帰るには、路線とは全くかけ離れた国道182号線から神辺経由で国道486号線となり、あまり面白くはない。

だからといってこの上、福塩線を欲張るほど時間的、体力的にも余裕はないし…。

そこで帰り道として、少しでも芸備線に沿ったルートはとれないものかと画策してみた。備後落合まで足を延ばせば、路線に沿って東城経由で野馳駅にはなんとか到達できそうだ。

来た時と同じ道を、素直に帰るのが嫌いな性格も災いして、急遽庄原方面へ向かい、備後落合を回るルートに変更したのである。

一般道に戻ってからの国道183号線から眺める風景は、岡山県北で例えるなら、日本原あたりの景色に近い。

山間部の谷間を通る一般的な道と比べると、道路自体の標高が高い位置を通っているので、のんびり走っていても見晴らしが良く、そう飽きることはない。たぶん、普通の人はそう感じるに違いない。

で、普通でない人の場合は、つい刺激を求めて脇道に逸れてしまう。今回も、県道446号線との分岐点で、それは発症したのだ。

確証はないが、確か道後山駅の案内板が、この県道方向に向いていたような気がして、自然にそちらへハンドルを切っていた。

この県道、一般的な感覚からすると、少々過酷な道である。ぜひとも、林道446号線と改名するべきだ。

以前、仕事で出雲市に行った帰り、深夜になってしまい疲労も極限に達していた時のこと。

当時の、たしか iPhone 4 では山間部で全く役に立たず、地図帳を頼りに果敢にもショートカットを試みて、深夜の林道アタックをかけたことがある。

その道こそは、この県道446号線と道後山駅手前で合流する、林道444号線もとい県道444号線だったのだ。

ロクに月明かりもない深夜、途中で試しに停車してヘッドライトを消してみたら、それこそ深い穴にでも落ちたかのように、本当に真っ暗になるのだ。

何と言っても、死の連番444号線だ。あの恐怖は、いずれ快感になること請け合いである。一度お試しあれ。これも余談だが、間違っても走行中にはやらないように。

そんな愉快なルートをマキネン/アルトーネン気分で、何とかクリアしながらも国道314号線へ出た時は、道後山駅も既に通り過ぎており、今さら戻る気にもなれず今回はパスすることにした。

この近辺では、立ち寄る度に記念撮影をする日野原踏切も iPhone で済ませた。時刻はすでに17時近くになっており、あまり遊んでいると撮影自体が覚束なくなる。

林道446号線で少々疲れたので、秘境駅として名高い内名駅もスルーして、とりあえず小奴可駅と野馳駅に絞ることにした。

内名や道後山に比べたら、秘境駅というほどではない両駅であるが、全く人気のない駅とは異なり、辛うじて公共施設として駅の体裁は保っている。

実用面では、同じ路線上の駅である限り、大きな違いはないのかもしれないが、多少の生活感もないと魅力は半減するような気がしている。

野馳駅からの帰り道も、そのまま国道182号線などをまともに帰る玉ではない。

県道50号、県道313号、備中湖を経由して新成羽川ダムを横目に県道107号、県道33号、国道313号などを経て、備中高梁からやっと国道180号線へ戻るという、脱線ぶりである。

その間の、ありとあらゆる紆余曲折を語れば、切りがないルートであったが、詳細は割愛する。

後半は撮影もそっちのけで、ドライブに終始してしまったことも影響して、絵的にはそれほど満足といえるほどの収穫はなかった。

が、今夏の最後を飾る、鉄道ワサビシリーズの撮影行としては、まあこんなもんだろうと思う。


…ということで、ヒトツよろしく。
2014年09月某日 Hexagon/Okayama, Japan

http://www.hexagon-tech.com/
[2014.09.23] プチ芸備線 〜より転載&加筆修正
なお、本家には余談と写真も多数貼ってあるので、こちらもヒトツよろしく

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